有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/02/25 15:00
【資料】
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【項目】
135項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
第4期事業年度(自 2018年5月1日 至 2019年4月30日)
当事業年度におけるわが国経済は、2019年10月からの消費税増税が閣議決定されるなど個人消費の先行きが不透明なものの、企業収益や雇用・所得環境の改善に伴い個人消費に持ち直しの動きが見られ、総じて緩やかな景気回復基調が続いております。
当社が事業展開を行う国内インターネット関連市場におきましては、スマートフォンやタブレット端末をはじめとするインターネット利用端末の多様化等により、インターネット利用人口は2018年の1年間で13歳~59歳の各年齢階層において9割を超えて利用され、人口普及率は79.8%と高い水準を維持しております。また、FacebookやTwitter、LINEに代表されるソーシャルメディアの普及率は60.0%(前年比5.3%増)と上昇を続けております(注)。消費者がインターネット及びスマートフォンを利用する時間の拡大とともに、インターネットやスマートフォンに関連したサービスは更なる市場拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社は、新規取引先の開拓や、プロダクトの開発に力を入れることによるRobeeの新規導入先の拡大等の、事業拡大に向けた取組みを進めてまいりました。
(注) 出所:総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」
その結果、当事業年度の経営成績につきましては、売上高4,685,217千円(前年同期比39.4%増)、営業利益198,550千円(前年同期比79.5%増)、経常利益195,754千円(前年同期比79.6%増)、当期純利益139,447千円(前年同期比75.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(アナリティクスコンサルティング事業)
当セグメントにおきましては、新規案件の受注件数が堅調に推移したことにより、売上高は4,609,669千円(前年同期比37.2%増)となりました。営業利益は、人員数の増加に伴い人件費が増加したものの、売上高の増加がこれを上回り431,703千円(前年同期比23.2%増)となりました。
(マーケティングテクノロジー事業)
当セグメントにおきましては、Robeeの新規導入先数の増加に伴い、売上高は75,548千円(前年同期比2,308.3%増)となりました。営業利益は、人員数の増加に伴い人件費が増加したものの、売上高の増加がこれを上回り59,622千円(前年同期比1,855.9%増)となりました。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して423,264千円増加し、1,348,428千円となりました。その主な要因は、売上高の増加により現金及び預金が127,440千円、売掛金が272,984千円増加したことによるものです。負債合計は、前事業年度末と比較して283,816千円増加し、1,052,028千円となりました。その主な要因は、取引高増加により買掛金が244,856千円増加したことによるものです。純資産合計は、前事業年度末と比較して139,447千円増加し、296,399千円となりました。その要因は、当期純利益を139,447千円計上したことによるものです。
第5期第2四半期累計期間(自 2019年5月1日 至 2019年10月31日)
当第2四半期累計期間において、第4期事業年度から引き続き、新規取引先の開拓や、プロダクトの開発に力を入れることによるRobeeの新規導入先の拡大等の、事業拡大に向けた取り組みを進めてまいりました。
その結果、当第2四半期累計期間の経営成績につきましては、売上高3,643,196千円、営業利益326,031千円、経常利益324,681千円、四半期純利益220,812千円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(アナリティクスコンサルティング事業)
当セグメントにおきましては、新規案件の受注が堅調に推移したことにより、売上高は3,589,154千円となりました。営業利益は、人員数の増加に伴い人件費が増加したものの、499,500千円となりました。
(マーケティングテクノロジー事業)
当セグメントにおきましては、Robeeの新規導入先が堅調に推移したことにより、売上高は54,041千円となりました。営業利益は、人員数の増加に伴い人件費が増加したものの、19,782千円となりました。
当第2四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末と比較して228,447千円増加し、1,576,875千円となりました。その主な要因は、短期借入金の増加により現金及び預金が170,701千円、売上高の増加により売掛金が33,450千円増加したことによるものです。
負債は前事業年度末と比較して7,635千円増加し、1,059,663千円となりました。その主な要因は、取引高は増加したものの、支払サイトの影響により買掛金が109,347千円減少した一方で、新規借入により短期借入金が150,000千円増加したため、全体として増加しております。
純資産は前事業年度末と比較して、220,812千円増加し、517,211千円となりました。その主な要因は、四半期純利益を220,812千円計上したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
第4期事業年度(自 2018年5月1日 至 2019年4月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ127,440千円増加し、566,385千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は、150,279千円(前事業年度は114,039千円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額272,984千円、法人税等の支払額43,990千円の減少要因があった一方、税引前当期純利益195,754千円、仕入債務の増加額244,856千円の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は、27,537千円(前事業年度は19,328千円の支出)となりました。これは主に、内装工事及びPC購入等に伴う有形固定資産の取得による支出10,223千円、マーケティングテクノロジー事業におけるRobeeの機能追加に伴う無形固定資産の取得による支出9,927千円の減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により得られた資金は、4,699千円(前事業年度は327,941千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出130,301千円の減少要因があった一方、長期借入れによる収入150,000千円の増加要因があったことによるものであります。
第5期第2四半期累計期間(自 2019年5月1日 至 2019年10月31日)
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比較して170,701千円増加し、737,087千円となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、108,192千円となりました。この主な増加要因は、税引前四半期純利益324,681千円の計上によるものであり、減少要因は仕入債務の減少額109,347千円、法人税等の支払額42,433千円、売上債権の増加額33,450千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、6,024千円となりました。この主な減少要因は、無形固定資産の取得による支出9,164千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は68,534千円となりました。この主な増加要因は、短期借入金の150,000千円によるものであり、減少要因は長期借入金の返済による支出81,466千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。
b 受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
c 販売実績
第4期事業年度及び第5期第2四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称第4期事業年度
(自 2018年5月1日
至 2019年4月30日)
第5期第2四半期累計期間
(自 2019年5月1日
至 2019年10月31日)
金額(千円)前期比(%)金額(千円)
アナリティクスコンサルティング事業4,609,669137.23,589,154
マーケティングテクノロジー事業75,5482,408.354,041
合計4,685,217139.43,643,196

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.マーケティングテクノロジー事業は、2017年11月にリリースしたWeb接客ツール「Robee」の新規導入先数の増加に伴い、前期比で大幅に増加しております。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先第3期事業年度
(自 2017年5月1日
至 2018年4月30日)
第4期事業年度
(自 2018年5月1日
至 2019年4月30日)
第5期第2四半期累計期間
(自 2019年5月1日
至 2019年10月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱大広601,36416.5
㈱クオラス448,68112.3
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社342,55510.2704,21515.0403,42711.1
株式会社ランクアップ477,46310.2
株式会社ミュゼプラチナム772,43523.0

4.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
5.㈱大広は、広告代理店であり、最終的な当社のサービスは、主に㈱SBIネオモバイル証券に対して提供されています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の主な資金需要は、既存事業の安定的な成長にかかるコストと新規事業への投資コストとなります。財政状態と投資のバランスを重視しつつ、事業活動に必要な運転資金及び新規事業等に対する投資コストは、主として手元の自己資金、金融機関からの借入及び新株発行により調達いたします。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社は、インターネット関連市場の変化や他社との競争力、取引先の動向、コンプライアンスと内部管理体制、関連する法的規制、自然災害等の様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社においてはサービスの拡張、優秀な人材の採用等を行うとともに、リスクマネジメントを行い、リスク要因を分散し、リスクの発生を抑えて適切に対応してまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社の経営陣は、今後更なる業容拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのためには、収益性のさらなる向上、特定の商材やクライアントへの偏りの解消といった事業面と、内部管理体制の強化といった組織面の双方の強化を図り、事業展開を行ってまいります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社の主たる事業領域であるインターネット関連市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及等によるデバイスの多様化、FacebookやTwitter、LINEに代表されるソーシャルメディアの普及等、ビジネス環境の変化は世界規模で進展しており、さらなる市場拡大が期待されております。
このような状況の中、当社は『革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる』というビジョンのもと、商品やサービスの魅力を正しくかつ的確に消費者に届けるため、テクノロジーを活用して、マーケティングの課題に新たなソリューションを提供してまいりました。
今後につきましても、引き続き当社のビジョンのもと、アナリティクスコンサルティング事業において、既存事業のブラッシュアップを続け安定的な収益基盤を維持しつつ、マーケティングテクノロジー事業において自社プロダクトの研究開発を重ねることで、より良い製品を提供し収益力の強化を図ってまいります。また、両部門を掛け合わせることによって社会に新しい価値を提供し続け、投資と収益のバランスを考慮しつつ中期経営計画実現のため、さらなる成長をとげたいと考えております。