有価証券報告書-第200期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 13:06
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調で推移しましたが、米中貿易摩擦を巡る動向、中国経済の先行きなど、海外経済の不確実性が高まりました。さらには、新型コロナウイルス感染症拡大による世界的な景気減速懸念により、先行き不透明感が一層高まりました。
このような経営環境の下、当フジボウグループは中期経営計画『加速17-20』で、計画期間の後半2年間を「成長の加速」ステージと位置付け、当連結会計年度においては、これまで進めてまいりました研磨材事業・化学工業品事業での研究開発力、生産能力の強化を各事業の拡大に発現させております。また、繊維事業では、事業環境の変化に対応するため、更なる構造改革を進めております。
この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期比1,603百万円(4.3%)増収の38,701百万円、営業利益は前年同期比299百万円(7.9%)増益の4,079百万円、経常利益は前年同期比346百万円(8.7%)増益の4,329百万円となりました。これから減損損失、構造改革費用などの特別損益と法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比269百万円(10.6%)減益の2,269百万円となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
ア.研磨材事業
主力の超精密加工用研磨材は、半導体デバイス用途(CMP)等は米中貿易摩擦、日韓貿易問題など不透明な経済環境の中、その影響も懸念されましたが、各種センサー用、5G通信用の半導体向けが拡大しました。ハードディスク用途も底堅いデータセンター用サーバー需要により堅調に推移しました。期末時点で一部中国ユーザーの操業停止に伴う納入延期があったものの、各主要ユーザーでBCP対応のための部材積み増しがあり、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響は受けませんでした。
この結果、売上高は前年同期比961百万円(9.0%)増収の11,695百万円、営業利益は459百万円(22.1%)増益の2,540百万円となりました。
イ.化学工業品事業
機能化学品および医薬中間体などの受託製造は、中国の環境規制の影響や高い品質を要求される化学工業品において、生産の日本国内回帰の傾向が続いており、農薬用、機能性材料を中心に全ての分野で堅調に推移し、期末時点で新型コロナウイルスの影響により中国からの一部原料入荷遅延があったものの、期を通して柳井工場・武生工場ともにフル稼働となり、売上高・営業利益が過去最高となりました。
この結果、売上高は前年同期比1,994百万円(17.6%)増収の13,300百万円、営業利益は346百万円(37.7%)増益の1,265百万円となりました。
ウ.繊維事業
アンダーウエアを中心とする繊維製品は、インターネットなど新規チャネルでの販売は拡大を続けておりますが、地方百貨店の減少、大手量販店における衣料品売場の縮小、プライベートブランドへの転換の影響を受け、メンズインナー定番品の販売の減少が続きました。そのため、日本国内および中国の縫製工場の縮小・撤退を進め、タイへの生産シフトを進めました。繊維素材では、原材料価格高止まりに対応するための販売価格への転嫁と、採算性の低い商材からの撤退を進めました。しかし、期の終盤にかけて新型コロナウイルスの影響により繊維全般にわたり、急激に需要が減退しました。
この結果、売上高は前年同期比1,796百万円(15.6%)減収の9,753百万円、営業利益は473百万円(74.4%)減益の162百万円となりました。
エ.その他
化成品事業は、デジタルカメラ用部品は減少しましたが、医療機器用部品が堅調に推移し、大分工場新ラインの稼働を開始しました。また、2018年10月1日付で連結対象となったプラスチック射出成形用金型子会社の業績が貢献し、前年同期比増収・増益となりました。貿易事業は、中米カリブ海地域向け自動車・農業用機械などの三国間貿易が回復傾向となってきましたが、期末時点で同地域各国の主要都市ロックダウンが行われたため、一部債権に対し引当を行いました。
この結果、売上高は前年同期比443百万円(12.6%)増収の3,952百万円、営業利益は32百万円(22.8%)減益の110百万円となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
資産合計は前連結会計年度末に比べて76百万円減少の52,194百万円となりました。
流動資産は970百万円減少の18,888百万円となりましたが、これは受取手形及び売掛金が減少したことなどによります。
固定資産は893百万円増加の33,305百万円となりましたが、これは主力の研磨材事業及び化学工業品事業において設備投資を進めたことによります。
(負債)
負債合計は前連結会計年度末に比べて1,140百万円減少の18,351百万円となりました。
流動負債は757百万円減少の11,411百万円、固定負債は383百万円減少の6,940百万円となりました。これは、借入金が減少したことなどによります。
(純資産)
純資産合計は前連結会計年度末に比べて1,063百万円増加し、33,842百万円となりました。これは、剰余金の配当による減少が1,144百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が2,269百万円あったことなどによります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、法人税等の支払などがありましたが、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上などにより6,548百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、主として固定資産の取得による支出により、4,289百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払や借入金の返済などにより、2,174百万円の支出となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて100百万円増加の4,930百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率60.2%66.4%62.7%64.8%
時価ベースの自己資本比率70.3%91.2%57.7%63.3%
キャッシュ・フロー対有利子
負債比率
0.30.40.50.2
インタレスト・カバレッジ・
レシオ
393.3296.2360.8403.8

(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
④ 生産、受注及び販売の実績
ア.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
研磨材事業10,0606.5
化学工業品事業13,30017.6
繊維事業4,940△17.7
その他1,809△5.4
合計30,1105.0

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
イ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
研磨材事業12,76316.42,04059.2
化学工業品事業13,1564.53,160△5.3
その他578△30.550125.0

(注) 1 セグメント間の取引については消去しておりません。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ウ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
研磨材事業11,6959.0
化学工業品事業13,30017.6
繊維事業9,753△15.6
その他3,95212.6
合計38,7014.3

(注) 1 セグメント間の取引については消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べて970百万円減少の18,888百万円となりました。受取手形及び売掛金が1,001百万円減少しておりますが、前連結会計年度末日が金融機関の休日だったことに加え、期の終盤にかけて新型コロナウイルスの影響により繊維事業全般で急激に需要が減退し売上債権が減少したことなどによります。
固定資産は前連結会計年度末に比べて893百万円増加の33,305百万円となりました。繊維事業において一部事業の撤退などにより設備の減損損失を認識しましたが、研磨材事業において生産能力増強およびBCP(事業継続計画)対応のため大分新工場の建設を進めたほか、化学工業品事業において生産能力増強および品質向上を目的とした設備投資を進めたことなどによります。
資産合計は前連結会計年度末に比べて76百万円減少の52,194百万円となりました。
セグメント別では、研磨材事業は416百万円増加の17,195百万円、化学工業品事業は475百万円増加の10,070百万円、繊維事業は2,533百万円減少の8,567百万円、その他事業は396百万円増加の4,581百万円、各報告セグメントに配分していない全社資産などの調整額は1,168百万円増加の11,779百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べて757百万円減少の11,411百万円となりました。支払手形及び買掛金が264百万円増加しましたが、電子記録債務が167百万円、短期借入金が690百万円減少したことなどによります。
固定負債は前連結会計年度末に比べて383百万円減少の6,940百万円となりました。これは、長期借入金が127百万円、退職給付に係る負債129百万円減少したことなどによります。
負債合計は前連結会計年度末に比べて1,140百万円減少の18,351百万円となりました。
(純資産)
株主資本は剰余金の配当による減少が1,144百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が2,269百万円ありました。
その他の包括利益累計額は、保有株式の時価低下に伴い、その他有価証券評価差額金が159百万円減少しました。
純資産合計は前連結会計年度末に比べて1,063百万円増加し、33,842百万円となりました。
イ.経営成績
当連結会計年度の売上高は、前年同期比1,603百万円(4.3%)増収の38,701百万円となり、営業利益は前年同期比299百万円(7.9%)増益の4,079百万円となりました。繊維事業は売場の減少や新型コロナウイルスの影響により苦戦を強いられ大幅な減収減益となったものの、研磨材事業は半導体向けが好調に推移したことなどにより増収増益、化学工業品事業も化学メーカーの国内回帰を追い風にフル稼働が続き増収増益となりました。セグメント別の売上高・営業利益については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外収益は固定資産賃貸料が12百万円増加したことなどにより、前年同期比48百万円(13.9%)増加の398百万円となりました。営業外費用は支払利息が1百万円増加したことなどにより、前年同期比1百万円(0.9%)増加の147百万円となりました。この結果、経常利益は前年同期比346百万円(8.7%)増益の4,329百万円となりました。
特別利益は固定資産売却益等で2百万円、特別損失は固定資産処分損176百万円や減損損失355百万円、構造改革費用206百万円などを計上し781百万円となりました。これから法人税等を差し引いた結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比269百万円(10.6%)減益の2,269百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、IT業界の景気状況や競合他社の状況、法的規制などがあります。詳細については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループは、企業価値の向上に向けた取組みとして、2017年度を初年度とし2020年度を最終年度とする、4か年の中期経営計画『加速17-20』を策定しており、下記の数値を目標としております。
2020年3月期実績2021年3月期目標
売上高(百万円)38,70170,000
営業利益(百万円)4,07910,000
当期純利益(百万円)2,2697,000
ROE(%)6.815.0
自己資本比率(%)64.865.0

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,548百万円の収入となりました(前年同期比1,739百万円収入増)。法人税等の支払1,187百万円などがありましたが、税金等調整前当期純利益が3,551百万円、減価償却費が2,318百万円計上され、売上債権が1,029百万円減少したことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,289百万円の支出となりました(前年同期比949百万円支出増)。主として研磨材事業における生産能力増強およびBCP(事業継続計画)対応、ならびに化学工業品事業における生産能力増強および品質向上等に係る設備投資によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは2,174百万円の支出となりました(前年同期比871百万円支出増)。これは、配当金1,139百万円の支払や、借入金940百万円の返済などによります。
資本の財源及び資金の流動性につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。また、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結し、流動性を補完しております。当社グループの運転資金需要の主なものは、商品・原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資資金需要の主なものは、設備投資、M&A等であります。なお、重要な設備投資の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、特に以下の事項は経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。その他の重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(追加情報)に記載のとおりであります。
ア.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
イ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

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