有価証券報告書-第12期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)
(1)経営業績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、アジア諸地域を中心にがん領域を対象とする医薬品等の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。創業以来4つの医薬等候補品の開発に着手し、それらに対するこれまでの先行投資の結果として、2つの開発品について開発に成功し、販売開始に至りました。また残りの2つの開発品は、いずれも当局への承認申請に至る最終段階の臨床試験を実施している状況です。製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の臨床試験を複数行っていることから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。
バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字です(米国ナスダックバイオインデックス構成企業のうち、株式時価総額1,000億円超の企業は121社あり、うち営業赤字計上の企業は87社。本年1月31日現在。当社調べ)。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図ることへの評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループも、現時点においては、これら欧米バイオベンチャー企業と同様の事業戦略によって運営されております。
当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。
これら事業化を果たした製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に既存オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。
■SP-01 Sancuso®(中国販売名:善可舒®):中国での事業化
経皮吸収型制吐剤(効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)
・当社は、本製品の中国等の権利を有しております。当社権利のうち、中国では自社及び販売パートナーであるLee's Pharmaceutical (HK) Limited(以下、Lee's社)にて販売活動を行っております。
・台湾、香港等の権利は協和キリン株式会社に導出しております。
■SP-02 ダリナパルシン:日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中
新規化学療法剤(予定効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫等)
■SP-03 episil® oral liquid(国内販売名:エピシル® 口腔用液、中国販売名:益普舒®): 日本・中国・韓国での事業化
局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和)
・当社は、本製品の日本、中国(香港、マカオ含)及び韓国の権利を有しております。
■SP-04 PledOx®: 日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中
細胞内スーパーオキシド除去剤(予定効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)
・当社は、本開発品の日本、中国、韓国、香港及びマカオの権利を有しております。
・当社権利のうち、日本は2019年12月にマルホ株式会社に販売権等を導出いたしました。
■RNA編集技術を用いた創薬事業への取り組み
・当社は、2019年12月に九州大学発のバイオテク企業であるエディットフォース株式会社と共同研究開発契約を締結いたしました。中長期にわたる開発候補品獲得手段として、同社DNA/RNA編集技術を基にした新規がん領域医薬品等への展開を意図とする取り組みです。
■中国自社販売体制構築
上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の単年度損益業績は次のとおりとなりました。
売上収益は1,310百万円(前期は318百万円)、営業損失は1,762百万円(前期は営業損失2,420百万円)、税引前当期損失は1,797百万円(前期は税引前当期損失2,445百万円)、当期損失は1,867百万円(前期は当期損失2,422百万円)です。売上収益は、Sancuso®(SP-01)及びepisil®(SP-03)の製品販売等、SP-04日本権利の販売権導出にかかる契約一時金収入等により構成されました。また、研究開発費は1,138百万円発生し、研究開発投資による無形資産の増加額は780百万円であり、合計1,919百万円を研究開発活動に投下いたしました。また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及び、Sancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生しました。
② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針、注記事項4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。
経営成績
当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。
これら事業化が完了した製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に(既存)オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。
上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の(単年度損益)業績は次のとおりとなりました。
(売上収益、売上総利益)
売上収益は、SP-04日本権利の独占的販売権導出にかかる契約一時金収入1,000百万円、Sancuso®及びepisil®の製品販売収益等により合計1,310百万円生じ、前連結会計年度と比べ991百万円増加いたしました。また、売上総利益は、上記売上収益の発生により1,244百万円となり、前連結会計年度と比べ1,139百万円増加いたしました。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
(研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益)
研究開発費は1,138百万円発生いたしました。これは主にSP-02第Ⅱ相臨床試験(最終試験)やSP-04第Ⅲ相臨床試験(最終試験)等への臨床開発投資によるものです。販売費及び一般管理費は、中国販売体制を中心とする人的体制整備及び無形資産償却費発生を主因として前連結会計年度と比べ806百万円増加し、1,868百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は、1,762百万円の損失となりました。なお、当該損失額は前連結会計年度と比べ657百万円減少しております。
(当期損益)
当期損益は、上記営業損失計上を主要因として1,867百万円の損失となりました。
(資産性費用の無形資産計上と償却)
当連結会計年度において、開発パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等につき、780百万円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額780百万円と研究開発費1,138百万円の合計額1,919百万円となります。
また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及びSancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生いたしました。
これらの結果、無形資産残高は3,485百万円となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローの状況
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ217百万円増加し、7,946百万円となりました。流動資産は4,302百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は4,116百万円です。非流動資産は3,644百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は3,485百万円です。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ387百万円増加し、1,029百万円となりました。流動負債は925百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は800百万円です。非流動負債は103百万円であり、繰延税金負債65百万円が主要構成要素です。また本書提出日現在、国内銀行との約定による融資枠(当座貸越契約及びコミットメントライン契約)の金額は3,500百万円であり、すべて未使用の状態にあります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ170百万円減少し、6,917百万円となりました。主な増加要因は第三者割当増資等による新株発行1,704百万円であり、主な減少要因は当期損失1,867百万円です。
なお、2019年2月27日当社取締役会及び2019年3月29日当社株主総会の決議をもって、将来の剰余金配当や自社株取得等の株主還元策が可能な状況に当社財政状態を近接せしめ、今後の資本政策の柔軟性と機動性の向上を図ることを目的とし、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分(繰越利益剰余金の欠損填補)を行いました。但し、本件手続きは資本における勘定の振替であり、当社の資本合計に変更を生じせしめたものではありません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは828百万円のマイナス(前連結会計年度は2,323百万円のマイナス)であり、税引前当期損失1,797百万円(マイナス要因)及び無形資産償却費418百万円(プラス要因)等が主要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは735百万円のマイナス(前連結会計年度は256百万円のマイナス)であり、資産計上された開発投資に関連する支出730百万円が主要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,641百万円のプラス(前連結会計年度は3,260百万円のプラス)であり、第三者割当増資等による新株発行収入1,704百万円が主要因です。
③ 経営戦略と見通し
当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。
a. 既存開発パイプラインの進捗
b. 中国における営業活動及び営業組織の管理
c. 新規開発パイプラインの拡充
d. 強固な販売パートナーシップの構築
e. 組織の強化
f. 内部統制の強化
g. 資金調達の実施
上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に亘り設定しており、当面は継続して推進する所存です。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(研究開発費の資産計上)
日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上し、見積耐用年数により償却しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が780百万円減少し、販売費及び一般管理費が418百万円増加しています。
① 経営成績の状況
当社グループは、アジア諸地域を中心にがん領域を対象とする医薬品等の開発事業化に特化するスペシャリティファーマであり、バイオベンチャー企業の一種です。医薬品等の研究開発は臨床試験等を実施するために多額の先行投資を要し、かつその期間は中長期に亘ることから、収益確保、投資資金回収には相当程度の期間を要するものとなります。創業以来4つの医薬等候補品の開発に着手し、それらに対するこれまでの先行投資の結果として、2つの開発品について開発に成功し、販売開始に至りました。また残りの2つの開発品は、いずれも当局への承認申請に至る最終段階の臨床試験を実施している状況です。製品の販売開始により、投資資金回収の端緒に就いたものと認識しておりますが、医薬品等の研究開発過程において最大の投資が必要とされる最終段階の臨床試験を複数行っていることから、事業全般においては未だ先行投資を継続している状況にあります。
バイオベンチャー企業の成功事例を多数有する米国において、その大半の企業の単年度損益は赤字です(米国ナスダックバイオインデックス構成企業のうち、株式時価総額1,000億円超の企業は121社あり、うち営業赤字計上の企業は87社。本年1月31日現在。当社調べ)。これは、当該企業の単年度損益への評価に比して、有望な医薬品開発への先行投資を積極的に図ることへの評価が金融市場においてより重要視されていることによるものと考えられます。当社グループも、現時点においては、これら欧米バイオベンチャー企業と同様の事業戦略によって運営されております。
当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。
これら事業化を果たした製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に既存オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。
■SP-01 Sancuso®(中国販売名:善可舒®):中国での事業化
経皮吸収型制吐剤(効能・効果:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐)
・当社は、本製品の中国等の権利を有しております。当社権利のうち、中国では自社及び販売パートナーであるLee's Pharmaceutical (HK) Limited(以下、Lee's社)にて販売活動を行っております。
・台湾、香港等の権利は協和キリン株式会社に導出しております。
| 中国現状 | ・2019年3月18日より中国で販売を開始(臨床現場への提供:上市)いたしました。 ・2019年6月に中国臨床腫瘍学会(Chinese Society of Clinical Oncology: CSCO)が新たに発行した診療ガイドラインに、「がん治療時の標準的な制吐療法の選択肢」として新たに収載されました。 ・商流等構築: ・伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。 ・北京市・上海市・広州市の当社自販地域では、下記のとおり営業体制を整備し、販売促進活動を行っております。 ・他の中国諸地域では、Lee's社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。 ・当社会計上の販売先は伊藤忠商事グループです。 |
■SP-02 ダリナパルシン:日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中
新規化学療法剤(予定効能・効果:再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫等)
| ・当社は、本開発品の全世界権利を有しております。 ・当社権利のうち、日本はMeiji Seika ファルマ株式会社(以下、Meiji)に、南米はHB Human BioScience SAS社に、それぞれ販売権等を導出しております。 | |
| 日本等現状 | ・現在、日本、韓国、台湾及び香港において、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第Ⅱ相臨床試験を実施しております。 ・当該臨床試験は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議を経て、承認申請に至る最終試験の位置づけにて計画されており、2019年9月にすべての被験者(患者)の組入れを完了しております。 |
| 日本等予定 | ・2020年に第Ⅱ相臨床試験の結果の公表を予定しており、当該結果が良好な場合には、当局との最終協議を経て承認申請に移行する予定です。 |
| 適応拡大 | ・現在、他の血液がん等を対象とした非臨床試験を実施しております。 |
■SP-03 episil® oral liquid(国内販売名:エピシル® 口腔用液、中国販売名:益普舒®): 日本・中国・韓国での事業化
局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材(使用目的:がん等の化学療法や放射線療法に伴う口内炎で生じる口腔内疼痛の管理及び緩和)
・当社は、本製品の日本、中国(香港、マカオ含)及び韓国の権利を有しております。
| 日本現状 | ・Meijiとの販売にかかるライセンス契約のもと、同社より2018年5月から販売が開始されております。 |
| 中国 | ・2019年2月に中国当局より承認を取得し、同年7月19日に販売を開始いたしました。 ・商流等構築: ・伊藤忠商事と中国販売代理店契約を締結しており、同社及び同社グループ会社を活用した販路が構築されております。 ・北京市・上海市・広州市の当社自社販売地域では、下記のとおり営業体制を整備し、販売促進活動を行っております。 ・他の中国諸地域では、Lee's社との販売等のライセンス契約のもと、販売が行われております。 ・当社の会計上の販売先は、伊藤忠商事グループです。 |
| 韓国現状 | ・2019年3月に当局への承認申請を行い、10月に承認を取得いたしました。 ・2020年1月に韓国Synex社と販売権導出契約を締結いたしました。 |
| 韓国予定 | ・Synex社より、2020年内での販売開始を予定しております。 |
■SP-04 PledOx®: 日本を含むアジア(日本、韓国、台湾、香港)で開発中
細胞内スーパーオキシド除去剤(予定効能・効果:がん化学療法に伴う末梢神経障害)
・当社は、本開発品の日本、中国、韓国、香港及びマカオの権利を有しております。
・当社権利のうち、日本は2019年12月にマルホ株式会社に販売権等を導出いたしました。
| 日本等現状 | ・2018年12月に、日本、韓国、台湾及び香港において、mFOLFOX6治療を受ける大腸がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(POLAR-A, POLAR-M)を開始いたしました。 ・POLAR-A試験は、2019年12月に被験者の組入れを完了しております。 |
| 対象拡大 | ・2019年10月に、権利導入元であるPledPharma AB(以下、Pled社)と契約を更新し、共同で対象拡大のための開発を推進する方針について合意いたしました。現在、Pled社はパクリタキセル投与により生じる末梢神経障害を対象とした非臨床開発を実施しております。 |
| その他 | ・現在実施中の第Ⅲ相臨床試験(POLAR-A及びPOLAR-M)は、当社権利地域(日本、韓国、台湾及び香港)と欧米での国際共同臨床試験として遂行してまいりました。当該試験に関し、2020年2月及び3月に、複数の当局(米国FDA 及び 仏国ANSM)からの試験中断命令を受けたことに鑑み、被験者の安全性をより一層慎重に図る観点から、本第Ⅲ相臨床試験の全ての地域で患者募集及び治験薬投与について一時中断しております。 |
■RNA編集技術を用いた創薬事業への取り組み
・当社は、2019年12月に九州大学発のバイオテク企業であるエディットフォース株式会社と共同研究開発契約を締結いたしました。中長期にわたる開発候補品獲得手段として、同社DNA/RNA編集技術を基にした新規がん領域医薬品等への展開を意図とする取り組みです。
■中国自社販売体制構築
| 自販戦略 | ・Sancuso®(SP-01)及びepisil®(SP-03)の中国販売のうち、北京市・上海市・広州市では、製品販売利益の最大化と固定費管理を念頭に、自社での販売活動(セールス・マーケティング)を行っております。 |
| 人的組織現状 | ・下記3名の事業責任者を中心に、北京市・上海市・広州市の地域毎に10名程度、合計30名程度のMR(medical representative:医薬情報担当者)で構成する営業体制を運営しております。なお、本書提出日時点、当社及び当社子会社役職員において、新型コロナウイルス感染は認められておりません。 中国事業General Manager、当社中国子会社総経理 略歴:元Roche中国癌領域事業部長等、医師(元上海第二医科大学付属第九人民病院) 中国子会社Marketing Director、マーケティング部長 略歴:元Roche, BMS, Sanofi等、医師(元上海第一人民病院救命救急) 中国子会社Sales Director、営業部長 略歴:元Roche, BI等、医師(元蘇州市立医院心臓外科) |
| 拠点現状 | ・中国での自販活動は、当社100%子会社であるSolasia Medical Information Consulting (Shanghai) Co. Ltd.が担当しております。 ・上海市拠点、北京市拠点、広州市拠点を設置しております。 |
上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の単年度損益業績は次のとおりとなりました。
売上収益は1,310百万円(前期は318百万円)、営業損失は1,762百万円(前期は営業損失2,420百万円)、税引前当期損失は1,797百万円(前期は税引前当期損失2,445百万円)、当期損失は1,867百万円(前期は当期損失2,422百万円)です。売上収益は、Sancuso®(SP-01)及びepisil®(SP-03)の製品販売等、SP-04日本権利の販売権導出にかかる契約一時金収入等により構成されました。また、研究開発費は1,138百万円発生し、研究開発投資による無形資産の増加額は780百万円であり、合計1,919百万円を研究開発活動に投下いたしました。また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及び、Sancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生しました。
② 財政状態およびキャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、財政状態及びキャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループは生産活動を行っていませんので、該当事項はありません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていませんので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | |
| 金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
| 医薬品事業(百万円) | 1,310 | 311.1 |
(注)1.当社グループは、医薬品事業の単一セグメントです。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| マルホ株式会社 | - | - | 1,000 | 76.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの重要な会計方針及び見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項3.重要な会計方針、注記事項4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績及び分析は以下のとおりです。
経営成績
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | |
| 売上収益 | 318 | 1,310 | 991 |
| 売上総利益 | 105 | 1,244 | 1,139 |
| 営業利益(△損失) | △2,420 | △1,762 | 657 |
| 当期利益(△損失) | △2,422 | △1,867 | 554 |
当連結会計年度において、当社グループは引き続き医薬品等の開発パイプライン強化と事業化に注力いたしました。Sancuso®(SP-01)は、2019年3月に中国で販売を開始(臨床現場への提供)いたしました。episil®(SP-03)は、日本では2018年に販売を開始しておりますが、中国では2019年2月に当局承認を経て7月に販売を開始いたしました。また、episil®(SP-03)は、2019年10月に韓国でも承認を取得しております。
これら事業化が完了した製品のほか、2つの開発品が臨床開発の最終段階に到達しております。開発品SP-02の第Ⅱ相臨床試験(最終臨床試験)は2019年9月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。開発品SP-04の2つの第Ⅲ相臨床試験のうちPOLAR-A試験についても、2019年12月に被験者登録が目標症例数に到達いたしました。このほか、開発品SP-04は2019年10月に(既存)オキサリプラチン以外の化学療法による末梢神経障害にかかる権利を取得し、日本権利においては2019年12月にマルホ株式会社と独占的販売ライセンス契約を締結し、開発完了を見据えた事業化構築を図っております。
上記のとおり各開発品において一定の進捗はあるものの、企業財務面においては、製品販売が未だ初期段階にあることをもって先行投資が継続している状況にあります。このため、当連結会計年度の(単年度損益)業績は次のとおりとなりました。
(売上収益、売上総利益)
売上収益は、SP-04日本権利の独占的販売権導出にかかる契約一時金収入1,000百万円、Sancuso®及びepisil®の製品販売収益等により合計1,310百万円生じ、前連結会計年度と比べ991百万円増加いたしました。また、売上総利益は、上記売上収益の発生により1,244百万円となり、前連結会計年度と比べ1,139百万円増加いたしました。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比(百万円) | |
| 研究開発費 | 1,463 | 1,138 | △325 |
| 販売費及び一般管理費 | 1,061 | 1,868 | 806 |
| 計 | 2,525 | 3,006 | 481 |
| (内訳)人件費 | 484 | 648 | 163 |
| 業務委託費 | 1,515 | 1,415 | △100 |
| 減価償却費及び無形資産償却費 | 153 | 475 | 321 |
| その他 | 372 | 468 | 96 |
(研究開発費、販売費及び一般管理費、営業損益)
研究開発費は1,138百万円発生いたしました。これは主にSP-02第Ⅱ相臨床試験(最終試験)やSP-04第Ⅲ相臨床試験(最終試験)等への臨床開発投資によるものです。販売費及び一般管理費は、中国販売体制を中心とする人的体制整備及び無形資産償却費発生を主因として前連結会計年度と比べ806百万円増加し、1,868百万円となりました。売上総利益より研究開発費と販売費及び一般管理費を減じた営業損益は、1,762百万円の損失となりました。なお、当該損失額は前連結会計年度と比べ657百万円減少しております。
(当期損益)
当期損益は、上記営業損失計上を主要因として1,867百万円の損失となりました。
(資産性費用の無形資産計上と償却)
当連結会計年度において、開発パイプラインへの投資のうち資産性を有すると認識される開発費用等につき、780百万円を無形資産の増加として計上しました。当連結会計年度のパイプラインへの投資は、当該無形資産計上額780百万円と研究開発費1,138百万円の合計額1,919百万円となります。
また、episil®(SP-03)の中国事業無形資産は2019年6月の製品出荷(販売)を契機として償却を開始し、episil®(SP-03)の日本事業無形資産及びSancuso®(SP-01)の無形資産は前期より償却を開始しており、当連結会計年度において418百万円の償却費が発生いたしました。
これらの結果、無形資産残高は3,485百万円となりました。
財政状態及びキャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 前期比 (百万円) | |
| 資産 | 7,728 | 7,946 | 217 |
| 負債 | 641 | 1,029 | 387 |
| 資本 | 7,087 | 6,917 | △170 |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | △2,323 | △828 | 1,494 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △256 | △735 | △479 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | 3,260 | 1,641 | △1,619 |
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末と比べ217百万円増加し、7,946百万円となりました。流動資産は4,302百万円であり、そのうち現金及び現金同等物は4,116百万円です。非流動資産は3,644百万円であり、そのうち開発投資にかかる資産計上額である無形資産は3,485百万円です。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比べ387百万円増加し、1,029百万円となりました。流動負債は925百万円であり、そのうち営業債務及びその他の債務は800百万円です。非流動負債は103百万円であり、繰延税金負債65百万円が主要構成要素です。また本書提出日現在、国内銀行との約定による融資枠(当座貸越契約及びコミットメントライン契約)の金額は3,500百万円であり、すべて未使用の状態にあります。
(資本)
当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末と比べ170百万円減少し、6,917百万円となりました。主な増加要因は第三者割当増資等による新株発行1,704百万円であり、主な減少要因は当期損失1,867百万円です。
なお、2019年2月27日当社取締役会及び2019年3月29日当社株主総会の決議をもって、将来の剰余金配当や自社株取得等の株主還元策が可能な状況に当社財政状態を近接せしめ、今後の資本政策の柔軟性と機動性の向上を図ることを目的とし、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分(繰越利益剰余金の欠損填補)を行いました。但し、本件手続きは資本における勘定の振替であり、当社の資本合計に変更を生じせしめたものではありません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは828百万円のマイナス(前連結会計年度は2,323百万円のマイナス)であり、税引前当期損失1,797百万円(マイナス要因)及び無形資産償却費418百万円(プラス要因)等が主要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは735百万円のマイナス(前連結会計年度は256百万円のマイナス)であり、資産計上された開発投資に関連する支出730百万円が主要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは1,641百万円のプラス(前連結会計年度は3,260百万円のプラス)であり、第三者割当増資等による新株発行収入1,704百万円が主要因です。
③ 経営戦略と見通し
当社グループの事業は、医薬品開発パイプラインの強化と収益化を経営戦略の中心に据えて、事業展開を図っています。当社グループはベンチャー企業であり、一般の製薬企業に対し相対的に経営資源に制約があることから、開発成功確率を高めることを最重要視し、体制構築、開発品選定、臨床試験戦略の策定と実行を図っています。具体的な戦略は、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりの以下を遂行することにあります。
a. 既存開発パイプラインの進捗
b. 中国における営業活動及び営業組織の管理
c. 新規開発パイプラインの拡充
d. 強固な販売パートナーシップの構築
e. 組織の強化
f. 内部統制の強化
g. 資金調達の実施
上記諸戦略は、すべて戦略目標を中長期に亘り設定しており、当面は継続して推進する所存です。
(3) 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載のとおりです。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
(研究開発費の資産計上)
日本基準において費用処理している一部の研究開発費について、IFRSにおいては資産計上要件を満たすことから、無形資産に計上し、見積耐用年数により償却しています。この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べ研究開発費が780百万円減少し、販売費及び一般管理費が418百万円増加しています。