有価証券報告書-第9期(2022/09/01-2023/08/31)

【提出】
2023/11/29 12:44
【資料】
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【項目】
121項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社の主要な事業領域である電子書籍市場については、2021年度の市場規模は5,510億円であり、そのうちコミックが占める割合は84.6%、2022年度の市場規模は6,026億円と前年度から9.4%増加し、そのうちコミックが占める割合も86.3%の5,199億円と増加していることから、近年コミック市場の規模は拡大傾向にあるといえます。
また、2027年度には電子書籍市場は2022年度の約1.3倍の8,066億円に拡大すると予想されていることから、当社としては今後も市場拡大のトレンドは継続していくと見込んでおります。(インプレス総合研究所の「電子書籍ビジネス調査報告書2023」より)
このような環境の中、当社は、「日常に&を届ける」をミッションとして掲げ、中核事業となるAPP事業において、主に大手出版社と共同開発したスマートフォン向けのマンガアプリの収益拡大に注力してまいりました。
当事業年度においては、APP事業の主力事業であるマンガ事業では広告市況の悪化に伴い広告ARPU(注1)が低下したため広告収益は減少しましたが、課金率の高いアプリが好調に推移したことや人気作品の牽引によって課金売上が増加いたしました。エンタメ事業では占い事業が好調に推移し、APP事業全体で売上高及び営業利益ともに前年同期を上回って着地しました。
RET事業においては、入国規制の緩和により外国籍の宿泊者数が増加傾向にあることで「&AND HOSTEL」の稼働率は徐々に回復傾向にあり、平均単価はコロナ禍以前の水準にまで回復しております。一方、前年同期には一時的なコンサルティング収入を計上したため、前年同期と比較して売上高及び営業利益ともに減少いたしました。
以上の結果、当事業年度における売上高は2,979,047千円(前年同期比5.1%増)、営業利益146,093千円(前年同期比121.1%増)、経常利益113,671千円(前年同期は経常損失144,147千円)、当期純利益79,670千円(前年同期は当期純損失350,379千円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
(APP事業)
当事業年度において、出版社や株式会社アムタスと協業で運営している7つのマンガアプリについて、効率的な広告宣伝費の投下やキャンペーンを積極的に実施したことが奏功し、新規ユーザーの獲得が順調に推移しました。さらに、既存ユーザーの継続を促す施策等を実施したことでユーザーが定着し、MAU(注2)は高水準を維持しております。
新型コロナウイルス感染症の影響による広告市況全体の悪化等が影響し、広告ARPUは下降傾向にあり広告収益は減少いたしましたが、人気コンテンツの掲載や課金率の高い作品の牽引によって課金売上は増加しました。
更に、既存マンガアプリの追加機能開発や新サービスの開発に係る初期開発収入等を受領したことも売上高を押し上げました。
この結果、当事業年度におけるAPP事業の売上高は2,928,420千円(前年同期比8.8%増)、セグメント利益は556,510千円(前年同期比4.4%増)となりました。
(注)1.Average Revenue Per Userの略称であり、ユーザー一人当たりの収益単価であります。
2.Monthly Active Userの略称であり、1ヶ月に一度でもアプリを利用したユーザーの数を指します。
当社のAPP事業において運営するスマートフォンアプリのうち、「マンガアプリ」の四半期毎の平均MAU数の推移は下表のとおりであります。
(単位:万人)
年月平均MAU数年月平均MAU数
2017年5月末312020年8月末994
2017年8月末652020年11月末1,026
2017年11月末1082021年2月末1,054
2018年2月末1502021年5月末1,056
2018年5月末2042021年8月末1,101
2018年8月末2382021年11月末1,046
2018年11月末2792022年2月末1,044
2019年2月末3622022年5月末1,121
2019年5月末4302022年8月末1,152
2019年8月末5322022年11月末1,129
2019年11月末6412023年2月末1,105
2020年2月末7202023年5月末1,140
2020年5月末9062023年8月末1,161

(RET事業)
当事業年度において、当社が運営する宿泊施設である「&AND HOSTEL」では、入国規制緩和の影響もあり、外国籍の宿泊者からの予約が増加し各店舗で稼働率及び平均単価が回復基調となりました。また、一部店舗における契約見直しを実施した結果、当社が収受する売上高及び負担費用が圧縮されました。
一方、不動産関連売上及びその他収益は、当事業年度において一部賃貸借契約が終了したことにより、不動産賃貸収入が減少したことに加え、前年同期にはコンサルティング収入がスポットで発生したため、前年同期と比較すると売上高及び営業利益が減少いたしました。
この結果、当事業年度におけるRET事業の売上高は50,627千円(前年同期比63.1%減)、セグメント損失は68,006千円(前年同期はセグメント損失54,109千円)となりました。
(その他事業)
前事業年度までは、他のセグメントに属さない新技術等を用いたエンターテイメント領域の企画検討等を実施しておりましたが、収益確保が見込めないため当事業年度においては継続しないことと判断いたしました。
この結果、当事業年度におけるその他事業の売上高は0千円(前年同期比100.0%減)、セグメント損失は628千円(前年同期はセグメント損失38,454千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における総資産は5,275,373千円となり、前事業年度末に比べ419,975千円増加いたしました。これは主に敷金及び保証金が195,125千円減少した一方、現金及び預金が446,232千円、仕掛品が49,720千円、立替金が33,830千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は4,154,707千円となり、前事業年度末に比べ159,695千円減少いたしました。これは主に解約損失引当金が179,534千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が52,136千円、短期借入金が60,000千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,120,665千円となり、前事業年度末に比べ579,670千円増加いたしました。これは主に株式会社セプテーニ・ホールディングスへの第三者割当増資により資本金が249,999千円及び資本剰余金が249,999千円増加したことに加え、利益剰余金が79,670千円増加したことによるものであります。
なお、自己資本比率は21.2%(前事業年度末は11.1%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度に比べて446,232千円増加し、925,363千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果使用した資金は、71,012千円(前事業年度は32,058千円の支出)となりました。これは主に税引前当期純利益の計上80,914千円、未払金の増加額68,702千円、減価償却費の計上54,785千円があった一方で、解約違約金の支払額162,455千円、未収入金の増加額65,290千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果得られた資金は、131,669千円(前事業年度は69,401千円の収入)となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出47,042千円があった一方で、敷金及び保証金の回収による収入196,645千円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果得られた資金は、385,575千円(前事業年度は332,938千円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出277,136千円があった一方で、長期借入れによる収入225,000千円、株式の発行による収入497,711千円があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a 生産実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b 受注実績
当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
APP事業2,928,420108.8
RET事業50,62736.9
その他--
合計2,979,047105.1

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2021年9月1日
至 2022年8月31日)
当事業年度
(自 2022年9月1日
至 2023年8月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社スクウェア・エニックス868,36430.6761,82425.6
株式会社小学館402,05314.2452,02815.2
株式会社集英社483,49317.1441,94114.8
SBペイメントサービス株式会社241,6438.5387,57813.0
株式会社アムタス143,1755.1308,02810.3


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
当社が財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は2,979,047千円(前年同期比5.1%増)となりました。これは主にAPP事業においてマンガ事業及びエンタメ事業の収益が増加したことによるものであります。
(売上総利益)
当事業年度の売上原価は、1,217,694千円(前年同期比0.8%増)となりました。これは主に、事業拡大に伴い労務費が602,408千円(前年同期比0.7%増)、経費が706,048千円(前年同期比13.0%増)となったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の売上総利益は1,761,353千円(前年同期比8.4%増)となりました。
(営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は1,615,259千円(前年同期比3.6%増)となりました。これは主に広告宣伝費が917,923千円(前年同期比6.0%増)となったことによるものであります。
以上の結果、当事業年度の営業利益は146,093千円(前年同期比121.1%増)となりました。
(経常利益)
営業外収益の主な内訳は、補助金収入4,217千円(前年同期比372.0%増)、営業外費用の主な内訳は、支払利息31,556千円(前年同期比5.2%増)であります。
以上の結果、当事業年度の経常利益は113,671千円(前年同期は経常損失144,147千円)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の法人税等(法人税等調整額を含む)は1,244千円(前年同期比67.1%減)となりました。
以上の結果、当事業年度の当期純利益は79,670千円(前年同期は当期純損失350,379千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の主な資金需要は、当社のサービスを効果的に拡大していくための広告宣伝費及び開発等に係る人件費であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資やM&A等によるものであります。これらの資金需要につきましては、必要な資金を自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社は、外部環境の変化に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保することにより経営成績に重要な影響を与える可能性のあるリスク要因を分散、低減し、適切に対応を行ってまいります。

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