有価証券報告書-第19期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概況
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の激化や消費税増税に伴う個人消費等への影響が懸念される中、2月下旬からは新型コロナウイルス感染者の増加に伴う自粛の拡大が加わり、我が国を含む世界経済全体の不確実性はかつてないほどに高まっており、依然として先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の中、当社では「全国、全ての中小企業を黒字にする」という理念のもと、クラウドソリューション事業とコンテンツ事業を展開してまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は1,851,621千円(前年同期比14.8%増)、営業利益は257,590千円(同7.2%減)、経常利益は256,272千円(同3.1%減)、当期純利益は153,730千円(同19.9%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
クラウドソリューション事業
クラウドソリューション事業におきましては、パートナー企業によるIT・人材・マーケティング関連商材の開発、仕入れ及び営業支援を行っている「JDネット」サービスと経営課題解決エンジン「Jエンジン」を主軸にIT・人材・マーケティング・資金の4つの視点から経営課題の解決施策を提案するコンサルティングサービスを展開してまいりました。
JDネットにおきましては、新規パートナーの獲得によるパートナー網の拡大・既存パートナーに対する営業支援サービスの拡充・パートナー網を通じた商材販売の増加に取り組んでまいりました。
Jエンジンにおきましては、コンサルティングサービスでは公的支援制度活用支援サービスにおいて公的支援制度の受付締切となる年度末に需要が集中したことにより第4四半期で大きく伸長することが出来ました。また、HRソリューション商材は国内の人材不足・採用難を背景に堅調に推移してきたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により企業の採用需要が減退した結果、第4四半期は想定を下回りましたが、通期業績全体に及ぶ影響は軽微です。
また、売上高ほどに利益が伸長しなかった主な要因は、売掛金の回収実績を踏まえて貸倒引当金を保守的に計上し前期比89,101千円増加したことで、貸倒引当金繰入額が増加した影響です。
この結果、同セグメントの売上高は1,458,256千円(前年同期比19.2%増)、セグメント利益は424,484千円(同4.0%増)となりました。
コンテンツ事業
コンテンツ事業におきましては、業種、規模を問わず、様々な企業の「メール・Webマーケティング」等の企画制作を請負うサービスを展開しており、緩やかな景気の拡大に伴う市場環境に合わせサービスの受注拡大と生産性向上に努めてまいりました。ただし、売上は前年並みである一方で、労務費や外注費といった原価が増加し、利益が減少する厳しい結果となりました。
この結果、同セグメントの売上高は393,365千円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益は79,279千円(同30.0%減)となりました。
b.財政状態
当事業年度末の資産合計は1,982,379千円(前事業年度末比170,961千円増)となりました。
当事業年度末の負債合計は360,224千円(同16,464千円増)となりました。
当事業年度末の純資産合計は1,622,154千円(同154,497千円増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べ137,886千円増加し、1,496,233千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は162,330千円(前年同期比124.4%増)となりました。これは主に、税引前当期純利益255,680千円、貸倒引当金の増加額102,647千円を計上した一方で、売上債権の増加額124,206千円、法人税等の支払額89,678千円、仕入債務の減少額39,361千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は23,028千円(前年同期比375.0%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出12,600千円、投資有価証券の取得による支出10,000千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,414千円(前年同期は272,590千円の獲得)となりました。これは、自己株式の売却による収入801千円がありましたが、ファイナンス・リース債務の返済による支出2,181千円、自己株式の取得による支出34千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社の受注は、受注から納品までの期間が短く、受注に関する記載を省略しております。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| クラウドソリューション事業(千円) | 1,458,256 | 119.2 |
| コンテンツ事業 (千円) | 393,365 | 100.8 |
| 合計(千円) | 1,851,621 | 114.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
なお、当社の財務諸表の作成に当たって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
a. 貸倒引当金
当社が商材・サービスを販売する主なパートナー企業は比較的小規模で与信リスクの高い企業が多いため、パートナー企業に対する債権管理が重要です。現状、当社は1パートナー当たりの取引金額が少額であり、支払が遅延した際には取引を停止し、代金の回収後に取引を再開することで、代金回収の確実化を図っております。
回収可能性リスクは、パートナー企業の大幅な支払遅延や支払不能になる場合を含んでいます。
当社の会計方針として貸倒引当金を計上しており、この引当金は、売掛債権の未回収金額に対する見積りを反映しています。貸倒引当金は、過去の未入金の実績、現在の経済的な状況、並びにその他の関連する要因に基づき評価し、算定されています。この評価は性質上判断を要するものであり、重要な見積りを必要とするものです。
当社は、現在入手可能な情報に基づき貸倒引当金は十分であると考えていますが、(ⅰ)当社の見積りまたは仮定の変更、(ⅱ) 各パートナー企業の状況の変化等の情報の入手、又は(ⅲ) 経済状況等の変化により、追加の引当金が必要となる可能性があります。
これらの要因により貸倒引当金を大幅に増加させる必要が生じた場合、当社の将来の業績に悪影響を与える可能性があります。
貸倒引当金は少なくとも四半期ごとに見直しを行っており、その際には、引当金残高が将来発生する可能性のある損失をカバーするために十分な残高を有しているかどうかを判断するために、様々な仮定や要素を考慮しています。
b. 繰延税金資産
繰延税金資産の帳簿価額は、入手可能な証拠に基づいて回収可能性がないと考えられる場合、評価性引当金の計上により減額することが要求されます。
したがって、繰延税金資産に係る評価性引当金計上の要否は、繰延税金資産の回収可能性に関連する各種証拠を適切に検討することにより定期的に評価されます。この評価に関する当社の判断は、将来の収益性予測等を特に考慮します。
繰延税金資産の評価に関する見積りは、貸借対照表日時点で適用されている税制や税率に基づいておりますが、(ⅰ)当社の財務諸表及び税務申告書で認識されている事象に関して将来に起こり得る税務上の結果についての当社の判断と見積り、(ⅱ)税制や税率の改正、(ⅲ)経済状況の悪化や計画未達により、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性があります。すなわち、将来の結果が計画を下回る等の場合には、将来において追加的な評価性引当金の計上が要求される可能性があります。一方で、将来の予測される利益の改善、継続した利益の計上及びその他の要因によって、評価性引当金の取崩しが計上される可能性があります。
現在の見込みにおいて予想していないこれらの要因や変化は、評価性引当金が計上又は取崩される期間において、当社の業績又は財政状態に影響を与える可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(1) 財政状態の分析
(資産の部)
当事業年度末の資産合計は1,982,379千円となり、前事業年度末に比べ170,961千円増加しました。流動資産は1,852,391千円(前事業年度末比162,324千円増)となりました。これは主に現金及び預金が137,886千円、売掛金が71,821千円増加したものの、貸倒引当金が54,308千円増加したことによるものです。固定資産は129,988千円(同8,637千円増)となりました。これは主に長期未収入金が48,495千円、投資その他の資産が9,945千円、ソフトウエア仮勘定が5,920千円、ソフトウエアが3,346千円増加したものの、繰延税金資産が9,361千円、敷金が1,760千円減少し、貸倒引当金が48,338千円増加したことによるものです。
(負債の部)
当事業年度末の負債合計は360,224千円となり、前事業年度末に比べ16,464千円増加しました。流動負債は357,226千円(前事業年度末比13,789千円減)となりました。これは主に買掛金が39,361千円、預り金が2,720千円減少したものの、その他流動負債が19,833千円、未払金が17,999千円、未払法人税等が16,251千円、前受金が2,085千円増加したことによるものです。固定負債は2,997千円(同2,674千円増)となりました。これはリース債務が2,674千円増加したことによるものです。
(純資産の部)
当事業年度末の純資産合計は1,622,154千円となり、前事業年度末に比べ154,497千円増加しました。これは利益剰余金が152,163千円増加し、自己株式が2,334千円減少したことによるものです。
(2) 経営成績の分析
クラウドソリューション事業におきましては、パートナー企業によるIT・人材・マーケティング関連商材の開発、仕入れ及び営業支援を行っている「JDネット」サービスと経営課題解決エンジン「Jエンジン」を主軸にIT・人材・マーケティング・資金の4つの視点から経営課題の解決施策を提案するコンサルティングサービスを展開してまいりました。
JDネットにおきましては、新規パートナーの獲得によるパートナー網の拡大・既存パートナーに対する営業支援サービスの拡充・パートナー網を通じた商材販売の増加に取り組んでまいりました。
Jエンジンにおきましては、コンサルティングサービスでは公的支援制度活用支援サービスにおいて公的支援制度の受付締切となる年度末に需要が集中したことにより第4四半期で大きく伸長することが出来ました。また、HRソリューション商材は国内の人材不足・採用難を背景に堅調に推移してきたものの、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により企業の採用需要が減退した結果、第4四半期は想定を下回りましたが、通期業績全体に及ぶ影響は軽微です。
また、売上高ほどに利益が伸長しなかった主な要因は、売掛金の回収実績を踏まえて貸倒引当金を保守的に計上し前期比89,101千円増加したことで、貸倒引当金繰入額が増加した影響です。
コンテンツ事業におきましては、業種、規模を問わず、様々な企業の「メール・Webマーケティング」等の企画制作を請負うサービスを展開しており、緩やかな景気の拡大に伴う市場環境に合わせサービスの受注拡大と生産性向上に努めてまいりました。ただし、売上は前年並みである一方で、労務費や外注費といった原価が増加し、利益が減少する厳しい結果となりました。
この結果、当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ238,628千円増加し1,851,621千円となり、営業利益は、前事業年度に比べ19,924千円減少し257,590千円となりました。
経常利益および当期純利益は、前事業年度に比べ経常利益が8,282千円減少し256,272千円に、当期純利益が前事業年度に比べ38,201千円減少し153,730千円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、経営成績に重要な影響を与える要因が存在しております。
そのため、当社は常に市場動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し、市場ニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を低減し、適切に対応を行ってまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社は現金及び現金同等物並びに営業活動によりキャッシュ・フローを資金の源泉としており、運転資金及び設備投資に係る資金需要に対しては自己資金で対応しております。
なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,496,233千円となっております。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は中長期的な企業価値の向上を達成するために、売上高成長率および売上高営業利益率を重視しており、収益性を意識しながら、拡大、成長を実現していくことを目標としております。
当事業年度末における各指標の状況は次のとおりであります。
| 前事業年度 (2019年3月31日) | 当事業年度 (2020年3月31日) | 対前年同期比 | |
| 売上高 | 1,612,993千円 | 1,851,621千円 | 14.8%増 |
| 売上高営業利益率 | 17.2% | 13.9% | 3.3ポイント減 |
(7) 経営戦略の現状と見通し
当社といたしましては、「全国、すべての中小企業を黒字にする」という理念のもと、インターネット関連技術を活用し、様々な業種の中小・零細企業に対し総合的な経営支援、Web活用マーケティング支援を主たる業務として展開しておりますが、中小企業向け市場には当社の成長機会が存在する見通しであると考えております。
(8) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社では今後も中小企業向け市場に当社の成長機会が存在すると考えております。そういった中、クラウドソリュ-ション事業では、既存のコンサルティング分野、マーケティング関連分野に加え、成長市場であるHR分野の新商材を投入して中小・零細企業の需要を掘り起こしてまいります。
また、コンテンツ事業では、インターネット広告制作市場の拡大に対応できる体制づくりと企画・開発に関する「ノウハウ」と「制作リソース」の活用と蓄積を念頭に置き、それを強みに企業規模や業種を問わずあらゆる顧客層からの企画制作案件を受託できるという有利なポジションの確立を目指していきます。