有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2023/02/16 15:00
【資料】
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【項目】
146項目
第1【企業の概況】
(はじめに)
当社は、1953年7月に株式会社新興製作所(現社名)の100%子会社として同社の欧文印刷電信機「テレプリンター」の保守を目的に、株式会社新興印刷電信サービスステーションとして創業しました。
1960年代はタイプライター、郵便局窓口端末、データ通信端末等の事務機の保守、販売を行い、1970年代から東京三洋電機株式会社(1986年三洋電機株式会社と合併)のレセプトコンピュータシステム「メディコム」の保守を全国で開始するとともに、NECフィールディング株式会社よりビジネスパソコン(N5200、N6300)、モデム等の保守業務を受託し保守サービスを中心に事業を拡大してまいりました。現在、保守サービス事業を基盤に、サーバやPC等のIT機器の設定やネットワークの構築を行うソリューション事業、IT技術者を派遣する人材サービス事業を全国で展開しております。
株式会社新興印刷電信サービスステーションは数度に渡り商号を変更し、1982年4月に商号を当社の旧社名である新興サービス株式会社に変更しました。
当社は、創業時から2014年までの主たる株主は株式会社新興製作所でしたが、2014年及び2017年に実施された計2回のマネジメント・バイ・アウト(以下、「MBO」といいます)により、株主が異動しておりますのでその内容について説明いたします。
2014年に株式会社新興製作所が保有する当社(当時の商号は「新興サービス株式会社」。以下、「旧新興サービス株式会社」といいます)の株式について、株式会社新興製作所より買取り要請があったため、2014年5月に当時の経営陣が新会社(新興リボーン株式会社)を設立し、2014年6月に旧新興サービス株式会社の既存株主からプライベートエクイティ・ファンド(以下、「当該ファンド」といいます)を活用し発行済株式の100%を取得しました。
2014年11月に新興リボーン株式会社は旧新興サービス株式会社を吸収合併し同日に商号を新興サービス株式会社に変更しました。この株式取得や合併は、当社の代表取締役福留泰蔵を中心とする経営陣が主導し経営していくことで、経営判断のスピードを早め、さらなる事業拡大につなげることを目的として行われたものであります。新興サービス株式会社は会社合併時に被合併会社である旧新興サービス株式会社(実質上の存続会社)の営業活動を全面的に継承しております。以上が1回目のMBOであります。
2014年11月に完了した1回目のMBOにより、MBOに参加した当該ファンドが当社の普通株式の66.7%及び全てのA種優先株式(無議決権)を保有することになりました。その後、2016年9月頃に当社及び経営者株主である福留泰蔵は当該ファンドより普通株式及びA種優先株式全ての取得要請を受けたことから、経営の独立性を維持し、事業を安定的に運営することを目的に当該ファンドから株式を取得するための受け皿会社として2016年12月に当時の当社役員6名(福留泰蔵、佐山龍一、高坂喜一、石田英章、菊池薫、佐藤秀樹)が株式会社ヒューマンサービスを設立し、2017年1月に、当社が当該ファンドからA種優先株式の一部を自己株取得し消却した上で、株式会社ヒューマンサービスは残るA種優先株式と普通株式を当該ファンドから取得しました。一般的なMBOスキームのように株式会社ヒューマンサービスを存続会社として当社が株式会社ヒューマンサービスと合併した場合には、合併後の存続会社に多額ののれんが発生し償却負担が生じることが想定されたため、当社と株式会社ヒューマンサービスは合併を行うことなく、株式会社ヒューマンサービスが調達した借入金及び優先株式の返済等の原資には、株式会社ヒューマンサービスが取得した当社のA種優先株式の配当を充てるスキームを採用しました。以上が2回目のMBOであります。その結果、株式会社ヒューマンサービスは当社普通株式の65.1%を保有し親会社として存続しております。なお、2O20年4月に商号を新興サービス株式会社から株式会社SHINKOに変更し現在に至っております。
株式会社ヒューマンサービスは、提出日現在では当社の親会社に該当しておりますが、当社株式の保有以外に事業は行っておらず、当社との取引関係もありません。株式会社ヒューマンサービスは当社の上場時に当社株式の一部を売り出すことにより得た資金を基に、福留泰蔵以外の株式会社ヒューマンサービス株主が保有する株式を取得、消却することを計画しております。当該株式消却が行われることにより、株式会社ヒューマンサービスは同氏の資産管理会社となり、当社の親会社等(親会社又はその他の関係会社)に該当しなくなる予定であります。
当社の設立から現在に至るまでの沿革の模式図は次のとおりです。


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