有価証券報告書-第9期(2022/11/01-2023/10/31)
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産については、総資産が878,443千円となり、前事業年度末と比較し182,636千円の増加となりました。
流動資産の残高は、前事業年度末に比べ169,867千円増加し、772,192千円となりました。主な増減内訳は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行及び新株予約権の行使に伴い、現金及び預金が154,017千円、「Comiru」の拡大に努めた結果、売上が増加し売掛金が13,784千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末に比べ12,769千円増加し、106,251千円となりました。主な増減内訳は、繰延税金資産が7,659千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債については、240,617千円となり、前事業年度末と比較し48,589千円の減少となりました。
流動負債の残高は、前事業年度末に比べ4,167千円増加し、142,214千円となりました。主な増減内訳は、人員増加により未払費用が6,190千円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末に比べ52,757千円減少し、98,403千円となりました。増減内訳は、長期借入金の返済により52,757千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産については、637,825千円となり、前事業年度末と比較し231,225千円の増加となりました。その主な増減内訳は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行及び新株予約権の行使に伴い資本金が102,632千円、資本準備金が102,632千円増加したことや当期純利益の計上により繰越利益剰余金が26,410千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、既往の資源高の影響などを受けつつも、供給制約の影響の緩和や、新型コロナウイルス禍での経済活動に対する制約の解消を背景とした個人消費の緩やかな増加により、持ち直しております。一方で先行きについては、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力の影響、物価上昇によるコストの増加や需要の減少、人手不足による人件費増加が懸念され、依然として不透明な状況が続いております。
教育業界においては、従来から問題視されていた教育現場の労働生産性の改善意識も高まっており、新型コロナウイルス感染症を契機としたオンライン教育への急速な関心・注目の高まりや、2020年度から始まった政府のGIGAスクール構想で進められている教育環境のデジタル化といった事業環境への変化にも機敏な対応が求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景とした、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。
このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに」をミッションに掲げ、学習塾を中心とする民間教育業界にフォーカスして、そのアナログ業務を効率化するコミュニケーションツール「Comiru」の開発・運用に注力してまいりました。今後も、更なるユーザー獲得及び顧客満足度向上のため、新機能の充実を図り、引き続き機能追加を行ってまいります。
当事業年度においては、主力サービスである「Comiru」は、既存顧客からのアップセル(利用部門や利用生徒数の拡大等)や中小規模の学習塾及び英会話やプログラミングスクール等において、順調に新規顧客を獲得したことにより有料契約企業数及び課金生徒ID数が増加し、かつ低い解約率を維持したことによりARR及び課金生徒ID単価が上昇しました。その一方で、2023年10月19日に公表した「2023年10月期 業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、一部のカスタマイズ案件の仕様変更等により翌期への期ズレ(2024年10月期第1、第2四半期(2023年11月~2024年4月)予定)が発生し、第2四半期に発生した大手学習塾の解約による影響や、新規大手学習塾の課金開始時期が2024年10月期第2、第3四半期(2024年2月~7月)とする案件が増加したことにより、当初計画していた大手学習塾5社の課金開始を達成できず、売上高が当初見込みを下回り、ARPUが僅かに減少する結果となりました。
なお、当事業年度から強化している大手学習塾向けの「ComiruPRO」の導入と基幹システムの有償開発をセットにしたサービスの提案や教育委員会を始めとした自治体への提案も継続しており、引き続き顧客基盤の拡大に向けて取り組んでまいります。
顧客基盤別の取り組みとしては、以下のとおりであります。
(学習塾領域)
学習塾領域においては、中小規模の学習塾向けに経営セミナーの開催等効果的なマーケティング活動や既存顧客による紹介により、順調に新規顧客を獲得しております。
大手学習塾については、「ComiruPRO」の導入と基幹システムの有償開発をセットにしたサービスへの引き合いが増加しており、複数の案件が現在進行しております。具体的な商談状況としては、14社と商談し、そのうち7社から受注しておりますので、今後、2024年10月期以降の売上高及び利益の増加を見込んでおります。
また、2023年7月には「テラコヤプラス by Ameba」を運営する株式会社CyberOwlと業務提携し、集客情報の管理を始めとした学習塾のマーケティング領域にかかる業務プロセスから見直し、DX化を推進するとともに、学習塾を検討されている保護者への新たな価値を提供してまいります。
(習い事領域)
英会話やプログラミングスクール等の学習塾以外の習い事領域においては、活用事例の共有や業界特化型のセミナーの開催等のマーケティング施策により、特にプログラミングスクールを中心に、引き続き新規顧客の獲得数を順調に伸ばしております。
(学校領域)
公教育の学校領域においては、2023年1月の株式会社FCEエデュケーションとの業務提携の他、2022年12月にスポーツ庁及び文化庁が発表した「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」により、各自治体が公立の中学校・高校における休日の部活動を外部に移行する部活動改革に動き出しており、この「部活動の地域移行」に関連した取り組みとして、千葉県内の教育委員会のモデル事業において、学校・教員、地域の部活動指導員、保護者・生徒の3者間におけるコミュニケーションツールとして「Comiru」が採択されました。引き続き教育委員会を始めとした自治体への提案を継続してまいります。
「Comiru」は、サブスクリプション型のリカーリングモデルであり、また、顧客である教育事業者等の生徒集客がID数増加を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえると、新規顧客の獲得に加え、既存顧客からの追加ID獲得が重要であり、また、顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。そのために、先行的に顧客ニーズに即したプロダクトを提供するためのシステム開発人員及び営業人員にかかる人件費、並びに新規商談数獲得や認知度向上のためのマーケティング活動費用として広告宣伝費を投下し、前事業年度以降、継続的に投資を実施しております。一方、新しい生活様式、働き方のスタイルを取り入れ、対面での営業活動やセミナーなどを一部オンラインへ切り替えたことにより広告宣伝費、販売促進費、旅費交通費など一部の経費については減少しております。
これらの結果、当事業年度における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数等の増加により829,201千円(前年同期比24.6%増)となり、売上総利益は、売上高の増加及び開発部門における開発活動の効率化の取り組みにより610,612千円(前年同期比28.2%増)となりました。一方で、展示会(EDIX(教育総合展)東京)への出展やWEB広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充による広告宣伝費や、営業体制の強化による人件費などの増加により、営業利益が37,230千円(前事業年度は営業損失20,483千円)となりました。また、支払利息及び上場関連費用の計上により、経常利益が33,089千円(前事業年度は経常損失26,987千円)、当期純利益が26,410千円(前年同期比233.2%増)となりました。
なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、659,596千円となり、前事業年度末に比べ154,017千円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,173千円(前事業年度は13,306千円の使用)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益33,089千円の計上等があった一方で、減少要因として、売上増加による売上債権の増加額13,720千円、法人税等の支払額15,481千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,537千円(前事業年度は4,476千円の使用)となりました。これは主に、パソコン等の有形固定資産の取得による支出2,259千円、ソフトウエア仮勘定計上の無形固定資産の取得による支出2,886千円、従業員に対する貸付けによる支出5,253千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は155,381千円(前事業年度は309,717千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行による収入179,611千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入25,203千円、減少要因として、長期借入金の返済による支出69,433千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社の事業区分は「教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業」の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ163,869千円増加し、829,201千円(前年同期比24.6%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」の課金生徒ID数及び有料契約企業数が順調に増加したことと顧客単価が上昇したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ29,501千円増加し、218,588千円(前年同期比15.6%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」のエンジニア人員及び開発にかかる外部協力者への外注費が増加した結果によるものであります。売上原価は増加したものの、売上高の増加及び開発部門における開発活動の効率化の取り組みにより、売上総利益は前事業年度に比べ134,367千円増加し、610,612千円(前年同期比28.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ76,653千円増加し、573,381千円(前年同期比15.4%増)となりました。これは主に、将来の成長を支える人材の確保に伴い従業員給料及び手当が46,670千円、展示会(EDIX(教育総合展)東京)への出展やWEB広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充により広告宣伝費が11,971千円増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は37,230千円(前事業年度は営業損失20,483千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ443千円減少し、23千円(前年同期比94.9%減)となりました。これは主に、消費税等調整額が450千円減少したこと等によるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ2,806千円減少し、4,164千円(前年同期比40.3%減)となりました。これは主に、上場関連費用が前事業年度に4,211千円発生したものの、当事業年度は2,335千円を計上したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は33,089千円(前事業年度は経常損失26,987千円)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益及び特別損失は発生しておりません。
当事業年度における法人税等は、前事業年度に比べ42,166千円増加し、6,678千円となりました。これは主に、法人税等調整額が38,149千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当期純利益は26,410千円(前年同期比233.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、システム開発の外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金は第三者割当有償増資及び取引金融機関と長期的な借入契約を借入の都度締結することを基本としております。
なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は114,495千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は659,596千円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社の売上高は主に教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業で構成されております。当該事業は毎月経常的に得られる月額利用料が売上高の大半を占めており、その積み上がり状況の指標であるARRの拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断するうえで、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARR、課金生徒ID単価を重要な指標としております。ARRを高めていくためには、有料契約企業数を増やしていくことが重要であると考えております。
また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。なお、過年度の各指標の推移は以下となります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末の資産については、総資産が878,443千円となり、前事業年度末と比較し182,636千円の増加となりました。
流動資産の残高は、前事業年度末に比べ169,867千円増加し、772,192千円となりました。主な増減内訳は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行及び新株予約権の行使に伴い、現金及び預金が154,017千円、「Comiru」の拡大に努めた結果、売上が増加し売掛金が13,784千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末に比べ12,769千円増加し、106,251千円となりました。主な増減内訳は、繰延税金資産が7,659千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債については、240,617千円となり、前事業年度末と比較し48,589千円の減少となりました。
流動負債の残高は、前事業年度末に比べ4,167千円増加し、142,214千円となりました。主な増減内訳は、人員増加により未払費用が6,190千円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末に比べ52,757千円減少し、98,403千円となりました。増減内訳は、長期借入金の返済により52,757千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産については、637,825千円となり、前事業年度末と比較し231,225千円の増加となりました。その主な増減内訳は、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行及び新株予約権の行使に伴い資本金が102,632千円、資本準備金が102,632千円増加したことや当期純利益の計上により繰越利益剰余金が26,410千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、既往の資源高の影響などを受けつつも、供給制約の影響の緩和や、新型コロナウイルス禍での経済活動に対する制約の解消を背景とした個人消費の緩やかな増加により、持ち直しております。一方で先行きについては、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力の影響、物価上昇によるコストの増加や需要の減少、人手不足による人件費増加が懸念され、依然として不透明な状況が続いております。
教育業界においては、従来から問題視されていた教育現場の労働生産性の改善意識も高まっており、新型コロナウイルス感染症を契機としたオンライン教育への急速な関心・注目の高まりや、2020年度から始まった政府のGIGAスクール構想で進められている教育環境のデジタル化といった事業環境への変化にも機敏な対応が求められております。また、5Gをはじめとする通信インフラの整備やデジタル化の急速な進展を背景とした、AIやIoTの活用による教育手法の革新という面でも、機動性の高い民間教育が担うべき役割や責務はますます大きくなっております。
このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに」をミッションに掲げ、学習塾を中心とする民間教育業界にフォーカスして、そのアナログ業務を効率化するコミュニケーションツール「Comiru」の開発・運用に注力してまいりました。今後も、更なるユーザー獲得及び顧客満足度向上のため、新機能の充実を図り、引き続き機能追加を行ってまいります。
当事業年度においては、主力サービスである「Comiru」は、既存顧客からのアップセル(利用部門や利用生徒数の拡大等)や中小規模の学習塾及び英会話やプログラミングスクール等において、順調に新規顧客を獲得したことにより有料契約企業数及び課金生徒ID数が増加し、かつ低い解約率を維持したことによりARR及び課金生徒ID単価が上昇しました。その一方で、2023年10月19日に公表した「2023年10月期 業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、一部のカスタマイズ案件の仕様変更等により翌期への期ズレ(2024年10月期第1、第2四半期(2023年11月~2024年4月)予定)が発生し、第2四半期に発生した大手学習塾の解約による影響や、新規大手学習塾の課金開始時期が2024年10月期第2、第3四半期(2024年2月~7月)とする案件が増加したことにより、当初計画していた大手学習塾5社の課金開始を達成できず、売上高が当初見込みを下回り、ARPUが僅かに減少する結果となりました。
なお、当事業年度から強化している大手学習塾向けの「ComiruPRO」の導入と基幹システムの有償開発をセットにしたサービスの提案や教育委員会を始めとした自治体への提案も継続しており、引き続き顧客基盤の拡大に向けて取り組んでまいります。
顧客基盤別の取り組みとしては、以下のとおりであります。
(学習塾領域)
学習塾領域においては、中小規模の学習塾向けに経営セミナーの開催等効果的なマーケティング活動や既存顧客による紹介により、順調に新規顧客を獲得しております。
大手学習塾については、「ComiruPRO」の導入と基幹システムの有償開発をセットにしたサービスへの引き合いが増加しており、複数の案件が現在進行しております。具体的な商談状況としては、14社と商談し、そのうち7社から受注しておりますので、今後、2024年10月期以降の売上高及び利益の増加を見込んでおります。
また、2023年7月には「テラコヤプラス by Ameba」を運営する株式会社CyberOwlと業務提携し、集客情報の管理を始めとした学習塾のマーケティング領域にかかる業務プロセスから見直し、DX化を推進するとともに、学習塾を検討されている保護者への新たな価値を提供してまいります。
(習い事領域)
英会話やプログラミングスクール等の学習塾以外の習い事領域においては、活用事例の共有や業界特化型のセミナーの開催等のマーケティング施策により、特にプログラミングスクールを中心に、引き続き新規顧客の獲得数を順調に伸ばしております。
(学校領域)
公教育の学校領域においては、2023年1月の株式会社FCEエデュケーションとの業務提携の他、2022年12月にスポーツ庁及び文化庁が発表した「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」により、各自治体が公立の中学校・高校における休日の部活動を外部に移行する部活動改革に動き出しており、この「部活動の地域移行」に関連した取り組みとして、千葉県内の教育委員会のモデル事業において、学校・教員、地域の部活動指導員、保護者・生徒の3者間におけるコミュニケーションツールとして「Comiru」が採択されました。引き続き教育委員会を始めとした自治体への提案を継続してまいります。
「Comiru」は、サブスクリプション型のリカーリングモデルであり、また、顧客である教育事業者等の生徒集客がID数増加を推進するビジネスモデルでもあります。これらの特長を踏まえると、新規顧客の獲得に加え、既存顧客からの追加ID獲得が重要であり、また、顧客ニーズに即した魅力的なプロダクトを提供し続ける必要があると考えております。そのために、先行的に顧客ニーズに即したプロダクトを提供するためのシステム開発人員及び営業人員にかかる人件費、並びに新規商談数獲得や認知度向上のためのマーケティング活動費用として広告宣伝費を投下し、前事業年度以降、継続的に投資を実施しております。一方、新しい生活様式、働き方のスタイルを取り入れ、対面での営業活動やセミナーなどを一部オンラインへ切り替えたことにより広告宣伝費、販売促進費、旅費交通費など一部の経費については減少しております。
これらの結果、当事業年度における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数等の増加により829,201千円(前年同期比24.6%増)となり、売上総利益は、売上高の増加及び開発部門における開発活動の効率化の取り組みにより610,612千円(前年同期比28.2%増)となりました。一方で、展示会(EDIX(教育総合展)東京)への出展やWEB広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充による広告宣伝費や、営業体制の強化による人件費などの増加により、営業利益が37,230千円(前事業年度は営業損失20,483千円)となりました。また、支払利息及び上場関連費用の計上により、経常利益が33,089千円(前事業年度は経常損失26,987千円)、当期純利益が26,410千円(前年同期比233.2%増)となりました。
なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、659,596千円となり、前事業年度末に比べ154,017千円増加しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、8,173千円(前事業年度は13,306千円の使用)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益33,089千円の計上等があった一方で、減少要因として、売上増加による売上債権の増加額13,720千円、法人税等の支払額15,481千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は9,537千円(前事業年度は4,476千円の使用)となりました。これは主に、パソコン等の有形固定資産の取得による支出2,259千円、ソフトウエア仮勘定計上の無形固定資産の取得による支出2,886千円、従業員に対する貸付けによる支出5,253千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は155,381千円(前事業年度は309,717千円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として、東京証券取引所グロース市場への上場に伴う公募増資による新株式の発行、第三者割当増資(オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資)による新株式の発行による収入179,611千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入25,203千円、減少要因として、長期借入金の返済による支出69,433千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載にはなじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当事業年度 (自 2022年11月1日 至 2023年10月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 教育事業者等向けSaaS型業務 管理プラットフォーム事業 | 829,201 | 124.6 |
| 合計 | 829,201 | 124.6 |
(注)1.当社の事業区分は「教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業」の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表を作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ163,869千円増加し、829,201千円(前年同期比24.6%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」の課金生徒ID数及び有料契約企業数が順調に増加したことと顧客単価が上昇したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ29,501千円増加し、218,588千円(前年同期比15.6%増)となりました。これは主に、主力サービスである「Comiru」のエンジニア人員及び開発にかかる外部協力者への外注費が増加した結果によるものであります。売上原価は増加したものの、売上高の増加及び開発部門における開発活動の効率化の取り組みにより、売上総利益は前事業年度に比べ134,367千円増加し、610,612千円(前年同期比28.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ76,653千円増加し、573,381千円(前年同期比15.4%増)となりました。これは主に、将来の成長を支える人材の確保に伴い従業員給料及び手当が46,670千円、展示会(EDIX(教育総合展)東京)への出展やWEB広告を中心としたオンラインマーケティングの拡充により広告宣伝費が11,971千円増加したことによるものであります。
以上の結果、営業利益は37,230千円(前事業年度は営業損失20,483千円)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ443千円減少し、23千円(前年同期比94.9%減)となりました。これは主に、消費税等調整額が450千円減少したこと等によるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ2,806千円減少し、4,164千円(前年同期比40.3%減)となりました。これは主に、上場関連費用が前事業年度に4,211千円発生したものの、当事業年度は2,335千円を計上したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は33,089千円(前事業年度は経常損失26,987千円)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益及び特別損失は発生しておりません。
当事業年度における法人税等は、前事業年度に比べ42,166千円増加し、6,678千円となりました。これは主に、法人税等調整額が38,149千円減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当期純利益は26,410千円(前年同期比233.2%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性について、当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の人件費、システム開発の外注費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針とし、運転資金は第三者割当有償増資及び取引金融機関と長期的な借入契約を借入の都度締結することを基本としております。
なお、当事業年度末における借入金を含む有利子負債の残高は114,495千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は659,596千円となっております。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社の売上高は主に教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業で構成されております。当該事業は毎月経常的に得られる月額利用料が売上高の大半を占めており、その積み上がり状況の指標であるARRの拡大を経営上の目標としております。その達成状況を判断するうえで、有料契約企業数、課金生徒ID数、ARPU、ARR、課金生徒ID単価を重要な指標としております。ARRを高めていくためには、有料契約企業数を増やしていくことが重要であると考えております。
また、当社の持続的な成長と安定的な収益を実現するために、投資効率を計る指標として広告宣伝費/売上高比率、顧客の解約率、及び売上総利益と営業利益率を重要な経営指標として確認しております。なお、過年度の各指標の推移は以下となります。
| 項目 | 2021年10月期 | 2022年10月期 | 2023年10月期 | |||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |||
| 有料契約企業数(社) | 944 | 1,118 | 1,120 | 1,212 | 1,288 | 1,326 |
| 課金生徒ID数(千ID) | 219 | 330 | 344 | 308 | 331 | 340 |
| ARPU(円) | 44,821 | 52,886 | 55,204 | 49,781 | 49,986 | 49,937 |
| ARR(千円) | 507,736 | 709,519 | 741,945 | 724,012 | 772,589 | 794,601 |
| 課金生徒ID単価(円) | 192 | 179 | 179 | 196 | 194 | 195 |
| 広告宣伝費/売上高比率(%) | 13.2 | 5.2 | 5.3 | 4.9 | 6.0 | 5.6 |
| 顧客の解約率(%) | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.4 |
| 売上総利益(千円) | 301,727 | 476,244 | 145,877 | 300,233 | 448,151 | 610,612 |
| 営業利益率(%) | △40.8 | △3.1 | 4.4 | 5.6 | 3.2 | 4.5 |