有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/11/20 15:00
【資料】
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【項目】
128項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社のコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方は、健全で透明性が高く、効率的で開かれた経営を実現することにあります。そのためには、少数の取締役による迅速な意思決定及び取締役相互間の経営監視とコンプライアンスの徹底、株主等のステークホルダーを重視した透明性の高い経営、ディスクロージャーの充実とアカウンタビリティーの強化が必要と考えております。
当社は、取締役の任期を1年とし、毎年株主による信任の機会を設け、緊張感を持った経営を行い、コンプライアンスの強化・定着に努めております。また、重要な経営情報等について、タイムリーかつ適切な情報開示を行うとともに、ステークホルダーと双方向のコミュニケーションを行うことにより、経営の透明性を高め、市場との信頼関係を構築することに努めていく方針であります。当社は、コーポレート・ガバナンスの強化を経営上の重要な課題の一つと認識しており、その施策として取締役会の活性化、情報管理体制の強化及び法令遵守の徹底等を推進しております。
内部統制システムは、経営環境に応じた迅速な意思決定と業務執行の効率化を図るとともに、情報の共有と積極的な意見交換を行い、取締役会に付議する事項の検討や各部門の月次の業務推進状況の把握、営業戦略上の施策の協議・検討を目的とした会議を定例的に開催しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は監査役会制度を採用しており、取締役会及び監査役会を中心としたコーポレート・ガバナンス体制を構築することで、取締役会の意思決定と取締役の業務執行を適正に監督及び監視しております。更に、監督及び監視を強化するため、社外取締役及び社外監査役を選任しております。また、監査役会、内部監査人及び監査法人の連携により、監査体制をより強化しております。
(a) 取締役会・取締役
取締役会は、社外取締役1名を含む取締役5名で構成され、会社法で定められた事項及び当社の経営に関する重要事項について審議・決議するとともに、取締役の業務執行を監督しております。
また、毎月の営業状況や業績の報告が行われ、経営課題等について審議・決議しており、原則として定時取締役会を毎月1回、必要に応じて臨時取締役会を開催し、状況に応じた迅速な意思決定と社内への浸透を図っております。また、監査役も出席し、適宜意見を述べることで経営に関する適正な牽制機能を果たしております。
(b) 監査役会・監査役
監査役会は、常勤監査役1名及び非常勤監査役2名の計3名(うち2名は社外監査役)で構成されております。監査役会では、監査方針・監査計画を策定し、各監査役は当該計画に従って取締役会の参加等を通じて監査しております。また、監査役会では各監査役の監査結果の報告を受けて審議しており、必要に応じて社長又は取締役会へ勧告・助言を行うこととしております。原則として監査役会は毎月1回、必要に応じて臨時に監査役会を開催しております。
(c) 部長会
部長会は、各部の課題と改善策及び会社全体の運営方針を協議する場として、定例で月1回開催しております。
部長会は取締役、部長、監査役、その他特に指名された者を出席者とし、協議を経て議長である代表取締役が決定致します。
(d) コンプライアンス・リスク管理委員会
コンプライアンス・リスク管理委員会は、リスク管理規程に基づき、リスク管理に関わる対応方針を協議する場として、定例で月1回開催しております。同委員会は委員長である代表取締役が任命した者を委員としています。
(e) 関連当事者取引検証委員会
当社はWDBホールディングス株式会社の子会社であり、同社の上場子会社となることから、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」に基づき、2019年8月より、関連当事者取引検証委員会を設置しました。関連当事者取引検証委員会は取締役会の諮問機関と位置付けており、独立社外役員3名にて構成し、委員長は社外取締役である横川堅太が務めております。
全ての関連当事者取引は、本委員会より意見表明を受けた上で、取締役会で検証することとし、関連当事者取引に対する牽制体制を構築しております。
(f) 指名報酬委員会
当社はWDBホールディングス株式会社の子会社であり、同社の上場子会社となることから、一般株主との間に利益相反関係が発生するリスクが存在することを踏まえ、「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」に基づき、2019年11月より、指名報酬委員会を設置しました。指名報酬委員会は取締役会の諮問機関と位置付けており、代表取締役社長、独立社外役員3名、常勤監査役にて構成され、委員長は社外監査役である大井理が務めております。本委員会は取締役の人事及び報酬制度に関する審議・取締役会に対する答申を行うことにより経営の客観性と合理性を高め、企業価値の最大化を図ることを目的としています。
(g) 内部監査人
当社の内部監査は、内部監査人が、「内部監査規程」に基づき、法令、定款及び社内規程の遵守状況並びに職務の執行手続及び内容の妥当性等について、監査を実施しております。
当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。

ロ.当該体制を採用する理由
当社は、監査役会設置会社であり、業務執行に対して、取締役会による監督と監査役による監査という二重のチェック体制を取っております。また、社外取締役及び社外監査役が、取締役会にて独立性の高い立場から発言を行い、客観的かつ中立的な立場から監督及び監視を行う一方で、監査役、内部監査人及び会計監査人が業務執行を把握できるよう連携を強化することで、社内外からの経営監視機能が十分に発揮される体制が確保できていることから、本体制を採用しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備の状況
当社は会社法及び会社法施行規則に基づく業務の適正を確保するための体制の整備を目的として、2019年1月28日開催の取締役会において、内部統制システムの基本方針について決議致しました。当該方針に従って、以下のとおり内部統制システムを整備・運用しております。
(a) 取締役及び従業員の職務執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・取締役及び従業員は、コンプライアンスマニュアル等の行動規範に基づいて、高い倫理感と良心をもって職務遂行にあたり、社会倫理、法令、定款及び社内諸規程を遵守するとともに、社会規範に沿った責任ある行動をとるものとします。
・取締役会は、取締役会規則、職務権限規程等の職務の執行に関する社内規程を定め、従業員は定められた社内規程に従い業務を執行します。
・代表取締役直轄の内部監査人を設置し、内部監査規程に基づき、業務執行及びコンプライアンスの状況等について定期的に監査を実施し、その評価を代表取締役に報告するものとします。なお、法令遵守に関する社内教育研修は経営管理部、研修グループが連携して行うものとし、法令遵守体制の整備及び推進に努めるものとします。
・風通しの良い組織風土の維持に留意し、社内においてコンプライアンス違反行為の懸念がある時には、迅速な報告・連絡・相談が行われるよう、従業員等からの情報を反映する内部通報制度を整備し、情報伝達経路を確保します。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理については、管理部門を管掌する取締役を担当役員とし、職務執行に係る情報を文書又は電磁的情報により適切に記録し、文書管理規程に定められた期間保存・管理をするものとします。なお、取締役及び監査役は、これらの文書等を常時閲覧できるものとします。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
リスク管理規程に基づきコンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、当社のリスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図ることとし、リスクを一元的に俯瞰し、リスクを洗い出し、リスクを予防し、またリスクが現実化した場合は迅速かつ的確に対応することにより被害を最小限に食い止め、再発を防止し、企業価値の保全を図ります。また、法律違反行為等のコンプライアンス上問題のある行為の内部通報については、内容に応じて、同委員会が事実関係を調査し対応を協議します。
(d) 取締役の職務執行が効率的に行われることを確保するための体制
・コーポレート・ガバナンスの理念に基づき、取締役会規程等の経営基本事項に係る規程、組織・業務分掌規程、職務権限規程等の業務組織及び意思決定ルールを定める社内規程の運用により、適正かつ効率的に取締役の職務を執行できる体制を確保します。
・取締役会を毎月開催し、月次決算及び業務報告を行い、取締役の職務執行状況の監督を行うとともに、重要な業務執行についての意思決定を行うものとします。また、経営会議については原則毎月開催し、日常の業務執行の確認や協議を行ない、取締役会への付議議案についての意思決定プロセスの明確化及び透明性の確保を図ります。
(e) 当社ならびに親会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社は、業務の運営及び取引において親会社からの独立性を保つことを方針とし、親会社と当社の利益が相反するおそれのある親会社との取引を行うに当たっては、取締役会で審議のうえ、決定します。また、親会社と利害関係のない社外取締役ならびに社外監査役を置くことにより、親会社との業務の適正を確保します。なお、当社は子会社を有しておりません。将来において子会社を設置する場合には、必要な体制等を整備します。
(f) 監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めた場合における当該従業員に関する事項
内部監査人が協力するとともに、監査役がその職務を補助すべき従業員を置くことを求めたときは、会社は当社の従業員から監査役補助者を任命するものとします。
(g) 前号の従業員の取締役からの独立性に関する事項及び当該従業員に対する監査役の指示の実効性に関する事項
監査役補助者を設置する場合には、その人事に関しては監査役会の同意を必要とし、当該従業員の人事評価及び人事異動等において予め監査役会と協議します。また、監査役より監査に関する業務指示を受けた当該従業員は、当該指示に関して取締役の指示を受けず、取締役から独立してその職務を遂行します。
(h) 取締役及び従業員が監査役に報告するための体制
・取締役及び従業員は、監査役の求めに応じて当社の業務状況を報告します。取締役は、法令違反に加え著しい損害の発生その他当社の経営に重大な影響を及ぼすおそれのある事実等を発見したときは、直ちに監査役に報告します。内部通報の内容が監査役業務の執行に必要な場合は同様に、監査役に報告します。
・内部監査人は、内部監査の実施結果について、監査役に随時報告します。監査役は、必要に応じて代表取締役に対し、追加監査の実施及び業務改善策の策定等を求めます。
・監査役は、取締役会のほか、重要な意思決定過程及び業務状況を把握するため、必要に応じて重要な会議に出席し、また必要に応じ意見を述べます。
・監査役は、随時稟議書その他業務執行に関る重要文書を閲覧し、必要に応じて取締役または従業員に対してその説明を求めます。
(i) 前号の報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制
監査役に前号の報告をした者が、当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けることを禁止し、その実効性を確保します。
(j) 監査役の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
監査役の職務の執行について生じる必要な費用は当社が負担するものとし、監査役の請求等に応じ速やかに前払い又は債務の処理を行います。なお、監査役は、当該費用の支出に当たっては、その適正性及び効率性に留意するものとします。
(k) その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・代表取締役をはじめ全取締役は、監査役監査の重要性と有用性を認識し、監査に係る環境整備に努めます。
・監査役は、代表取締役等と随時会合を持ち、経営方針を確認するとともに、監査上の重要課題及び内部統制等について意見交換を行います。
・監査役は、内部監査人と緊密に連携し、定期的に情報交換を行うものとします。
・監査役は、自らの判断により、定期的に会計監査人より会計監査の結果を聴取するとともに意見交換を行い、必要に応じて監査法人の監査に立会い、また、監査業務を執行した公認会計士と協議の場を持つなどして、監査法人と相互の連携を高めるものとします。
(l) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
・当社は、反社会的勢力との関係を一切遮断すると共に、これら反社会的勢力に対しては、全社を挙げて毅然とした態度で対応することを基本方針としています。
・全社員の行動の規範となるコンプライアンスマニュアルにおいても反社会的勢力との関係遮断に関する規定を設け、全社員に対し周知徹底を図ると共に、反社会的勢力対応マニュアルにおいて具体的な体制整備の内容を定めています。経営管理部を主管部署として、日常の事業運営において、関係遮断・被害防止態勢の整備・強化を推進しており、反社会的勢力との関係遮断・被害防止のために、所轄警察署、特殊暴力防止対策連合会などの外部専門機関との連携体制の構築にも努めています。
(m) 財務報告の信頼性を確保するための体制
「内部統制システム整備に関する基本方針」を定め、財務報告に係る内部統制が有効に行われる体制の整備、維持、向上を図っています。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
リスク管理体制は、取締役会がリスク管理に関する統制方針、体制に関する重要事項に関する審議を行い、リスク管理規程を定めるとともに、取締役会の決議事項及びリスク管理規程に基づき、コンプライアンス・リスク管理委員会においてリスク管理体制の構築及び運用の推進を図る体制を採っております。また、経営戦略遂行における法務的なリスクや業務執行におけるコンプライアンスに係る事象に関しては、社会保険労務士や弁護士等により適宜専門分野に関するアドバイスを受けております。
ハ.取締役の定数
当社の取締役は9名以内とする旨定款に定めております。
ニ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
ホ.株主総会の特別決議の要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権を3分の1以上有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
ヘ.剰余金の配当等
当社は、剰余金の配当等については会社法第459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
ト.中間配当の決定機関
当社では、取締役会決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への利益配分の機会を充実させるためであります。
チ.取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議をもって免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
リ.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、取締役(業務執行取締役等であることを除く)及び監査役との間に、任務を怠ったことによる損害賠償責任を限定する契約を締結することができる旨を定款に定めております。当社は、社外取締役及び監査役と損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく責任の限度額は、法令が定める最低責任限度額としております。