有価証券報告書-第20期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/28 15:05
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133項目
(1) 経営成績等の状況
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2024年1月1日~2024年12月31日)における日本の経済は、インバウンド需要や設備投資の増加、賃上げ効果などの景気上昇要因がある一方で、物価高騰や地政学リスク、政情変化など多くの懸念材料によって依然として不安定な状況が続いております。
このような経済環境の中、当社グループが属するIT業界は、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新により、急速な成長を続けております。とりわけ生成AIの登場・進化は、生産年齢人口の減少をはじめとする社会課題だけでなく、新たなビジネスモデルの創出やイノベーションの促進に大きく貢献しております。当連結会計年度においても生成AI技術は、マルチモーダル処理(自然言語/画像/音声)をはじめ顕著な進歩を遂げており、技術革新によって処理速度、精度、コストなどの課題をクリアした新しい生成AIサービスが次々と登場しております。一方で、企業が保有する大規模データと生成AIの利便性をどのように活用していくかは、引き続き課題として認識しております。
当連結会計年度におきましては、大型案件が安定的に推進されたことに加えて、顧客深耕によって既存顧客からの複数案件化を実現できたことが売上を大きく伸ばした要因と考えられます。さらに、採用活動が順調に進捗したことは生産コストの一部となる外部パートナー(外部委託)を一定の比率で抑えることに繋がり、売上総利益・営業利益の増加に大きく寄与しております。営業面においては、上場以来推進しているアライアンス戦略によって、顧客のロイヤルクライアント化がいっそうの進展を遂げ、案件単価やエンジニア単価の上昇に繋がっております。これまで行われていた一般的なシステム開発案件(DX案件)にも生成AIが徐々に組み込まれており、AI化の波が確実に進行していることが当連結会計年度の特徴として挙げられます。
また、当連結会計年度においては、デリバティブ評価益による営業外収益が発生しており、経常利益が増加した主な要因となっております。このデリバティブ取引については、資本業務提携に伴う株式取得の一環として行われたものであり、投機的取引に該当するものではありません。
当社グループは、AIソリューション事業を以下の3つのサービス区分に分けて事業を推進しております。
AIインテグレーションサービス:生成AI、エッジAI、AIエージェントなどのコンサルティング・開発案件
DXサービス:プラットフォーム開発、DXコンサルティング、Azureクラウド開発、ローコード開発など
プロダクトサービス:自社サービス、クラウド利用料などのライセンス・販売代理店モデル
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ506,150千円増加し、1,800,388千円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ195,213千円増加し、527,793千円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ310,936千円増加し、1,272,595千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度末の売上高は2,905,981千円(前年同期比25.5%増)、営業利益は307,954千円(前年同期比224.6%増)、経常利益は362,432千円(前年同期比268.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は272,787千円(前年同期比285.9%増)となりました。また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、42.2%の目標値に対し、42.7%(前連結会計年度36.9%)となりました。
[AIインテグレーションサービス]
当社グループでは、生成AIをはじめとする新技術を積極的にキャッチアップして実業務で使われるサービス、ソリューションを展開しております。アライアンス戦略のパートナーから紹介された顧客に対してハンズオンワークを実施することで顧客へ伴走型の開発支援を提供しております。ハンズオンとは「手を触れる位置にいる」ということを指し、現場のプロである顧客とともに当社グループメンバーが新技術の活用(オンボーディング)を進めることで現場ニーズの拾い上げと各顧客から得たノウハウを相互に共有して、顧客の内製化やDX化を支援しております。
当連結会計年度からは大規模データの活用案件が生成AI案件の大半を占めており、顧客が提供するサービスに対して多様なユーザーインターフェース(Webサービスやスマホアプリ、電話など)で生成AIを活用しております。AIインテグレーションサービスの案件内容としては、PoC(Proof of Concept:概念実証)案件が主体だった期初から徐々にサービス提供を目指した本番開発案件が増加してまいりました。
また、RAG(Retrieval-Augmented Generation)の精度向上も生成AIのビジネス活用において大きな課題となっておりますが、当社グループは国内トップクラスの案件実績を通じて、これらの課題を解決するための手法とノウハウを確立しております。特定のタスクをAIによって自動実行するAIエージェントは、自律性・適応性・インタラクション性・問題解決能力といった特徴を持ち、生産年齢人口の減少といった社会的課題に対する有効な対応策としてすでに複数の案件で開発や実運用が開始されております。
データプラットフォームは顧客が保持する大量の業務データを管理することができ、生成AIと連携させることで高度なデータ分析・可視化が可能となります。生成AIの活用が広がる中、データプラットフォームの活用は特に独自データを保有する顧客にとって重要な技術要素として高いニーズを有しております。このようなニーズに応える生成AIとデータ活用の企画・提案といったコンサルティング領域から、その設計や顧客が提供するユーザーインターフェースの開発まで一貫したサービスを提供できる企業は非常に限られております。当社グループでは、これに内製化支援も含めた顧客伴走型のプロジェクト推進(ハンズオンワーク)を実践することで顧客深耕を図り、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の増加に繋げております。当連結会計年度におきましては、生成AI案件の売上拡大によってAIインテグレーションサービスの売上高は1,451,702千円(前年同期比51.8%増)となりました。
[DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス]
当社グループのDXサービス案件では、Microsoft Azureを中心としたクラウドサービスのプラットフォーム開発やモダナイゼーションやマイグレーションと呼ばれる古いシステムを先進的な技術・手法に更新・改善する案件、企業のDX化に向けたコンサルティング、Microsoft Power Platformに代表されるローコードツールを活用した内製化支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、複数年にわたって実施される大型案件が順調に進捗していることや、既存顧客に対する顧客深耕が進んだことで顧客から複数の案件を受注するケースが増加しました。一方で、DXサービス案件においても生成AIの活用が徐々に浸透しており、DXサービスの売上からAIインテグレーションサービスへの売上へと移行が進んでおります。その結果、DXサービス売上高は1,312,035千円(前年同期比5.0%増)となりました。
[プロダクトサービス]
プロダクトサービスは、人月に頼らない2つの収益モデルを軸としております。
自社サービスモデル:自社サービス「SyncLect」の初期導入費+月額ライセンス費
他社サービスモデル:クラウドサービス利用料(月額回収)やIoT機器の仕入れ販売による販売代理店
当連結会計年度におきましては、生成AI活用プラットフォーム「SyncLect Generative AI」を軸にサービス開発を進め、マイクロソフト社との連携を通じてエンタープライズ系企業を中心に導入が進んでおります。モビリティAI基盤案件のほかにAIカメラに代表されるエッジAIのライセンス型ビジネスモデル案件で売上を伸ばし、さらにAzureクラウドをベースとした開発によってクラウド利用料が増加したことから、プロダクトサービスの売上高は142,243千円(前年同期比30.8%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、54,665千円減少し、843,233千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、144,409千円(前連結会計年度は87,661千円の獲得)となりました。
主な要因は、売上債権及び契約資産の増加270,504千円、法人税等の支払額29,150千円、デリバティブ評価益49,459千円があったものの、税金等調整前当期純利益362,432千円、減価償却費20,442千円、仕入債務の増加19,417千円、未払費用の増加42,332千円、未払消費税等の増加31,992千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、210,970千円(前連結会計年度は16,221千円の支出)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出26,574千円、投資有価証券の取得による支出72,029千円及びデリバティブ取引による支出112,367千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、10,250千円(前連結会計年度は8,143千円の獲得)となりました。
主な要因は、株式の発行による収入10,250千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
AIソリューション事業3,008,901119.6506,378125.5

(注)当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称売上高(千円)前年同期比(%)
AIソリューション事業2,905,981125.5

(注) 1.当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社JALインフォテック395,91817.1225,0817.7


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.経営成績等
(売上高)
当連結会計年度の売上高は2,905,981千円となり、前連結会計年度に比べ590,893千円増加いたしました。主な変動要因については、本書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載の通りであります。
(売上原価・売上総利益・売上総利益率)
当連結会計年度の売上原価は1,665,908千円となり、前連結会計年度に比べ205,908千円増加いたしました。この主な内訳は、売上高が増加した事に伴い、外注加工費、労務費等も増加したことによるものであります。
この結果、売上総利益は1,240,073千円となり、前連結会計年度に比べ384,984千円増加となりました。
また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、42.7%となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は932,119千円となり、前連結会計年度に比べ171,892千円増加いたしました。この主な内訳は、従業員の増加による人件費及び教育に係る費用等の増加によるものであります。
この結果、営業利益は307,954千円となり、前連結会計年度に比べ213,092千円増加しました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は主としてデリバティブ評価益により54,605千円となり、前連結会計年度に比べ51,166千円増加いたしました。営業外費用は127千円となり、前連結会計年度に比べ126千円の増加となりました。
この結果、経常利益は362,432千円となり、前連結会計年度に比べ264,131千円増加しました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
当連結会計年度において、特別損益は発生しませんでした。その結果、税金等調整前当期純利益は362,432千円となり、前連結会計年度に比べ264,131千円増加しました。
また、法人税、住民税及び事業税は、105,537千円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は272,787千円となり、前連結会計年度に比べ202,104千円増加しました。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、1,800,388千円となり、前連結会計年度末と比較して506,150千円の増加となりました。
流動資産は1,459,812千円となり、前連結会計年度末と比較して233,316千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が54,665千円、仕掛品が12,537千円減少したものの、売掛金及び契約資産が270,504千円、前払費用が32,048千円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して272,834千円増加し、340,576千円となりました。主な要因は、無形固定資産が3,661千円減少したものの、有形固定資産が9,501千円、投資有価証券が95,042千円、デリバティブ債権が161,827千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は527,793千円となり、前連結会計年度末と比較して195,213千円の増加となりました。これは主に、買掛金が19,417千円、未払金が7,247千円、未払費用が42,332千円、未払消費税等が31,992千円、未払法人税等が76,940千円、預り金が10,338千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,272,595千円となり、前連結会計年度末と比較し310,936千円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が272,787千円増加したことによるものです。
d.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
e.資本の財源及び資金の流動性
主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。
f.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通り認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
g.経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

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