有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/19 15:00
【資料】
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【項目】
138項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。併せて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要な影響を与えると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 法的規制による影響
当社は、建設業法、建築基準法、建築士法、下請法、貨物利用運送事業法等、様々な法規制下にあります。そのため、内部統制システムの整備・維持を図り各種法令等の遵守に努めておりますが、当社がこれらの法的規制に違反した場合には、罰金、業務停止その他の制裁が課され、当社の社会的評価、信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。今後、さらに規制が強化された場合には、事業活動が制限される可能性があります。
また、当社は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下「廃棄物処理法」という。)に基づいて、産業廃棄物処理業者に収集運搬及び処理を委託しております。当社が廃棄物処理法における(委託処理に係る契約書未作成、マニフェスト虚偽記載等)一定の要件に抵触した場合、行政処分等がなされる可能性があり、こちらについても、当社の風評、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
なお、当社の事業活動に際して、建設業法に定める建設業の許可を得ております。現在、当該許可が取消しとなる事由はありません。しかしながら、当社が何らかの事情により許可の取消し等が生じた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
許認可等の名称許認可番号等/有効期間規制法令免許取消条項等
特定建設業許可
(建築工事業許可)
(内装仕上工事業許可)
国土交通大臣 (特-30) 第22593号
2018年12月5日~2023年12月4日
建設業法第29条

(2) 過去の廃棄物処理法違反に伴うリスク
当社は、法規制に関する知識不足から、過年度において、工事請負受注に際して排出される建設廃棄物につき廃棄物処理法第21条の3により、元請業者である当社が排出事業者となる旨の認識が不十分であったため、廃棄物の処理業者と直接に廃棄物処理委託契約を締結せず、その結果として、下請となる協力会社を排出業者として建設廃棄物の処理委託等をしていた期間があります。
本件については、既に当社内にて厳格な法令遵守体制の構築及び再発防止策の策定、関係行政機関に対して上記違反について行政相談を実施する等、過去の法令違反に対する法的リスクの低減に努めております。また、万が一、上記建設廃棄物について適切に処理委託等されず不法投棄されていた事実が発覚した場合、それらにつき当社が排出事業者となる建設廃棄物であると判明したときには、その処分費用の発生可能性があります。現在まで、これらの違反について行政処分や係争、紛争はございませんが、その応対等により、当社の風評、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品・施工の欠陥にともなうリスク
当社は、付加価値の高いオフィスを提供できるよう努めておりますが、協力会社から納品された製品の欠陥や施工不良により第三者が損害を被った場合、当該製品や施工不良の対応に多大な費用負担を余儀なくされ、瑕疵担保責任に基づく民事賠償責任を負う可能性があります。これらのリスクが顕在化した場合には、社会的評価が低下するなど、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(4) オフィス需要の動向
当社は、オフィスの移転や新規事業所の開設を行う見込みの企業等に対して市場開拓を行っているため、経済環境の悪化及び企業業績の低迷等による移転や新規事業所の開設の減少、既存顧客からのリピートの減少等により、当社の業績が悪化する可能性があります。
(5) 売上計上時期の期ずれについて
当社に起因しない何らかの事情により、工期延長等が発生しお客様への引渡しが予定していた期間よりも遅れることがあります。当社は工事完成基準及び工事進行基準を採用しておりますので、結果として売上計上時期にずれが生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人員の確保と育成
当社の事業は、顧客の問題・ニーズに合わせてデザイナーズオフィスの提案及びデザイナーズオフィスの設計・施工を行っており、そのために専門性の高い熟練した従業員の確保と育成が必要であり、かかる従業員の確保と育成ができない場合や、新たに従業員を採用するための費用や人件費が当社の想定を超えて高騰した場合、また、人材の育成が想定通り進捗しない等の理由によりデザイナーズオフィスの受注獲得件数が当社の想定通りに伸びない場合には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7) 現経営陣への依存
当社経営陣は、デザイナーズオフィスの提供に関する豊富な経験と知識を有しており、当社の経営方針・利益計画の策定及び執行に対する管理等につき、重要な役割を果たしております。このため、当社は、現経営陣に依存しない体制の構築に努めておりますが、予期せぬ事情により、現経営陣が退任した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(8) 内部管理体制に関するリスク
当社は、企業価値の継続的な向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能することが不可欠であると認識しております。業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保のための内部統制システムの適切な運用、さらに健全な倫理観に基づく法令遵守を徹底するため、内部管理体制の充実を図ってまいります。しかしながら、業務の急速な拡大により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(9) 協力会社への外注
当社は、工事・施工を協力会社に外注しております。協力会社の管理を徹底するよう努めておりますが、万が一協力会社の管理が徹底できないことによる施工品質の低下や現場における事故、廃棄物処理法の違反等の協力会社による不正行為、工事案件の増加や外注費の高騰及び工期の延長等が発生した場合、当社信用度の低下及び損害賠償責任の負担等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(10) 類似他社との競合リスク
当社は、顧客のニーズに対応した付加価値の高いデザイナーズオフィスを提供することに全力を挙げて取り組んでおります。類似業界としては内装工事業がありますが、類似他社に対して十分な競争力を確保できない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(11) システムに関するリスク
自然災害、停電等様々な原因により、当社のサーバーがシステムダウンを起こし、業務ができない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しておりますが、万が一想定を超えるシステム障害が発生した場合には、業務負荷に伴い当社サービスの低下等が発生し、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(12) 新株予約権の権利行使に伴う株式希薄化のリスク
当社では、役員及び従業員に新株予約権を付与しております。今後も業績向上等、当社の成長に貢献すると考えられる役員及び従業員には、新株予約権の付与を行っていく方針であります。そのため、これらの新株予約権の行使がされた場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
(13) 大株主について
当社の代表取締役である中村勇人は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社クレドの所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の95.3%を所有しております。本売出しによって所有株式の一部を売却する予定ではありますが、引続き大株主となる見込みであります。同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
(14) 新規事業の立ち上げが売上や利益の拡大につながらないリスク
当社は、事業の拡大及び経営の安定化のため、VISビル事業を展開していく方針であります。しかしながら、管掌部署等の組織整備や不動産賃貸運営のノウハウを有する人材の採用等、運営管理体制の確立等をこれから進めていく段階であることから、これらの整備に相当程度の時間を要した場合、事業が計画通りに進まず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、計画通り進んだとしても、事業が本格的に稼働し、安定的な収益を生むまでに相当程度の時間を要した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15) 建替のリスク
当社は、VISビル事業計画の進行にあたり、既存ビルの建替を予定しております。建築工事費の高騰、新規ビル建築に伴う施工不良、工事遅延により完成時期の遅延及び追加の費用が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16) 不動産賃貸に関するリスク
当社は、VISビル事業の稼働に伴い不動産賃貸を予定しておりますが、景気動向や経済情勢等により賃料下落や空室区画の増加が発生する可能性があります。また、テナントの退去及び利用状況等によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、現時点において見積もっている将来的な建設費用や内装工事費等の金額等について、計画の前提としている足下の外部環境条件が悪化し、現在想定している水準から乖離する可能性があります。
(17) 減損リスク
当社がVISビル事業のために取得した不動産の時価の著しい低下や事業の収益性が悪化し、回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(18) 災害等により保有物件の価値が毀損するリスク
当社は、VISビル事業を展開する上で、大阪府大阪市に固定資産を保有しており、今後は大阪府以外の地域においても当事業を展開するための固定資産を取得する方針であります。当該地域を中心に地震、台風、大雨、落雷等の自然災害が発生し、固定資産が毀損・劣化した場合には、復旧に相応の時間と費用等が必要となる可能性があり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(19) 資金使途に関するリスク
今回計画している公募増資による資金調達の使途につきましては、VISビル事業の設備投資、新規採用の人件費、借入金の返済等に充当する予定であります。しかしながら、急速に変化する事業環境に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用した場合においても、想定した投資効果が得られない可能性があります。