有価証券報告書-第11期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)経営業績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、アジア諸地域を中心にがん領域を対象とする医薬品等の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。創業以来4つの医薬等候補品の開発に着手し、それらに対するこれまでの先行投資の結果として、2つの開発品について当局承認を得るに至りました。うち1製品は日本で2018年に販売が開始されており、もう1製品は中国で2019年の販売開始を予定しております。また残りの2つの開発品は、いずれも当局への承認申請に至る最終段階の臨床試験を実施している状況です。上記製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の臨床試験を複数行っていることから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。
バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字を計上しています(米国ナスダックバイオインデックス構成企業のうち、株式時価総額1,000億円超の企業は105社あり、うち営業赤字計上の企業は78社。本年1月28日現在。当社調べ)。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図ることへの評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループも、現時点においては、これら欧米バイオベンチャー企業と同様の事業戦略によって運営されております。
当連結会計年度は、既存4品目(開発品コード SP-01、SP-02、SP-03、SP-04)の開発の進捗並びにSP-01及びSP-03の中国における自社販売体制構築に注力いたしました。これらの主要な状況は以下のとおりです。
■SP-01 Sancuso®
経皮吸収型グラニセトロン製剤(効能又は効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)
現状 ・当社は、本開発品の中国、香港、マカオ、台湾、マレーシア、シンガポールの権利を有しております。そのうち香港、マカオ、台湾、マレーシア、シンガポール権利は協和発酵キリン株式会社に導出しております。
・2018年7月に中国当局より承認を取得し、2019年3月より販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。
・製品製造 :・市販用製品製造は完了しております。
・商流等構築:・伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。
・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり販売体制構築を行っております。
・他の中国諸地域では、Lee's Pharma 社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。
・当社の直接的な販売先は伊藤忠商事であり。同社への初回製品出荷は2018年中に行われました。
■SP-02 darinaparsin
ミトコンドリア標的アポトーシス誘導抗がん剤(予定効能又は効果:末梢性T細胞リンパ腫等)
現状 ・当社は、本開発品の全世界権利を有しております。
当社権利のうち、日本はMeiji Seika ファルマ株式会社に、南米はHB Human BioScience SAS社に、それぞれ販売権を導出しております。
・現在、日本、韓国、台湾、香港において、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相臨床試験を実施しております。
・当該臨床試験は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を経て、承認申請に至る最終試験の位置づけにて計画されており、本日現在、目標症例数の約90%の患者登録を完了しております。
予定 ・当該臨床試験への患者登録状況は上記のとおりです。これに基づき、当該臨床試験の終了は2019年中を予定しており、当該臨床試験結果が良好な場合、2020年に当局への承認申請を行うことを計画しております。
適応拡大 ・現在、他の血液がん等を対象とした非臨床試験を実施しております。
■SP-03 episil® 国内販売名:エピシル® 口腔用液
局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材(使用目的:化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和を物理的作用により行う)
・当社は、本開発品の日本、中国及び韓国の権利を有しております。
日本現状 ・2017年に日本当局より承認を取得し、2018年5月よりMeiji Seika ファルマ株式会社との販売にかかるライセンス契約のもと同社より販売が開始されております。
中国現状 ・2019年2月に中国当局より承認を取得し、販売準備を行っております。
・商流等構築:・伊藤忠商事と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。
・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり販売体制構築を行っております。
・他の中国諸地域では、Lee's Pharma 社との販売等のライセンス契約のもと、販売準備が行われております。
中国予定 ・2019年中の販売開始を想定しております。
韓国現状 ・2018年8月に独占的開発販売権を導入し、2019年3月に当局への承認申請を行っております。
■SP-04 Pledox®
細胞内スーパーオキシド除去剤(金属キレート剤)(予定効能又は効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)
・当社は、本開発品の日本、中国、韓国、香港及びマカオの権利を有しております。
現状 ・2018年12月に国際共同第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
予定 ・2020年中の当該臨床試験終了を予定しております。
■中国自社販売体制構築
自販戦略 ・SP-01及びSP-03の中国販売のうち、北京市・上海市・広州市では、製品販売利益の最大化と固定費管理を念頭に、自社での販売活動(セールス・マーケティング)を行います。
人的組織現状・既に下記3名の事業責任者を登用し、自販体制の基盤を構築いたしました。また、各製品を担当するプロダクトマネジャー、市販後の臨床試験等を担当するメディカルマネジャーなど主要メンバーの採用も完了しております。更に、北京市・上海市・広州市の地域毎に10名程度、合計30名程度のMR(medical representative:医薬情報担当者)を中心とする営業体制を整備しております。
中国事業General Manager、当社中国子会社総経理
略歴:元Roche中国癌領域事業部長等、医師(元上海第二医科大学付属第九人民病院)
中国子会社Marketing Director: マーケティング部長
略歴:元Roche, BMS, Sanofi等、医師(元上海第一人民病院救命救急)
中国子会社Sales Director: 営業部長
略歴:元Roche, BI等、医師(元蘇州市立医院心臓外科)
拠点現状 ・中国での自販活動は、当社100%子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.が担当いたします。
・上海市拠点、北京市拠点、広州市拠点の設置は完了しております。
上記のとおり、2018年5月より開発品SP-03の日本での製品販売が開始され、2018年7月の開発品SP-01の中国承認、及び2019年2月の開発品SP-03の中国承認等、大きな成果を納めるに至りました。一方、開発品SP-02と開発品SP-04の最終段階の臨床試験を推進していることから、事業全般としては先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなり、単年度損益として、営業損失及び当期損失が生じる結果となりました。
売上収益は318百万円(前期は410百万円)、営業損失は2,420百万円(前期は営業損失1,009百万円)、税引前当期損失は2,445百万円(前期は税引前当期損失1,016百万円)、当期損失は2,422百万円(前期は当期損失1,007百万円)です。売上収益は、SP-01及びSP-03の製品販売等による収益により構成されました。また、研究開発費は1,463百万円発生し、研究開発投資による無形資産の増加額は185百万円であり、合計1,649百万円を研究開発活動に投下いたしました。また、開発品SP-03の日本事業無形資産は製品販売を契機として償却を開始し、開発品SP-01の無形資産は当局承認を経た受注開始を契機として償却を開始しており、当事業会計年度において148百万円の償却費が発生しました。
② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3.伊藤忠商事㈱との契約に基づき、同社のグループ会社であるITOCHU Chemicals America Inc.に販売しています。
4.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針、注記事項4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。
経営成績
当連結会計年度において、当社グループは医薬品開発パイプラインの強化と事業化に注力しました。2018年5月より開発品SP-03(国内販売名:「エピシル® 口腔用液」、以下「エピシル」)の日本での製品販売が開始された他、2018年7月に開発品SP-01(中国販売名:善可舒®)の承認を得る等、開発パイプラインに対し、「5.研究開発活動」に記載のとおり一定の成果を納めるに至りましたが、開発品SP-02や開発品SP-04の臨床試験遂行等、未だ先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
(売上収益)
当連結会計年度に、エピシルの日本での製品販売、SP-01の承認を契機とするマイルストン収入及び製品販売等で318百万円を計上しました。尚、前連結会計年度の主な売上収益はエピシルの日本国内における医療機器製造販売承認取得に基づくマイルストン収入400百万円でした。よって、売上収益は同期間に比べ92百万円の減少となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度に、エピシル(日本)の製品販売及びSP-01のマイルストン収入及び製品販売等により売上総利益が105百万円生じましたが、前連結会計年度と比べ売上収益の変動要因同様に305百万円の減少となりました。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度と比べ690百万円増加し、1,463百万円となりました。これは主にSP-02の国際共同第Ⅱ相臨床試験(最終試験)やSP-04の国際共同第Ⅲ相臨床試験(最終試験)等への臨床開発投資によるものです。販売費及び一般管理費は、社内体制整備の進捗及び下記のとおりの無形資産償却費発生により、前連結会計年度と比べ414百万円増加し、1,061百万円となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損失は、前連結会計年度と比べ1,410百万円増加し、2,420百万円となりました。売上総利益が上記のとおりの水準に留まったほか、上記研究開発費、販売費及び一般管理費の発生により営業損失が生じています。
(当期損益)
当連結会計年度の当期損益は、上記営業損失計上を主要因として2,422百万円の損失となりました。
(資産性費用の無形資産計上と償却)
当連結会計年度において、パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等につき、185百万円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額185百万円と研究開発費1,463百万円の合計額1,649百万円となります。
また、開発品SP-03の日本事業無形資産は製品販売を契機として償却を開始し、開発品SP-01の無形資産は当局承認を得た受注開始を契機として償却を開始しており、当連結会計年度において148百万円の償却費が発生いたしました。
これらの結果、無形資産残高は3,123百万円となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローの状況
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ1,073百万円増加し、7,728百万円となりました。流動資産は4,504百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は4,046百万円です。非流動資産は3,224百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は3,123百万円です。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ195百万円増加し、641百万円となりました。流動負債は619百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は580百万円です。非流動負債は21百万円であり、繰延税金負債11百万円が主要構成要素です。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ878百万円増加し、7,087百万円となりました。主な増加要因は、公募増資等による新株発行3,309百万円によるものです。
なお、本書提出日現在、国内銀行との約定による融資枠(当座貸越契約及びコミットメントライン契約)の金額は3,500百万円であり、すべて未使用の状態にあります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,323百万円のマイナス(前連結会計年度は911百万円のマイナス)であり、税引前当期損失2,445百万円が主要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは256百万円のマイナス(前連結会計年度は537百万円のマイナス)であり、資産計上された開発投資に関連する支出205百万円が主要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは3,260百万円のプラス(前連結会計年度は3,781百万円のプラス)であり、主に公募増資による新株発行収入3,309百万円が主要因です。
③ 経営戦略と見通し
当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営成績及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。
a. 既存開発パイプラインの進捗
b. 中国における営業活動及び営業組織の管理
c. 新規開発パイプラインの拡充
d. 強固な販売パートナーシップの構築
e. 組織の強化
f. 内部統制の強化
g. 資金調達の実施
上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に渡り設定しており、当面は継続して推進する所存です。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営成績及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(研究開発費の資産計上)
日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上し、見積耐用年数により償却しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が185百万円減少し、販売費及び一般管理費が148百万円増加しています。
① 経営成績の状況
当社グループは、アジア諸地域を中心にがん領域を対象とする医薬品等の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。創業以来4つの医薬等候補品の開発に着手し、それらに対するこれまでの先行投資の結果として、2つの開発品について当局承認を得るに至りました。うち1製品は日本で2018年に販売が開始されており、もう1製品は中国で2019年の販売開始を予定しております。また残りの2つの開発品は、いずれも当局への承認申請に至る最終段階の臨床試験を実施している状況です。上記製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の臨床試験を複数行っていることから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。
バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字を計上しています(米国ナスダックバイオインデックス構成企業のうち、株式時価総額1,000億円超の企業は105社あり、うち営業赤字計上の企業は78社。本年1月28日現在。当社調べ)。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図ることへの評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループも、現時点においては、これら欧米バイオベンチャー企業と同様の事業戦略によって運営されております。
当連結会計年度は、既存4品目(開発品コード SP-01、SP-02、SP-03、SP-04)の開発の進捗並びにSP-01及びSP-03の中国における自社販売体制構築に注力いたしました。これらの主要な状況は以下のとおりです。
■SP-01 Sancuso®
経皮吸収型グラニセトロン製剤(効能又は効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)
現状 ・当社は、本開発品の中国、香港、マカオ、台湾、マレーシア、シンガポールの権利を有しております。そのうち香港、マカオ、台湾、マレーシア、シンガポール権利は協和発酵キリン株式会社に導出しております。
・2018年7月に中国当局より承認を取得し、2019年3月より販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。
・製品製造 :・市販用製品製造は完了しております。
・商流等構築:・伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。
・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり販売体制構築を行っております。
・他の中国諸地域では、Lee's Pharma 社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。
・当社の直接的な販売先は伊藤忠商事であり。同社への初回製品出荷は2018年中に行われました。
■SP-02 darinaparsin
ミトコンドリア標的アポトーシス誘導抗がん剤(予定効能又は効果:末梢性T細胞リンパ腫等)
現状 ・当社は、本開発品の全世界権利を有しております。
当社権利のうち、日本はMeiji Seika ファルマ株式会社に、南米はHB Human BioScience SAS社に、それぞれ販売権を導出しております。
・現在、日本、韓国、台湾、香港において、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相臨床試験を実施しております。
・当該臨床試験は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を経て、承認申請に至る最終試験の位置づけにて計画されており、本日現在、目標症例数の約90%の患者登録を完了しております。
予定 ・当該臨床試験への患者登録状況は上記のとおりです。これに基づき、当該臨床試験の終了は2019年中を予定しており、当該臨床試験結果が良好な場合、2020年に当局への承認申請を行うことを計画しております。
適応拡大 ・現在、他の血液がん等を対象とした非臨床試験を実施しております。
■SP-03 episil® 国内販売名:エピシル® 口腔用液
局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材(使用目的:化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和を物理的作用により行う)
・当社は、本開発品の日本、中国及び韓国の権利を有しております。
日本現状 ・2017年に日本当局より承認を取得し、2018年5月よりMeiji Seika ファルマ株式会社との販売にかかるライセンス契約のもと同社より販売が開始されております。
中国現状 ・2019年2月に中国当局より承認を取得し、販売準備を行っております。
・商流等構築:・伊藤忠商事と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。
・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり販売体制構築を行っております。
・他の中国諸地域では、Lee's Pharma 社との販売等のライセンス契約のもと、販売準備が行われております。
中国予定 ・2019年中の販売開始を想定しております。
韓国現状 ・2018年8月に独占的開発販売権を導入し、2019年3月に当局への承認申請を行っております。
■SP-04 Pledox®
細胞内スーパーオキシド除去剤(金属キレート剤)(予定効能又は効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)
・当社は、本開発品の日本、中国、韓国、香港及びマカオの権利を有しております。
現状 ・2018年12月に国際共同第Ⅲ相臨床試験を開始いたしました。
予定 ・2020年中の当該臨床試験終了を予定しております。
■中国自社販売体制構築
自販戦略 ・SP-01及びSP-03の中国販売のうち、北京市・上海市・広州市では、製品販売利益の最大化と固定費管理を念頭に、自社での販売活動(セールス・マーケティング)を行います。
人的組織現状・既に下記3名の事業責任者を登用し、自販体制の基盤を構築いたしました。また、各製品を担当するプロダクトマネジャー、市販後の臨床試験等を担当するメディカルマネジャーなど主要メンバーの採用も完了しております。更に、北京市・上海市・広州市の地域毎に10名程度、合計30名程度のMR(medical representative:医薬情報担当者)を中心とする営業体制を整備しております。
中国事業General Manager、当社中国子会社総経理
略歴:元Roche中国癌領域事業部長等、医師(元上海第二医科大学付属第九人民病院)
中国子会社Marketing Director: マーケティング部長
略歴:元Roche, BMS, Sanofi等、医師(元上海第一人民病院救命救急)
中国子会社Sales Director: 営業部長
略歴:元Roche, BI等、医師(元蘇州市立医院心臓外科)
拠点現状 ・中国での自販活動は、当社100%子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.が担当いたします。
・上海市拠点、北京市拠点、広州市拠点の設置は完了しております。
上記のとおり、2018年5月より開発品SP-03の日本での製品販売が開始され、2018年7月の開発品SP-01の中国承認、及び2019年2月の開発品SP-03の中国承認等、大きな成果を納めるに至りました。一方、開発品SP-02と開発品SP-04の最終段階の臨床試験を推進していることから、事業全般としては先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなり、単年度損益として、営業損失及び当期損失が生じる結果となりました。
売上収益は318百万円(前期は410百万円)、営業損失は2,420百万円(前期は営業損失1,009百万円)、税引前当期損失は2,445百万円(前期は税引前当期損失1,016百万円)、当期損失は2,422百万円(前期は当期損失1,007百万円)です。売上収益は、SP-01及びSP-03の製品販売等による収益により構成されました。また、研究開発費は1,463百万円発生し、研究開発投資による無形資産の増加額は185百万円であり、合計1,649百万円を研究開発活動に投下いたしました。また、開発品SP-03の日本事業無形資産は製品販売を契機として償却を開始し、開発品SP-01の無形資産は当局承認を経た受注開始を契機として償却を開始しており、当事業会計年度において148百万円の償却費が発生しました。
② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 医薬品事業(百万円) | 318 | △22.4% |
(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| Meiji Seikaファルマ株式会社 | 400 | 97.4 | 163 | 51.1 |
| ITOCHU Chemicals America Inc. | - | - | 126 | 39.6 |
| Lee's Pharmaceutical(HK)Limited | - | - | 22 | 7.1 |
| 協和発酵キリン株式会社 | 10 | 2.6 | 5 | 1.6 |
3.伊藤忠商事㈱との契約に基づき、同社のグループ会社であるITOCHU Chemicals America Inc.に販売しています。
4.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針、注記事項4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。
経営成績
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | |
| 売上収益 | 410 | 318 | △92 |
| 売上総利益 | 410 | 105 | △305 |
| 営業利益(△損失) | △1,009 | △2,420 | △1,410 |
| 当期利益(△損失) | △1,007 | △2,422 | △1,414 |
当連結会計年度において、当社グループは医薬品開発パイプラインの強化と事業化に注力しました。2018年5月より開発品SP-03(国内販売名:「エピシル® 口腔用液」、以下「エピシル」)の日本での製品販売が開始された他、2018年7月に開発品SP-01(中国販売名:善可舒®)の承認を得る等、開発パイプラインに対し、「5.研究開発活動」に記載のとおり一定の成果を納めるに至りましたが、開発品SP-02や開発品SP-04の臨床試験遂行等、未だ先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の業績は次のとおりとなりました。
(売上収益)
当連結会計年度に、エピシルの日本での製品販売、SP-01の承認を契機とするマイルストン収入及び製品販売等で318百万円を計上しました。尚、前連結会計年度の主な売上収益はエピシルの日本国内における医療機器製造販売承認取得に基づくマイルストン収入400百万円でした。よって、売上収益は同期間に比べ92百万円の減少となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度に、エピシル(日本)の製品販売及びSP-01のマイルストン収入及び製品販売等により売上総利益が105百万円生じましたが、前連結会計年度と比べ売上収益の変動要因同様に305百万円の減少となりました。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比(百万円) | |
| 研究開発費 | 773 | 1,463 | 690 |
| 販売費及び一般管理費 | 647 | 1,061 | 414 |
| 計 | 1,420 | 2,525 | 1,104 |
| (内訳)人件費 | 364 | 484 | 119 |
| 業務委託費・外注費 | 859 | 1,515 | 655 |
| その他 | 196 | 525 | 329 |
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の研究開発費は、前連結会計年度と比べ690百万円増加し、1,463百万円となりました。これは主にSP-02の国際共同第Ⅱ相臨床試験(最終試験)やSP-04の国際共同第Ⅲ相臨床試験(最終試験)等への臨床開発投資によるものです。販売費及び一般管理費は、社内体制整備の進捗及び下記のとおりの無形資産償却費発生により、前連結会計年度と比べ414百万円増加し、1,061百万円となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の営業損失は、前連結会計年度と比べ1,410百万円増加し、2,420百万円となりました。売上総利益が上記のとおりの水準に留まったほか、上記研究開発費、販売費及び一般管理費の発生により営業損失が生じています。
(当期損益)
当連結会計年度の当期損益は、上記営業損失計上を主要因として2,422百万円の損失となりました。
(資産性費用の無形資産計上と償却)
当連結会計年度において、パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等につき、185百万円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額185百万円と研究開発費1,463百万円の合計額1,649百万円となります。
また、開発品SP-03の日本事業無形資産は製品販売を契機として償却を開始し、開発品SP-01の無形資産は当局承認を得た受注開始を契機として償却を開始しており、当連結会計年度において148百万円の償却費が発生いたしました。
これらの結果、無形資産残高は3,123百万円となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | |
| 資産 | 6,655 | 7,728 | 1,073 |
| 負債 | 446 | 641 | 195 |
| 資本 | 6,208 | 7,087 | 878 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △911 | △2,323 | △1,411 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △537 | △256 | 280 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,781 | 3,260 | △521 |
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ1,073百万円増加し、7,728百万円となりました。流動資産は4,504百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は4,046百万円です。非流動資産は3,224百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は3,123百万円です。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ195百万円増加し、641百万円となりました。流動負債は619百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は580百万円です。非流動負債は21百万円であり、繰延税金負債11百万円が主要構成要素です。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ878百万円増加し、7,087百万円となりました。主な増加要因は、公募増資等による新株発行3,309百万円によるものです。
なお、本書提出日現在、国内銀行との約定による融資枠(当座貸越契約及びコミットメントライン契約)の金額は3,500百万円であり、すべて未使用の状態にあります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは2,323百万円のマイナス(前連結会計年度は911百万円のマイナス)であり、税引前当期損失2,445百万円が主要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは256百万円のマイナス(前連結会計年度は537百万円のマイナス)であり、資産計上された開発投資に関連する支出205百万円が主要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは3,260百万円のプラス(前連結会計年度は3,781百万円のプラス)であり、主に公募増資による新株発行収入3,309百万円が主要因です。
③ 経営戦略と見通し
当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営成績及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。
a. 既存開発パイプラインの進捗
b. 中国における営業活動及び営業組織の管理
c. 新規開発パイプラインの拡充
d. 強固な販売パートナーシップの構築
e. 組織の強化
f. 内部統制の強化
g. 資金調達の実施
上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に渡り設定しており、当面は継続して推進する所存です。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営成績及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(研究開発費の資産計上)
日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上し、見積耐用年数により償却しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が185百万円減少し、販売費及び一般管理費が148百万円増加しています。