訂正有価証券報告書-第42期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/07/06 15:31
【資料】
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【項目】
140項目

研究開発活動

当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品企画部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発活動に係わる投資総額は、1,387百万円であり、その主なものは以下のとおりです。
(1) 建設事業
商品開発グループにおいては、5商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。
中層商品では、RC造マンション「ライル」の新シリーズとして、『オーナーズワン・ライル ディオ』を開発いたしました。入居者様が自由に装飾しオリジナルの空間を演出して楽しめる多彩な演出用アイテムや、働く女性の暮らしを応援する「女子ゴコロ100%プロジェクト」による女性目線から生まれたアイテムを選べる、画期的なシングル向け賃貸住宅です。また、S造の『モデストS』を開発いたしました。
低層商品では、平成26年に設立した「賃貸住宅未来研究所」の活動から開発したシングル向け可変型商品「トイロシリーズ」のエリア展開として2×4造の『トイロ(多雪)』、『トイロ(北海道)』、また、オリジナル木造在来工法「エコプレカットネオ工法」の『コッティ・キュートEPneo』を開発いたしました。
既存6商品については、新たに9プランを開発いたしました。
また、共働き世帯の増加などの社会問題の解決に向けた賃貸住宅の企画開発を外部建築家とのコラボレーションにより実施、建築家の設計による「プロトタイプ版」、及び要素を取り入れ商品化した「普及版」の2商品を開発いたしました。
さらに、少子高齢化社会による将来の需要構造変化を見据え、多世代コミュニティ賃貸住宅『エンテラス』を企画開発し、試行運用を開始いたしました。
技術開発グループにおいては、軟弱地盤エリアの高額な基礎コストへの対応として、安全で価格競争力のある当社オリジナル新基礎工法『フローティング基礎工法』の開発を行い、性能確認試験を実施いたしました。
現場職人不足や現場労務費高騰への対策として、2×4・2×6のスタッド材を用いた、工場生産壁パネル(特許出願済)を採用した当社オリジナル木造在来工法『エコプレカットネオ工法』の試行運用を開始いたしました。
新規仕様・資材では、隣戸間の生活音(音、声)を低減させる「高遮音界壁」の開発を行い、公的機関にて音響透過損失『TLD-50』の性能値を確認し、2×4工法の一部商品にて運用開始いたしました。
また、建物としての遮音性能を更に改善していくために、実験棟を建設いたしました。
設備資材では、地球と住環境に優しい自然の力を利用した“パッシブデザイン”を導入した前期販売商品「ソヨカ」において、換気・通風により夏季の快適性が向上するという二次効果について、実際の物件を用いて測定し、効果があることを確認いたしました。また、防犯配慮型賃貸住宅の取り組みについては、入居者様には更なる「安心」とオーナー様には「建物価値」をお届けできる防犯カメラを開発し、新築にはオプション導入をし、既存物件にも設置可能といたしました。なお、当資材について『e-カメラ』の商標登録を行いました。
以上により、建設事業の研究開発費は1,077百万円となりました。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
(2) 不動産事業、金融事業及びその他
研究開発活動は特段行われておりません。
(3) 全社共通
当社グループは、堅調な国内賃貸住宅市場に注力しつつ、蓄積したノウハウの展開を海外も含め検討しております。当連結会計年度では、米国において、不動産ファンドへの出資を通したバリューアッド型の既存賃貸集合住宅に関する情報収集を継続して行いつつ、地域を熟知したパートナーとJVを組成して新規賃貸集合住宅開発に参画し、新規不動産開発に関する情報収集も開始いたしました。
以上により、全社共通の研究開発費は309百万円となりました。