有価証券報告書-第44期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 14:53
【資料】
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【項目】
139項目

研究開発活動

当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しております。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・設計部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,609百万円(すべて建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。
商品開発グループにおいては、上半期3商品、下半期3商品の計6商品を新たに開発いたしました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっております。
前年から開始した外部建築家とのコラボレーションによる“進化する賃貸住宅”事業化プロジェクトの第二弾で、ストレス社会に対応した賃貸住宅の企画開発を実施し、建築家の設計による『プロトタイプ 02』と、プロトタイプ02の要素を取り入れた普及型商品『リフラ』、更に、都市部向けにコンパクトでセキュリティを強化した中階段形式商品『コンテ』の3商品を開発いたしました。また、増加するシングル層を対象に、4階建てでありながら高さを10mに抑えた都市部向けWRC造商品『リグノ』、一人暮らしを便利にさせるアイテムを多数取り入れた一般地域商品『コンテ ココ』、そして、自分らしさをアレンジできるアイテムを導入した多雪地域商品『ルタン ラシック』の3商品を開発いたしました。
さらに、既存3商品について、新たに5プランを開発いたしました。
社会状況に合わせ、街並みを損なわず最大容量の太陽光パネル設置によるオーナー様売電事業に対応した商品の開発や、防犯仕様を強化し「選べるセキュリティ賃貸」として『DK SELECT セキュリティ』の商品運用を開始、無料インターネット(Wi-Fi)接続サービスである『DK SELECT ネットサービス』の運用商品を拡大、更に国産杉の利用促進のため、2×4工法用ランバー材にフィンガージョイント材の使用を可能としました。
また、日本唯一の建築倉庫へ『プロトタイプ 02』の模型を展示し、当社のブランドイメージ向上、技術力や先進的な取り組みのアピールに継続して取り組んでおります。
技術開発グループにおいては、 入居者様満足度向上のために2×4商品の“上下階の生活音”が改善できる界床仕様の開発を行い、引戸及び引違戸のソフトクローズ機能の標準化やシステムキッチンの標準化など、全商品に対して住設機器の機能及び仕様を刷新し、2×4商品の新界床仕様と共に平成30年2月19日から販売を開始いたしました。
内装建材においては、入居者様が自由にお部屋をアレンジできる“セレクトフック”の開発を行い、2月販売開始した新商品に導入いたしました。
設備においては、防犯性能を高めた賃貸住宅の開発に取り組んでおります。防犯優良賃貸住宅認定事業への積極的な取り組みを行い、平成30年3月23日付けにて共同住宅仕様の基幹商品で認定を取得しました。既にフラットタイプの基幹商品においては、平成29年2月24日付けにて認定を取得しています。防犯優良賃貸住宅認定事業を取得した物件並びにオートロックを設置した物件など防犯性能を高めた商品は、『DK SELECT セキュリティ』として位置付けて、専用表示シールを貼り付けることで犯罪抑制を図ります。また、性能向上策として、洗面化粧台への給水管給湯管への立上げ配管をストレート止水栓仕様から、樹脂管直接立上げ仕様に変更して漏水のリスクを軽減させます。
電気設備においては、防雨型非常灯兼用シーリングライトを常時LED灯(非常時:蛍光灯)に仕様を向上させて環境配慮に貢献します。テレビ共聴設備においては、4K放送対応の機器導入を始めます。
さらに、災害に強い社会づくりへ寄与する賃貸住宅の高耐震化を促進するため、耐震等級3仕様に耐力を向上させた『DK SELECT 高耐震グレード G3シリーズ』を3月より導入しました。その耐震等級を実現する技術開発として、鉄骨造の「鉄骨造システムブレース構造」では、従来より高耐力のシステムブレースを採用し、在来木造工法「エコプレカット工法」では、高耐力のオリジナル制振ダンパーを開発し、現在、国土交通大臣認定(壁倍率5.0倍)を申請中です。