半期報告書-第12期(2025/11/01-2026/04/30)
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末における資産については、総資産が1,181,551千円となり、前事業年度末と比較し61,227千円の減少となりました。
流動資産の残高は、前事業年度末に比べ60,833千円減少し、937,674千円となりました。主な増減内訳は、自己株式の取得及び営業債務等の支払により現金及び預金が78,360千円減少した一方、サーバー費用の前払い等により前払費用が11,825千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末に比べ393千円減少し、243,876千円となりました。主な増減内訳は、減価償却費の計上等により有形固定資産が883千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債については、286,386千円となり、前事業年度末と比較し80,693千円の減少となりました。
流動負債の残高は、前事業年度末に比べ62,981千円減少し、233,212千円となりました。主な増減内訳は、未払金が35,428千円、未払消費税等が15,753千円、返済により短期借入金が15,000千円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末に比べ17,712千円減少し、53,174千円となりました。増減内訳は、長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産については、895,165千円となり、前事業年度末と比較し19,466千円の増加となりました。主な増減内訳は、自己株式の取得(69,100株、39,949千円)による減少があった一方、中間純利益の計上により繰越利益剰余金が57,518千円増加したことによるものであります。
(2) 経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国の経済は、雇用環境の改善が見られる一方、米国の通商政策や物価高に起因する実質購買力の低下懸念から、先行きは不透明な状況が続いております。家計の防衛意識の高まりは、教育支出における費用対効果への意識をより一層高めており、学習塾等の教育事業者には、選ばれるためのより高い付加価値の提供が迫られております。
教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。
このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、先生、生徒、保護者をはじめとする全てのステークホルダーの関係性を豊かにし、誰もが成長し合える社会(世界観)の実現を目指しております。このミッションに基づき、当社は学習塾を中心とする教育事業者が、煩雑なバックオフィス業務から解放され、本質的な価値である「教える」ことに専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として事業を展開しております。今後も、この世界観を社会に実装し続けるため、更なる顧客基盤の拡大および顧客エンゲージメントの深化を図り、既存機能の磨き込みとともに、市場ニーズに即した新機能の開発・実装を推進してまいります。
当中間会計期間の業績は、以下のとおりであります。
① 全体概況とSaaS事業の進捗
主力であるSaaS事業において、中核サービスである「Comiru」は中小規模の学習塾を中心とした新規顧客獲得が堅調に推移し、有料契約企業数は2,103社(前年同期比16.4%増)と着実に伸張しております。また、2025年1月にリリースした「ComiruPay」は、決済業務の効率化と手数料負担の軽減というニーズを的確に捉え、申込社数は673社(直前四半期比47.6%増)に達しております。本サービスは、主力サービス「Comiru」の導入促進及び解約抑止を高める重要な戦略的役割を担いつつあり、将来的な収益貢献に向けたクロスセル基盤が着実に構築されているものと考えております。
事業の先行指標である課金生徒ID数は483千ID(前年同期比6.6%増)、ARR(注1)は1,167,888千円(前年同期比6.0%増)、ARPU(注2)は46,279円(前年同期比9.0%減)となり、前四半期(第1四半期)と比較して一時的な減少となりましたが、当社の事業の本質的な健全性を示す顧客の解約率(注3)は0.5%と極めて低い水準でコントロールされており、顧客基盤の毀損や競争力の低下によるものではありません。
これらのKPI変動の背景には、当社が当期より推進している「収益構造の質的転換」と、それに伴うプラットフォームの拡大があります。
当社の重点領域である習い事市場(前年同期比65.2%増の365社)及び個人塾セグメント(前年同期比9.7%増の1,594社)においては、新規顧客獲得が堅調に推移しております。同領域における春期の年度替わり(卒業・入学サイクル)に伴う生徒数の減少影響については、顧客解約率の安定を背景に想定範囲内の幅に留まっており、当社のオーガニックな成長力は底堅く推移しております。
なお、これらの顧客層は、1社当たりの生徒規模(課金生徒ID数)が相対的に小さい傾向にあるため、全顧客に占める構成比の急速な変化に伴い、全体の平均値としてのARPUが一時的に押し下げられたものであります。一方で、同時期における「ComiruPay」の総申込社数は有料契約企業数の3割超に相当する水準に達しており、将来的な収益貢献に向けたクロスセル基盤の構築が進展するとともに、顧客基盤の裾野拡大が決済インフラの普及へと繋がる構造となっております。
また、課金生徒ID数及びARRの前四半期比(第1四半期)での減少については、3月から4月にかけての年度替わりの時期に卒業生のID削除がシステム上で一斉に行われるという学習塾業界特有の季節性に起因するものであります。当中間会計期間においては、上記のとおり、分母となる有料契約企業数が拡大した結果、各社における卒業生の削除と新入塾生の登録との間に生じるタイムラグの影響が例年以上に大きく表面化したものであり、過渡期における想定範囲内の推移であります。
教育事業者のDX進展を追い風に、当社は教育業界における存在感の向上を図っております。教育事業者等向けSaaSで培った豊富なノウハウを活かした「ComiruERP(注4)」の導入推進に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセル、並びに習い事領域への展開に継続して取り組んでおります。今後も新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大を通じ、教育業界におけるプラットフォーマーとしての基盤を一層強化してまいります。
② 顧客基盤別の取り組み
(学習塾領域)
中小規模の学習塾向けには、平均参加者数200名以上の経営セミナーを起点とした高効率な顧客獲得モデルを確立し、広告宣伝費を売上高の4.2%という低水準に抑制しつつ高い商談化率を維持しております。
一方、中堅以上のセグメントにおいては、当期より重視している収益モデルの質的転換を加速させるべく、準大手・中堅大手学習塾を重点対象とした「ComiruERP」及びセミカスタマイズ開発を中心とした提案へ軸足を移しております。これにより、従来の労働集約的な大規模受託開発へのリソース依存を低減し、拡張性の高いストック型収益の積み上げを優先しております。なお、前事業年度までの継続案件として、一部の大手学習塾向けにおいても将来のストック収益化を見据えた「ComiruERP」の導入提案を進めております。進捗としましては、現在、商談中および受注・開発段階を含め計17件のプロジェクトが並行して進行中で、うち2社は当第2四半期に予定通り課金開始へと移行し、ストック収益の積み上げに寄与し始めております。残る開発案件の導入準備を進めるとともに、未確定の商談パイプラインについても、継続して提案および案件の精査を行っております。
(習い事領域)
英会話教室、プログラミングスクール、書道教室等への展開を加速し、有料契約企業数は365社(前年同期比65.2%増)と伸長しました。「ComiruPay」との相乗効果が新規獲得の強力な武器となっており、幅広い教育サービスにおける当社のプラットフォーム価値が実証されていると考えております。
(学校領域)
公教育の学校領域においては、部活動地域移行等コミュニケーションツールの提供に加え、前事業年度に連携協定を締結した千葉県印西市や栄町とは、民間企業としてのノウハウと専門的知見を活かした教育環境のデジタル化を現場レベルで支援しております。具体的には、行政側に対するセキュリティポリシーの策定支援や、現場における校務DXの推進(運用ルールの整備、管理用電子データの最適化等)といった基盤構築を主導したほか、生成AIの活用研修や生徒用端末の選定支援等、利活用フェーズにおける伴走支援において具体的な成果が生まれております。これらの実績は、自治体との強固な信頼関係を構築するだけでなく、将来的なGaaS(注5)領域の深耕と拡張に寄与する成果を上げております。
これらの取り組みは、即座に収益に直結するだけでなく、公教育現場における信頼とブランド価値を醸成するものであり、将来的なBtoG(行政向け)ビジネスの基盤構築に寄与するものと考えております。
これらの結果として、当中間会計期間における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げ等により、714,038千円(前年同期比3.3%増)となりました。利益面においては、開発部門における生産性向上や、費用対効果を重視したマーケティング施策に継続的に取り組んだものの、事業規模の拡大及び将来の成長基盤構築のための戦略的投資(システム基盤の強化、人件費及び人材採用費等)を当初の計画通り執行した結果、売上総利益は518,436千円(前年同期比1.7%減)、営業利益は71,834千円(前年同期比39.5%減)、経常利益は71,382千円(前年同期比39.2%減)、中間純利益は57,518千円(前年同期比57.7%減)となりました。これら各段階利益の減益は、中長期的な収益力強化を目的としたサーバー増強やセキュリティ対策、専門人材の確保といった先行投資を計画に沿って着実に実施したことによるものであり、概ね当初の想定範囲内で推移しております。
なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当社が重視している経営指標の推移は、以下のとおりであります。
(注)1.「ARR」とは、「Annual Recurring Revenue」の略称で、四半期末(期末)時点の「MRR」を12倍して算出しております。
2.「ARPU」とは、「Average Revenue Per User」の略称で、四半期末(期末)の「MRR」を有料契約企業数で除して算出。「MRR」とは、「Monthly Recurring Revenue」の略称で、対象月の月末時点における顧客契約プランの月額利用料の合計額です。
3.「顧客の解約率」は、「月中に解約した有料契約企業数÷前月末時点での有料契約企業数」の月間解約率をベースとした直近12か月の平均月次解約率です。
4.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しています。
5.「GaaS」とは、「Government as a Service」の略で、当社のような民間企業が、SaaSのビジネスモデルを活用して、地方自治体等が抱える課題解決や行政サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を支援する取り組みを指します。
(有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)
(注)当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、670,543千円となり、前事業年度末に比べ178,360千円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,885千円となりました。主な増加要因として、税引前中間純利益71,704千円の計上、減価償却費8,767千円の計上、その他の増減による増加20,611千円等があった一方、減少要因として、サーバー費用の前払い等による前払費用の増加額11,825千円、未払金の減少額35,581千円、未払消費税等の減少額15,776千円、法人税等の支払額21,216千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、107,584千円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出100,000千円、事業用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出8,470千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、72,661千円となりました。これは、自己株式の取得による支出39,949千円、長期借入金の返済による支出17,712千円及び短期借入金の返済による純減15,000千円によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間会計期間において、特記すべき重要な事項はありません。
(8) 主要な設備の新設・除却
該当事項はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間会計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(10) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間会計期間において、資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
なお、当中間会計期間末における有利子負債は96,098千円、有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は△674,445千円となっております。
また、当中間会計期間においては、機動的な資本政策の遂行等を目的として、2026年3月12日開催の取締役会決議(取得株式の総数の上限80,000株、取得価額の総額の上限40,000千円)に基づき、39,949千円の自己株式の取得を実施しましたが、当社の手元流動性及び事業運営に必要な資金の源泉は十分に確保されていると認識しております。
(1) 財政状態の状況
(資産)
当中間会計期間末における資産については、総資産が1,181,551千円となり、前事業年度末と比較し61,227千円の減少となりました。
流動資産の残高は、前事業年度末に比べ60,833千円減少し、937,674千円となりました。主な増減内訳は、自己株式の取得及び営業債務等の支払により現金及び預金が78,360千円減少した一方、サーバー費用の前払い等により前払費用が11,825千円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前事業年度末に比べ393千円減少し、243,876千円となりました。主な増減内訳は、減価償却費の計上等により有形固定資産が883千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間会計期間末における負債については、286,386千円となり、前事業年度末と比較し80,693千円の減少となりました。
流動負債の残高は、前事業年度末に比べ62,981千円減少し、233,212千円となりました。主な増減内訳は、未払金が35,428千円、未払消費税等が15,753千円、返済により短期借入金が15,000千円減少したことによるものであります。
固定負債の残高は、前事業年度末に比べ17,712千円減少し、53,174千円となりました。増減内訳は、長期借入金の返済によるものであります。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産については、895,165千円となり、前事業年度末と比較し19,466千円の増加となりました。主な増減内訳は、自己株式の取得(69,100株、39,949千円)による減少があった一方、中間純利益の計上により繰越利益剰余金が57,518千円増加したことによるものであります。
(2) 経営成績の状況
当中間会計期間におけるわが国の経済は、雇用環境の改善が見られる一方、米国の通商政策や物価高に起因する実質購買力の低下懸念から、先行きは不透明な状況が続いております。家計の防衛意識の高まりは、教育支出における費用対効果への意識をより一層高めており、学習塾等の教育事業者には、選ばれるためのより高い付加価値の提供が迫られております。
教育業界においては、少子化と慢性的な労働力不足に加え、市場環境の変化に対応するため、ICT活用による生産性向上とサービス差別化が喫緊の経営課題となっております。また、政府の「GIGAスクール構想」による端末普及が一巡し、教育現場のDXは「導入」から「利活用・定着」の実践フェーズへと移行しました。AIやIoTを活用した個別最適化された学習環境の提供や、業務効率化による労働生産性の改善は、教育事業者が安定的な教室運営と持続的な成長を実現するための不可欠な要素として、その重要性が増しております。
このような状況のもと、当社は、「『教える』をなめらかに~みんなの“かわる”に寄り添う~」をミッションに掲げ、先生、生徒、保護者をはじめとする全てのステークホルダーの関係性を豊かにし、誰もが成長し合える社会(世界観)の実現を目指しております。このミッションに基づき、当社は学習塾を中心とする教育事業者が、煩雑なバックオフィス業務から解放され、本質的な価値である「教える」ことに専念できるプラットフォーム「Comiru」を主軸として事業を展開しております。今後も、この世界観を社会に実装し続けるため、更なる顧客基盤の拡大および顧客エンゲージメントの深化を図り、既存機能の磨き込みとともに、市場ニーズに即した新機能の開発・実装を推進してまいります。
当中間会計期間の業績は、以下のとおりであります。
① 全体概況とSaaS事業の進捗
主力であるSaaS事業において、中核サービスである「Comiru」は中小規模の学習塾を中心とした新規顧客獲得が堅調に推移し、有料契約企業数は2,103社(前年同期比16.4%増)と着実に伸張しております。また、2025年1月にリリースした「ComiruPay」は、決済業務の効率化と手数料負担の軽減というニーズを的確に捉え、申込社数は673社(直前四半期比47.6%増)に達しております。本サービスは、主力サービス「Comiru」の導入促進及び解約抑止を高める重要な戦略的役割を担いつつあり、将来的な収益貢献に向けたクロスセル基盤が着実に構築されているものと考えております。
事業の先行指標である課金生徒ID数は483千ID(前年同期比6.6%増)、ARR(注1)は1,167,888千円(前年同期比6.0%増)、ARPU(注2)は46,279円(前年同期比9.0%減)となり、前四半期(第1四半期)と比較して一時的な減少となりましたが、当社の事業の本質的な健全性を示す顧客の解約率(注3)は0.5%と極めて低い水準でコントロールされており、顧客基盤の毀損や競争力の低下によるものではありません。
これらのKPI変動の背景には、当社が当期より推進している「収益構造の質的転換」と、それに伴うプラットフォームの拡大があります。
当社の重点領域である習い事市場(前年同期比65.2%増の365社)及び個人塾セグメント(前年同期比9.7%増の1,594社)においては、新規顧客獲得が堅調に推移しております。同領域における春期の年度替わり(卒業・入学サイクル)に伴う生徒数の減少影響については、顧客解約率の安定を背景に想定範囲内の幅に留まっており、当社のオーガニックな成長力は底堅く推移しております。
なお、これらの顧客層は、1社当たりの生徒規模(課金生徒ID数)が相対的に小さい傾向にあるため、全顧客に占める構成比の急速な変化に伴い、全体の平均値としてのARPUが一時的に押し下げられたものであります。一方で、同時期における「ComiruPay」の総申込社数は有料契約企業数の3割超に相当する水準に達しており、将来的な収益貢献に向けたクロスセル基盤の構築が進展するとともに、顧客基盤の裾野拡大が決済インフラの普及へと繋がる構造となっております。
また、課金生徒ID数及びARRの前四半期比(第1四半期)での減少については、3月から4月にかけての年度替わりの時期に卒業生のID削除がシステム上で一斉に行われるという学習塾業界特有の季節性に起因するものであります。当中間会計期間においては、上記のとおり、分母となる有料契約企業数が拡大した結果、各社における卒業生の削除と新入塾生の登録との間に生じるタイムラグの影響が例年以上に大きく表面化したものであり、過渡期における想定範囲内の推移であります。
教育事業者のDX進展を追い風に、当社は教育業界における存在感の向上を図っております。教育事業者等向けSaaSで培った豊富なノウハウを活かした「ComiruERP(注4)」の導入推進に加え、既存顧客へのアップセル・クロスセル、並びに習い事領域への展開に継続して取り組んでおります。今後も新たな顧客層の開拓と事業領域の拡大を通じ、教育業界におけるプラットフォーマーとしての基盤を一層強化してまいります。
② 顧客基盤別の取り組み
(学習塾領域)
中小規模の学習塾向けには、平均参加者数200名以上の経営セミナーを起点とした高効率な顧客獲得モデルを確立し、広告宣伝費を売上高の4.2%という低水準に抑制しつつ高い商談化率を維持しております。
一方、中堅以上のセグメントにおいては、当期より重視している収益モデルの質的転換を加速させるべく、準大手・中堅大手学習塾を重点対象とした「ComiruERP」及びセミカスタマイズ開発を中心とした提案へ軸足を移しております。これにより、従来の労働集約的な大規模受託開発へのリソース依存を低減し、拡張性の高いストック型収益の積み上げを優先しております。なお、前事業年度までの継続案件として、一部の大手学習塾向けにおいても将来のストック収益化を見据えた「ComiruERP」の導入提案を進めております。進捗としましては、現在、商談中および受注・開発段階を含め計17件のプロジェクトが並行して進行中で、うち2社は当第2四半期に予定通り課金開始へと移行し、ストック収益の積み上げに寄与し始めております。残る開発案件の導入準備を進めるとともに、未確定の商談パイプラインについても、継続して提案および案件の精査を行っております。
(習い事領域)
英会話教室、プログラミングスクール、書道教室等への展開を加速し、有料契約企業数は365社(前年同期比65.2%増)と伸長しました。「ComiruPay」との相乗効果が新規獲得の強力な武器となっており、幅広い教育サービスにおける当社のプラットフォーム価値が実証されていると考えております。
(学校領域)
公教育の学校領域においては、部活動地域移行等コミュニケーションツールの提供に加え、前事業年度に連携協定を締結した千葉県印西市や栄町とは、民間企業としてのノウハウと専門的知見を活かした教育環境のデジタル化を現場レベルで支援しております。具体的には、行政側に対するセキュリティポリシーの策定支援や、現場における校務DXの推進(運用ルールの整備、管理用電子データの最適化等)といった基盤構築を主導したほか、生成AIの活用研修や生徒用端末の選定支援等、利活用フェーズにおける伴走支援において具体的な成果が生まれております。これらの実績は、自治体との強固な信頼関係を構築するだけでなく、将来的なGaaS(注5)領域の深耕と拡張に寄与する成果を上げております。
これらの取り組みは、即座に収益に直結するだけでなく、公教育現場における信頼とブランド価値を醸成するものであり、将来的なBtoG(行政向け)ビジネスの基盤構築に寄与するものと考えております。
これらの結果として、当中間会計期間における売上高は、「Comiru」の課金生徒ID数の着実な積み上げ等により、714,038千円(前年同期比3.3%増)となりました。利益面においては、開発部門における生産性向上や、費用対効果を重視したマーケティング施策に継続的に取り組んだものの、事業規模の拡大及び将来の成長基盤構築のための戦略的投資(システム基盤の強化、人件費及び人材採用費等)を当初の計画通り執行した結果、売上総利益は518,436千円(前年同期比1.7%減)、営業利益は71,834千円(前年同期比39.5%減)、経常利益は71,382千円(前年同期比39.2%減)、中間純利益は57,518千円(前年同期比57.7%減)となりました。これら各段階利益の減益は、中長期的な収益力強化を目的としたサーバー増強やセキュリティ対策、専門人材の確保といった先行投資を計画に沿って着実に実施したことによるものであり、概ね当初の想定範囲内で推移しております。
なお、当社の事業セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
当社が重視している経営指標の推移は、以下のとおりであります。
| 項目 | 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 有料契約企業数(社) | 2025年10月期 | 1,731 | 1,806 | 1,890 | 1,939 |
| 2026年10月期 | 1,996 | 2,103 | |||
| 課金生徒ID数(千ID) | 2025年10月期 | 459 | 453 | 485 | 505 |
| 2026年10月期 | 518 | 483 | |||
| ARPU(円) | 2025年10月期 | 55,160 | 50,858 | 52,061 | 51,816 |
| 2026年10月期 | 51,897 | 46,279 | |||
| ARR(千円) | 2025年10月期 | 1,145,780 | 1,102,202 | 1,180,738 | 1,205,649 |
| 2026年10月期 | 1,243,046 | 1,167,888 | |||
| 広告宣伝費/売上高比率(%) | 2025年10月期 | 3.2 | 3.9 | 3.8 | 4.9 |
| 2026年10月期 | 4.6 | 4.2 | |||
| 顧客の解約率(%) | 2025年10月期 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 |
| 2026年10月期 | 0.5 | 0.5 | |||
| 売上総利益(千円) | 2025年10月期 | 263,010 | 527,416 | 781,207 | 1,044,392 |
| 2026年10月期 | 258,887 | 518,436 | |||
| 営業利益率(%) | 2025年10月期 | 18.4 | 17.2 | 15.9 | 12.6 |
| 2026年10月期 | 10.6 | 10.1 |
(注)1.「ARR」とは、「Annual Recurring Revenue」の略称で、四半期末(期末)時点の「MRR」を12倍して算出しております。
2.「ARPU」とは、「Average Revenue Per User」の略称で、四半期末(期末)の「MRR」を有料契約企業数で除して算出。「MRR」とは、「Monthly Recurring Revenue」の略称で、対象月の月末時点における顧客契約プランの月額利用料の合計額です。
3.「顧客の解約率」は、「月中に解約した有料契約企業数÷前月末時点での有料契約企業数」の月間解約率をベースとした直近12か月の平均月次解約率です。
4.「ERP」とは、「Enterprise Resource Planning」(企業資源計画)の略で、「ComiruERP」は教育事業者等向けの基幹業務システムであり、請求・会計、人事、販売などの業務を統合し、効率化、情報の一元化を図るためのシステムです。当社のSaaS版「Comiru」と連携し、顧客のサーバーに個別にカスタマイズしたシステムを導入することで、教育事業者等のDX化を支援しています。
5.「GaaS」とは、「Government as a Service」の略で、当社のような民間企業が、SaaSのビジネスモデルを活用して、地方自治体等が抱える課題解決や行政サービスのDX(デジタル・トランスフォーメーション)化を支援する取り組みを指します。
(有料契約企業数の当社分類別内訳) (単位:社)
| 分類名 | 生徒規模数 (注) | 事業年度 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 |
| 大手塾 | 5,000人以上 | 2025年10月期 | 17 | 19 | 19 | 19 |
| 2026年10月期 | 19 | 21 | ||||
| 中堅塾 | 300~5,000人 | 2025年10月期 | 110 | 113 | 113 | 119 |
| 2026年10月期 | 123 | 123 | ||||
| 個人塾 | 300人未満 | 2025年10月期 | 1,421 | 1,453 | 1,503 | 1,515 |
| 2026年10月期 | 1,544 | 1,594 | ||||
| その他 習い事 | - | 2025年10月期 | 183 | 221 | 255 | 286 |
| 2026年10月期 | 310 | 365 | ||||
| 合計 | 2025年10月期 | 1,731 | 1,806 | 1,890 | 1,939 | |
| 2026年10月期 | 1,996 | 2,103 | ||||
(注)当社は、生徒規模に応じて、学習塾を大手塾、中堅塾、個人塾と分類しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、670,543千円となり、前事業年度末に比べ178,360千円減少しました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、1,885千円となりました。主な増加要因として、税引前中間純利益71,704千円の計上、減価償却費8,767千円の計上、その他の増減による増加20,611千円等があった一方、減少要因として、サーバー費用の前払い等による前払費用の増加額11,825千円、未払金の減少額35,581千円、未払消費税等の減少額15,776千円、法人税等の支払額21,216千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、107,584千円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出100,000千円、事業用ソフトウエアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出8,470千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、72,661千円となりました。これは、自己株式の取得による支出39,949千円、長期借入金の返済による支出17,712千円及び短期借入金の返済による純減15,000千円によるものであります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等
当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当中間会計期間において、特記すべき重要な事項はありません。
(8) 主要な設備の新設・除却
該当事項はありません。
(9) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間会計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
(10) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当中間会計期間において、資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。
なお、当中間会計期間末における有利子負債は96,098千円、有利子負債から現金及び預金を控除したネット有利子負債は△674,445千円となっております。
また、当中間会計期間においては、機動的な資本政策の遂行等を目的として、2026年3月12日開催の取締役会決議(取得株式の総数の上限80,000株、取得価額の総額の上限40,000千円)に基づき、39,949千円の自己株式の取得を実施しましたが、当社の手元流動性及び事業運営に必要な資金の源泉は十分に確保されていると認識しております。