有価証券報告書-第117期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは「地球を舞台とした事業活動を通じ、豊かな社会の創造と資源循環社会の構築に貢献する」を企業理念として掲げ、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理という5つのコアビジネスにおいて、皆さまの暮らしを支える製品・サービスを提供しています。
1884年(明治17年)に秋田の鉱山・製錬事業から始まった当社グループは、時代の変化とともに事業内容を様々に進化させ、現在は独自の循環型事業を形成しています。今後も社会や環境を重視した事業運営を通して、全てのステークホルダーと誠実でオープンに向き合うとともに、サステイナブルな社会の実現に資することを最重要のミッションと考えています。
(2) 経営戦略
当社グループは、2018年度から2020年度の3年間の中期計画である「中期計画2020」のもと、引き続き事業基盤の強化を図るとともに、さらなる成長に向けて経営資源を積極投入することによって、底堅さと成長性を兼ね備えた企業になることを目指しています。
中期計画2020の基本方針は以下のとおりです。
成長市場における事業拡大
自動車、情報通信、環境・エネルギー及び医療・ヘルスケアの各分野へ、経営資源を積極的に投入する
既存ビジネスでの競争力強化
成熟した国内市場における事業対応力の強化と製錬・リサイクル複合コンビナート機能の深化により、既存事業の収益力をより一層高める
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期計画2020における経営数値と、2019年度の実績値は以下の通りです。
※ROE:自己資本当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本)
ROA:総資産経常利益率(経常利益/期首・期末平均総資産)
為替・金属価格
中期計画2020の詳細につきましては、当社コーポレートサイト(https://ir.dowa.co.jp/ja/ir/strategy.html)に掲載の「中期計画説明会資料」をご参照ください。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
当連結会計年度における、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を含む当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
当社グループは中期計画2020の達成に向けて、主要施策を着実に進めています。中期計画2020における主要セグメントの事業戦略と主要施策、2019年度の施策進捗状況、2020年度以降の取り組みは、次のとおりです。
○環境・リサイクル部門
事業戦略
・アジアNo.1の地位確立に向けて、既存事業の競争力向上を図り、各事業分野・地域においてシェア拡大と新規展開を加速する
・世界の環境動向を見据え、次の柱となる新規事業の礎を築く
主要施策
・廃棄物処理事業:低濃度PCB廃棄物処理事業のコスト競争力強化、廃棄物の溶融・再資源化拡大
・土壌浄化事業 :国内埋立処分場の建設、自然由来汚染土壌の現地浄化推進
・リサイクル事業:海外集荷の強化、選別機能の充実による有価物回収の強化
・東南アジア事業:新規拠点の開設や処理メニューの充実など廃棄物処理事業の拡大
・新規事業 :食品廃棄物リサイクルの事業化推進
○製錬部門
事業戦略
・製錬・リサイクル複合コンビナート機能を深化させ、事業を強靭化する
主要施策
・貴金属銅事業 :小坂製錬におけるすずの増産、原料対応力の強化
・PGM(白金族)事業 :海外拠点拡充による原料集荷拡大、難処理原料への対応力強化
・亜鉛事業 :不純物対応力強化による年間22万トン生産体制の確立
タイ加工拠点の増強と東南アジアへの拡販
・資源開発 :メキシコでの亜鉛鉱山の建設・操業開始
○電子材料部門
事業戦略
・新規事業を立ち上げ、新たなニッチトップ製品を育成し収益の柱とする
・自動車、医療などの成長市場へ事業領域をさらに広げる
主要施策
・半導体事業 :ヘルスケアセンサなどに向けた新規LEDの開発・量産化
・電子材料事業:太陽光パネル向け銀粉で高シェアを堅持
・機能材料事業:記録材料・キャリア粉・フェライト粉のシェア向上・生産能力向上
・研究開発 :医療・殺菌向け深紫外LEDの拡販、導電材料のラインナップ拡充
自動車向け新規磁性材料のサンプルワーク拡大・事業化
○金属加工部門
事業戦略
・自動車分野、IoT関連分野に注力し事業を拡大する
・事業環境変化に強い経営基盤を確立し、収益力をさらに高める
主要施策
・伸銅品事業 :自動車の電動化・知能化やIoT需要の拡大を捉えた銅合金の増産・拡販
中国・タイ・台湾拠点での加工メニューの充実
・めっき事業 :メキシコ拠点立ち上げ、国内拠点のライン最適化による競争力強化
・回路基板事業:産業機械向けに加え電鉄・自動車向けの拡販、新規製品の開発
○熱処理部門
事業戦略
・現行ビジネスモデルの強みを発揮し、さらなる収益拡大を図る
・新規事業領域への取り組みを推進する
主要施策
・工業炉事業:インド・北米などでの新炉拡販
日本・インド・中国拠点の製造ネットワークの強化
メンテナンス事業の収益力強化、新規設備の開発推進
・熱処理事業:自動車関連需要の増加に応じた国内拠点での能力増強
インドの新規2拠点立ち上げ、タイ・インドネシア拠点の能力増強
国内拠点の自動化・省力化の推進
(1) 経営方針
当社グループは「地球を舞台とした事業活動を通じ、豊かな社会の創造と資源循環社会の構築に貢献する」を企業理念として掲げ、環境・リサイクル、製錬、電子材料、金属加工、熱処理という5つのコアビジネスにおいて、皆さまの暮らしを支える製品・サービスを提供しています。
1884年(明治17年)に秋田の鉱山・製錬事業から始まった当社グループは、時代の変化とともに事業内容を様々に進化させ、現在は独自の循環型事業を形成しています。今後も社会や環境を重視した事業運営を通して、全てのステークホルダーと誠実でオープンに向き合うとともに、サステイナブルな社会の実現に資することを最重要のミッションと考えています。
(2) 経営戦略
当社グループは、2018年度から2020年度の3年間の中期計画である「中期計画2020」のもと、引き続き事業基盤の強化を図るとともに、さらなる成長に向けて経営資源を積極投入することによって、底堅さと成長性を兼ね備えた企業になることを目指しています。
中期計画2020の基本方針は以下のとおりです。
成長市場における事業拡大
自動車、情報通信、環境・エネルギー及び医療・ヘルスケアの各分野へ、経営資源を積極的に投入する
既存ビジネスでの競争力強化
成熟した国内市場における事業対応力の強化と製錬・リサイクル複合コンビナート機能の深化により、既存事業の収益力をより一層高める
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
中期計画2020における経営数値と、2019年度の実績値は以下の通りです。
| 中期計画2020 | 経営数値 | 2019年度 | 実績値 | |
| 経常利益(2020年度) | 500億円 | 経常利益(2019年度) | 289億円 | |
| 営業利益(2020年度) | 450億円 | 営業利益(2019年度) | 259億円 | |
| ROE(2020年度末) | 12%以上 | ROE(2019年度末) | 7.2% | |
| ROA(2020年度末) | 10%以上 | ROA(2019年度末) | 5.8% | |
| 営業キャッシュ・フロー (2018~2020年度累計) | 1,200億円 | 営業キャッシュ・フロー (2018~2019年度累計) | 926億円 | |
| 投融資 (2018~2020年度累計) | 1,100億円 | 投融資 (2018~2019年度累計) | 920億円 | |
| 開発研究費 (2018~2020年度累計) | 200億円 | 開発研究費 (2018~2019年度累計) | 119億円 |
※ROE:自己資本当期純利益率(親会社株主に帰属する当期純利益/期首・期末平均自己資本)
ROA:総資産経常利益率(経常利益/期首・期末平均総資産)
為替・金属価格
| 中期計画2020 | 前提条件 | 2019年度 | 実績値 | |
| 為替(米ドル) | 115円/ドル | 為替(米ドル) | 108.7円/ドル | |
| 銅価格 | 5,500ドル/トン | 銅価格 | 5,860ドル/トン | |
| 亜鉛価格 | 2,700ドル/トン | 亜鉛価格 | 2,405ドル/トン |
中期計画2020の詳細につきましては、当社コーポレートサイト(https://ir.dowa.co.jp/ja/ir/strategy.html)に掲載の「中期計画説明会資料」をご参照ください。
(4) 経営環境及び対処すべき課題等
当連結会計年度における、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を含む当社グループの経営環境については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載のとおりです。
当社グループは中期計画2020の達成に向けて、主要施策を着実に進めています。中期計画2020における主要セグメントの事業戦略と主要施策、2019年度の施策進捗状況、2020年度以降の取り組みは、次のとおりです。
○環境・リサイクル部門
事業戦略
・アジアNo.1の地位確立に向けて、既存事業の競争力向上を図り、各事業分野・地域においてシェア拡大と新規展開を加速する
・世界の環境動向を見据え、次の柱となる新規事業の礎を築く
主要施策
・廃棄物処理事業:低濃度PCB廃棄物処理事業のコスト競争力強化、廃棄物の溶融・再資源化拡大
・土壌浄化事業 :国内埋立処分場の建設、自然由来汚染土壌の現地浄化推進
・リサイクル事業:海外集荷の強化、選別機能の充実による有価物回収の強化
・東南アジア事業:新規拠点の開設や処理メニューの充実など廃棄物処理事業の拡大
・新規事業 :食品廃棄物リサイクルの事業化推進
| 担当事業 | 2019年度の施策進捗状況 | 2020年度以降の取り組み |
| 廃棄物処理事業 | ・低濃度PCB廃棄物をはじめとする難処理廃棄物の処理を拡大 | ・低濃度PCB廃棄物をはじめとする難処理廃棄物の処理拡大 |
| ・廃棄物の溶融・再資源化の拡大のためメルテック㈱及びメルテックいわき㈱の集荷量を拡大 | ・廃棄物の溶融・再資源化の拡大に向けた廃棄物の増集荷と原料前処理設備の建設 | |
| 土壌浄化事業 | ・国内の埋立処分場の新設・拡張に向けた取り組みを推進 | ・国内の埋立処分場の新設・拡張 |
| ・自然由来汚染土壌に対応した浄化法による現地浄化の受注拡大に注力 | ・自然由来汚染土壌に対応した浄化法による現地浄化の継続的受注 | |
| リサイクル事業 | ・自社製錬所向けリサイクル原料である廃電子基板のグローバルな集荷の拡大に注力 | ・リサイクル原料のグローバルな集荷の拡大 |
| ・中国の環境規制の強化などを背景に自動車リサイクルや家電リサイクルにおいて高水準の操業を維持 | ・自動車リサイクルや家電リサイクルにおける処理推進 | |
| 東南アジア事業 | ・インドネシアやタイにおける有害廃棄物の集荷拡大に注力 | ・タイにおける有害廃棄物の集荷拡大 |
| ・インドネシアやタイにおける埋立処分場の新設・拡張や業容拡大に向けた取り組みを推進 | ・インドネシアにおける焼却炉及び新規処分場の建設 |
○製錬部門
事業戦略
・製錬・リサイクル複合コンビナート機能を深化させ、事業を強靭化する
主要施策
・貴金属銅事業 :小坂製錬におけるすずの増産、原料対応力の強化
・PGM(白金族)事業 :海外拠点拡充による原料集荷拡大、難処理原料への対応力強化
・亜鉛事業 :不純物対応力強化による年間22万トン生産体制の確立
タイ加工拠点の増強と東南アジアへの拡販
・資源開発 :メキシコでの亜鉛鉱山の建設・操業開始
| 担当事業 | 2019年度の施策進捗状況 | 2020年度以降の取り組み |
| 貴金属事業 | ・小坂製錬㈱におけるリサイクル原料など多様な原料の処理を推進 | ・小坂製錬㈱におけるリサイクル原料などの多様な原料処理の推進 |
| ・高純度すずの生産を開始 | ・高純度すずの拡販 | |
| PGM(白金族)事業 | ・欧州や米国の拠点を活用し、使用済み自動車排ガス浄化触媒の集荷量を拡大 | ・海外集荷拠点の拡充、新規顧客の開拓 |
| 亜鉛事業 | ・亜鉛の増産に向けて、秋田製錬㈱において原料中の不純物の除去設備の建設を推進 | ・原料中の不純物の除去設備や2次原料増処理設備の稼働開始 |
| ・タイの拠点を活用し亜鉛合金の東南アジア向け拡販に注力 | ・タイ拠点における亜鉛合金の東南アジア向け拡販 | |
| 資源開発 | ・自社製錬所向け原料の長期的な安定確保のため、メキシコ・チワワ州のロス・ガトス銀・亜鉛・鉛プロジェクトでは建設工事を完了し、鉱山として操業を開始。米国・アラスカ州のパルマー亜鉛・銅プロジェクトにおいては探鉱活動を推進 | ・ロス・ガトス鉱山における精鉱の増産、パルマー亜鉛・銅プロジェクトにおける探鉱活動の継続 |
○電子材料部門
事業戦略
・新規事業を立ち上げ、新たなニッチトップ製品を育成し収益の柱とする
・自動車、医療などの成長市場へ事業領域をさらに広げる
主要施策
・半導体事業 :ヘルスケアセンサなどに向けた新規LEDの開発・量産化
・電子材料事業:太陽光パネル向け銀粉で高シェアを堅持
・機能材料事業:記録材料・キャリア粉・フェライト粉のシェア向上・生産能力向上
・研究開発 :医療・殺菌向け深紫外LEDの拡販、導電材料のラインナップ拡充
自動車向け新規磁性材料のサンプルワーク拡大・事業化
| 担当事業 | 2019年度の施策進捗状況 | 2020年度以降の取り組み |
| 半導体事業 | ・ヘルスケア機器向けや鮮度センサ向け近赤外LEDの特性向上とサンプルワーク拡大など、新規LEDの用途を展開 | ・ウェアラブル機器向けの近赤外LEDの顧客認定取得と量産設備の建設 |
| 電子材料事業 | ・発電効率の高い新型太陽光パネル向け銀粉を拡販 | ・新型太陽光パネル向け銀粉の拡販 |
| ・コンデンサなどの電子部品向け導電性アトマイズ粉を量産化 | ・導電性アトマイズ粉の拡販 | |
| 機能材料事業 | ・次世代のアーカイブ用データテープ向け磁性粉の特性向上に注力 | ・次世代のアーカイブ用データテープ向け磁性粉の拡販 |
| ・燃料電池材料を拡販 | ・燃料電池材料の拡販 | |
| 研究開発 | ・電子部品の電磁波シールド向けナノ銀粉の顧客認定取得などに向けて研究開発費を増額、新規製品の早期事業化に注力 | ・ナノ銀粉の拡販など新規製品の早期事業化 |
○金属加工部門
事業戦略
・自動車分野、IoT関連分野に注力し事業を拡大する
・事業環境変化に強い経営基盤を確立し、収益力をさらに高める
主要施策
・伸銅品事業 :自動車の電動化・知能化やIoT需要の拡大を捉えた銅合金の増産・拡販
中国・タイ・台湾拠点での加工メニューの充実
・めっき事業 :メキシコ拠点立ち上げ、国内拠点のライン最適化による競争力強化
・回路基板事業:産業機械向けに加え電鉄・自動車向けの拡販、新規製品の開発
| 担当事業 | 2019年度の施策進捗状況 | 2020年度以降の取り組み |
| 伸銅品事業 | ・自動車向けや電子部品向けの高特性銅合金を拡販 | ・自動車の電動化・知能化やIoT関連電子部品の需要拡大を捉えた高特性銅合金の設備増強 |
| ・国内拠点においては生産性向上に取り組み、海外では中国江蘇省南通市において加工拠点の建設を推進 | ・中国江蘇省南通市の加工拠点の稼働開始 | |
| めっき事業 | ・国内及びタイ拠点において生産性を向上 | ・国内外拠点のめっきライン配置の最適化と生産性向上 |
| ・タイ2拠点目となるめっき拠点の建設、メキシコ拠点では新規受注の獲得に注力 | ・メキシコ及びタイ拠点の新規受注の獲得 | |
| 回路基板事業 | ・鉄道向けや自動車向けに主力製品を拡販 | ・主力製品及びフィン一体型基板の増産、鉄道向けの拡販 |
| ・主力製品並びに電気自動車向けのフィン一体型基板を増産 |
○熱処理部門
事業戦略
・現行ビジネスモデルの強みを発揮し、さらなる収益拡大を図る
・新規事業領域への取り組みを推進する
主要施策
・工業炉事業:インド・北米などでの新炉拡販
日本・インド・中国拠点の製造ネットワークの強化
メンテナンス事業の収益力強化、新規設備の開発推進
・熱処理事業:自動車関連需要の増加に応じた国内拠点での能力増強
インドの新規2拠点立ち上げ、タイ・インドネシア拠点の能力増強
国内拠点の自動化・省力化の推進
| 担当事業 | 2019年度の施策進捗状況 | 2020年度以降の取り組み |
| 工業炉事業 | ・世界的な自動車生産台数の減少を受けて、新規受注の獲得やコスト削減に注力 | ・自動車部品メーカー向けの製品ラインナップの拡充 |
| ・小ロット対応可能なセル式真空浸炭炉の販売を開始 | ・セル式真空浸炭炉の拡販 | |
| 熱処理事業 | ・インドにおいて新たな2つの熱処理加工拠点の操業を開始 | ・中国及び米国拠点における自動車部品の現地調達化ニーズへの対応 |
| ・中国及び米国拠点では自動車部品の現地調達化ニーズの取り込みに向けた設備増強を実施 | ・国内における熱処理拠点の自動化・省力化の実現 |