有価証券報告書-第48期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 16:43
【資料】
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【項目】
163項目

研究開発活動

当社は、土地所有者の皆様に建物賃貸経営を総合的にお任せいただき、その価値を高めていくために、事業効率の高い賃貸建物を提案しています。そして、多様化する入居者様ニーズに対応するため、商品開発部・技術開発部を主幹担当部門として、新工法・資材の開発を含め、商品ラインナップの充実に積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発活動に係る投資総額は1,712百万円(主に建設事業セグメントで発生)であり、その主なものは以下のとおりです。
商品開発部においては、自分らしい自由な暮らしを実現する賃貸住宅『DK SELECT商品』のラインナップを充実させるため、上半期11商品、下半期8商品の計19商品を新たに開発しており、一部をご紹介します。
「防災目線」で開発した商品『ぼ・く・ラボ賃貸 ニーモ』は、水害にフォーカスし、1階をRC造のピロティにするなど、日々の暮らしの中で災害への対策を無理なく取り入れた「フェーズフリー」な賃貸住宅をコンセプトに、地域防災の拠点としても近隣地域に貢献できる活動を視野に入れた商品として開発しました。
3階建て重量鉄骨造商品『アルバス』は、建物コーナーの開口部やオーバーハングの外壁が表情豊かな陰影を演出する新たなデザインで、間取りはカップルをターゲットにいつまでも快適に暮らせる1LDK中心の商品です。
高付加価値賃貸『シエルシリーズ』として2商品を開発しました。『シエルコート』は、コート(中庭)を、『シエルガレージ』は1階部分にガレージを採用した、高付加価値を付けたこれまでにない賃貸住宅商品です。
『コンテチェストⅢ』は、一人暮らし向け商品として、ゆとりのある洗面化粧台・ユニットバス等を備えた住宅設備を用意しました。構造は、高倍率耐力壁を使用しシンプルにして、1階の間取り変更を計画しやすくした商品です。
その他にも、落ち着いた外観と、室内物干しなどの機能的な住宅設備を兼ね備えた『リヴァーサK』や、建物構造や階数、間取りを幅広くラインナップしたRC造商品『リヴァーサ RC ロコモK』『リヴァーサ RC ロコモKW』、カップル向け商品『クルール』などを全国向けに発売、戸建て商品『ココダテウィズ』の開発など、多くのラインナップを取りそろえることで、多様な市場ニーズや入居者ニーズに対応できるように取り組みました。
技術開発部においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による“新しい生活様式”に対応するために当社が建築する賃貸物件にSIAA(抗菌製品技術協議会)により抗菌加工の認証を受けた、壁・天井クロスとフローリングに加え『キッチンパネル』『メラミンカウンター』でのSIAA認証を追加取得し、運用を開始しました。
また、更なる入居者様のサービス向上として『当社オリジナル屋根付き宅配ボックス』、キーレスで荷物が受け取れる『電子式宅配ボックス』を開発し運用を開始しました。
建物性能向上への取り組みとして住宅性能等級で最高等級4となる『界壁遮音性能Rr55』を開発・公的試験場での性能確認を実施し、2×4工法のペット仕様物件に対して標準導入を開始しました。また、界床遮音仕様の開発としてRC造・2×4造に対して業界最高性能となる『重量衝撃音LH50、軽量衝撃音LL35』の仕様を開発・公的試験場での性能確認を実施し、オーナー様のご要望に応じた提案を開始しました。
現場職人不足への対策として、現場施工に時間が掛かる『木製内部階段のプレカット仕様』を開発し、低層木造物件での運用を開始しました。また、従前のFRP防水や板金防水工法に加え、新素材となる『吹き付け防水』工法の採用を開始しました。
環境配慮への取り組みとしては、脱炭素社会に向けた取り組みとして、ZEH仕様の賃貸住宅の拡大を図るために2×4造で『ZEH-Oriented性能』となる仕様の開発を行い、北海道及び断熱地域区分1~3を除くエリアでの提案を開始しました。
また、木材利用促進に向けた国内初の木造耐火建築物である大東建託のCLT商品『フォルターブ』1号棟が、林野庁から「先駆性が高い建築物」として実証されました。
埋もれていた環境価値を顕在化させる技術として当社初の取り組み、「省エネルギー住宅のCO2排出量削減量」をクレジット化する方法論が、J-クレジット制度認証委員会から承認・登録されました。本プロジェクトは、方法論「省エネルギー住宅の新築又は省エネルギー住宅への改修」を活用した、国内初のプロジェクトとなり、住宅業界でのカーボンオフセットの活性化に寄与します。