有価証券届出書(新規公開時)

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2022/10/27 15:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、当社は、細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
① 経営成績の状況
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大が続く中、段階的に経済活動が再開され株式市場は徐々に回復に向かいましたが、新たな変異株であるオミクロン株の出現により、年末にかけて感染者数の急拡大が懸念され、依然予断を許さない状況が続いております。そのため、工場の稼働率低下による部品不足や、原材料の調達、輸送費用等の高騰も様々な業界で課題となっており、先行き不透明な状況が続きました。
国内における再生医療・細胞治療分野においては、2021年に開催された厚生労働省 薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会において、すでに承認を受けている11品目に加え、国内で新たに5つの再生医療等製品の製造販売承認が了承され、新たな再生医療等製品の上市への期待感が高まりました。
このような状況の下、当社は独自のプラットフォーム技術を用いた革新的な再生医療等製品や3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、研究・技術開発を中核とする事業活動を推進してまいりました。また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や共同研究活動等により、当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んでまいりました。具体的には、①再生医療領域において、再生医療等製品の承認取得へ向けたパイプライン開発及び研究用細胞製品の受託、②創薬支援領域において、製薬企業・非臨床試験受託企業等を相手方とした創薬支援用のツールとしての細胞製品の開発、③デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等を多面的に展開しております。
なお、当事業年度においては、臨床試験をはじめとする研究開発について概ね計画通りに進めてまいりました。新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う資材・部品の調達遅延が発生する等、今後の開発スケジュールや開発進捗等に影響が生じる可能性がありますが、特定の取引先への依存を回避する等バックアップ体制を整備しながら事業活動を進めてまいります。
各領域における開発状況及び経営成績の概況は、以下のとおりです。
a.再生医療領域
当社では、主要な再生医療パイプライン(末梢神経再生、骨軟骨再生、血管再生等の革新的な3D細胞製品)について、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下、「AMED」という。)の支援のもと、早期の再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関及び連携企業等の共同開発パートナーとともに臨床開発及び研究開発を進めております。
(a) 末梢神経再生
末梢神経再生については、これまでに国立大学法人京都大学とともにAMED委託事業「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3Dプリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」において、末梢神経損傷を受けた患者さまへ移植するための「細胞製神経導管」の開発に取り組んでおります。
当事業年度においては、2020年度より採択されたAMED委託事業「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」において、京都大学とともに臨床試験を継続実施してまいりました。本臨床試験のデータを集積しながら今後、本医師主導治験後の次の治験に向けて準備を進めてまいります。
(b) 骨軟骨再生
骨・軟骨再生については、軟骨だけでなく軟骨下骨まで損傷が進行している患者さまへ軟骨と軟骨下骨とを同時に再生させることが可能な「細胞製骨軟骨」の開発に取り組んでおります。
これまでに九州大学病院において、変形性膝関節症をはじめとする患者さまへ細胞製骨軟骨を移植する製品開発を目指した臨床試験(プロジェクト名:「高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体(HDMAC)を用いた骨軟骨組織再生の臨床研究」)を、AMED委託事業「再生医療実用化研究事業/高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体を用いた骨軟骨組織再生の実用化推進臨床研究」による支援を受け実施してまいりました。
当事業年度においては、次相臨床試験開始に向けて、慶應義塾大学病院とともに製造施設及び治験体制構築を進めてまいりました。
(c) 血管再生
血管再生については、これまでにAMEDの支援を受け、人工透析患者さまへ移植可能な細胞製の血管構造体「小口径細胞製人工血管」の開発に取り組んでおります。
当事業年度においては、国立大学法人佐賀大学と共同で進めるAMED委託事業「バイオ3Dプリンタを用いて造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床研究」において、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとともに臨床試験を継続実施してまいりました。引き続き、国立大学法人佐賀大学との連携を図りながら、臨床試験の完了に向けて今後も開発を続けてまいります。
(d) その他
当社が実用化を目指す細胞製品の開発においては、基盤技術を用いて細胞のみで立体的な構造体を作製するコアプロセス(スフェロイドの作製~三次元細胞積層による立体化~立体構造体の組織化)が極めて重要です。当社では、細胞製品の実用化・産業化に向け、このコアプロセスの機械化及び生産設備開発に取り組んでおり製造設備及び製造設備等のインフラに関する技術・ノウハウ等を有する企業とのパートナーシップ強化を加速し、必要となる培養技術やプロセス開発等、商業化に必要となる技術開発を進めております。
当事業年度においては、当社と細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングス株式会社の子会社である太陽ファルマテック株式会社の高槻工場内に、当社の製品製造が可能な細胞加工施設が2021年9月末に竣工しました。本施設には当社の業務提携先である日立グローバルライフソリューションズ株式会社と共同で構築した、コンパクトかつシームレスな製造設備「次世代モジュール型CPC」が導入されており、3社共同体制に基づく製造施設構築の実現にいたりました。
また、2021年12月には、再生・細胞医療分野における安定的な流通体制を構築することを目的として、株式会社メディパルホールディングスとの間で再生医療等製品の実用化へ向けた開発投資契約を締結し、当社が開発を進める再生医療等製品の事業化の実現に向け、サプライチェーンの構築及びより一層の体制強化を行うことができました。
そのほか、藤森工業株式会社との間では、細胞の大量培養に関する共同技術開発を、また、岩谷産業株式会社との間では、凍結保管技術の開発を進めてまいりました。
以上のように当社では、今後もパートナー企業との間で戦略的パートナーシップの強化を進め、当社の革新的な再生医療等製品の早期の実用化に向け開発を進めてまいります。
b.創薬支援領域
当社では、創薬支援領域において、独自の基盤技術により、人工の足場材料を使用せずに、ヒト肝細胞等の細胞のみから、高い肝機能が長期間にわたり発現する3D肝臓構造体を開発し、製薬企業や非臨床試験受託会社等の創薬研究のニーズに応える創薬支援用途でのツール開発を進めております。
当事業年度においては、これまで国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」という。)による「研究開発型ベンチャー支援事業/企業間連携スタートアップに対する事業化支援」の支援を受け開発した「3D肝臓構造体による毒性評価モデル」について、業務提携パートナーである積水化学工業株式会社、大阪サニタリー株式会社及び株式会社SCREENホールディングスとともに、3D肝臓構造体の事業化に向けた共同開発を進めてまいりました。
c.デバイス領域
当社では、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタによる技術普及を進めることにより、再生・細胞医療領域におけるポジション確立及びシーズ普及・探索を目指すとともに、細胞製品の実用化に必要となる技術応用及び新技術開発を進めております。
(a) 技術普及
当事業年度において、当社のバイオ3Dプリンタ「Regenova®」(製品名:レジェノバ)及び「S-PIKE®」(製品名:スパイク)は、国内外のアカデミア等の研究機関を中心として設置され、再生・細胞医療分野や創薬分野における研究開発現場において稼働しております。またバイオ3Dプリンタを設置した研究機関との共同研究により、新たな細胞製品の開発が進められております。
(b) 技術応用・新技術開発
当事業年度において、当社基盤技術の技術応用により開発した、再生医療パイプラインの臨床試験に用いる臨床用の三次元細胞積層システムが末梢神経再生及び血管再生の臨床試験において稼働しております。また、当社の再生医療等製品の生産体制構築へ向けて、各パートナー企業と共に細胞製品製造システムの共同技術開発を実施しました。
今後も上記活動を継続し、バイオ3Dプリンタ「Regenova®」及び「S-PIKE®」の販売を通じて当社の知名度向上、基盤技術の普及拡大及びパートナー企業とともにグローバル展開を図ることで、当社の細胞製品開発のみならず、再生・細胞医療分野における様々な研究開発の促進及び新たなシーズの開拓を促進してまいります。
以上の結果、当事業年度における売上高は、共同開発パートナーからの開発進捗に応じた契約一時金及び細胞製品等の製造支援、デバイスの販売・レンタル、その関連部品の販売等により、708,245千円となりました。
一方、販売費及び一般管理費は、合計で500,033千円となりました。
これらの結果、当事業年度の営業利益は70,569千円となりました。
また、AMED等からの助成金受領等により、営業外収益を89,424千円計上した一方、借入金の利息等の支払により営業外費用を15,078千円計上したことから、経常利益は144,914千円、当期純利益は142,905千円となり、創業来初めて通期での黒字化を実現いたしました。黒字転換の大きな要因としては、当社が開発を進める再生医療等製品の事業化に向けた開発が順調に進展したこと、及びパートナー企業との連携強化により開発が促進したことに伴う契約一時金の受領や各種業務支援、研究受託・開発受託・製造受託・評価受託等の各種受託の増加により、売上高が大幅に増加したことが影響しております。
なお、当社の事業は再生医療等製品の研究開発及び製造販売並びにこれらに関連する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
第13期第2四半期累計期間(自 2022年1月1日至 2022年6月30日)
当第2四半期累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、ワクチン接種の普及拡大による新規感染者数の減少及び感染予防策を講じた外出規制の緩和に伴い、緩やかな回復傾向がみられたものの、感染力の強いオミクロン株の流行、原油価格高騰等による原材料価格の上昇、ウクライナ情勢の緊迫など、依然として先行きは不透明な状況が続きました。
当社では、独自のプラットフォーム技術による革新的な再生医療等製品などの3D細胞製品の創出を通じて、新たな再生医療・細胞医療の実用化・産業化に貢献するべく、細胞製品にかかる研究・技術開発を中核とする事業活動を継続的に進めております。また、細胞製品開発と並行して、デバイス販売や細胞製品の共同研究等により、当社の基盤技術を国内外に普及させる事業活動にも取り組んでおります。
当第2四半期累計期間における各領域における事業活動の進捗及び経営成績の概況は、以下のとおりです。
a.再生医療領域
当社では、再生医療領域において、バイオ3Dプリンタを用いた新たな再生医療等製品の承認取得・実用化を目指し、各大学・研究機関及び連携企業等の共同開発パートナーと臨床開発及び研究開発を進めるとともに、再生医療等製品の製品開発及び研究用細胞製品の受託等の事業活動を進めております。
再生医療等製品としての承認取得を目指す主要パイプラインの製品開発状況及び関連技術開発状況は下記のとおりです。
(a) 末梢神経再生
交通事故や労働災害等で末梢神経損傷を受けた患者さまへ移植する「細胞製神経導管」の開発に取り組んでおります。これまで、国立大学法人京都大学とともにAMED委託事業「革新的医療シーズ実用化研究事業/バイオ3Dプリンタにより作製した三次元神経導管(Bio 3D Conduit)を用いた革新的末梢神経再生法の臨床開発」に採択され、「細胞製神経導管」の開発を進めてまいりました。その結果、生きた細胞のみからなる三次元の神経導管の開発に成功し、非臨床試験において有効性及び安全性データを取得しました。その結果をもとに、2020年11月より末梢神経を損傷した患者さまに、バイオ3Dプリンタから作製した神経導管を移植する世界初の末梢神経再生の医師主導治験(2020年度よりAMED委託事業「末梢神経損傷を対象とした三次元神経導管移植による安全性と有効性を検討する医師主導治験」に採択)を実施いたしました。
本医師主導治験において、外傷性末梢神経損傷の患者さまへ「細胞製神経導管」を移植し、計画通り全症例の移植が完了いたしました。当第2四半期累計期間においては、経過観察期間として安全性及び有効性を確認するとともに、今後、関係医療機関等とともに、再生医療等製品としての承認取得に向けて準備を進めてまいります。
また、本末梢神経再生については、文部科学省「情報ひろば」における展示会にて、これまでの活動報告を行いました。
(b) 骨・軟骨再生
骨・軟骨再生については、軟骨だけでなく軟骨下骨まで損傷が進行している患者さまへ軟骨と軟骨下骨とを同時に再生させることが可能な「細胞製骨軟骨」の開発に取り組んでおります。
これまでに九州大学病院において、「細胞製骨軟骨」を移植する臨床開発(プロジェクト名:「高密度スキャフォールドフリー脂肪由来幹細胞構造体を用いた骨軟骨組織再生の臨床研究」)を、AMEDによる支援を受け実施し、安全性を確認しております。
当第2四半期累計期間においては、次相臨床試験の開始に向けて、慶應義塾大学病院とともに製造施設及び治験体制構築を進めました。
また、慶應義塾大学と共に進める共同研究開発が、AMED橋渡し研究プログラム「バイオ3Dプリンタ技術を用いた膝関節特発性骨壊死に対する骨軟骨再生治療」に事業採択されました。
(c) 血管再生
血管再生については、人工透析患者さまへ移植可能な細胞製の血管構造体「細胞製人工血管」の開発に取り組んでおります。
これまでに、国立大学法人佐賀大学と共同でAMED委託事業「バイオ3Dプリンタを用いて造形した小口径Scaffold free細胞人工血管の臨床研究」において臨床開発を進め、株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングとともに臨床開発を進めてまいりました。当第2四半期累計期間においては、引き続き、本臨床開発を実施しております。
(d) その他
当社が実用化を目指す細胞製品の開発においては、基盤技術を用いて細胞のみで立体構造体を作製するコアプロセス(スフェロイドの作製~三次元細胞積層による立体化~立体構造体の組織化)が極めて重要です。当社では、このコアプロセスの着実な遂行に向け、必要となる培養技術やプロセス開発等、商業化に必要となる技術開発を進めており、製造設備及び製造設備等のインフラに関する技術・ノウハウ等を有する企業とのパートナーシップ強化を進めております。
当第2四半期累計期間においては、当社と細胞製品の製造に関する包括的パートナーシップ契約を締結している太陽ホールディングス株式会社との間で、当社の再生医療等製品の製造・販売へ向けた製造・品質体制の構築を進めました。
その他、藤森工業株式会社との間で、細胞の大量培養に関する共同技術開発を、また岩谷産業株式会社との間で、凍結保管技術の開発を進めております。
また、福岡地所株式会社との間で、再生・細胞医療分野等における事業活動を通じた地域創生を実現することを目的とした業務資本提携をいたしました。
以上のように当社では、パートナー企業との間で戦略的パートナーシップの強化を進め、将来の当社の革新的な再生医療等製品の実用化を進めてまいります。
b.創薬支援領域
当社では、創薬支援領域において、独自の基盤技術により、スキャフォールドを使用せずに、ヒト肝細胞等の細胞のみから、高い肝機能が長期間にわたり発現する3D肝臓構造体を開発し、製薬企業や非臨床試験受託会社等の創薬研究のニーズに応える創薬支援用途の細胞製品開発を進めております。当第2四半期累計期間においては、これまでに国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による支援を受け開発した「3D肝臓構造体による毒性評価モデル」について、業務提携パートナーである積水化学工業株式会社、大阪サニタリー株式会社及び株式会社SCREENホールディングスとともに3D肝臓構造体を用いた創薬支援モデルの事業化に向け開発を進めました。
また、腸管デバイスの開発については新たに、東京都中小企業振興公社が運営する「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」に事業採択されました。
今後は、自社においてプラットフォーム技術を有する強みを活かし、肝臓をベースとした創薬支援モデルを多領域に展開してまいります。
c.デバイス領域
当社では、デバイス領域において、基盤技術を搭載したバイオ3Dプリンタ等の三次元細胞積層システム機器の開発・販売等の事業活動を進めております。また、バイオ3Dプリンタによる基盤技術普及を進めることにより、再生・細胞医療領域におけるポジション確立及びシーズ普及・探索を目指すとともに、細胞製品の実用化に必要となる技術応用及び新技術開発を進めております。今後は再生医療等製品の実用化及び臨床開発に向けたデバイス類の開発及びサポートにも注力してまいります。
以上の結果、当第2四半期累計期間における売上高は、細胞製品の製造支援及びデバイスの販売その関連部品の販売等により、332,504千円となりました。
一方、販売費及び一般管理費は、合計で308,727千円となりました。
これらの結果、当第2四半期累計期間の営業損失は96,974千円となりました。
また、第7回革新的事業展開設備投資支援事業助成金受領等により、営業外収益を29,566千円計上した一方、借入金の利息等の支払により営業外費用を8,718千円計上したことから、経常損失は76,127千円、加えて、本社移転費用の発生等により特別損失を37,807千円計上し、四半期純損失は114,938千円となりました。
なお、当社の事業は再生医療等製品の研究開発及び製造販売並びにこれらに関連する事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
② 財政状態の状況
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
(資産)
当事業年度における総資産は、前事業年度末に比べ450,018千円増加し、2,646,232千円となりました。主な増加要因は、増資の払込、営業債権の回収及び助成金の入金に伴う現金及び預金の増加340,161千円であります。
(負債)
当事業年度における負債については、前事業年度末に比べ99,363千円増加し、746,117千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加78,800千円及び未払消費税等の増加30,668千円であり、主な減少要因は、返済に伴う長期借入金の減少23,202千円及びリース債務の減少16,081千円であります。
(純資産)
当事業年度末における純資産については、前事業年度末に比べ350,655千円増加し、1,900,114千円となりました。主な増加要因は、増資に伴う資本金及び資本剰余金の増加207,750千円及び当期純利益の計上に伴う増加142,905千円であります。
この結果、自己資本比率は71.8%と前事業年度末に比べ1.3ポイント増加しました。
第13期第2四半期累計期間(自 2022年1月1日至 2022年6月30日)
(資産)
当第2四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べ204,158千円増加し、2,850,391千円となりました。主な増加要因は、新拠点に係る有形固定資産の増加149,387千円及び現金及び預金の増加114,955千円であります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債については、前事業年度末に比べ203,297千円増加し、949,415千円となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加148,520千円及び新拠点への移転に伴う未払金の増加60,047千円であり、主な減少要因は、未払消費税等の減少30,668千円及び前受金の減少60,301千円であります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産については、前事業年度末に比べ861千円増加し、1,900,975千円となりました。主な増加要因は、第三者割当増資等に伴う資本金及び資本準備金の増加114,744千円であり、主な減少要因は、四半期純損失の計上114,938千円であります。
この結果、自己資本比率は66.6%と前事業年度末に比べ5.2ポイント減少しました。
③ キャッシュ・フローの状況
第12期事業年度(自 2021年1月1日至 2021年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ340,161千円増加し、1,613,040千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は161,537千円となり、前年同期と比べ455,539千円の収入の増加となりました。
この収入は主に、税引前当期純利益が144,914千円(前期は税引前当期純損失327,492千円)、助成金・補助金が82,853千円(前年同期比19,902千円増加)あった一方で、売上債権の増加額が37,701千円(前年同期比30,055千円増加)あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は50,583千円となり、前年同期と比べ50,319千円の支出の増加となりました。この支出は主に、敷金の差し入れによる支出が50,583千円あったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は229,206千円となり、前年同期と比べ259,699千円の収入の減少となりました、この収入は主に、短期借入金の純増減額による69,201千円及び株式の発行が207,750千円あったことなどによるものです。
第13期第2四半期累計期間(自 2022年1月1日至 2022年6月30日)
当第2四半期累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ14,955千円増加し、1,627,996千円となりました。当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前四半期純損失の計上等により43,463千円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
移転に伴う固定資産の取得及び定期預金の預入等により260,726千円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金及び短期借入金の借入並びに株式の発行等により319,145千円の収入となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当社は、細胞製品等の研究開発及び製造販売並びにこれらの付随業務の単一セグメントであることから、第12期事業年度及び第13期第2四半期累計期間の販売実績を領域分野ごとに示すと、次のとおりであります。
事業分野の名称第12期事業年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第13期第2四半期累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
再生医療領域516,140831.593,234
創薬支援領域30,000300.020,000
デバイス領域162,104247.8219,269
合計708,245515.1332,504

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、再生医療領域においてはパイプライン開発の進捗に伴う各種受託の増加及び権利に関する一時収益があったこと、創薬支援領域においては共同開発に係る各種受託件数が増加したこと、またデバイス領域においてはバイオ3Dプリンタ類の受注が増加したことによるものであります。
3.最近2事業年度及び第13期第2四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第11期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第12期事業年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
第13期第2四半期
累計期間
(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
国立大学法人京都大学43,66231.853,5107.647,61914.3
シカゴ大学29,74121.61,0160.3
シスメックス株式会社20,10514.63,0890.43,9691.2
株式会社メディパルホールディングス300,00042.4
太陽ファルマテック株式会社257,86936.4120,01936.1
岩谷産業株式会社63,93619.2
フランス国立衛生医学研究所40,46312.2


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
固定資産の減損については、資産のグルーピングを行ったうえで、減損の兆候あり、かつ資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合に、減損損失を認識するものとしております。当社は、固定資産の金額的重要性が乏しいため、重要な会計上の見積りには該当しないと判断しております。
(繰延税金資産)
期末に税務上の繰越欠損金を有する場合の繰延税金資産の回収可能性の判断については、税務上の繰越欠損金が将来の一時差異等加減算前課税所得の見積額及び将来加算一時差異の解消見込額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上するものとされています。当社は、税務上の欠損金が継続しており、繰延税金資産の回収可能性を合理的に見積もることは困難と判断し、繰延税金資産を計上しておりません。
また、新型コロナウイルス感染症による今後の影響等を含む仮定に関する情報は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
第12期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
第13期第2四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年6月30日)
当第2四半期累計期間における財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
第12期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)
当事業年度における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
第13期第2四半期累計期間(自 2022年1月1日 至 2022年6月30日)
当第2四半期累計期間における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要の主なものは、パイプライン開発に係る研究開発費及び人材の獲得、維持にかかるシステム費等の営業費用であります。
当社では、今後、経済・金融環境の変化に備えて十分な手元流動性を確保し、中長期的な財務基盤の拡充をはかり、再生医療等製品の事業化(上市)に向けた開発を一切止めることなく達成するため、安定した資金力(キャッシュポジション)」を重視し、多様な資金確保手段を講じることとしております。具体的には、十分な資金を自己資金で確保しながらも、不測の事態を想定し、必要に応じてコミットメントライン等の与信枠を活用し銀行借入等による調達を行うことで現預金残高を維持していく方針であります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に影響を与えるおそれがあることを認識しております。
これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき 課題等」をご参照ください。