有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの営業の業容では、契約実行高は1,996億57百万円(前連結会計年度比24.6%減)、営業資産残高は7,341億43百万円(前連結会計年度比441億29百万円減)となりました。
損益面では、新型コロナウイルス感染症の影響により契約実行高が前連結会計年度を下回りましたが、前連結会計年度までの営業資産の積み上げや再リース契約が順調に推移したこと、また、第2四半期以降は国内外の経済活動再開に伴う中古車市場の回復などを受け、売上高は3,936億53百万円(前連結会計年度比0.8%減)、営業利益は158億42百万円(前連結会計年度比26.7%増)、経常利益は158億70百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は124億31百万円(前連結会計年度比97.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より105億49百万円増加し、268億62百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、713億17百万円の収入(前連結会計年度は66億41百万円の支出)となりました。主な収入の要因は、賃貸資産減価償却費972億47百万円、税金等調整前当期純利益158億19百万円、リース債権及びリース投資資産の減少額110億50百万円、売上債権の減少額110億9百万円であり、主な支出の要因は、賃貸資産の増加額713億17百万円、法人税等の支払額39億円であります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億43百万円の支出(前連結会計年度は40億7百万円の支出)となりました。これは主に社用資産の取得による支出20億40百万円等によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、587億61百万円の支出(前連結会計年度は179億73百万円の収入)となりました。主な支出の要因は、長期借入金の返済による支出866億49百万円、コマーシャル・ペーパーの純減額390億円、自己株式の取得による支出250億円であり、主な収入の要因は、長期借入れによる収入786億58百万円、社債の発行による収入199億9百万円であります。
③ 営業取引の状況
a 契約実行高
当連結会計年度における契約実行実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の契約実行高の記載は省略しております。
b 営業資産残高
前連結会計年度及び当連結会計年度における営業資産残高は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の営業資産残高の記載は省略しております。
c 営業実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における営業実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の営業実績の記載は省略しております。
前連結会計年度
当連結会計年度
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 事業環境
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年度の国内新車販売台数が前年度を下回る中、自動車リース業界においても、リース契約台数(一般社団法人日本自動車リース協会連合会発表)は前年度比2.7%減の160万2,787台、内新車リース契約台数は前年度比8.3%減の69万7,358台といずれも減少となりました。
リース契約台数は前年度を下回っておりますが、他業種が新たな収益獲得機会のツールとしてリースの取扱いを強化していることや、個人向けリースが浸透してきたことなどを背景に、リース車両保有台数(登録車及び軽自動車)は、下記グラフ(一般社団法人日本自動車リース協会連合会発表数値を元に作成)のとおり増加傾向にあります。
そのような環境のもと、今後は在宅勤務によるテレワークの浸透などのコロナ禍での新しいライフスタイルが確立されていく中で、法人・個人ともに自動車については、保有・リース・カーシェアリング等の多種多様な選択肢の中から検討されるものと考えられ、自動車リース会社も今まで以上にお客さまのニーズに対応できるサービスを提供していくとともに、コスト競争力の維持、向上への努力も必要となります。

③ 事業活動
このような環境のもと、当社グループは安定した収益を確保し、持続的な成長への軌道を確立すべく、2018年度を初年度とする中期経営計画の最終年度(2020年度)では、目指す姿の実現に向け、SMASフリート株式会社を吸収合併いたしました。また、モビリティサービス開発の加速に加えて各種商品・サービスの提供を強力に推進してまいりました。
a 「オートサービス」から「モビリティサービス」への進化
自動車産業は、コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化といったトレンドを中心にパラダイムシフトの渦中にあり、中期経営計画に基づき事業領域の拡大に取組んでまいりました。従来型の自動車リースの枠を越えて、レンタル・シェアリング・公共交通機関などを組み合わせたモビリティマネジメントの提供を目指し、「モビリティソリューション開発プロジェクト」のテーマのもと、開発・リリースを進めております。また、2020年4月に新設した「モビリティソリューション推進本部」を中心に、各種商品・サービスの機能追加、アップデート等を行い、より利便性や質の高い商品・サービスの提供を強力に推進しております。
2020年11月には車両補償部分を対人・対物などの賠償部分と分離した、既存の自動車保険では提供できない特徴を持つ少額短期保険商品の提供に向け、i-SMAS少額短期準備株式会社(現 i-SMAS少額短期保険株式会社)を設立いたしました。2021年7月の営業開始に向けて準備を進めております。
b 連結純利益100億円以上を安定的に稼ぎ、更なる飛躍を可能とする事業・経営基盤の確立
当社は、2020年4月に完全子会社であるSMASフリート株式会社を吸収合併するとともに、システム統合を完了いたしました。人材の融合やシステムデータの統合も順調に進み、業務フロー・オペレーションを共通化したことにより、業務委託費やシステム費用の削減を実現いたしました。
当社及び関係会社が連携し、大口法人・中小口法人・個人マーケットの領域においてそれぞれの強みを発揮し、サービスの提供に取組んでおります。2020年度からは三井住友ファイナンス&リース株式会社との双方向での営業連携にも注力しております。
業務改善の一環としまして、業務・事務の効率化を図るべく、一部業務のアウトソース化を実現し、社員をより生産性の高い業務にシフトできる体制を構築いたしました。
c 「量」から「質」への転換と「連結保有管理台数100万台規模」の両立
有限な経営資源を最大限に有効活用すべく、採算の見直しを進め、状況に応じて取引の謝絶を行うなど、収益性の追求を継続的に実施してきたことにより、質を伴った資産の積み上げが着実に進んでおります。
「連結保有管理台数100万台規模」については、新型コロナウイルス感染症の拡大により新規契約の獲得が落ち込みましたが、前連結会計年度に引続き達成しております。
④ 財政状態の分析
a 資産の状況
当連結会計年度末の営業資産残高は前連結会計年度末比441億29百万円減の7,341億43百万円となり、総資産は前連結会計年度末比405億41百万円減の9,073億87百万円となりました。
b 資金調達の状況
ア 資金調達の方針
当社グループは資金調達基盤を強化していくことにより、事業の持続的成長に必要な資金量を安定的に確保するとともに、資金調達コストの圧縮を通じて収益力の向上を図ることを基本方針としております。多数の有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、優良な格付を背景とした資本市場における社債、コマーシャル・ペーパーの発行等により、調達手段の多様化を行っております。また、固定金利での長期資金調達を中心とする、保守的な資金調達を行っており、更にALMの実施により、金利リスクや流動性リスク等の各種リスクを適切にコントロールしております。
イ 資金調達の状況
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比273億63百万円減の7,246億77百万円となりました。この内、長期借入金残高は前連結会計年度末比59億75百万円減の5,367億87百万円、短期借入金残高は同19億88百万円減の705億89百万円、コマーシャル・ペーパーによる調達残高は同390億円減の460億円となりました。
また、社債を200億円新規に発行したことにより、社債残高は700億円となりました。社債新規発行200億円の内、100億円はグリーンボンドとして発行しており、環境負荷の低いハイブリッド車や電気自動車等の新規購入資金に充てております。
ウ 格付の状況
当連結会計年度末において、当社は次のとおり格付機関から格付を取得しております。
c 純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げによる利益剰余金の増加の一方で、自己株式の取得や剰余金の配当の実施による利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末比133億77百万円減の1,128億2百万円となりました。この結果、自己資本比率は11.8%となりました。
⑤ 経営成績等の分析
a 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症の影響の中、新規契約の獲得が落ち込んだ状況ではありましたが、前連結会計年度までの営業資産の積み上げ効果や再リース契約が順調に推移したこともあり、売上高は3,936億53百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。リース収益は順調に積み上がり、また、第2四半期以降は中古車市場の回復に伴い、リース契約満了時におけるリース車両の売却益の増加もあり売上総利益は580億20百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。販売費及び一般管理費については、新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金の積み増しもありましたが、テレワーク等により交通費などの販売費全般が低く抑えられたこと、また、SMASフリート株式会社との合併によるシステム関連費用等の削減もあり、営業利益は158億42百万円(前連結会計年度比26.7%増)、経常利益は158億70百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。また、SMASフリート株式会社との合併に伴う繰延税金資産の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は124億31百万円(前連結会計年度比97.1%増)となりました。
営業資産及び売上総利益の推移は次のグラフのとおりです。営業資産残高は新型コロナウイルス感染症の影響により前連結会計年度を下回っておりますが、採算の見直しを推し進めたことなどを背景に、質を伴う良質な営業資産を積み上げており、売上総利益は堅調な推移を示しております。

新型コロナウイルス感染症の拡大における当社への影響につきましては、第1四半期においては中古車市場の悪化に伴うリース車両の売却益減少に加え、リース料の支払猶予要請の一時的な増加などがありましたが、第2四半期以降は国内外の経済再開に伴う中古車市場の回復や、政府や金融機関の公的支援等により支払猶予要請件数も落ち着きを見せるなど、深刻な影響は発生しておりません。しかしながら、政策や金融機関の方針によっては企業倒産等による与信事故の増加の可能性もあり、引続き注視してまいります。
b キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸資産をはじめとする営業資産の購入資金であります。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響等により契約実行高が前連結会計年度を下回るなど、営業資産の新規購入が低い水準となりました。これにより営業活動によるキャッシュ・フローは713億17百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、2020年4月にSMASフリート株式会社との合併に伴うシステム統合を実施いたしました。これにより第1四半期はシステム統合関連の支払いが発生しました。また、モビリティソリューション開発に向けた投資も継続して行っております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いた残りについては、主にコマーシャル・ペーパーの償還や、自己株式の取得に充当しております。
今後の営業資産の購入及びシステム投資をはじめとした資金需要に対応するため、長期借入金や社債、コマーシャル・ペーパー及び短期借入金により、持続的成長に必要な資金量の安定的な確保に努めております。また、当社グループは、社債の発行登録を1,500億円、コマーシャル・ペーパーの発行枠を2,400億円設定しており、機動的に資金調達が出来る体制を構築しております。
加えて、当社グループでは流動性の確保を更に強化するため取引金融機関等と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は前連結会計年度末比350億円減の2,616億円となりました。当連結会計年度末の当座貸越契約及びコミットメントライン契約による借入未実行残高は1,975億50百万円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
なお、日常的な手元流動性については、営業関連収支やコマーシャル・ペーパーの借換えを含む財務関連収支の安全性確保に必要且つ十分な残高を維持する方針とし、更に、資金調達の手段・タイミングを分散することによって流動性管理の安定化を図っております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う不測の事態に備えるため、日々の手元流動性の水準を引上げており、当連結会計年度末における現金及び預金残高は、前連結会計年度末比105億49百万円増の268億62百万円となりました。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの営業の業容では、契約実行高は1,996億57百万円(前連結会計年度比24.6%減)、営業資産残高は7,341億43百万円(前連結会計年度比441億29百万円減)となりました。
損益面では、新型コロナウイルス感染症の影響により契約実行高が前連結会計年度を下回りましたが、前連結会計年度までの営業資産の積み上げや再リース契約が順調に推移したこと、また、第2四半期以降は国内外の経済活動再開に伴う中古車市場の回復などを受け、売上高は3,936億53百万円(前連結会計年度比0.8%減)、営業利益は158億42百万円(前連結会計年度比26.7%増)、経常利益は158億70百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。結果、親会社株主に帰属する当期純利益は124億31百万円(前連結会計年度比97.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローにつきましては、現金及び現金同等物は前連結会計年度末より105億49百万円増加し、268億62百万円となりました。
a 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、713億17百万円の収入(前連結会計年度は66億41百万円の支出)となりました。主な収入の要因は、賃貸資産減価償却費972億47百万円、税金等調整前当期純利益158億19百万円、リース債権及びリース投資資産の減少額110億50百万円、売上債権の減少額110億9百万円であり、主な支出の要因は、賃貸資産の増加額713億17百万円、法人税等の支払額39億円であります。
b 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億43百万円の支出(前連結会計年度は40億7百万円の支出)となりました。これは主に社用資産の取得による支出20億40百万円等によるものであります。
c 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、587億61百万円の支出(前連結会計年度は179億73百万円の収入)となりました。主な支出の要因は、長期借入金の返済による支出866億49百万円、コマーシャル・ペーパーの純減額390億円、自己株式の取得による支出250億円であり、主な収入の要因は、長期借入れによる収入786億58百万円、社債の発行による収入199億9百万円であります。
③ 営業取引の状況
a 契約実行高
当連結会計年度における契約実行実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の契約実行高の記載は省略しております。
| セグメントの名称 | 契約実行高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 自動車リース事業 | 199,657 | 75.4 |
b 営業資産残高
前連結会計年度及び当連結会計年度における営業資産残高は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の営業資産残高の記載は省略しております。
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 期末残高(百万円) | 期末残高(百万円) | |
| 自動車リース事業 | 778,273 | 734,143 |
c 営業実績
前連結会計年度及び当連結会計年度における営業実績は次のとおりであります。なお、当社グループは、自動車リース事業の単一セグメントであるため、セグメント別の営業実績の記載は省略しております。
前連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 自動車リース事業 | 396,645 | 337,974 | 58,670 | 1,988 | 56,681 |
当連結会計年度
| セグメントの名称 | 売上高 (百万円) | 売上原価 (百万円) | 差引利益 (百万円) | 資金原価 (百万円) | 売上総利益 (百万円) |
| 自動車リース事業 | 393,653 | 333,482 | 60,171 | 2,150 | 58,020 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 事業環境
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年度の国内新車販売台数が前年度を下回る中、自動車リース業界においても、リース契約台数(一般社団法人日本自動車リース協会連合会発表)は前年度比2.7%減の160万2,787台、内新車リース契約台数は前年度比8.3%減の69万7,358台といずれも減少となりました。
リース契約台数は前年度を下回っておりますが、他業種が新たな収益獲得機会のツールとしてリースの取扱いを強化していることや、個人向けリースが浸透してきたことなどを背景に、リース車両保有台数(登録車及び軽自動車)は、下記グラフ(一般社団法人日本自動車リース協会連合会発表数値を元に作成)のとおり増加傾向にあります。
そのような環境のもと、今後は在宅勤務によるテレワークの浸透などのコロナ禍での新しいライフスタイルが確立されていく中で、法人・個人ともに自動車については、保有・リース・カーシェアリング等の多種多様な選択肢の中から検討されるものと考えられ、自動車リース会社も今まで以上にお客さまのニーズに対応できるサービスを提供していくとともに、コスト競争力の維持、向上への努力も必要となります。

③ 事業活動
このような環境のもと、当社グループは安定した収益を確保し、持続的な成長への軌道を確立すべく、2018年度を初年度とする中期経営計画の最終年度(2020年度)では、目指す姿の実現に向け、SMASフリート株式会社を吸収合併いたしました。また、モビリティサービス開発の加速に加えて各種商品・サービスの提供を強力に推進してまいりました。
a 「オートサービス」から「モビリティサービス」への進化
自動車産業は、コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化といったトレンドを中心にパラダイムシフトの渦中にあり、中期経営計画に基づき事業領域の拡大に取組んでまいりました。従来型の自動車リースの枠を越えて、レンタル・シェアリング・公共交通機関などを組み合わせたモビリティマネジメントの提供を目指し、「モビリティソリューション開発プロジェクト」のテーマのもと、開発・リリースを進めております。また、2020年4月に新設した「モビリティソリューション推進本部」を中心に、各種商品・サービスの機能追加、アップデート等を行い、より利便性や質の高い商品・サービスの提供を強力に推進しております。
2020年11月には車両補償部分を対人・対物などの賠償部分と分離した、既存の自動車保険では提供できない特徴を持つ少額短期保険商品の提供に向け、i-SMAS少額短期準備株式会社(現 i-SMAS少額短期保険株式会社)を設立いたしました。2021年7月の営業開始に向けて準備を進めております。
b 連結純利益100億円以上を安定的に稼ぎ、更なる飛躍を可能とする事業・経営基盤の確立
当社は、2020年4月に完全子会社であるSMASフリート株式会社を吸収合併するとともに、システム統合を完了いたしました。人材の融合やシステムデータの統合も順調に進み、業務フロー・オペレーションを共通化したことにより、業務委託費やシステム費用の削減を実現いたしました。
当社及び関係会社が連携し、大口法人・中小口法人・個人マーケットの領域においてそれぞれの強みを発揮し、サービスの提供に取組んでおります。2020年度からは三井住友ファイナンス&リース株式会社との双方向での営業連携にも注力しております。
業務改善の一環としまして、業務・事務の効率化を図るべく、一部業務のアウトソース化を実現し、社員をより生産性の高い業務にシフトできる体制を構築いたしました。
c 「量」から「質」への転換と「連結保有管理台数100万台規模」の両立
有限な経営資源を最大限に有効活用すべく、採算の見直しを進め、状況に応じて取引の謝絶を行うなど、収益性の追求を継続的に実施してきたことにより、質を伴った資産の積み上げが着実に進んでおります。
「連結保有管理台数100万台規模」については、新型コロナウイルス感染症の拡大により新規契約の獲得が落ち込みましたが、前連結会計年度に引続き達成しております。
④ 財政状態の分析
a 資産の状況
当連結会計年度末の営業資産残高は前連結会計年度末比441億29百万円減の7,341億43百万円となり、総資産は前連結会計年度末比405億41百万円減の9,073億87百万円となりました。
b 資金調達の状況
ア 資金調達の方針
当社グループは資金調達基盤を強化していくことにより、事業の持続的成長に必要な資金量を安定的に確保するとともに、資金調達コストの圧縮を通じて収益力の向上を図ることを基本方針としております。多数の有力な金融機関と良好な取引関係を維持し継続的に借入を行っていくとともに、優良な格付を背景とした資本市場における社債、コマーシャル・ペーパーの発行等により、調達手段の多様化を行っております。また、固定金利での長期資金調達を中心とする、保守的な資金調達を行っており、更にALMの実施により、金利リスクや流動性リスク等の各種リスクを適切にコントロールしております。
イ 資金調達の状況
当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度末比273億63百万円減の7,246億77百万円となりました。この内、長期借入金残高は前連結会計年度末比59億75百万円減の5,367億87百万円、短期借入金残高は同19億88百万円減の705億89百万円、コマーシャル・ペーパーによる調達残高は同390億円減の460億円となりました。
また、社債を200億円新規に発行したことにより、社債残高は700億円となりました。社債新規発行200億円の内、100億円はグリーンボンドとして発行しており、環境負荷の低いハイブリッド車や電気自動車等の新規購入資金に充てております。
ウ 格付の状況
当連結会計年度末において、当社は次のとおり格付機関から格付を取得しております。
| 格 付 機 関 | 長 期 格 付 | 短 期 格 付 |
| 株式会社格付投資情報センター(R&I) | A | a-1 |
c 純資産の状況
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の積み上げによる利益剰余金の増加の一方で、自己株式の取得や剰余金の配当の実施による利益剰余金の減少等により、前連結会計年度末比133億77百万円減の1,128億2百万円となりました。この結果、自己資本比率は11.8%となりました。
⑤ 経営成績等の分析
a 経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、新型コロナウイルス感染症の影響の中、新規契約の獲得が落ち込んだ状況ではありましたが、前連結会計年度までの営業資産の積み上げ効果や再リース契約が順調に推移したこともあり、売上高は3,936億53百万円(前連結会計年度比0.8%減)となりました。リース収益は順調に積み上がり、また、第2四半期以降は中古車市場の回復に伴い、リース契約満了時におけるリース車両の売却益の増加もあり売上総利益は580億20百万円(前連結会計年度比2.4%増)となりました。販売費及び一般管理費については、新型コロナウイルス感染症の影響による貸倒引当金の積み増しもありましたが、テレワーク等により交通費などの販売費全般が低く抑えられたこと、また、SMASフリート株式会社との合併によるシステム関連費用等の削減もあり、営業利益は158億42百万円(前連結会計年度比26.7%増)、経常利益は158億70百万円(前連結会計年度比34.6%増)となりました。また、SMASフリート株式会社との合併に伴う繰延税金資産の計上もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は124億31百万円(前連結会計年度比97.1%増)となりました。
営業資産及び売上総利益の推移は次のグラフのとおりです。営業資産残高は新型コロナウイルス感染症の影響により前連結会計年度を下回っておりますが、採算の見直しを推し進めたことなどを背景に、質を伴う良質な営業資産を積み上げており、売上総利益は堅調な推移を示しております。

新型コロナウイルス感染症の拡大における当社への影響につきましては、第1四半期においては中古車市場の悪化に伴うリース車両の売却益減少に加え、リース料の支払猶予要請の一時的な増加などがありましたが、第2四半期以降は国内外の経済再開に伴う中古車市場の回復や、政府や金融機関の公的支援等により支払猶予要請件数も落ち着きを見せるなど、深刻な影響は発生しておりません。しかしながら、政策や金融機関の方針によっては企業倒産等による与信事故の増加の可能性もあり、引続き注視してまいります。
b キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、賃貸資産をはじめとする営業資産の購入資金であります。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響等により契約実行高が前連結会計年度を下回るなど、営業資産の新規購入が低い水準となりました。これにより営業活動によるキャッシュ・フローは713億17百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローについては、2020年4月にSMASフリート株式会社との合併に伴うシステム統合を実施いたしました。これにより第1四半期はシステム統合関連の支払いが発生しました。また、モビリティソリューション開発に向けた投資も継続して行っております。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差引いた残りについては、主にコマーシャル・ペーパーの償還や、自己株式の取得に充当しております。
今後の営業資産の購入及びシステム投資をはじめとした資金需要に対応するため、長期借入金や社債、コマーシャル・ペーパー及び短期借入金により、持続的成長に必要な資金量の安定的な確保に努めております。また、当社グループは、社債の発行登録を1,500億円、コマーシャル・ペーパーの発行枠を2,400億円設定しており、機動的に資金調達が出来る体制を構築しております。
加えて、当社グループでは流動性の確保を更に強化するため取引金融機関等と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は前連結会計年度末比350億円減の2,616億円となりました。当連結会計年度末の当座貸越契約及びコミットメントライン契約による借入未実行残高は1,975億50百万円であり、資金の流動性は十分に確保されております。
なお、日常的な手元流動性については、営業関連収支やコマーシャル・ペーパーの借換えを含む財務関連収支の安全性確保に必要且つ十分な残高を維持する方針とし、更に、資金調達の手段・タイミングを分散することによって流動性管理の安定化を図っております。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う不測の事態に備えるため、日々の手元流動性の水準を引上げており、当連結会計年度末における現金及び預金残高は、前連結会計年度末比105億49百万円増の268億62百万円となりました。