有価証券報告書-第141期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
有報資料
(1) 私たちの目指すもの
味の素グループは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして、明日のよりよい生活に貢献し、先端バイオ・ファイン技術が先導する、確かなグローバル・スペシャリティ食品企業グループを目指します。
(2) 「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」に向けて
① ASV(Ajinomoto Group Shared Value)の進化による持続的成長
② 現状の課題 -グローバル食品企業トップ10クラス入りのために-
現在の味の素グループは、グローバル食品企業トップ10クラスの企業と比較すると、財務指標、すなわち、事業の規模、利益を創出する効率性に課題があります。また、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(いわゆるE・S・G)に関する基本方針や非財務目標をより明確にすべきであると考えています。これらに対し、我々の強みである独自のコア技術、すなわち、アミノ酸を起点とした独自の先端バイオ・ファイン技術や「おいしさ」を解析し自在に設計する「おいしさ設計技術」と徹底した現地・顧客適合で具体的な解決に取り組んでいます。一方で、2014-2016中期経営計画および2017-2019(for 2020)中期経営計画で取り組んできた食品事業のポートフォリオの拡大が、戦力分散と重点分野への投資の希薄化を招き、主要カテゴリーでの市場創造力とコスト競争力の低下に繋がっています。こうした中で、①成長可能性の高い事業領域への経営資源の集中・重点化、②資産効率の向上、③生産性の向上、の3点をあらゆるバリューチェーンで推進するアセットライト経営により一層の効率化を進め、グローバルトップ3が実現可能な領域に重点化することで、次期中期経営計画においてグローバル食品企業トップ10クラス入りを目指せる体制を整えます。
(3)目標とする経営指標およびその進捗
① 財務目標(経済価値)
(注1)資産合計事業利益率
(注2)コンシューマー食品が対象。現地通貨ベース
(注3)当期より、物流事業を非継続事業に分類しているため、2017年度実績についても、対応する金額を同様に組み替えて表示しております。また、当期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2017年度実績については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。なお、2018年度期首予想は、これらの反映前の数値です。
② 非財務目標(社会価値)
事業を通じた「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」への貢献を目指し、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(E・S・G)の項目に沿って定量的な目標を定めています。
(注4) タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブラジル
(注5) 2020年度目標を上方修正しております。
(注6) Hydrofluorocarbon(代替フロン)
(4)会社の対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
<2017-2019(for 2020)中期経営計画の推進>味の素グループは、2017-2019(for 2020)中期経営計画においても、「FIT & GROW with Specialty」を継承し、土台となる「経営基盤の強化」にも取り組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指しています。その取り組みおよび進捗状況は次のとおりです。
① 更なる事業構造改革(FIT)
1)コモディティ事業からの抜本的な転換
・コモディティ製品の生産外部化による動物栄養事業のスペシャリティ化の加速
(進捗状況)中国の梅花生物科技集団との製造委託契約によりコモディティ製品の生産外部化を拡大し、ブラジルのリジン工場を停止するなどスペシャリティへの転換を進めています。
・加工用うま味調味料事業における当社製品向け供給の拡大と低資源利用発酵技術によるコスト削減
・甘味料事業のリテール・外食向け製品のスペシャリティ化の強化
2)事業横断でのサステナブルバリューチェーンの構築
・グループ会社を含む国内全体のバリューチェーン再編による事業構造強化(最新鋭工場への転換、他社との共同物流改革、事業横断での伸長チャネル向け提案力強化、共通のコーポレート機能の一体運営等)
(進捗状況)・国内調味料・加工食品生産体制強化のため、当社事業所の一部、クノール食品㈱および味の素パッケージング㈱の生産体制を集約・再編し、新会社を2019年4月に発足させました。
・カゴメ㈱、日清オイリオグループ㈱、日清フーズ㈱、ハウス食品グループ本社㈱の4社と2019年4月に物流事業を統合し、全国規模の物流会社を発足させました。深刻化する食品物流の諸課題の解決に向けて、食品メーカー協働での取り組みを一層推進します。
・グローバルのバリューチェーン全体における資源利用の削減(ICT(情報通信技術)活用による発酵プロセス自動化・効率化、製品消費段階での環境負荷低減等)
② 成長ドライバーの展開(GROW)
1)食品の地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長
・日本食品:「おいしさ設計技術」の進化による主要ブランド製品の継続強化、「勝ち飯®」等の当社独自のサイエンスとデジタル・ICT活用による、お客様に提供するこころとからだの健康、共食の喜び、食文化価値の増大
(進捗状況)・「Cook Do®」は2018年に発売40周年を迎え、「Cook Do®」ならではの“抜群のおいしさ”、“簡単手作り”という特長を改めて訴求し、合わせ調味料全体で過去最高の売上となりました。
・冷凍食品はギョーザ類の売上は拡大したものの、から揚げを中心に販売が低迷しました。
・国内コーヒー市場は、インスタントコーヒーの家庭内消費が縮小する中、スティック製品でも競合との競争が激化し、販売が低迷しました。
・2018年4月に生活者解析・事業創造部を発足させ、生活者データの解析やEC/通販市場での拡大を推進しました。
・海外食品:ローカルトッププレイヤーとの連携など新地域展開の加速による地域ポートフォリオ強化、市場成長や為替変動に左右されにくい強固な事業基盤の確立
(進捗状況)・タイの缶コーヒー「Birdy®」は値上げの浸透および販売努力により回復し、「Five Stars」の調味料事業も原料価格の上昇等に対し値上げを実施しましたが、一部主要国で従来の高成長から成長が鈍化しています。
・北米の冷凍食品事業はアジアンカテゴリーを中心に売上を伸ばしたものの、新生産体制構築に伴うコストや物流費の上昇に伴い、採算が悪化していたことから減損損失を計上しました。一方、2019年4月にグローバル冷凍食品戦略部を設置し、グローバルでの冷凍食品事業戦略の一元化を進めてまいります。
・プロマシドール・ホールディングス社とその傘下法人が事業を行うアフリカ諸国、およびイスタンブール味の素食品社が事業を行うトルコにおいて、財政悪化や経済成長率の大幅な鈍化により、事業環境が激変し、それに伴って同社の企業価値が低下したことから減損損失を計上しました。
2)新たな事業の柱の構築による事業ポートフォリオの拡張
・食品事業:中食・外食・加工食品向けに「おいしさ」実現のための提案を総合的に行う「おいしさソリューション事業」のグローバルな立ち上げ。フレーバーに関する素材や技術の強化と顧客起点に立ったグループ横断の営業体制の構築
(進捗状況)2018年4月1日付で加工食品メーカー向けの天然系調味料、酵素製剤等の業務用製品(素材)事業と、中食・外食業態向け製品事業を統合し、国内大手の外食・中食ユーザーに対し、天然系調味料・酵素・機能性調味料を用いた提案を拡大しました。また、2018年4月以降、味の素冷凍食品㈱、クノール食品㈱、味の素AGF㈱の日本食品に関わるR&D拠点の当社川崎事業所内への集約を段階的に行っています。これらによる「おいしさ設計技術」の提供と味の素グループ一体型の顧客起点営業体制の強化を通じ、「おいしさソリューション事業」の拡大を図ります。
・アミノサイエンス事業:アミノ酸素材事業の川下事業化、先端バイオ医療周辺領域の成長加速等、スペシャリティ事業の拡大による強い事業構造への転換
(進捗状況)・欧米のCDMO事業(Contract Development & Manufacturing Organization(製薬企業から開発・製造を受託))を「AJINOMOTO BIO・PHARMA SERVICES」のブランドに統合し、グローバルで一体的にサービスを提供できる体制を構築しました。
・当社川崎事業所内にオープン&リンクイノベーション推進拠点である「クライアント・イノベーション・センター」を新設し、当社技術の紹介や、ビジネスパートナーとの技術融合による新価値・新事業の共創を進めています。
③ 経営基盤の強化
・コーポレートガバナンス・コードに適合する基盤強化とイノベーションによる持続的成長
・グローバル戦略機能の強化とグループの事業全体をサポートするコーポレート機能の最適化
(進捗状況)2019年4月1日付で、製品開発とサービス力強化をスピードアップするため研究所体制を再編し、イノベーション研究所を、その機能に応じてバイオ・ファイン研究所と食品研究所に統合しました。
・分厚く多様な人財層の形成に向けた次世代グローバル人財の育成や女性マネージャーの登用
・多様な人財によるイノベーションの促進、従業員の心身の健康増進を目指した「働き方改革」の推進(グローバル基準の働き方を志向した時短、ICT活用による仕事の効率化、育児・介護へのサポート強化等)
(進捗状況)味の素㈱の「働き方改革」で目標とする年間平均労働時間1,800時間に対し、2018年度の実績は1,820時間となりました。引き続き効率化を進めるとともに国内グループ会社への横展開を図ります。
・ASVの実践を通じたグローバル34,000人の全従業員の「働きがい」向上による組織力の強化と業績向上

味の素グループは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして、明日のよりよい生活に貢献し、先端バイオ・ファイン技術が先導する、確かなグローバル・スペシャリティ食品企業グループを目指します。
(2) 「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」に向けて
① ASV(Ajinomoto Group Shared Value)の進化による持続的成長
| 味の素グループは、うま味を通じて粗食をおいしくし、国民の栄養を改善するという創業の志を受け継ぎ、創業以来一貫した、事業を通じて社会価値と経済価値を共創する取り組みにより成長してきました。この取り組みをASV(Ajinomoto Group Shared Value)と称し、これからも事業を通じて「21世紀の人類社会の課題」である「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」に積極的に貢献することで、ASV進化による持続的な成長を目指します。 | ![]() ![]() |
② 現状の課題 -グローバル食品企業トップ10クラス入りのために-
現在の味の素グループは、グローバル食品企業トップ10クラスの企業と比較すると、財務指標、すなわち、事業の規模、利益を創出する効率性に課題があります。また、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(いわゆるE・S・G)に関する基本方針や非財務目標をより明確にすべきであると考えています。これらに対し、我々の強みである独自のコア技術、すなわち、アミノ酸を起点とした独自の先端バイオ・ファイン技術や「おいしさ」を解析し自在に設計する「おいしさ設計技術」と徹底した現地・顧客適合で具体的な解決に取り組んでいます。一方で、2014-2016中期経営計画および2017-2019(for 2020)中期経営計画で取り組んできた食品事業のポートフォリオの拡大が、戦力分散と重点分野への投資の希薄化を招き、主要カテゴリーでの市場創造力とコスト競争力の低下に繋がっています。こうした中で、①成長可能性の高い事業領域への経営資源の集中・重点化、②資産効率の向上、③生産性の向上、の3点をあらゆるバリューチェーンで推進するアセットライト経営により一層の効率化を進め、グローバルトップ3が実現可能な領域に重点化することで、次期中期経営計画においてグローバル食品企業トップ10クラス入りを目指せる体制を整えます。
(3)目標とする経営指標およびその進捗
| 2017-2019(for 2020)中期経営計画において、味の素グループが創造する経済価値、社会価値を財務目標、非財務目標として設定。またこれらを合わせた統合目標としてコーポレートブランド価値を数値化し、味の素グループが目指すところを明確にした経営を行っています。 2017年度にはグループ共通の“味の素グループグローバルブランドロゴ”を導入し、また北米、欧州のグループ会社の社名を“味の素”と事業内容・地域を組み合わせた名称に変更するなど、コーポレートブランド価値の集約に取り組んでいます。 財務・非財務目標とその2018年度進捗状況は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 | ■味の素グループグローバルブランドロゴ |
① 財務目標(経済価値)
| 2017年度 実績 (注3) | 2018年度 期首予想 | 2018年度 実績 | 2019年度 当初目標 | 2019年度 期首予想 | |
| 事業利益 | 956億円 | 1,030億円 | 926億円 | 1,240億円 | 970億円 |
| 事業利益率 | 8.6% | 8.7% | 8.2% | 9.4% | 8.3% |
| ROE | 9.6% | 9.5% | 4.7% | 9.8% | 8.0% |
| ROA (注1) | 6.9% | 7.2% | 6.6% | 8.8% | 6.5% |
| EPS成長率 | 14.0% | 3.0% | △49.3% | 年二桁成長 | 70.3% |
| 海外売上成長率 (注2) | 5% | 7% | 6% | 年二桁成長 | 4% |
(注1)資産合計事業利益率
(注2)コンシューマー食品が対象。現地通貨ベース
(注3)当期より、物流事業を非継続事業に分類しているため、2017年度実績についても、対応する金額を同様に組み替えて表示しております。また、当期において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、2017年度実績については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。なお、2018年度期首予想は、これらの反映前の数値です。
② 非財務目標(社会価値)
事業を通じた「健康なこころとからだ」、「食資源」、「地球持続性」への貢献を目指し、「環境」、「社会」、「ガバナンス」(E・S・G)の項目に沿って定量的な目標を定めています。
| 非財務目標の内容 | 2015年度 実績 | 2017年度 実績 | 2018年度 実績 | 2020年度目標 ※一部、2020年度以降の目標を 掲げています。 | ||
| 社 会 | うま味を通じてたんぱく質・野菜をおいしく摂取し、栄養バランスを改善します。 | 味の素グループ製品による肉・野菜の摂取量(日本・Five Stars (注4)) | 肉: 660万トン 野菜: 380万トン | 肉: 720万トン 野菜: 440万トン | 肉: 720万トン 野菜: 440万トン | 肉: 年860万トン: 19%(9.7kg/人/年) 〈対 2015年度+3%(+2.0kg)〉 野菜: 年550万トン: 8% (6.2kg/人/年) 〈対 2015年度+2%(+1.6kg)〉 |
| 共に食べる場を増加します。 | 味の素グループ製品による共食の場への貢献回数(日本・Five Stars (注4)) | 55回 | 60回 | 60回 | 70回/世帯/年 〈対 2015年度+20回〉 | |
| おいしくスマートな調理を実現します。 | 味の素グループ製品を通じて創出される時間(日本) | 31 百万時間 | 37 百万時間 | 37 百万時間 | 38百万時間/年(6時間/世帯) 〈対 2015年度 +7百万時間〉 | |
| 人々の快適な生活を実現します。 | アミノ酸製品(アミノサイエンス)を通じた快適な生活への貢献人数 | 1,820 万人 | 1,980 万人 | 1,990 万人 | 2,200万人 〈対 2015年度 +400万人〉 | |
| 環 境 | 温室効果ガスの削減:製品ライフサイクル全体でカーボンニュートラルにします。 | 温室効果ガスの排出量対生産量原単位 | 33%削減 (対2005年度) | 35%削減 (対2005年度) | 33%削減 (対2005年度) | 2020年度:8%削減 〈対2015年度〉(注5) 2030年度:50%削減 〈対2005年度〉 |
| 再生可能エネルギー比率 | 18% | 23% | 24% | 2020年度:28%(注5) 2030年度:50% | ||
| 脱フロン | - | - | - | 2025年度:新規導入100% 2030年度:HFCs (注6) 保有量極少 | ||
| 非財務目標の内容 | 2015年度 実績 | 2017年度 実績 | 2018年度 実績 | 2020年度目標 ※一部、2020年度以降の目標を掲げています。 | ||
| 環境 | フードロスの削減:2050年までにライフサイクルでフードロスを半減します。 | 原料受入からお客様納品までのフードロス削減 | - | 4%増加 | 28%増加 | 2020年度:20%削減 〈対2016年度〉 2025年度:50%削減 〈対2016年度〉 |
| 食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全:次世代のための食資源の確保と生態系・生物多様性を含む自然環境の保全に貢献し、持続可能な調達を実現します。 | 持続可能な調達 | - | パーム油 14% | パーム油 25% | 2020年度:パーム油・紙100% 2030年度:課題原料100% | |
| 低資源利用発酵技術・副生物活用・原料代替技術による天然原料使用量削減 | - | 79% | 79% | 2025年度:100%導入 | ||
| 水資源の保全:持続的に水を利用し続けられる環境を創出します。 | 工場の水使用量対生産量原単位 | 75%削減 (対2005年度) | 77%削減 (対2005年度) | 78%削減 (対2005年度) | 2020年度:10%削減 〈対2015年度〉(注5) 2030年度:80%削減 〈対2005年度〉 | |
| 廃棄物の3R (Reduce、Reuse、Recycle): 廃棄物のゼロエミッション | 事業活動で排出される廃棄物削減・資源化率 | 99.6% | 99.3% | 99.2% | 2020年度、2025年度:99%以上維持 | |
| ガ バ ナ ン ス | 従業員の働きがいを向上します。 | 働きがいを実感している従業員の割合 | - | 79% | - | 80% |
(注4) タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ブラジル
(注5) 2020年度目標を上方修正しております。
(注6) Hydrofluorocarbon(代替フロン)
(4)会社の対処すべき課題および中長期的な会社の経営戦略
<2017-2019(for 2020)中期経営計画の推進>味の素グループは、2017-2019(for 2020)中期経営計画においても、「FIT & GROW with Specialty」を継承し、土台となる「経営基盤の強化」にも取り組み、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指しています。その取り組みおよび進捗状況は次のとおりです。
① 更なる事業構造改革(FIT)
1)コモディティ事業からの抜本的な転換
・コモディティ製品の生産外部化による動物栄養事業のスペシャリティ化の加速
(進捗状況)中国の梅花生物科技集団との製造委託契約によりコモディティ製品の生産外部化を拡大し、ブラジルのリジン工場を停止するなどスペシャリティへの転換を進めています。
・加工用うま味調味料事業における当社製品向け供給の拡大と低資源利用発酵技術によるコスト削減
・甘味料事業のリテール・外食向け製品のスペシャリティ化の強化
2)事業横断でのサステナブルバリューチェーンの構築
・グループ会社を含む国内全体のバリューチェーン再編による事業構造強化(最新鋭工場への転換、他社との共同物流改革、事業横断での伸長チャネル向け提案力強化、共通のコーポレート機能の一体運営等)
(進捗状況)・国内調味料・加工食品生産体制強化のため、当社事業所の一部、クノール食品㈱および味の素パッケージング㈱の生産体制を集約・再編し、新会社を2019年4月に発足させました。
・カゴメ㈱、日清オイリオグループ㈱、日清フーズ㈱、ハウス食品グループ本社㈱の4社と2019年4月に物流事業を統合し、全国規模の物流会社を発足させました。深刻化する食品物流の諸課題の解決に向けて、食品メーカー協働での取り組みを一層推進します。
・グローバルのバリューチェーン全体における資源利用の削減(ICT(情報通信技術)活用による発酵プロセス自動化・効率化、製品消費段階での環境負荷低減等)
② 成長ドライバーの展開(GROW)
1)食品の地域ポートフォリオ強化を通じた確かな成長
・日本食品:「おいしさ設計技術」の進化による主要ブランド製品の継続強化、「勝ち飯®」等の当社独自のサイエンスとデジタル・ICT活用による、お客様に提供するこころとからだの健康、共食の喜び、食文化価値の増大
(進捗状況)・「Cook Do®」は2018年に発売40周年を迎え、「Cook Do®」ならではの“抜群のおいしさ”、“簡単手作り”という特長を改めて訴求し、合わせ調味料全体で過去最高の売上となりました。
・冷凍食品はギョーザ類の売上は拡大したものの、から揚げを中心に販売が低迷しました。
・国内コーヒー市場は、インスタントコーヒーの家庭内消費が縮小する中、スティック製品でも競合との競争が激化し、販売が低迷しました。
・2018年4月に生活者解析・事業創造部を発足させ、生活者データの解析やEC/通販市場での拡大を推進しました。
・海外食品:ローカルトッププレイヤーとの連携など新地域展開の加速による地域ポートフォリオ強化、市場成長や為替変動に左右されにくい強固な事業基盤の確立
(進捗状況)・タイの缶コーヒー「Birdy®」は値上げの浸透および販売努力により回復し、「Five Stars」の調味料事業も原料価格の上昇等に対し値上げを実施しましたが、一部主要国で従来の高成長から成長が鈍化しています。
・北米の冷凍食品事業はアジアンカテゴリーを中心に売上を伸ばしたものの、新生産体制構築に伴うコストや物流費の上昇に伴い、採算が悪化していたことから減損損失を計上しました。一方、2019年4月にグローバル冷凍食品戦略部を設置し、グローバルでの冷凍食品事業戦略の一元化を進めてまいります。
・プロマシドール・ホールディングス社とその傘下法人が事業を行うアフリカ諸国、およびイスタンブール味の素食品社が事業を行うトルコにおいて、財政悪化や経済成長率の大幅な鈍化により、事業環境が激変し、それに伴って同社の企業価値が低下したことから減損損失を計上しました。
2)新たな事業の柱の構築による事業ポートフォリオの拡張
・食品事業:中食・外食・加工食品向けに「おいしさ」実現のための提案を総合的に行う「おいしさソリューション事業」のグローバルな立ち上げ。フレーバーに関する素材や技術の強化と顧客起点に立ったグループ横断の営業体制の構築
(進捗状況)2018年4月1日付で加工食品メーカー向けの天然系調味料、酵素製剤等の業務用製品(素材)事業と、中食・外食業態向け製品事業を統合し、国内大手の外食・中食ユーザーに対し、天然系調味料・酵素・機能性調味料を用いた提案を拡大しました。また、2018年4月以降、味の素冷凍食品㈱、クノール食品㈱、味の素AGF㈱の日本食品に関わるR&D拠点の当社川崎事業所内への集約を段階的に行っています。これらによる「おいしさ設計技術」の提供と味の素グループ一体型の顧客起点営業体制の強化を通じ、「おいしさソリューション事業」の拡大を図ります。
・アミノサイエンス事業:アミノ酸素材事業の川下事業化、先端バイオ医療周辺領域の成長加速等、スペシャリティ事業の拡大による強い事業構造への転換
(進捗状況)・欧米のCDMO事業(Contract Development & Manufacturing Organization(製薬企業から開発・製造を受託))を「AJINOMOTO BIO・PHARMA SERVICES」のブランドに統合し、グローバルで一体的にサービスを提供できる体制を構築しました。
・当社川崎事業所内にオープン&リンクイノベーション推進拠点である「クライアント・イノベーション・センター」を新設し、当社技術の紹介や、ビジネスパートナーとの技術融合による新価値・新事業の共創を進めています。
③ 経営基盤の強化
・コーポレートガバナンス・コードに適合する基盤強化とイノベーションによる持続的成長
・グローバル戦略機能の強化とグループの事業全体をサポートするコーポレート機能の最適化
(進捗状況)2019年4月1日付で、製品開発とサービス力強化をスピードアップするため研究所体制を再編し、イノベーション研究所を、その機能に応じてバイオ・ファイン研究所と食品研究所に統合しました。
・分厚く多様な人財層の形成に向けた次世代グローバル人財の育成や女性マネージャーの登用
・多様な人財によるイノベーションの促進、従業員の心身の健康増進を目指した「働き方改革」の推進(グローバル基準の働き方を志向した時短、ICT活用による仕事の効率化、育児・介護へのサポート強化等)
(進捗状況)味の素㈱の「働き方改革」で目標とする年間平均労働時間1,800時間に対し、2018年度の実績は1,820時間となりました。引き続き効率化を進めるとともに国内グループ会社への横展開を図ります。
・ASVの実践を通じたグローバル34,000人の全従業員の「働きがい」向上による組織力の強化と業績向上



■味の素グループグローバルブランドロゴ