有価証券報告書-第5期(2022/01/01-2022/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
「ソフトウェアをよりスマートに、AIでROIを向上させる」が当社グループのミッションです。
当連結会計年度の売上収益は19,427百万円(前連結会計年度比53.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2022年12月におけるARR(注1)は21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となりました。
当連結会計年度の売上総利益は9,998百万円(前連結会計年度比60.3%増)となり、売上総利益率は51.5%(前連結会計年度は49.3%)となりました。売上総利益率の改善は、主にCrossXのアルゴリズム改善により効率的なマーケティングキャンペーンの実施が可能になったこと、サーバー利用の最適化によるサーバー関連費用の低減によるものであります。
事業規模の拡大に伴い、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加していますが、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。その結果、EBITDA(注3)は1,363百万円(前連結会計年度は42百万円)、営業利益は50百万円の黒字(前連結会計年度は1,117百万円の損失)となりました。また、税引前利益は111百万円の黒字(前連結会計年度は1,170百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は21百万円の黒字(前連結会計年度は1,179百万円の損失)となりました。
(注) 1.Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、関連する期間における1か月平均のリカーリング売上収益(注2)を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、関連する期間の最終月のリカーリング売上収益を12倍することで年換算して得られた金額です。2022年12月のARRは、利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては2022年7月から2022年12月のリカーリング売上収益の1か月平均を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては2022年12月のリカーリング売上収益を12倍して算出しております。
2.リカーリング顧客(利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、①当社グループのソリューションを4四半期以上連続で使用している顧客企業及び②直近1年以内の新規顧客企業で当社グループのソリューションを3カ月以上連続で使用している顧客企業を、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、当社グループと1年以上の契約を締結している顧客企業をいいます。)からの売上収益
3.EBITDA=営業利益+減価償却費及び無形資産償却費+営業費用に含まれる税金費用+上場関連費用
② 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は35,939百万円であり、前連結会計年度末に比べて4,733百万円増加しております。流動資産は前連結会計年度末に比べて879百万円増加しており、主な増加要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得によるその他の金融資産の増加(前連結会計年度末比3,577百万円増)、売上収益の増加による営業債権の増加(同923百万円増)であり、主な減少要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得等による現金及び現金同等物の減少(同2,757百万円減)、定期預金の払戻による減少(同1,007百万円減)であります。非流動資産は前連結会計年度末に比べて3,854百万円増加しており、主な増加要因は資産化の要件を満たす開発費用の資産計上及び子会社の取得に伴うのれん及び無形資産の増加(同3,960百万円増)であり、主な減少要因は使用権資産の償却による減少(同164百万円減)であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は9,737百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,367百万円増加しております。流動負債は前連結会計年度末に比べて1,537百万円増加しており、主な増加要因は未払給与・税金等の増加によるその他の債務の増加(前連結会計年度末比924百万円増)、売上原価の増加に伴う営業債務の増加(同356百万円増)であります。非流動負債は前連結会計年度末に比べて169百万円減少しており、主な減少要因はリース負債の返済による減少(同230百万円減)であります。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は26,201百万円であり、前連結会計年度末に比べて3,366百万円増加しております。主な増加要因は為替変動によるその他の資本の構成要素の増加(前連結会計年度末比3,268百万円増)であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,804百万円(前連結会計年度末比2,757百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は996百万円となり、前連結会計年度の支出747百万円と比べ、1,743百万円収入が増加しました。主な収入の増加要因は税引前当期利益の増加(前連結会計年度比1,281百万円増)、減価償却費及び無形資産償却費の増加(同587百万円増)、契約資産の減少62百万円(前連結会計年度は契約資産が334百万円増加)、その他の債権の減少130百万円(前連結会計年度はその他の債権が21百万円減少)であり、主な収入の減少要因は営業債権の増加882百万円(前連結会計年度は営業債権が633百万円増加)、営業債務の増加210百万円(前連結会計年度は営業債務が338百万円増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,772百万円となり、前連結会計年度の支出9,075百万円と比べ、5,303百万円支出が減少しました。主な支出の減少要因は定期預金の払戻による収入の増加(前連結会計年度比8,655百万円増)、定期預金の預入による支出の減少(同1,985百万円減)、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の取得による支出の減少(同125百万円減)であり、主な支出の増加要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得による支出の増加(同3,411百万円増)、子会社の取得による支出の増加(同1,121百万円増)、無形資産の取得による支出の増加(同913百万円増)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は520百万円となり、前連結会計年度の収入14,396百万円と比べ、支出が14,917百万円増加しました。主な支出の増加要因は株式の発行による収入の減少(前年同期比で収入が15,041百万円減少)であり、主な支出の減少要因は株式発行費用の支出の減少(前年同期比で支出が211百万円減少)であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、AIテクノロジー企業として、AIプラットフォームを活用した各種ソリューションを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.AISaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
3.Keystone Marketing Company及び株式会社サイバーエージェントは販売代理店であり、当社グループのデジタルマーケティングソリューションのエンドユーザーではありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって行っている重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 目標とする客観的な指標等の推移
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3) 目標とする客観的な指標等」に記載の指標等に着目しております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。
これらの指標のうち、ARR、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率の近時の推移は以下のとおりです。2022年12月におけるARRは21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となっています。2022年12月期のNRRは121.8%であることから、継続利用する顧客による当社グループのソリューションの利用の拡大が示されています。月次顧客解約率は2022年12月は0.617%と2021年12月の0.732%から改善しており、顧客の継続性が強まっていることを示しています。
ARR
月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率
なお、当社グループが経営上の目標達成状況を判断するために用いている客観的な指標(ARR、NRR、解約率等)の中には、第三者の監査等を受けていない社内データを基礎とするものや、一定期間の実績を通年に換算したものなどが含まれており、当社グループの事業及び業績の実態を正確に表していない可能性があります。
③ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は19,427百万円(前連結会計年度比53.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2022年12月におけるARRは21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は9,428百万円(前連結会計年度比46.8%増)、売上総利益は9,998百万円(同60.3%増)となり、売上総利益率は51.5%(前連結会計年度は49.3%)となりました。売上総利益率の改善は、主にCrossXのアルゴリズム改善により効率的なマーケティングキャンペーンの実施が可能になったこと、サーバー利用の最適化によるサーバー関連費用の低減によるものであります。
(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売及びマーケティング費用は6,394百万円(前期比47.9%増)、研究開発費は2,284百万円(同33.5%増)、一般管理費は1,602百万円(同18.8%増)となりました。販売及びマーケティング費用の増加要因は主に採用活動の強化に伴う営業人員の増加、研究開発費の増加要因は主に研究開発活動の強化及び円安によるサーバー関連費用の増加、一般管理費の増加要因は主に会社規模の拡大によるバックオフィス人員の増加やオフィス関連費用の増加であります。
その他の収益は334百万円(前期比306百万円増)、その他の費用は2百万円(同0百万円減)となりました。その他の収益の増加は、主に事業税の還付や条件付対価の取崩益が発生したことによるものであります。
上記の通り営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加したものの、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。この結果、営業利益は50百万円の黒字(前連結会計年度は1,117百万円の損失)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
当連結会計年度における金融収益は213百万円(前期比170百万円増)、金融費用は153百万円(同56百万円増)となりました。金融収益の増加は主に定期預金等の利息収入の増加によるものであります。この結果、税引前利益は111百万円の黒字(前連結会計年度は1,170百万円の損失)となりました。
(法人所得税費用、当期利益)
当連結会計年度における法人所得税費用は90百万円(前期比81百万円増)となりました。法人所得税費用の増加は主に税引前利益の増加、2021年12月期に回収可能性が高まった繰延税金資産の計上をしており法人所得税費用の減少要因となっていたことによるものであります。この結果、当期利益は21百万円の黒字(前連結会計年度は1,179百万円の損失)となりました。
④ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
⑤ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの主な資金需要は、当社グループの業容拡大のための研究開発活動や営業活動に係る人件費です。これらの資金需要に対しては、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出超過、並びに営業活動によるキャッシュ・フローが収入超過の状況を踏まえ、自己資金を基本としております。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
「ソフトウェアをよりスマートに、AIでROIを向上させる」が当社グループのミッションです。
当連結会計年度の売上収益は19,427百万円(前連結会計年度比53.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2022年12月におけるARR(注1)は21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となりました。
当連結会計年度の売上総利益は9,998百万円(前連結会計年度比60.3%増)となり、売上総利益率は51.5%(前連結会計年度は49.3%)となりました。売上総利益率の改善は、主にCrossXのアルゴリズム改善により効率的なマーケティングキャンペーンの実施が可能になったこと、サーバー利用の最適化によるサーバー関連費用の低減によるものであります。
事業規模の拡大に伴い、営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加していますが、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。その結果、EBITDA(注3)は1,363百万円(前連結会計年度は42百万円)、営業利益は50百万円の黒字(前連結会計年度は1,117百万円の損失)となりました。また、税引前利益は111百万円の黒字(前連結会計年度は1,170百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益は21百万円の黒字(前連結会計年度は1,179百万円の損失)となりました。
(注) 1.Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益。利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、関連する期間における1か月平均のリカーリング売上収益(注2)を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、関連する期間の最終月のリカーリング売上収益を12倍することで年換算して得られた金額です。2022年12月のARRは、利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては2022年7月から2022年12月のリカーリング売上収益の1か月平均を12倍し、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては2022年12月のリカーリング売上収益を12倍して算出しております。
2.リカーリング顧客(利用量ベースの価格体系で提供するソリューションについては、①当社グループのソリューションを4四半期以上連続で使用している顧客企業及び②直近1年以内の新規顧客企業で当社グループのソリューションを3カ月以上連続で使用している顧客企業を、サブスクリプション方式で提供するソリューションについては、当社グループと1年以上の契約を締結している顧客企業をいいます。)からの売上収益
3.EBITDA=営業利益+減価償却費及び無形資産償却費+営業費用に含まれる税金費用+上場関連費用
② 財政状態の状況
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は35,939百万円であり、前連結会計年度末に比べて4,733百万円増加しております。流動資産は前連結会計年度末に比べて879百万円増加しており、主な増加要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得によるその他の金融資産の増加(前連結会計年度末比3,577百万円増)、売上収益の増加による営業債権の増加(同923百万円増)であり、主な減少要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得等による現金及び現金同等物の減少(同2,757百万円減)、定期預金の払戻による減少(同1,007百万円減)であります。非流動資産は前連結会計年度末に比べて3,854百万円増加しており、主な増加要因は資産化の要件を満たす開発費用の資産計上及び子会社の取得に伴うのれん及び無形資産の増加(同3,960百万円増)であり、主な減少要因は使用権資産の償却による減少(同164百万円減)であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は9,737百万円であり、前連結会計年度末に比べて1,367百万円増加しております。流動負債は前連結会計年度末に比べて1,537百万円増加しており、主な増加要因は未払給与・税金等の増加によるその他の債務の増加(前連結会計年度末比924百万円増)、売上原価の増加に伴う営業債務の増加(同356百万円増)であります。非流動負債は前連結会計年度末に比べて169百万円減少しており、主な減少要因はリース負債の返済による減少(同230百万円減)であります。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は26,201百万円であり、前連結会計年度末に比べて3,366百万円増加しております。主な増加要因は為替変動によるその他の資本の構成要素の増加(前連結会計年度末比3,268百万円増)であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、3,804百万円(前連結会計年度末比2,757百万円減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は996百万円となり、前連結会計年度の支出747百万円と比べ、1,743百万円収入が増加しました。主な収入の増加要因は税引前当期利益の増加(前連結会計年度比1,281百万円増)、減価償却費及び無形資産償却費の増加(同587百万円増)、契約資産の減少62百万円(前連結会計年度は契約資産が334百万円増加)、その他の債権の減少130百万円(前連結会計年度はその他の債権が21百万円減少)であり、主な収入の減少要因は営業債権の増加882百万円(前連結会計年度は営業債権が633百万円増加)、営業債務の増加210百万円(前連結会計年度は営業債務が338百万円増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,772百万円となり、前連結会計年度の支出9,075百万円と比べ、5,303百万円支出が減少しました。主な支出の減少要因は定期預金の払戻による収入の増加(前連結会計年度比8,655百万円増)、定期預金の預入による支出の減少(同1,985百万円減)、その他の包括利益を通じて公正価値を測定する金融資産の取得による支出の減少(同125百万円減)であり、主な支出の増加要因は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産の取得による支出の増加(同3,411百万円増)、子会社の取得による支出の増加(同1,121百万円増)、無形資産の取得による支出の増加(同913百万円増)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は520百万円となり、前連結会計年度の収入14,396百万円と比べ、支出が14,917百万円増加しました。主な支出の増加要因は株式の発行による収入の減少(前年同期比で収入が15,041百万円減少)であり、主な支出の減少要因は株式発行費用の支出の減少(前年同期比で支出が211百万円減少)であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、AIテクノロジー企業として、AIプラットフォームを活用した各種ソリューションを提供しており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注から役務提供の開始までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自2022年1月1日 至2022年12月31日) (千円) | 前期比(%) |
AISaaS事業 | 19,426,604 | 53.4 |
合計 | 19,426,604 | 53.4 |
(注) 1.AISaaS事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自2021年1月1日 至2021年12月31日) | 当連結会計年度 (自2022年1月1日 至2022年12月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
Keystone Marketing Company | 2,232,909 | 17.6 | 3,862,824 | 19.9 |
株式会社サイバーエージェント及びその子会社 | 1,885,846 | 14.9 | 2,798,445 | 14.4 |
3.Keystone Marketing Company及び株式会社サイバーエージェントは販売代理店であり、当社グループのデジタルマーケティングソリューションのエンドユーザーではありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような会計上の見積り及び判断を必要としております。当グループは、過去の実績や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって行っている重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記事項 5.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
② 目標とする客観的な指標等の推移
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、(3) 目標とする客観的な指標等」に記載の指標等に着目しております。そこで、当社グループにおいては、当該目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上収益成長率、ARR及びARR成長率を重視し、また、これらに関連する指標として、売上総利益成長率、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率に着目しております。
これらの指標のうち、ARR、NRR、月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率の近時の推移は以下のとおりです。2022年12月におけるARRは21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となっています。2022年12月期のNRRは121.8%であることから、継続利用する顧客による当社グループのソリューションの利用の拡大が示されています。月次顧客解約率は2022年12月は0.617%と2021年12月の0.732%から改善しており、顧客の継続性が強まっていることを示しています。
ARR
基準時点 | 2021年 | 2022年 | ||||||
3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | |
日本円 (百万円) | 10,572 | 10,834 | 11,739 | 13,806 | 15,758 | 16,585 | 18,240 | 21,095 |
月次顧客解約率及び月次顧客収益解約率
期間 | 2021年 | 2022年 |
月次顧客解約率 | 0.732% | 0.617% |
月次顧客収益解約率 | 0.486% | 0.310% |
なお、当社グループが経営上の目標達成状況を判断するために用いている客観的な指標(ARR、NRR、解約率等)の中には、第三者の監査等を受けていない社内データを基礎とするものや、一定期間の実績を通年に換算したものなどが含まれており、当社グループの事業及び業績の実態を正確に表していない可能性があります。
③ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は19,427百万円(前連結会計年度比53.4%増)となりました。これは、アップセル・クロスセルによる既存顧客からの売上収益の拡大、地域及び顧客業種の拡大による新規顧客からの売上収益の拡大によるものであります。また、2022年12月におけるARRは21,095百万円となり、2021年12月の13,806百万円からの成長率は52.8%となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は9,428百万円(前連結会計年度比46.8%増)、売上総利益は9,998百万円(同60.3%増)となり、売上総利益率は51.5%(前連結会計年度は49.3%)となりました。売上総利益率の改善は、主にCrossXのアルゴリズム改善により効率的なマーケティングキャンペーンの実施が可能になったこと、サーバー利用の最適化によるサーバー関連費用の低減によるものであります。
(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費、その他の収益、その他の費用、営業利益)
当連結会計年度における販売及びマーケティング費用は6,394百万円(前期比47.9%増)、研究開発費は2,284百万円(同33.5%増)、一般管理費は1,602百万円(同18.8%増)となりました。販売及びマーケティング費用の増加要因は主に採用活動の強化に伴う営業人員の増加、研究開発費の増加要因は主に研究開発活動の強化及び円安によるサーバー関連費用の増加、一般管理費の増加要因は主に会社規模の拡大によるバックオフィス人員の増加やオフィス関連費用の増加であります。
その他の収益は334百万円(前期比306百万円増)、その他の費用は2百万円(同0百万円減)となりました。その他の収益の増加は、主に事業税の還付や条件付対価の取崩益が発生したことによるものであります。
上記の通り営業費用(販売及びマーケティング費用、研究開発費、一般管理費)の金額は増加したものの、売上収益に対する比率は低下しており、コスト構造は改善しております。この結果、営業利益は50百万円の黒字(前連結会計年度は1,117百万円の損失)となりました。
(金融収益、金融費用、税引前利益)
当連結会計年度における金融収益は213百万円(前期比170百万円増)、金融費用は153百万円(同56百万円増)となりました。金融収益の増加は主に定期預金等の利息収入の増加によるものであります。この結果、税引前利益は111百万円の黒字(前連結会計年度は1,170百万円の損失)となりました。
(法人所得税費用、当期利益)
当連結会計年度における法人所得税費用は90百万円(前期比81百万円増)となりました。法人所得税費用の増加は主に税引前利益の増加、2021年12月期に回収可能性が高まった繰延税金資産の計上をしており法人所得税費用の減少要因となっていたことによるものであります。この結果、当期利益は21百万円の黒字(前連結会計年度は1,179百万円の損失)となりました。
④ 財政状態の分析
財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
⑤ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループの主な資金需要は、当社グループの業容拡大のための研究開発活動や営業活動に係る人件費です。これらの資金需要に対しては、投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出超過、並びに営業活動によるキャッシュ・フローが収入超過の状況を踏まえ、自己資金を基本としております。
⑦ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。