有価証券報告書-第83期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/23 13:46
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【項目】
120項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の数値ならびに報告期間における収益・費用の数値に影響を与える見積りを行っております。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
①貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払い不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払い能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の課税所得および、実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部または一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
③退職給付費用
退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報奨水準、退職率、死亡率および年金資産の収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用に影響を及ぼします。未認識数理計算上の差異の償却は、退職給付費用の一部を構成しておりますが、前提条件の変化による影響や前提条件と実際との結果の違いの影響を規則的に費用認識したものであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①概要
当連結会計年度のわが国経済は、消費マインドの低下や海外景気の下振れ懸念など、今後の国内景気に対して楽観視できない状況はありましたが、政府の経済対策や金融政策などを背景に、企業収益、雇用情勢に改善が見られるなど、緩やかな回復傾向にありました。
このような経済環境下、当社の事業領域であるICT(※1)市場におきましても、分野ごとの違いはありますが、全体としては好調に推移いたしました。
まず、企業におきましては、経営者の投資効果に対する意識の厳しさは継続していますが、景気回復を受けてICT投資が回復しており、特に働き方改革などの企業の経営強化・競争力強化を目指した投資が堅調に推移いたしました。
通信事業者におきましては、LTEを中心にした、高速・大容量なネットワーク整備への投資は継続いたしましたが、前年上期まで活発であった大型の新周波数帯基地局投資が終了するなど、全体の設備投資は厳しい状況で推移いたしました。
一方、官庁・自治体関連では、安心・安全をテーマとしたICT関連公共投資が活況を継続いたしました。
消防救急無線システムのデジタル化投資は、下期に入り発注面ではピークアウトしましたが、平成28年5月の移行期限に向けて構築が活況に入っております。
こうした市場環境のなか、当社グループでは、営業力の強化や、「EmpoweredOffice(※2)」の全国への展開や新サービスの開発/リリースを進めたほか、東京都江東区辰巳に当社の強みである保守/技術サービス/SCM(※3)基盤をさらに強化するための中核拠点を新設すると同時に前期に行った事業買収などを活用した総合的なサービス提供力の強化などを行いました。加えて、消防救急無線システムのデジタル化対応など本格化しているプロジェクトへの積極的な対応を行ってまいりました。
②売上高
売上高は2,921億64百万円(前期比 8.1%増)となりました。
企業ネットワーク事業の売上高は、お客様のICT投資の回復や経営改革のニーズに積極的に対応し、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」を軸にさらなる拡販を行いました。加えて、お客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス提供基盤拡充の一環として、平成25年6月にはテクニカルサポートやコンサルティング分野に強みのあるキューアンドエー株式会社を連結子会社化いたしました。これらの成果により、992億69百万円(前期比9.3%増)となりました。
キャリアネットワーク事業の売上高は、独自のネットワーク技術・セキュリティ技術力を保有するNECマグナスコミュニケーションズ株式会社を平成25年10月に連結子会社化した効果がありましたが、前期の新周波数帯に係わる大型基地局工事の反動など通信事業者の設備投資減少の影響により、766億31百万円(前期比2.2%減)となりました。
社会インフラ事業の売上高は、本格化している消防・防災システムのデジタル化投資をはじめとする安心・安全をテーマとしたICT関連の公共投資に積極的に対応し、967億82百万円(前期比17.1%増)となりました。
③売上総利益
売上総利益は、収益が改善したことにより481億10百万円(前期比 7.7%増)となり、売上総利益率は16.5%となりました。
④販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、16億79百万円増加し、319億51百万円となりました。
この結果、売上高の増加などにより、営業利益は161億58百万円(前期比 12.1%増)となりました。
⑤営業外損益、経常利益
営業外損益は、前連結会計年度に比べ84百万円改善の31百万円の益(純額)となりました。
この結果、経常利益は161億89百万円(前期比 11.4%増)となりました。
⑥当期純利益
当期純利益は、前連結会計年度に比べ5.6%、金額にして4億65百万円減少の77億91百万円となりました。
※1 ICT:
Information and Communication Technology (情報通信技術)の略。
※2 EmpoweredOffice(エンパワードオフィス):
当社の提供するオフィス改革ソリューション。当社の強みであるICTとファシリティ施工力を融合し、より知的で創造的なワークスタイルへの業務プロセス改革を実現するとともに、セキュリティ強化や環境対応力といった社会的責任に応える「働き方」と「働く場」の改革を提案するもの。
※3 SCM:
Supply Chain Managementの略。
自社内あるいは取引先等との間で受発注や在庫、販売、物流などの情報を共有し、原材料や部材、製品の流通の全体最適を図る管理の仕組み、システムのこと。
(3) 戦略的現状と見通し
平成28年3月期のわが国経済は、海外政治・経済状況の影響など、不透明な要素がありますが、消費増税による反動減からの持ち直しによる内需回復や企業業績の改善などを背景に景況感の改善が継続するものと期待されます。
当社の事業領域であるICT分野におきましても、分野ごとの違いはありますが、企業の投資意欲の拡大や、政府による公共投資の継続など全般に堅調な環境が継続するものと見込んでおります。
当社では、消防救急無線システムデジタル化対応のピークアウト後も成長の継続を図るべく、お客様視点を意識した顧客志向の事業を展開し、売上高は1.0%増加の2,950億円と拡大を見込みます。
企業ネットワーク事業におきましては、お客様のICT投資意欲の拡大を捉え、積極的な事業拡大を図ります。特に、オフィス改革ソリューション「EmpoweredOffice」事業について、地方自治体や各地の一般企業への拡販を行うとともに、ICTとBPO(※)の組み合わせによりお客様の業務プロセス改革や経営をバックアップする総合的なサービス提供力を引き続き強化してまいります。
キャリアネットワーク事業におきましては、通信事業者の設備投資には不透明さが残りますが、スマートフォンの普及に伴う通信量急増に対応したネットワーク高度化への取り組みは継続しており、海外ベンダー関連のサポートや、新たな付加価値サービスの創造、提案など、積極的な対応を図ってまいります。
社会インフラ事業は、本格化している消防・防災システムのデジタル化プロジェクトへ引き続き対応していくとともに、安心・安全分野を中心とした公共投資は堅調に推移すると見込まれ、積極的に取り込んでまいります。
収益面では、事業基盤への先行投資費用は拡大することを見込みますが、引き続き経営改革に注力することで、営業利益で165億円、また、親会社株主に帰属する当期純利益では95億円と過去最高益の更新を目指してまいります。
※ BPO:
Business Process Outsourcingの略。
企業の業務処理の一部を外部に委託すること。
(4) 資本の財源および資金の流動性についての分析
①資産
当期末の総資産は、前期末に比べ129億4百万円増加し、2,019億64百万円となりました。流動資産は、前期末に比べ137億10百万円増加し、1,710億61百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が179億46百万円、たな卸資産が19億84百万円増加し、現金及び預金が54億82百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前期末に比べ8億6百万円減少し、309億2百万円となりました。
②負債
当期末の負債は、前期末に比べ78億97百万円増加し、1,077億90百万円となりました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が54億70百万円、退職給付に係る負債が16億79百万円増加したことなどによるものであります。
③純資産
当期末の純資産は、前期末に比べ50億6百万円増加し、941億73百万円となりました。この主な要因は、利益剰余金が34億58百万円、退職給付に係る調整累計額が15億32百万円増加したことなどによるものであります。
④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益による増加、売上債権の増加、たな卸資産の増加、仕入債務の増加、法人税等の支払による減少などにより、24億60百万円の資金の増加となりました。前期と比べると208億53百万円の減少となっております。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形固定資産の取得による支出などにより39億29百万円の資金の減少となりました。前期と比べると15億74百万円の増加となっております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、14億69百万円の資金の減少となりました。前期と比べると192億78百万円の減少となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払、借入金の返済などにより、41億27百万円の資金の減少となりました。前期と比べ3億2百万円の減少となっております。なお、利益配当金につきましては、前期末の1株当たり配当金を30円、中間の1株当たり配当金を32円にしたことにより、前期に比べ3億円増加し、30億77百万円の支払を行っております。
これらの活動の結果により、現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比べ54億82百万円減少し、389億51百万円となりました。
⑤資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループの事業展開のための材料および機器の購入のほか、外注費、販売費及び一般管理費等の経費によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費および当社グループの事業所の不動産賃借料等であります。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の事業領域であるICT関連市場は、企業や社会活動の不可欠な基盤となっております。今後、一層の利便性や効率化追求の観点から、より幅広い分野にICTサービスを活用する需要が高まるとともに、これらの基盤整備やネットワーク高度化への投資が拡大するものと思われます。
このようにICT関連投資が、顧客ニーズの変化とともに、サービス領域へと大きくシフトすることが見込まれる中、当社では、中期的に期待できるインフラ構築分野の需要に積極的に対応するとともに、サービス事業をその先の長期的な成長に向けた重点事業と位置付け、リソースの強化や新事業の創造など、成長実現のための投資を積極的に検討・実施していく方針であります。特に、施工基盤、ICT技術基盤、サポート・サービス基盤といった幅広い基盤を保有している点は当社ならではの特徴であり、これらの事業基盤に積極的な投資を行い、各基盤の強化ならびに、その連携を促進することで、ICT+BPOの新しいサービスを強化してまいります。

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