訂正有価証券報告書-第82期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに報告期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りを行っております。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払い不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得および、実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
③退職給付費用
退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報奨水準、退職率、死亡率および年金資産の収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。未認識数理計算上の差異の償却は、退職給付費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や前提条件と実際との結果の違いの影響を規則的に費用認識したものであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概要
当連結会計年度のわが国経済は、海外景気の下振れ懸念など、今後の国内景気に対して楽観視できない状況であったものの、政府の経済対策や金融政策などから、円高の是正と株式市況の回復が見られ、その結果、企業収益や個人消費が改善するなど、緩やかな回復傾向にありました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場におきましても、分野ごとの違いはあるものの、全体としては好調に推移いたしました。
まず、企業におきましては、経営者の投資効果に対する意識の厳しさから、景気回復はまだICT投資の本格回復には結び付きませんでした。その一方で、オフィスでの働き方改革や、ICTのサービス利用による本業へのリソース集中など、ICTを活用した効率化、経営改革のニーズが底堅く推移いたしました。
通信事業者におきましては、前期の積極的な設備投資の反動はあったものの、スマートフォン利用者の増加に伴う通信量急増に対応した高速・大容量のネットワーク整備への投資が比較的高い水準で推移いたしました。
一方、官庁・自治体関連では、政府予算の後押しを受け、消防・防災システムのデジタル化投資が好調に推移するとともに、安心・安全をテーマとしたICT関連の公共投資も拡大いたしました。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、営業力の強化や総合的なサービス提供力の強化に向けたM&Aを積極的に行うなど、今後の事業拡大に向けた先行投資を拡大するとともに、プロジェクト管理力の強化を図り、顕在化してきたプロジェクトへの積極的な対応を行ってまいりました。
売上高は、企業ネットワーク事業、キャリアネットワーク事業および社会インフラ事業の主要3セグメントすべてが2桁の伸びを示し、前期比14.7%の増加になりました。これは、消防・防災システムをはじめとした安心・安全のための公共投資の増加に対し積極的に取り組んだことに加え、NECモバイリング株式会社(現 MXモバイリング株式会社)からの基地局関連事業承継や、サービス事業拡大に向けたキューアンドエー株式会社、NECマグナスコミュニケーションズ株式会社の連結子会社化などの積極的なM&Aが業績に寄与したことによるものです。受注高につきましても、各セグメントで大きく増加し、前期比16.1%増となりました。
収益面では、売上高の増加や、内製化の推進等、原価低減活動の加速などにより営業利益、経常利益、当期純利益ともに前期比で増加し、いずれも過去最高益を更新いたしました。
②売上高
売上高は2,703億26百万円(前期比 14.7%増)となりました。
企業ネットワーク事業の売上高は、お客様の経営改革のニーズに応え、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice(※2)」を軸にさらなる拡販を行うとともに、従来の首都圏地区の一般企業を中心としたお客様から地方企業、自治体・公共施設等へ対象領域を拡大するため、当社支社・支店のEmpoweredOffice化を推進いたしました。加えて、クラウド(※3)やBPO(※4)等、お客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス提供基盤の拡充を継続強化いたしました。その一環として、平成25年6月にはコンタクトセンター事業の強化、さらなるシナジーの発揮に向け、テクニカルサポートやコンサルティング分野に強みのあるキューアンドエー株式会社を連結子会社化いたしました。これらの成果により、981億99百万円(前期比15.1%増)となりました。
キャリアネットワーク事業の売上高は、スマートフォン利用者の増加に伴う通信量急増に対応した通信事業者のネットワーク整備への投資に対し、基地局に関わるSIサービス事業をNECモバイリング株式会社(現 MXモバイリング株式会社)から承継するなど積極的に対応いたしました。さらに、独自のネットワーク技術・セキュリティ技術力を保有するNECマグナスコミュニケーションズ株式会社を平成25年10月に連結子会社化した効果もあり、前期の一過性大型プロジェクトや海底地震・津波観測システムがあった影響を吸収し、651億42百万円(前期比19.0%増)となりました。
社会インフラ事業の売上高は、プロジェクト対応力・価格競争力を強化し、本格化している消防・防災システムのデジタル化投資や安心・安全をテーマとしたICT関連の公共投資、新周波数帯に対応した携帯電話基地局設置などの投資拡大に積極的に対応し、922億3百万円(前期比13.9%増)となりました。
③売上総利益
売上総利益は、収益が改善したことにより446億90百万円(前期比 20.2%増)となり、売上総利益率は16.5%(前期比 0.7ポイント改善)となりました。
④販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、55億72百万円増加し、302億71百万円となりました。
この結果、売上高の増加に加え、内製化の推進等や原価低減活動の加速などの効果により、営業利益は144億18百万円(前期比 15.5%増)となりました。
⑤営業外損益、経常利益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ4億16百万円改善の1億16百万円の益(純額)となりました。
この結果、経常利益は145億34百万円(前期比 19.3%増)となりました。
⑥当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度に比べ13.9%、金額にして10億10百万円増加の82億57百万円となりました。
※1 ICT:
Information and Communication Technology (情報通信技術)の略。
※2 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の提供するオフィス改革ソリューション。当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへの業務プロセス改革を実現するとともに、セキュリティ強化や環境対応力といった社会的責任に応える「働き方」と「働く場」の改革を提案するもの。
※3 クラウド:
正式にはクラウド・コンピューティング。業務アプリケーション等のソフトウェアをはじめ、サーバやストレージ、ネットワーク等のICT基盤など、従来、企業や官公庁などが自前の施設内で構築、管理していたICTリソースを、ネットワーク経由でサービスとして利用する形態のこと。
※4 BPO:
Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略。企業の業務処理の一部を外部に委託すること。
(3) 戦略的現状と見通し
平成27年3月期のわが国経済は、消費税増税による影響や、海外政治・経済状況の影響など、不透明な要素があるものの、政府の経済・金融政策の効果を背景に景況感の改善が継続するものと期待されます。
当社の事業領域であるICT分野におきましても、企業の投資意欲の回復や、政府による公共投資の継続など全般に堅調な環境が継続するものと見込んでおります。
当社では、当期(平成26年3月期)の好調さを維持し、さらに成長を図るべく、お客様視点を意識した顧客志向の事業を展開していく考えであります。
企業ネットワーク事業におきましては、お客様の経営改革のニーズに応え、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」をさらに強化してまいります。当社地域拠点のEmpoweredOffice化を活かし地方自治体や各地の一般企業への拡販を行うとともに、ICTとBPOの組み合わせによりお客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス対応力を引き続き強化してまいります。
キャリアネットワーク事業におきましては、通信事業者の設備投資には不透明さがあるものの、スマートフォンの普及に伴う通信量急増に対応したネットワーク高度化への積極的な取り組みは継続しており、海外ベンダー関連のサポートを含め、さらに積極的な対応を図ってまいります。
社会インフラ事業は、本格化している消防・防災システムのデジタル化投資をはじめ、安心・安全分野を中心に積極化している公共投資を積極的に取り込んでまいります。
これらに加え、当期に子会社化したキューアンドエー株式会社、NECマグナスコミュニケーションズ株式会社が通期の連結業績に寄与することも含め、売上高の拡大を見込んでおります。
収益面では、このような成長加速のための先行投資費用はさらに拡大させることを見込むものの、引き続き経営改革に注力することで、当期に達成した最高益の更新を目指してまいります。
(4) 資本の財源および資金の流動性についての分析
①資産
当期末の総資産は、前期末に比べ215億87百万円増加し、1,890億59百万円となりました。流動資産は、前期末に比べ161億78百万円増加し、1,573億51百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が141億19百万円、受取手形及び売掛金が36億42百万円増加し、たな卸資産が22億24百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前期末に比べ54億8百万円増加し、317億8百万円となりました。
②負債
当期末の負債は、前期末に比べ183億95百万円増加し、998億93百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が67億87百万円、長期借入金が15億18百万円、短期借入金が11億43百万円、未払金が8億31百万円、前受金が5億71百万円、未払法人税等が3億43百万円増加したこと、また会計方針の変更に伴い退職給付引当金が176億41百万円減少し、退職給付に係る負債を241億52百万円計上したことなどによるものであります。
③純資産
当期末の純資産は、前期末に比べ31億91百万円増加し、891億66百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が54億72百万円、少数株主持分が9億44百万円増加したこと、また会計方針の変更に伴い退職給付に係る調整累計額を計上し、34億59百万円減少したことなどによるものであります。
④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益による増加、売上債権の減少、たな卸資産の減少、仕入債務の増加、法人税等の支払による減少などにより、233億13百万円の資金の増加となりました。前期と比べると250億36百万円の増加となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出、子会社株式の取得による支出、事業譲受による支出などにより55億4百万円の資金の減少となりました。前期と比べると20億75百万円の減少となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、178億9百万円の資金の増加となりました。前期と比べると229億61百万円の増加となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、38億24百万円の資金の減少となりました。前期と比べ17億58百万円の減少となっております。なお、利益配当金につきましては、前期末の1株当たり配当金を26円、中間の1株当たり配当金を30円にしたことにより、前期に比べ11億33百万円増加し、27億76百万円の支払を行っております。
これらの活動の結果により、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ141億19百万円増加し、444億34百万円となりました。
⑤資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの事業展開のための材料および機器の購入のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の経費によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費および当社グループの事業所の不動産賃借料等であります。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の事業領域であるICT関連市場は、企業や社会活動の不可欠な基盤となっております。今後、一層の利便性や効率化追求の観点から、より幅広い分野にICTサービスを活用する需要が高まるとともに、これらの基盤整備やネットワーク高度化への投資が拡大するものと思われます。
このようにICT関連投資が、顧客ニーズの変化とともに、サービス領域へと大きくシフトすることが見込まれる中、当社では、中期的に期待できるインフラ構築分野の需要に積極的に対応するとともに、サービス事業をその先の長期的な成長に向けた重点事業と位置付け、リソースの強化や新事業の創造など、成長実現のための投資を積極的に検討・実施していく方針であります。特に、施工基盤、ICT技術基盤、サポート・サービス基盤といった幅広い基盤を保有している点は当社ならではの特徴であり、これらの事業基盤に積極的な投資を行い、各基盤の強化ならびに、その連携を促進することで、ICT+BPOの新しいサービスを強化してまいります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに報告期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りを行っております。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払い不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得および、実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
③退職給付費用
退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報奨水準、退職率、死亡率および年金資産の収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。未認識数理計算上の差異の償却は、退職給付費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や前提条件と実際との結果の違いの影響を規則的に費用認識したものであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概要
当連結会計年度のわが国経済は、海外景気の下振れ懸念など、今後の国内景気に対して楽観視できない状況であったものの、政府の経済対策や金融政策などから、円高の是正と株式市況の回復が見られ、その結果、企業収益や個人消費が改善するなど、緩やかな回復傾向にありました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場におきましても、分野ごとの違いはあるものの、全体としては好調に推移いたしました。
まず、企業におきましては、経営者の投資効果に対する意識の厳しさから、景気回復はまだICT投資の本格回復には結び付きませんでした。その一方で、オフィスでの働き方改革や、ICTのサービス利用による本業へのリソース集中など、ICTを活用した効率化、経営改革のニーズが底堅く推移いたしました。
通信事業者におきましては、前期の積極的な設備投資の反動はあったものの、スマートフォン利用者の増加に伴う通信量急増に対応した高速・大容量のネットワーク整備への投資が比較的高い水準で推移いたしました。
一方、官庁・自治体関連では、政府予算の後押しを受け、消防・防災システムのデジタル化投資が好調に推移するとともに、安心・安全をテーマとしたICT関連の公共投資も拡大いたしました。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、営業力の強化や総合的なサービス提供力の強化に向けたM&Aを積極的に行うなど、今後の事業拡大に向けた先行投資を拡大するとともに、プロジェクト管理力の強化を図り、顕在化してきたプロジェクトへの積極的な対応を行ってまいりました。
売上高は、企業ネットワーク事業、キャリアネットワーク事業および社会インフラ事業の主要3セグメントすべてが2桁の伸びを示し、前期比14.7%の増加になりました。これは、消防・防災システムをはじめとした安心・安全のための公共投資の増加に対し積極的に取り組んだことに加え、NECモバイリング株式会社(現 MXモバイリング株式会社)からの基地局関連事業承継や、サービス事業拡大に向けたキューアンドエー株式会社、NECマグナスコミュニケーションズ株式会社の連結子会社化などの積極的なM&Aが業績に寄与したことによるものです。受注高につきましても、各セグメントで大きく増加し、前期比16.1%増となりました。
収益面では、売上高の増加や、内製化の推進等、原価低減活動の加速などにより営業利益、経常利益、当期純利益ともに前期比で増加し、いずれも過去最高益を更新いたしました。
②売上高
売上高は2,703億26百万円(前期比 14.7%増)となりました。
企業ネットワーク事業の売上高は、お客様の経営改革のニーズに応え、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice(※2)」を軸にさらなる拡販を行うとともに、従来の首都圏地区の一般企業を中心としたお客様から地方企業、自治体・公共施設等へ対象領域を拡大するため、当社支社・支店のEmpoweredOffice化を推進いたしました。加えて、クラウド(※3)やBPO(※4)等、お客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス提供基盤の拡充を継続強化いたしました。その一環として、平成25年6月にはコンタクトセンター事業の強化、さらなるシナジーの発揮に向け、テクニカルサポートやコンサルティング分野に強みのあるキューアンドエー株式会社を連結子会社化いたしました。これらの成果により、981億99百万円(前期比15.1%増)となりました。
キャリアネットワーク事業の売上高は、スマートフォン利用者の増加に伴う通信量急増に対応した通信事業者のネットワーク整備への投資に対し、基地局に関わるSIサービス事業をNECモバイリング株式会社(現 MXモバイリング株式会社)から承継するなど積極的に対応いたしました。さらに、独自のネットワーク技術・セキュリティ技術力を保有するNECマグナスコミュニケーションズ株式会社を平成25年10月に連結子会社化した効果もあり、前期の一過性大型プロジェクトや海底地震・津波観測システムがあった影響を吸収し、651億42百万円(前期比19.0%増)となりました。
社会インフラ事業の売上高は、プロジェクト対応力・価格競争力を強化し、本格化している消防・防災システムのデジタル化投資や安心・安全をテーマとしたICT関連の公共投資、新周波数帯に対応した携帯電話基地局設置などの投資拡大に積極的に対応し、922億3百万円(前期比13.9%増)となりました。
③売上総利益
売上総利益は、収益が改善したことにより446億90百万円(前期比 20.2%増)となり、売上総利益率は16.5%(前期比 0.7ポイント改善)となりました。
④販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、55億72百万円増加し、302億71百万円となりました。
この結果、売上高の増加に加え、内製化の推進等や原価低減活動の加速などの効果により、営業利益は144億18百万円(前期比 15.5%増)となりました。
⑤営業外損益、経常利益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ4億16百万円改善の1億16百万円の益(純額)となりました。
この結果、経常利益は145億34百万円(前期比 19.3%増)となりました。
⑥当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度に比べ13.9%、金額にして10億10百万円増加の82億57百万円となりました。
※1 ICT:
Information and Communication Technology (情報通信技術)の略。
※2 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の提供するオフィス改革ソリューション。当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへの業務プロセス改革を実現するとともに、セキュリティ強化や環境対応力といった社会的責任に応える「働き方」と「働く場」の改革を提案するもの。
※3 クラウド:
正式にはクラウド・コンピューティング。業務アプリケーション等のソフトウェアをはじめ、サーバやストレージ、ネットワーク等のICT基盤など、従来、企業や官公庁などが自前の施設内で構築、管理していたICTリソースを、ネットワーク経由でサービスとして利用する形態のこと。
※4 BPO:
Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略。企業の業務処理の一部を外部に委託すること。
(3) 戦略的現状と見通し
平成27年3月期のわが国経済は、消費税増税による影響や、海外政治・経済状況の影響など、不透明な要素があるものの、政府の経済・金融政策の効果を背景に景況感の改善が継続するものと期待されます。
当社の事業領域であるICT分野におきましても、企業の投資意欲の回復や、政府による公共投資の継続など全般に堅調な環境が継続するものと見込んでおります。
当社では、当期(平成26年3月期)の好調さを維持し、さらに成長を図るべく、お客様視点を意識した顧客志向の事業を展開していく考えであります。
企業ネットワーク事業におきましては、お客様の経営改革のニーズに応え、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」をさらに強化してまいります。当社地域拠点のEmpoweredOffice化を活かし地方自治体や各地の一般企業への拡販を行うとともに、ICTとBPOの組み合わせによりお客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス対応力を引き続き強化してまいります。
キャリアネットワーク事業におきましては、通信事業者の設備投資には不透明さがあるものの、スマートフォンの普及に伴う通信量急増に対応したネットワーク高度化への積極的な取り組みは継続しており、海外ベンダー関連のサポートを含め、さらに積極的な対応を図ってまいります。
社会インフラ事業は、本格化している消防・防災システムのデジタル化投資をはじめ、安心・安全分野を中心に積極化している公共投資を積極的に取り込んでまいります。
これらに加え、当期に子会社化したキューアンドエー株式会社、NECマグナスコミュニケーションズ株式会社が通期の連結業績に寄与することも含め、売上高の拡大を見込んでおります。
収益面では、このような成長加速のための先行投資費用はさらに拡大させることを見込むものの、引き続き経営改革に注力することで、当期に達成した最高益の更新を目指してまいります。
(4) 資本の財源および資金の流動性についての分析
①資産
当期末の総資産は、前期末に比べ215億87百万円増加し、1,890億59百万円となりました。流動資産は、前期末に比べ161億78百万円増加し、1,573億51百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が141億19百万円、受取手形及び売掛金が36億42百万円増加し、たな卸資産が22億24百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前期末に比べ54億8百万円増加し、317億8百万円となりました。
②負債
当期末の負債は、前期末に比べ183億95百万円増加し、998億93百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が67億87百万円、長期借入金が15億18百万円、短期借入金が11億43百万円、未払金が8億31百万円、前受金が5億71百万円、未払法人税等が3億43百万円増加したこと、また会計方針の変更に伴い退職給付引当金が176億41百万円減少し、退職給付に係る負債を241億52百万円計上したことなどによるものであります。
③純資産
当期末の純資産は、前期末に比べ31億91百万円増加し、891億66百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が54億72百万円、少数株主持分が9億44百万円増加したこと、また会計方針の変更に伴い退職給付に係る調整累計額を計上し、34億59百万円減少したことなどによるものであります。
④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益による増加、売上債権の減少、たな卸資産の減少、仕入債務の増加、法人税等の支払による減少などにより、233億13百万円の資金の増加となりました。前期と比べると250億36百万円の増加となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出、子会社株式の取得による支出、事業譲受による支出などにより55億4百万円の資金の減少となりました。前期と比べると20億75百万円の減少となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、178億9百万円の資金の増加となりました。前期と比べると229億61百万円の増加となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、38億24百万円の資金の減少となりました。前期と比べ17億58百万円の減少となっております。なお、利益配当金につきましては、前期末の1株当たり配当金を26円、中間の1株当たり配当金を30円にしたことにより、前期に比べ11億33百万円増加し、27億76百万円の支払を行っております。
これらの活動の結果により、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ141億19百万円増加し、444億34百万円となりました。
⑤資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの事業展開のための材料および機器の購入のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の経費によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費および当社グループの事業所の不動産賃借料等であります。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の事業領域であるICT関連市場は、企業や社会活動の不可欠な基盤となっております。今後、一層の利便性や効率化追求の観点から、より幅広い分野にICTサービスを活用する需要が高まるとともに、これらの基盤整備やネットワーク高度化への投資が拡大するものと思われます。
このようにICT関連投資が、顧客ニーズの変化とともに、サービス領域へと大きくシフトすることが見込まれる中、当社では、中期的に期待できるインフラ構築分野の需要に積極的に対応するとともに、サービス事業をその先の長期的な成長に向けた重点事業と位置付け、リソースの強化や新事業の創造など、成長実現のための投資を積極的に検討・実施していく方針であります。特に、施工基盤、ICT技術基盤、サポート・サービス基盤といった幅広い基盤を保有している点は当社ならではの特徴であり、これらの事業基盤に積極的な投資を行い、各基盤の強化ならびに、その連携を促進することで、ICT+BPOの新しいサービスを強化してまいります。