有価証券報告書-第21期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/27 12:10
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149項目
(1) 経営成績等の状況
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)における日本の経済は、米国が保護主義的な通商政策を公表したことを契機に、国内企業において輸出価格の見直しや原価の抑制、サプライチェーンの再構築といった動きが進んでまいりました。この影響により、当社グループが属するIT産業においても、開発・投資案件の中止や延期が一部でみられました。また、物価水準の高止まりに加え、日銀による金利政策の動向や、世界的な資源・原材料価格の上昇、地政学的リスクの高まりなどにより、企業の投資判断は慎重さを増している状況にあります。これらを背景に、国内景気の先行きは依然として不透明な状況となっております。
このような経済環境の中、当社グループが属するIT業界は、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新により、急速な成長を続けております。とりわけ生成AIを基盤としたAIエージェントの登場・進化は、生産年齢人口の減少をはじめとする社会課題だけでなく、新たなビジネスモデルの創出やイノベーションの促進に大きく貢献しております。
当社グループの事業領域においては、生成AI技術の進展を背景に、マルチモーダル処理を活用したAIエージェント関連技術が顕著に進歩しております。これに伴い、処理速度、精度及びコスト面の改善が進んだ関連サービスが相次いで登場いたしました。一方で、企業が保有する大規模データとAIエージェント技術をどのように業務運用や経営判断へ結び付け、実効性のある成果につなげていくかについては、依然として解決すべき課題として認識しております。
上場以来推進しているアライアンス戦略においては、顧客のエンタープライズ化が順調に進んでおり、年商1兆円以上の規模を有する企業を主要な顧客層として位置付ける中で、当該顧客数は堅調に増加しております。また、生成AIからAIエージェントへとトレンドが変化する中、アライアンス先の拡充と、当社グループの成長に合わせた組織化が進んだことで、市場ニーズへの対応力がいっそう高まっております。
前連結会計年度に続き資本業務提携を行うとともに、事業拡大に向けた重点投資を選択的に実施し、将来の成長に向けた体制を強化した1年となりました。
当連結会計年度では、デリバティブ評価損による営業外損益が発生しております。このデリバティブ取引については、資本業務提携に伴う株式取得の一環として行われたものであり、投機的取引に該当するものではありません。
当社グループは、AIソリューション事業を以下の3つのサービス区分に分けて事業を推進しております。
AIインテグレーションサービス:
AIエージェント、AI駆動開発、データプラットフォーム 開発、フィジカルAIなどコンサルティング・開発案件
DXサービス:
Azureクラウド開発、アプリ開発、DXコンサルティング、ローコード開発など
プロダクトサービス:
自社サービス、クラウド利用料などのライセンス・販売代理店モデル
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,049,483千円増加し、3,849,872千円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ1,968,380千円増加し、2,496,173千円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ81,103千円増加し、1,353,699千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度末の売上高は3,900,040千円(前年同期比34.2%増)、営業利益は229,250千円(前年同期比25.6%減)、経常利益は128,516千円(前年同期比64.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は57,656千円(前年同期比78.9%減)となりました。また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、42.2%の目標値に対し、44.4%(前連結会計年度42.7%)となりました。
当社グループでは、AIエージェントをはじめとする新技術を積極的にキャッチアップして実業務で使われるサービス、ソリューションを展開しております。アライアンス戦略のパートナーから紹介された顧客に対してハンズオンワークを実施することで顧客へ伴走型の開発支援を提供しております。長年取り組んできた伴走型の開発支援が、近年FDE(フォワード・デプロイ・エンジニアリング)という形で表現されるようになり、当社においては、さらに様々な技術を掛け合わせて顧客へ伴走支援を行う「X-Tech FDE」を独自に推進しております。当社グループメンバーが新技術の活用(オンボーディング)を進めることで現場ニーズの拾い上げと各顧客から得たノウハウを相互に共有して、顧客の内製化やDX化を支援しております。
当連結会計年度は、AIエージェント案件が大半を占めており、AIによるワークフロー化(Agentic Workflow)案件やデータ活用を目的としたデータプラットフォーム案件、RAG精度向上案件などに分類されます。
このような案件の企画・提案といったコンサルティング領域から、その設計や顧客が提供するユーザーインターフェースの開発まで一貫したサービスを提供できる企業は非常に限られております。当社グループでは、これに内製化支援も含めた顧客伴走型のプロジェクト推進(ハンズオンワーク)を実践することで顧客深耕を図り、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の増加に繋げております。当連結会計年度におきましては、生成AI案件の売上拡大によってAIインテグレーションサービス売上高は2,626,396千円(前年同期比80.9%増)となりました。
[DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス]
当社グループのDXサービス案件では、Microsoft Azureを中心としたクラウドサービスのプラットフォーム開発やモダナイゼーション、マイグレーションと呼ばれる古いシステムを先進的な技術・手法に更新・改善する案件、企業のDX化に向けたコンサルティング及び支援業務、Microsoft Power Platformに代表されるローコードツールを活用した内製化支援を行っております。
当連結会計年度におきましては、複数年にわたって実施される大型案件が進捗しております。一方で、DXサービス案件においてもAIの活用が徐々に浸透しており、DXサービスの売上からAIインテグレーションサービスへの売上へと移行が進んでおります。その結果、DXサービス売上高は1,167,263千円(前年同期比11.0%減)となりました。
<プロダクトサービス>プロダクトサービスは、人月に頼らない2つの収益モデルを軸としております。
自社サービスモデル:自社サービス「SyncLect」の初期導入費+月額ライセンス費
他社サービスモデル:クラウドサービス利用料(月額回収)やIoT機器の仕入れ販売による販売代理店
当連結会計年度におきましては、生成AI活用プラットフォーム「SyncLect Generative AI」を軸にサービス開発を進めております。モビリティAI基盤案件のほかにAIカメラに代表されるエッジAIのライセンス型ビジネスモデル案件などが売上を構成し、さらにAzureクラウドをベースとした開発によってクラウド利用料が増加したことから、プロダクトサービス売上高は106,380千円(前年同期比25.2%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、218,088千円減少し、625,145千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、38,713千円(前連結会計年度は144,409千円の獲得)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益128,421千円、減価償却費27,468千円、仕入債務の増加47,603千円、持分法による投資損益の増加40,637千円、未払費用の増加65,355千円、デリバティブ評価損58,597千円があったものの、売上債権及び契約資産の増加231,774千円、法人税等の支払額148,923千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,094,641千円(前連結会計年度は210,970千円の支出)となりました。
主な要因は、有形固定資産の取得による支出21,928千円、関係会社株式の取得による支出1,910,146千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,914,022千円(前連結会計年度は10,250千円の獲得)となりました。
主な要因は、短期借入金の増加1,900,000千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
AIソリューション事業3,918,336130.2524,673103.6

(注)当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。
c.売上実績
当連結会計年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称売上高(千円)前年同期比(%)
AIソリューション事業3,900,040134.2

(注) 当社グループは、AIソリューション事業の単一セグメントであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.経営成績等
(売上高)
当連結会計年度の売上高は3,900,040千円となり、前連結会計年度に比べ994,059千円増加いたしました。主な変動要因については、本書「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載の通りであります。
(売上原価・売上総利益・売上総利益率)
当連結会計年度の売上原価は2,167,305千円となり、前連結会計年度に比べ501,397千円増加いたしました。この主な内訳は、売上高が増加したことによるものであります。
この結果、売上総利益は1,732,735千円となり、前連結会計年度に比べ492,661千円増加となりました。
また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、44.4%となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,503,484千円となり、前連結会計年度に比べ571,365千円増加いたしました。この主な内訳は、従業員の増加による人件費及び教育に係る費用等の増加によるものであります。
この結果、営業利益は229,250千円となり、前連結会計年度に比べ78,703千円減少しました。
(営業外損益・経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は主として助成金収入により15,480千円となり、前連結会計年度に比べ39,124千円減少いたしました。営業外費用は116,215千円となり、前連結会計年度に比べ116,088千円の増加となりました。
この結果、経常利益は128,516千円となり、前連結会計年度に比べ233,916千円減少しました。
(特別損益、法人税等、当期純利益)
当連結会計年度において、特別利益は発生しませんでした。特別損失は94千円となり、前連結会計年度に比べ94千円増加となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は128,421千円となり、前連結会計年度に比べ234,010千円減少しました。
また、法人税、住民税及び事業税は、33,126千円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は57,656千円となり、前連結会計年度に比べ215,131千円減少しました。
c.財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、3,849,872千円となり、前連結会計年度末と比較して2,049,483千円の増加となりました。
流動資産は1,580,604千円となり、前連結会計年度末と比較して120,791千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が218,088千円減少したものの、売掛金及び契約資産が265,799千円、仕掛品が13,393千円、前渡金が30,250千円、前払費用が6,827千円増加したことによるものであります。固定資産は前連結会計年度末と比較して1,928,691千円増加し、2,269,268千円となりました。主な要因は、のれんが154,603千円、関係会社株式が1,870,609千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,496,173千円となり、前連結会計年度末と比較して1,968,380千円の増加となりました。これは主に、未払法人税等が95,453千円減少したものの、買掛金が51,934千円、短期借入金が1,900,000千円、未払金が23,022千円、未払費用が83,121千円増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度において、流動比率が63.4%となり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況を識別しておりますが、その主な原因は関係会社株式取得のために短期借入金1,900,000千円によるものであります。この短期借入金については、金融機関から借入の際に、1年後に長期借入金に借り換えをする前提で借入をしたものであるため、継続企業の前提に重要な不確実性はないと認識しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,353,699千円となり、前連結会計年度末と比較し81,103千円の増加となりました。これは主に、資本金が11,548千円、資本剰余金が11,548千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が57,656千円増加したことによるものです。
d.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
e.資本の財源及び資金の流動性
主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。
f.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通り認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
g.経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

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