有価証券報告書-第142期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
(1) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への取組み
味の素グループは、事業継続できることへの深い感謝の気持ちを持ち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘う人びとのウェルネスに、ワンチームで全力を尽くします。
(2) 前中期経営計画の振り返り
味の素グループは、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」の実現に向け、2020年度の「グローバル食品企業トップ10クラス」入りを目指し、ASV(Ajinomoto Group Shared Value)向上を軸に2017-2019(for 2020)中期経営計画を推進してきました。
最終年度である2019年度は、食品事業は、強いブランド力を有する調味料・加工食品事業は順調に推移したものの、競争優位性の高くない一部の事業が低迷しました。アミノサイエンス事業は、当社グループ独自の付加価値を有するスペシャリティ事業への転換を進めましたが、アフリカ豚コレラ拡大の影響を受けて動物栄養事業の市場が縮小し、たいへん苦戦しました。これらにより、一部の事業において減損損失を計上しています。さらに2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行が発生し、大きな影響を受けました。全体として、消費者向けの調味料・加工食品は内食需要が増加し、売上の伸長が見られたものの、外食向けは大きく需要が減少しました。この影響は長期化が予想され、市場の不透明さが続いています。
中期的な視点で振り返ると、顧客課題に対して他社にない解決策を提案し、競争優位にある事業は前進しました。具体的には、健康志向に対応した特定の食品やアミノ酸、また市場の拡大を成果に結びつけた化成品素材等が伸長しています。また規模は大きくないものの、オリゴ核酸医薬品の先進的な開発受託、再生医療用培地、アミノインデックス事業も次の10年で期待できるところに来ています。一方、構造改革に全力で取り組みつつも結果を残せていない事業や、一定の利益貢献は果たせているものの長期にわたって横ばいや微減の事業があることも明らかになりました。2018年ごろから、部分最適を目指して展開している比較的規模の小さいスペシャリティ事業・製品が、限られた製品に経営資源を絞り込んだ現地の競合に局地戦で負けることが出てきています。また、社会や事業構造の変容を伴う急速な情報技術の発展(“デジタル革命”)が進む中、人々の価値観や購買スタイルの変化が大きくなり、市場の細分化、競争激化への対応力に課題が生じ、持続性のある成長を果たせませんでした。これらの課題の原因は、売上や利益等の規模を追う経営により、競争力の劣る事業や経済価値を生まない事業にも経営資源が投下されるリスクが顕在化し、主力事業への投資が希薄化したことにあると考えています。さらには近年成長への先行投資として進めてきたM&A等による資産増加もあり、資産効率の低下も課題となっています。
この結果、2017-2019(for 2020)中期経営計画で掲げた財務目標を達成することができませんでしたが、2019年度を2020-2025中期経営計画の準備の年と位置付け、重点事業への選択と集中や構造改革への体制整備を実施しました。その一環として、事業資産の圧縮施策を前倒しで進め、これに伴う減損損失を計上したため、EPS成長率において目標値との大きな乖離が生じました。
財務・非財務目標とその実績は、次のとおりです。
① 財務目標(経済価値)
② 非財務目標(社会価値)
事業を通じた「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」への貢献を目指し、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(E・S・G)の項目に沿って定量的な目標を定めています。
(注1)タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブラジル
(注2)2020年度目標を上方修正しております。
(注3)Hydrofluorocarbon(代替フロン)
(注4)関係会社の追加に伴い修正しております。
(3) 新中期経営計画
― 味の素グループのASV経営 ―「2030年の目指す姿と2020-2025中期経営計画」
① 経営環境
現在、急速なデジタル革命の進展に伴い、味の素グループを取り巻く環境は大きく変化しています。電子商取引の普及等で人々の購買スタイルは変化しつつあり、企業のビジネスモデルにも変革の波が押し寄せています。
さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が世界中に拡大・長期化する中、市場のニーズや生活様式は変化しています。この市場構造の変化を正確・迅速に捉える必要があります。
このように、変化が激しく競争が厳しい時代では、近視眼的な従来の環境認識では外部環境変化に素早く対応しきれません。今般、この観点で経営の在り方を見直し、10年後もステークホルダーから期待される存在であるために、今なすべきことに取り組み会社を変革する新しい経営計画をスタートします。
② 私たちの目指すもの
味の素グループは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして、明日のよりよい生活に貢献します。
今般、味の素グループビジョンを「アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルネスを共創します」に改めました。アミノ酸には、「食べ物をおいしくする」、「成長、発育を促す」、「消耗を回復する」、「体調を整える」等の機能があります。これを活用して食と健康にかかわる生活習慣を改善することは、私たちの強みを活かした社会貢献であり、成長を取り戻す機会でもあります。
このビジョンのもと、10年後の2030年を目指して、味の素グループは「食と健康の課題解決企業」に生まれ変わります。現在、製品を通じて約7億人の生活者と接点がありますが、アミノ酸のはたらきを活かした製品とサービスで“減塩”や“低栄養”等の食習慣の課題解決に取り組み、10億人の健康寿命延伸に貢献することを目指します。
③ ASV経営を通じた持続的成長へ
味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業の志を受け継ぎ、創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取組みにより成長してきました。この取組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称します。これからもASVを向上する経営を一層加速・進化させることで、さらに高い次元で社会課題解決への貢献と価値創造を実現し、持続的成長と企業価値の向上につなげます。
④ 企業価値の再定義
企業価値の定義を一新いたします。これまでの「財務価値+非財務価値(ESG)=統合価値(コーポレートブランド)」という定義では、企業価値をどのように向上させていくかというプロセスの重要性をステークホルダーと共有できないことを投資家との対話で認識しました。下図で示すように、顧客価値向上に対する従業員のエンゲージメント(働きがい)向上が経済価値を生み、経済価値が従業員のエンゲージメントを高めるサイクルを“企業価値”と再定義しました。

⑤ 目標とする経営指標
(a) 2030年に目指す構造目標
2030年の構造目標として、効率性の観点から資本コストを上回るROIC(投下資本利益率)13%超を、成長性の観点からオーガニック成長率5%を目指します。それにつながる重点指標として、重点事業売上高比率、従業員エンゲージメントスコアおよび単価成長率を次のとおり設定しました。

今般、ROIC(>資本コスト)重視の収益方針へ転換しますが、これは売上や利益等の規模を追う経営が資産効率低下の一因となった前中期経営計画の反省に立つものです。従来のように規模の指標を志向する考え方は、長年にわたり醸成されてきた企業文化であり、効率性・収益性の改善にあたっては、この企業文化を変革する必要があります。
(b) 非財務目標
「環境」、「社会」、「ガバナンス」のESG課題について、特に健康、環境に関する課題解決に注力します。環境課題に対しては、2030年までに温室効果ガスを50%削減し、将来、炭素税等の経済リスク80~100億円を軽減することを最重要対策として取り組みます。同時に、水使用量、プラスチック廃棄物、食資源の廃棄量、持続可能な調達に関する重要課題について、ステークホルダーと連携して負荷軽減を進めます。

(4) 会社の対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
新ビジョン実現のため、「食と健康の課題解決」を味の素グループがグローバルに、かつ長期的に貢献可能な領域として設定し、そこにあらゆる経営資源を集中する方針でグループ経営を行い、効率性改善と成長回帰を目指します。

「人財と組織のマネジメント変革」、「健康を軸とした生活者への提供価値向上」、「効率性高く成長できる収益構造」という3つの基本戦略を、デジタル・トランスフォーメーション(*)による業務改革で下支えして強力に推進します。さらに、最高経営責任者のリーダーシップのもと、事業本部、コーポレート本部横断で変革を推進し、戦略遂行のスピード不足も解消していきます。これらの取組みにより、時価総額(株主価値)、コーポレートブランド価値(顧客価値)および従業員エンゲージメント(人財価値)のバランスのとれた企業価値向上を図ります。
* AI等の情報技術を用いて業務を高度に自動化し、生産性向上と競争力強化を実現すること。
(a) 人財と組織のマネジメント変革
従業員の食と健康の課題解決力を高める能力開発を強化し、「栄養」・「環境」・「デジタル」に対する感性・知識・能力を向上させます。同時に、顧客と一体となった課題解決を組織・個人の目標としてPDCAサイクルを回すマネジメントをグループ全体で標準化します。また、各従業員が顧客価値向上を通じて企業価値の向上に貢献できる仕組みを組織マネジメントに組み入れることで、全社一丸となって企業価値を向上してまいります。
(b) 健康を軸とした生活者への提供価値向上を事業戦略の中心に
「顧客価値向上」のため、健康価値の訴求と生活様式に対応したおいしさの追求を中心戦略にして成長回帰を果たします。近年成長が鈍化してきた食品事業においても、「減塩」、「栄養・生理機能改善」等の価値訴求製品を強化します。戦術としては、日本で成功している地域社会と連携した食習慣改善に貢献する事業を海外にも展開してまいります。さらに、新中期経営計画後半の成長の柱にすることを目指して、現在、アミノ酸バランスの改善で個人の健康課題を解決する商品やサービスを統合する事業モデル開発を、ベンチャー企業と連携して進めているところです。
(c) 収益に関するマネジメントポリシーと変革
部門別の短期利益積み上げの企業文化から脱却し、オーガニック成長と投下資本(時間、モノ、カネ)効率を重要視する経営に転換します。
中期的には、持続性の観点からROIC 13%超を目指し、2030年に実現することを目標とします。2020-2022年は構造改革段階と位置づけ、現時点の非重点事業の縮小/撤退を完遂し、業務効率によるコストダウンを進め、業界水準のROIC 8%に回復させます。2023-2025年は、再成長段階として、重点事業拡大による収益性向上と追加的なアセットライト (資産圧縮)でROIC 10-11%に引き上げ、2030年構造目標への基盤をつくります。
また、資本コスト(WACC)を上回るROICと成長性を基準に、「調味料」「栄養・加工食品」「冷凍食品」「ソリューション&イングリディエンツ(外食・加工用調味料)」「ヘルスケア」「電子材料」の6事業を重点事業と定めました。非重点事業は2022年までに資産転用・撤退・売却を進め、成長性または効率性に課題がある事業は、立て直しを図ります。これらを通じ、事業ポートフォリオを再編します。
成長については、年率5%のオーガニック成長率を目指します。2019年のオーガニック成長率は微増でしたが、そのうち重点事業は4%超の成長となっています。2020-2022年、2023-2025年に重点事業売上高比率を70%、80%と引き上げていくことで、全体の成長率をさらに向上させられると想定しています。さらには重点事業における健康価値訴求等を強化し、製品の単価向上を目指します。2025年には、個々の生活者と直接つながる健康課題解決を行う新事業モデルを上乗せして、5%成長を実現していきます。
また、2020-2025年では、重点事業への投資を強化していきます。研究開発、マーケティング、設備投資にかかる経営資源の80%を重点事業に振り向けていくことに加えて、 新たにデジタル技術を用いた業務効率化、新事業モデル構築、人財開発に重点的に投資します。
これらの基本戦略遂行を着実に実行するために、最高経営責任者直轄の「事業モデル変革タスクフォース」と「全社オペレーション変革タスクフォース」を立ち上げます。さらにCIO (Chief Innovation Officer) とCXO (Chief Transformation Officer)を設置し、CDO(Chief Digital Officer)が推進するデジタル・トランスフォーメーションを取り入れて、2つの事業本部、コーポレート本部が一丸となって変革を進めます。これにより、ROICを全組織で向上させると同時に、従業員エンゲージメントを高めるよう組織マネジメントの改革を実践し、企業文化の変革を目指します。
(5) 新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識
新型コロナウイルスの影響は、各国の緊急事態宣言などによる消費活動の制限、また今後の経済の落ち込みにより当社の事業にも大きな影響が予想されます。現在の世界的な感染拡大期、その後ウイルスとの共存期を経て、ワクチン等の確立による回復期までには1年以上かかり、一部の国においては第二波、第三波と流行が繰り返されると予想しています。
また、生活者の消費活動も大きく変化していくと考えております。一日も早い収束を願うとともに当社グループとしては「2020-2025中期経営計画」における味の素グループビジョンである「アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人々のウェルネスを協創します」を実現していくために一丸となって努力していきます。
当社グループでは、中国での感染拡大期より対応・対策を進め、世界での拡大初期においてはグループの従業員およびその家族の安全確保を第一として、事業活動を継続してまいりました。具体的には、次のような点を感染拡大初期に実施済です。
・日本地域対策本部の設置、各地域本部危機管理担当者との連携
・対応方針を「新型コロナウイルスの感染予防に関して」として更新・継続し従業員に周知
・罹患者発生時の対応指針をグループに適用
・事業状況(販売、生産、物流、開発)の一元把握
その上で味の素グループとして、「新型コロナウイルス 企業継続計画 基本方針」を定め、活動の優先順位を1) 従業員およびその家族の安全確保、2) 地域・社会への貢献、3) 事業活動の継続(お客様へ商品・サービスを届ける)とし、対応計画を以下のように策定して実施しております。
① 従業員と家族の安全確保に向けた取り組み
・国内グループ主要会社において本社・営業・研究部門では約9割の従業員が在宅でのリモート勤務
・全世界のグループ会社における罹患等情報をリアルタイムで把握
・人事部が行うグローバル研修を100%オンライン化
・全世界の生産現場で事業継続のために必要なマスク・消毒剤の手配
・生産現場でのソーシャルディスタンス確保と公共交通機関の使用低減
② 地域・社会に向けた取り組み
・レシピ紹介のためのインターネットコンテンツ「味の素パーク」などを通じて生活者をサポートする情報を提供
・「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に発起人として参画。新型コロナウイルス感染症まん延の終結を目的とした診断・検査・治療・衛生管理等に関連した行為に対し、保有している知的財産権を一定期間開放する活動を開始。
・医療従事者に、抵抗活力をサポートするアミノ酸健康栄養食品、「抵抗活力」(シスチン/テアニン)、「具たっぷりみそ汁」、スープなど当社商品の提供。
・アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁と契約締結。COVID-19の検体を入れるバイアルを250万本提供。
③ 事業活動の継続に向けた取り組み
(a) 共存期、回復期に向けた事業戦略
・各国における事業影響把握のための情報収集の強化。
・経営会議メンバー、事業本部長、地域本部長を主要メンバーとするCOVID-19シナリオプランニングミーティングを継続実施し、ニューノーマルでの事業戦略を策定、実行。
(b) サプライチェーンの維持に向けた取り組み
・安全を確保した生産体制の継続とお客様の需要に対応するため主要製品の生産に集中化。
・サステナブルな調達の維持に向けたサプライヤーとの関係強化、支援。
(c) 資金面での取り組み
・十分な手元流動性比率の維持と既に設定している主要取引銀行との間のコミットメントラインにより資金の安全性を確保。
・加えて、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備。
業績への影響
現時点で新型コロナウイルス感染症の終息時期は見通せず経済の先行きが不透明な中、以下の前提で経営環境を見通しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
・当社グループが事業展開をしている各国において、第2四半期までに非常事態宣言やロックダウン等が解除されるが、同期間の経済活動等が大きな影響を受ける。
・第3四半期から経済活動等が徐々に回復していくが、北米・南米では同感染症の第二波の襲来により、継続的に影響を受ける。
また、同感染症による次期の事業別の影響は、以下を想定しております。
<調味料・食品>・国内外における、内食傾向の高まりによる家庭用の需要増加と、外食機会の減少による、業務用の需要減少。
・ロックダウン等の解除後における、業務用の需要回復に対する着実な取り込み。
<冷凍食品>・国内はギョーザ等の主力カテゴリーの家庭用需要が伸長する一方、業務用は外食・給食向け中心に大幅な需要減。
・海外は家庭用で需要が増加する一方、業務用の需要が大幅に減少。
<ヘルスケア等>・電子材料については影響なし。
・医薬用アミノ酸の需要が増加する一方で、スポーツイベント中止により食品用アミノ酸等の需要は減少。治験の遅れ等により、製薬カスタムサービス事業における成長に遅れ。
・動物栄養については、感染症が緩和するにつれて競争が再び激化。
味の素グループは、事業継続できることへの深い感謝の気持ちを持ち、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と闘う人びとのウェルネスに、ワンチームで全力を尽くします。
(2) 前中期経営計画の振り返り
味の素グループは、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」の実現に向け、2020年度の「グローバル食品企業トップ10クラス」入りを目指し、ASV(Ajinomoto Group Shared Value)向上を軸に2017-2019(for 2020)中期経営計画を推進してきました。
最終年度である2019年度は、食品事業は、強いブランド力を有する調味料・加工食品事業は順調に推移したものの、競争優位性の高くない一部の事業が低迷しました。アミノサイエンス事業は、当社グループ独自の付加価値を有するスペシャリティ事業への転換を進めましたが、アフリカ豚コレラ拡大の影響を受けて動物栄養事業の市場が縮小し、たいへん苦戦しました。これらにより、一部の事業において減損損失を計上しています。さらに2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行が発生し、大きな影響を受けました。全体として、消費者向けの調味料・加工食品は内食需要が増加し、売上の伸長が見られたものの、外食向けは大きく需要が減少しました。この影響は長期化が予想され、市場の不透明さが続いています。
中期的な視点で振り返ると、顧客課題に対して他社にない解決策を提案し、競争優位にある事業は前進しました。具体的には、健康志向に対応した特定の食品やアミノ酸、また市場の拡大を成果に結びつけた化成品素材等が伸長しています。また規模は大きくないものの、オリゴ核酸医薬品の先進的な開発受託、再生医療用培地、アミノインデックス事業も次の10年で期待できるところに来ています。一方、構造改革に全力で取り組みつつも結果を残せていない事業や、一定の利益貢献は果たせているものの長期にわたって横ばいや微減の事業があることも明らかになりました。2018年ごろから、部分最適を目指して展開している比較的規模の小さいスペシャリティ事業・製品が、限られた製品に経営資源を絞り込んだ現地の競合に局地戦で負けることが出てきています。また、社会や事業構造の変容を伴う急速な情報技術の発展(“デジタル革命”)が進む中、人々の価値観や購買スタイルの変化が大きくなり、市場の細分化、競争激化への対応力に課題が生じ、持続性のある成長を果たせませんでした。これらの課題の原因は、売上や利益等の規模を追う経営により、競争力の劣る事業や経済価値を生まない事業にも経営資源が投下されるリスクが顕在化し、主力事業への投資が希薄化したことにあると考えています。さらには近年成長への先行投資として進めてきたM&A等による資産増加もあり、資産効率の低下も課題となっています。
この結果、2017-2019(for 2020)中期経営計画で掲げた財務目標を達成することができませんでしたが、2019年度を2020-2025中期経営計画の準備の年と位置付け、重点事業への選択と集中や構造改革への体制整備を実施しました。その一環として、事業資産の圧縮施策を前倒しで進め、これに伴う減損損失を計上したため、EPS成長率において目標値との大きな乖離が生じました。
財務・非財務目標とその実績は、次のとおりです。
① 財務目標(経済価値)
② 非財務目標(社会価値)事業を通じた「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」への貢献を目指し、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(E・S・G)の項目に沿って定量的な目標を定めています。
| 非財務目標の内容 | 2017年度 実績 | 2018年度 実績 | 2019年度 実績 | 2020年度目標 ※一部、2020年度以降の 目標を掲げています。 | ||
| 社 会 | うま味を通じてたんぱく質・野菜をおいしく摂取し、栄養バランスを改善します。 | 味の素グループ製品による肉・野菜の摂取量(日本・Five Stars (注1)) | 肉: 720万トン 野菜: 440万トン | 肉: 720万トン 野菜: 440万トン | 肉: 700万トン 野菜: 430万トン | 肉: 年860万トン: 19%(9.7kg/人/年) 〈対 2015年度+3%(+2.0kg)〉 野菜: 年550万トン: 8% (6.2kg/人/年) 〈対 2015年度+2%(+1.6kg)〉 |
| 共に食べる場を増加します。 | 味の素グループ製品による共食の場への貢献回数(日本・Five Stars (注1)) | 60回 | 60回 | 58回 | 70回/世帯/年 〈対 2015年度+20回〉 | |
| おいしくスマートな調理を実現します。 | 味の素グループ製品を通じて創出される時間(日本) | 37 百万時間 | 37 百万時間 | 37 百万時間 | 38百万時間/年 (6時間/世帯) 〈対 2015年度 +7百万時間〉 | |
| 人々の快適な生活を実現します。 | アミノ酸製品(アミノサイエンス)を通じた快適な生活への貢献人数 | 1,980 万人 | 1,990 万人 | 1,950 万人 | 2,200万人 〈対 2015年度 +400万人〉 | |
| 環 境 | 温室効果ガスの削減:製品ライフサイクル全体でカーボンニュートラルにします。 | 温室効果ガスの排出量対生産量原単位 | 35%削減 (対2005年度) | 33%削減 (対2005年度) | 39%削減 (対2005年度) | 2020年度:9%削減 〈対2015年度〉(注2) 2030年度:50%削減 〈対2005年度〉 |
| 再生可能エネルギー比率 | 23% | 24% | 26% | 2020年度:28% 2030年度:50% | ||
| 脱フロン | - | - | - | 2025年度:新規導入100% 2030年度:HFCs (注3) 保有量極小 | ||
| フードロスの削減:2050年までにライフサイクルでフードロスを半減します。 | 原料受入からお客様納品までのフードロス削減 | 4%増加 | 17%増加 (注4) | 2%増加 | 2020年度:20%削減 〈対2016年度〉 2025年度:50%削減 〈対2016年度〉 | |
| 食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全:次世代のための食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全に貢献し、持続可能な調達を実現します。 | 持続可能な調達 | パーム油 14% | パーム油 25% | パーム油 25% | 2020年度:パーム油・紙100% 2030年度:課題原料100% | |
| 低資源利用発酵技術・副生物活用・原料代替技術による天然原料使用量削減 | 79% | 79% | 79% | 2025年度:100%導入 | ||
| 非財務目標の内容 | 2017年度 実績 | 2018年度 実績 | 2019年度 実績 | 2020年度目標 ※一部、2020年度以降の 目標を掲げています。 | ||
| 環境 | 水資源の保全:持続的に水を利用し続けられる環境を創出します。 | 工場の水使用量対生産量原単位 | 77%削減 (対2005年度) | 78%削減 (対2005年度) | 78%削減 (対2005年度) | 2020年度:12%削減 〈対2015年度〉(注2) 2030年度:80%削減 〈対2005年度〉 |
| 廃棄物の3R (Reduce、Reuse、Recycle): 廃棄物のゼロエミッション | 事業活動で排出される廃棄物削減・資源化率 | 99.3% | 99.2% | 98.9% | 2020年度、2025年度:99%以上維持 | |
| ガ バ ナ ン ス | 従業員の働きがいを向上します。 | 働きがいを実感している従業員の割合 | 79% | - | 80% | 80% |
(注1)タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブラジル
(注2)2020年度目標を上方修正しております。
(注3)Hydrofluorocarbon(代替フロン)
(注4)関係会社の追加に伴い修正しております。
(3) 新中期経営計画
― 味の素グループのASV経営 ―「2030年の目指す姿と2020-2025中期経営計画」
① 経営環境
現在、急速なデジタル革命の進展に伴い、味の素グループを取り巻く環境は大きく変化しています。電子商取引の普及等で人々の購買スタイルは変化しつつあり、企業のビジネスモデルにも変革の波が押し寄せています。
さらに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が世界中に拡大・長期化する中、市場のニーズや生活様式は変化しています。この市場構造の変化を正確・迅速に捉える必要があります。
このように、変化が激しく競争が厳しい時代では、近視眼的な従来の環境認識では外部環境変化に素早く対応しきれません。今般、この観点で経営の在り方を見直し、10年後もステークホルダーから期待される存在であるために、今なすべきことに取り組み会社を変革する新しい経営計画をスタートします。
② 私たちの目指すもの
味の素グループは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして、明日のよりよい生活に貢献します。
今般、味の素グループビジョンを「アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人びとのウェルネスを共創します」に改めました。アミノ酸には、「食べ物をおいしくする」、「成長、発育を促す」、「消耗を回復する」、「体調を整える」等の機能があります。これを活用して食と健康にかかわる生活習慣を改善することは、私たちの強みを活かした社会貢献であり、成長を取り戻す機会でもあります。
このビジョンのもと、10年後の2030年を目指して、味の素グループは「食と健康の課題解決企業」に生まれ変わります。現在、製品を通じて約7億人の生活者と接点がありますが、アミノ酸のはたらきを活かした製品とサービスで“減塩”や“低栄養”等の食習慣の課題解決に取り組み、10億人の健康寿命延伸に貢献することを目指します。
③ ASV経営を通じた持続的成長へ
味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業の志を受け継ぎ、創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取組みにより成長してきました。この取組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称します。これからもASVを向上する経営を一層加速・進化させることで、さらに高い次元で社会課題解決への貢献と価値創造を実現し、持続的成長と企業価値の向上につなげます。
④ 企業価値の再定義
企業価値の定義を一新いたします。これまでの「財務価値+非財務価値(ESG)=統合価値(コーポレートブランド)」という定義では、企業価値をどのように向上させていくかというプロセスの重要性をステークホルダーと共有できないことを投資家との対話で認識しました。下図で示すように、顧客価値向上に対する従業員のエンゲージメント(働きがい)向上が経済価値を生み、経済価値が従業員のエンゲージメントを高めるサイクルを“企業価値”と再定義しました。

⑤ 目標とする経営指標
(a) 2030年に目指す構造目標
2030年の構造目標として、効率性の観点から資本コストを上回るROIC(投下資本利益率)13%超を、成長性の観点からオーガニック成長率5%を目指します。それにつながる重点指標として、重点事業売上高比率、従業員エンゲージメントスコアおよび単価成長率を次のとおり設定しました。

今般、ROIC(>資本コスト)重視の収益方針へ転換しますが、これは売上や利益等の規模を追う経営が資産効率低下の一因となった前中期経営計画の反省に立つものです。従来のように規模の指標を志向する考え方は、長年にわたり醸成されてきた企業文化であり、効率性・収益性の改善にあたっては、この企業文化を変革する必要があります。
(b) 非財務目標
「環境」、「社会」、「ガバナンス」のESG課題について、特に健康、環境に関する課題解決に注力します。環境課題に対しては、2030年までに温室効果ガスを50%削減し、将来、炭素税等の経済リスク80~100億円を軽減することを最重要対策として取り組みます。同時に、水使用量、プラスチック廃棄物、食資源の廃棄量、持続可能な調達に関する重要課題について、ステークホルダーと連携して負荷軽減を進めます。

(4) 会社の対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
新ビジョン実現のため、「食と健康の課題解決」を味の素グループがグローバルに、かつ長期的に貢献可能な領域として設定し、そこにあらゆる経営資源を集中する方針でグループ経営を行い、効率性改善と成長回帰を目指します。

「人財と組織のマネジメント変革」、「健康を軸とした生活者への提供価値向上」、「効率性高く成長できる収益構造」という3つの基本戦略を、デジタル・トランスフォーメーション(*)による業務改革で下支えして強力に推進します。さらに、最高経営責任者のリーダーシップのもと、事業本部、コーポレート本部横断で変革を推進し、戦略遂行のスピード不足も解消していきます。これらの取組みにより、時価総額(株主価値)、コーポレートブランド価値(顧客価値)および従業員エンゲージメント(人財価値)のバランスのとれた企業価値向上を図ります。
* AI等の情報技術を用いて業務を高度に自動化し、生産性向上と競争力強化を実現すること。
(a) 人財と組織のマネジメント変革
従業員の食と健康の課題解決力を高める能力開発を強化し、「栄養」・「環境」・「デジタル」に対する感性・知識・能力を向上させます。同時に、顧客と一体となった課題解決を組織・個人の目標としてPDCAサイクルを回すマネジメントをグループ全体で標準化します。また、各従業員が顧客価値向上を通じて企業価値の向上に貢献できる仕組みを組織マネジメントに組み入れることで、全社一丸となって企業価値を向上してまいります。
(b) 健康を軸とした生活者への提供価値向上を事業戦略の中心に
「顧客価値向上」のため、健康価値の訴求と生活様式に対応したおいしさの追求を中心戦略にして成長回帰を果たします。近年成長が鈍化してきた食品事業においても、「減塩」、「栄養・生理機能改善」等の価値訴求製品を強化します。戦術としては、日本で成功している地域社会と連携した食習慣改善に貢献する事業を海外にも展開してまいります。さらに、新中期経営計画後半の成長の柱にすることを目指して、現在、アミノ酸バランスの改善で個人の健康課題を解決する商品やサービスを統合する事業モデル開発を、ベンチャー企業と連携して進めているところです。
(c) 収益に関するマネジメントポリシーと変革
部門別の短期利益積み上げの企業文化から脱却し、オーガニック成長と投下資本(時間、モノ、カネ)効率を重要視する経営に転換します。
中期的には、持続性の観点からROIC 13%超を目指し、2030年に実現することを目標とします。2020-2022年は構造改革段階と位置づけ、現時点の非重点事業の縮小/撤退を完遂し、業務効率によるコストダウンを進め、業界水準のROIC 8%に回復させます。2023-2025年は、再成長段階として、重点事業拡大による収益性向上と追加的なアセットライト (資産圧縮)でROIC 10-11%に引き上げ、2030年構造目標への基盤をつくります。
また、資本コスト(WACC)を上回るROICと成長性を基準に、「調味料」「栄養・加工食品」「冷凍食品」「ソリューション&イングリディエンツ(外食・加工用調味料)」「ヘルスケア」「電子材料」の6事業を重点事業と定めました。非重点事業は2022年までに資産転用・撤退・売却を進め、成長性または効率性に課題がある事業は、立て直しを図ります。これらを通じ、事業ポートフォリオを再編します。
成長については、年率5%のオーガニック成長率を目指します。2019年のオーガニック成長率は微増でしたが、そのうち重点事業は4%超の成長となっています。2020-2022年、2023-2025年に重点事業売上高比率を70%、80%と引き上げていくことで、全体の成長率をさらに向上させられると想定しています。さらには重点事業における健康価値訴求等を強化し、製品の単価向上を目指します。2025年には、個々の生活者と直接つながる健康課題解決を行う新事業モデルを上乗せして、5%成長を実現していきます。
また、2020-2025年では、重点事業への投資を強化していきます。研究開発、マーケティング、設備投資にかかる経営資源の80%を重点事業に振り向けていくことに加えて、 新たにデジタル技術を用いた業務効率化、新事業モデル構築、人財開発に重点的に投資します。
これらの基本戦略遂行を着実に実行するために、最高経営責任者直轄の「事業モデル変革タスクフォース」と「全社オペレーション変革タスクフォース」を立ち上げます。さらにCIO (Chief Innovation Officer) とCXO (Chief Transformation Officer)を設置し、CDO(Chief Digital Officer)が推進するデジタル・トランスフォーメーションを取り入れて、2つの事業本部、コーポレート本部が一丸となって変革を進めます。これにより、ROICを全組織で向上させると同時に、従業員エンゲージメントを高めるよう組織マネジメントの改革を実践し、企業文化の変革を目指します。
(5) 新型コロナウイルス感染症に関するリスクの認識
新型コロナウイルスの影響は、各国の緊急事態宣言などによる消費活動の制限、また今後の経済の落ち込みにより当社の事業にも大きな影響が予想されます。現在の世界的な感染拡大期、その後ウイルスとの共存期を経て、ワクチン等の確立による回復期までには1年以上かかり、一部の国においては第二波、第三波と流行が繰り返されると予想しています。
また、生活者の消費活動も大きく変化していくと考えております。一日も早い収束を願うとともに当社グループとしては「2020-2025中期経営計画」における味の素グループビジョンである「アミノ酸のはたらきで食習慣や高齢化に伴う食と健康の課題を解決し、人々のウェルネスを協創します」を実現していくために一丸となって努力していきます。
当社グループでは、中国での感染拡大期より対応・対策を進め、世界での拡大初期においてはグループの従業員およびその家族の安全確保を第一として、事業活動を継続してまいりました。具体的には、次のような点を感染拡大初期に実施済です。
・日本地域対策本部の設置、各地域本部危機管理担当者との連携
・対応方針を「新型コロナウイルスの感染予防に関して」として更新・継続し従業員に周知
・罹患者発生時の対応指針をグループに適用
・事業状況(販売、生産、物流、開発)の一元把握
その上で味の素グループとして、「新型コロナウイルス 企業継続計画 基本方針」を定め、活動の優先順位を1) 従業員およびその家族の安全確保、2) 地域・社会への貢献、3) 事業活動の継続(お客様へ商品・サービスを届ける)とし、対応計画を以下のように策定して実施しております。
① 従業員と家族の安全確保に向けた取り組み
・国内グループ主要会社において本社・営業・研究部門では約9割の従業員が在宅でのリモート勤務
・全世界のグループ会社における罹患等情報をリアルタイムで把握
・人事部が行うグローバル研修を100%オンライン化
・全世界の生産現場で事業継続のために必要なマスク・消毒剤の手配
・生産現場でのソーシャルディスタンス確保と公共交通機関の使用低減
② 地域・社会に向けた取り組み
・レシピ紹介のためのインターネットコンテンツ「味の素パーク」などを通じて生活者をサポートする情報を提供
・「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」に発起人として参画。新型コロナウイルス感染症まん延の終結を目的とした診断・検査・治療・衛生管理等に関連した行為に対し、保有している知的財産権を一定期間開放する活動を開始。
・医療従事者に、抵抗活力をサポートするアミノ酸健康栄養食品、「抵抗活力」(シスチン/テアニン)、「具たっぷりみそ汁」、スープなど当社商品の提供。
・アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁と契約締結。COVID-19の検体を入れるバイアルを250万本提供。
③ 事業活動の継続に向けた取り組み
(a) 共存期、回復期に向けた事業戦略
・各国における事業影響把握のための情報収集の強化。
・経営会議メンバー、事業本部長、地域本部長を主要メンバーとするCOVID-19シナリオプランニングミーティングを継続実施し、ニューノーマルでの事業戦略を策定、実行。
(b) サプライチェーンの維持に向けた取り組み
・安全を確保した生産体制の継続とお客様の需要に対応するため主要製品の生産に集中化。
・サステナブルな調達の維持に向けたサプライヤーとの関係強化、支援。
(c) 資金面での取り組み
・十分な手元流動性比率の維持と既に設定している主要取引銀行との間のコミットメントラインにより資金の安全性を確保。
・加えて、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備。
業績への影響
現時点で新型コロナウイルス感染症の終息時期は見通せず経済の先行きが不透明な中、以下の前提で経営環境を見通しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
・当社グループが事業展開をしている各国において、第2四半期までに非常事態宣言やロックダウン等が解除されるが、同期間の経済活動等が大きな影響を受ける。
・第3四半期から経済活動等が徐々に回復していくが、北米・南米では同感染症の第二波の襲来により、継続的に影響を受ける。
また、同感染症による次期の事業別の影響は、以下を想定しております。
<調味料・食品>・国内外における、内食傾向の高まりによる家庭用の需要増加と、外食機会の減少による、業務用の需要減少。
・ロックダウン等の解除後における、業務用の需要回復に対する着実な取り込み。
<冷凍食品>・国内はギョーザ等の主力カテゴリーの家庭用需要が伸長する一方、業務用は外食・給食向け中心に大幅な需要減。
・海外は家庭用で需要が増加する一方、業務用の需要が大幅に減少。
<ヘルスケア等>・電子材料については影響なし。
・医薬用アミノ酸の需要が増加する一方で、スポーツイベント中止により食品用アミノ酸等の需要は減少。治験の遅れ等により、製薬カスタムサービス事業における成長に遅れ。
・動物栄養については、感染症が緩和するにつれて競争が再び激化。