有価証券報告書-第8期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/28 14:22
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146項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、以下のとおりであります。
なお、当社グループの事業は、電解銅箔製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中東情勢やウクライナ戦争に起因するエネルギー価格高騰やインフレ圧力の高まりにより経済の不安定要因が増し、欧州・中国において弱さが見られるものの、世界貿易の回復や堅調な個人消費を受け、景気は持ち直しの動きが見られました。
米国では、消費者マインドに悪化の兆しが見られつつも、堅調な雇用所得環境が持続し、景気が拡大しました。中国では、米中貿易交渉の影響を受けた中国への直接投資受入れ減少や、住宅販売の不振による不動産市場の停滞により、景気回復のペースは鈍化しました。日本では、令和6年能登半島地震や物価上昇の加速を受け個人消費に足踏みもみられたものの、所得環境の改善が見込まれ全体の景気としては緩やかに回復しました。
車載用リチウムイオン二次電池(LIB)の市場では、初期需要の一巡やローンの金利上昇により、米国において自動車メーカーが掲げた当初の目標に比べ足元の電気自動車(EV)販売は伸び悩み、従前の見通しから減速する状況となりました。回路基板用銅箔の主な市場である電子部品業界では、中国国内での人気スマートフォンの新機種発売を契機に需要が増加し、市場に回復の兆しが見られていますが、高速通信用については伸び悩みが見られています。
このような情勢のなか、当社グループにおける車載電池用分野において、国内では顧客新規工場向けの量産化が開始し販売に貢献したものの、引き続き米国インフレ抑制法(IRA法)の影響により輸出セル用銅箔の需要は低迷しました。回路基板用分野においては、米国子会社における整流器故障により売上は減少しましたが、国内新規顧客において当社銅箔の評価が完了し採用が決定するなど、拡販の成果を挙げつつあります。
収益面においては、前期比で車載電池用の売上高が回復するも、輸出セル用銅箔の需要低迷、整流器故障の影響が大きく、営業利益以下の各段階利益は赤字となりましたが、親会社株主に帰属する当期純損失は、連結子会社の整流器故障に対する受取保険金や新株予約権の行使期間満了による権利消滅に伴う新株予約権戻入益により、赤字幅が縮小しました。
これらの結果、当連結会計年度の生産実績数量(㌧数)は、全品種合計で8,308㌧(前連結会計年度比2.5%減)、売上高は16,650百万円(同2.3%減)、営業損失は1,034百万円(前連結会計年度は営業損失1,611百万円)、経常損失は1,288百万円(前連結会計年度は経常損失1,840百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は874百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,933百万円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,229百万円(前連結会計年度末比5.4%)増加し、23,908百万円となりました。流動資産は主に現金及び預金の減少203百万円、売掛金の減少472百万円、製品の減少46百万円、原材料及び貯蔵品の減少134百万円により764百万円(同8.2%)減少し、8,580百万円となりました。固定資産は主に機械装置及び運搬具の減少512百万円、建設仮勘定の増加2,367百万円により1,993百万円(同14.9%)増加し、15,327百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ1,952百万円(同12.8%)増加し、17,183百万円となりました。流動負債は主に短期借入金の増加1,711百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加498百万円により2,658百万円(同28.8%)増加し、11,885百万円となりました。固定負債は主に長期借入金の減少686百万円により706百万円(同11.8%)減少し、5,298百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純損失874百万円、為替換算調整勘定の減少24百万円、退職給付に係る調整累計額の増加176百万円により前連結会計年度末に比べ722百万円(同9.7%)減少し、6,724百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は28.1%(前連結会計年度末は32.8%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ203百万円減少し3,376百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は、698百万円となりました(前連結会計年度は697百万円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純損失870百万円、減価償却費1,225百万円、売上債権の減少額579百万円、棚卸資産の減少額138百万円、利息の支払額219百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、2,108百万円となりました(前連結会計年度は6,495百万円の減少)。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,101百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は、1,110百万円となりました(前連結会計年度は6,606百万円の増加)。これは主に、短期借入金の純増額1,646百万円、長期借入れによる収入300百万円、長期借入金の返済による支出952百万円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
(生産の状況)
当社グループの事業は、電解銅箔製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、主要品種ごとの第8期連結会計年度における生産実績は下表のとおりです。
品種生産実績(㌧数)前期比
車載電池用銅箔6,7096.9%
回路基板用銅箔1,599△28.7%
生産高合計8,308△2.5%

(受注の状況)
当社グループの事業は、電解銅箔製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、主要品種ごとの第8期連結会計年度における受注実績は下表のとおりです。
品種受注高受注残高
金額(百万円)前期比金額(百万円)前期比
車載電池用銅箔12,081△3.5%1,007△31.4%
回路基板用銅箔4,171△27.1%107147.4%
受注高合計16,253△10.9%1,114△26.3%


(販売の状況)
当社グループの事業は、電解銅箔製造事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。なお、主要品種ごとの第8期連結会計年度における販売実績は下表のとおりです。
品種販売高(百万円)割合前期比
車載電池用銅箔12,54275.3%10.8%
回路基板用銅箔4,10824.7%△28.3%
売上高合計16,650100.0%△2.3%

なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は下表のとおりです。
相手先名第7期連結会計年度
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
第8期連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
販売高
(百万円)
割合販売高
(百万円)
割合
パナソニックグループ9,09453.3%9,67258.1%
プライムアースEVエナジー㈱2,46514.5%2,82617.0%
Isolaグループ1,84510.8%--

(注)1.パナソニック㈱は、2022年4月1日より事業会社制に移行しております。
2.当連結会計年度のIsolaグループに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高を主要品種ごとに見ると、車載電池用銅箔は、米国インフレ抑制法(IRA法)の影響により輸出セル用銅箔の需要は低迷しましたが、一方、国内では顧客新規工場向けの量産化が開始し販売に貢献したこと等により、品種別生産実績(㌧数)は6,709㌧(前連結会計年度比6.9%増)、品種別売上高は12,542百万円(同10.8%増)となりました。
回路基板用銅箔は、主に米国子会社における整流器故障により、品種別生産実績(㌧数)は1,599㌧(同28.7%減)、品種別売上高は4,108百万円(同28.3%減)となりました。
これらを合せて生産実績合計は8,308㌧(同2.5%減)、売上高合計は16,650百万円(同2.3%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は16,460百万円(同2.9%減)となりました。
当社において銅材料価格高騰の影響が大きかったものの、エネルギー価格の低下や生産工程における効率化や経費削減の取り組みを実施したこと等により、売上高原価率は98.9%(同0.5ポイント減)となりました。
その結果、当連結会計年度の売上総利益は190百万円(同82.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,224百万円(同28.6%減)となりました。連結子会社において前期に発生した一過性の費用である米国新工場建設関連費用の発生がなくなったこと等により、売上高販管費比率は7.4%(同2.7ポイント減)となりました。
これらの結果、営業損失は1,034百万円(前連結会計年度は営業損失1,611百万円)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は730百万円となりました。これは主として、屑売却収入36百万円、為替差益540百万円、助成金収入150百万円によるものです。
当連結会計年度の営業外費用は985百万円となりました。これは主として、支払利息221百万円、資本政策全般に関するフィナンシャル・アドバイザリー・サービスに関する契約を締結した証券会社等への支払報酬644百万円によるものです。
これらの結果、経常損失は1,288百万円(前連結会計年度は経常損失1,840百万円)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は752百万円となりました。これは主に第2回新株予約権の行使期間満了による権利消滅に伴う新株予約権戻入益209百万円、2023年6月に連結子会社に於いて発生した電気設備不具合に対する受取保険金534百万円によるものです。
当連結会計年度の特別損失は334百万円となりました。これは、固定資産除売却損65百万円、連結子会社の電気設備不具合の発生に伴い操業度が低下した期間中に発生した製造固定費相当額である臨時損失268百万円によるものです。
税金等調整前当期純損失は870百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失1,862百万円)、法人税、住民税及び事業税4百万円、法人税等調整額△0百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は874百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,933百万円)となりました。
b.財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入を含む製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に銅箔製造設備の新設及び維持並びに更新であります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金及び設備資金等の調達については、金融機関からの長期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金とリース債務を合せた有利子負債残高は13,880百万円、現金及び現金同等物の残高は3,376百万円です。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。なお、最近2連結会計年度における営業利益、EBITDA及び生産数量は、下表のとおりであります。
(単位:百万円)
第7期連結会計年度
(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
第8期連結会計年度
(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
売上高17,04716,650
営業損失(△)△1,611△1,034
(加算)減価償却費1,2401,169
EBITDA (注)△371134
生産数量(㌧数)8,5208,308

(注) EBITDA=営業利益+減価償却費

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