有価証券報告書-第46期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/30 14:00
【資料】
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【項目】
167項目

研究開発活動

当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,541百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。
商品開発部においては、上半期4商品、下半期11商品の計15商品を新たに開発しました。それぞれが新たな入居者様ニーズに応える新商品となっています。
DK SELECTの新たなラインナップとして、DINKs(ディンクス)や父子・母子世帯など近年多様化し増加する「2人世帯」をターゲットに、“ふたりらしさ”でアレンジを楽しめる「ふたりのカタチアイテム」を標準装備した一般地域向け商品『ルタンパルトスリー』を開発しました。
小さなお子様がいる世帯でも使いやすい広めの主寝室など、子育て世代にもやさしい戸建賃貸住宅商品『リベルテデュプレ』を開発しました。また、研究開発を進めていたオリジナルCLT工法による木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」を開発しました。既存2商品について、新たに3プランを開発しました。
高断熱化及び高効率設備と太陽光発電設備を設置することで、一次消費エネルギー量の収支をゼロにしたZEH-M賃貸住宅『ソレイユ』を開発し、販売開始しました。また、本商品の太陽光パネルの電源を災害時に地域の方も使えるなど、賃貸住宅における防災意識向上を目指す取り組み『ぼ・く・ラボ』が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
更なる居住性・快適性向上のために、内部建具やフローリングなどの内装仕様、及び住宅設備仕様を刷新し、新商品より導入を開始しました。
技術開発部においては、木造4階建て賃貸住宅「フォルターブ」にも採用した『オリジナルCLT工法』を開発しました。日本初のCLT集合住宅の商品化によりCLTの普及を促進する取り組みに対し、「地球環境温暖化防止活動環境大臣表彰(技術開発・製品化部門)」を受賞しました。また、同取り組みが「脱炭素チャレンジカップ2020」の企業・自治体部門で「環境大臣 金賞」を受賞しました。当社は今後も環境・社会課題の解決と利益創出を両立し、脱炭素社会の実現へ貢献していきます。
資材開発としては、施工現場における簡易施工が可能となる透明シーリング材の開発を行いました。透明シーリング材は、従来外壁部分に設置される換気フードや電気盤の周りに止水材として使用される色付きシーリングの仕上げ工程で発生する養生テープ処理やへら押え等の工程を省略することができる仕様となっています。また省力化仕様の開発として木製階段の新仕様の開発を行いました。従来仕様では階段の『側板』・『踏板』・『蹴込板』を接合させる際に階段の表・裏からビス止め等の接合処理を行っていましたが、新仕様では階段の表面のみで接合処理が可能となり、木製階段の施工時間の短縮化が図れるようになっています。
環境配慮への取り組みとしては従来現場加工で発生していた断熱材のサイズを2×4工法に最適なサイズにプレカットされた仕様の開発を行うことで、産業廃棄物の削減に寄与しました。また、昨年度から運用を開始した屋外宅配ボックスによる入居者様サービス向上として雨天時にも荷物の受け渡しができるよう専用屋根材の開発を行い、運用を開始しました。