有価証券報告書-第96期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

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2021/01/26 10:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の影響で輸出主力産業の生産は弱含みに推移する一方で、政府と日銀の景気浮揚効果による雇用・所得環境の改善は国内経済の緩かな回復基調にあったなか、2019年10月の消費税増税による消費低迷と2020年2月以降には新型コロナウイルス感染症の影響で景気は大幅に下押しされ国内のみならず世界経済は一気に厳しい状況となりました。内閣府発表による国内総生産(GDP)実質年率換算値は前期比で2020年1~3月期マイナス3.4%、4~6月期マイナス28.1%と3四半期連続での減少が7~9月期はプラス21.4%と前期の反動から高い伸び率となったもののコロナ前の水準には及ばない状況となりました。政府の緊急事態宣言などで行動自粛を余儀なくされた個人消費に回復の兆しがある一方で、設備投資の先行指標とされる機械受注統計は7~9月期まで5四半期連続のマイナスとなり、コロナ感染症拡大による企業収益の悪化や景気の先行きに対する不透明感からさらに設備投資の低迷が続くと予想されております。また内閣府発表による同期間の需給ギャップは34兆円のマイナスとなり、これらの影響から日本の10~12月期のGDP成長率は大幅に減速すると危惧されております。
世界経済を俯瞰した今後の見通しにつきましては、国際通貨基金(IMF)は10月に世界経済の成長率を2020年4.4%減、2021年5.2%増と予測しておりましたが、11月に入り全世界でのコロナ感染症患者が5,000万人を超えるなか、新型コロナウイルス収束の遅れは、その成長率を2.3%増まで低下させる下振れリスクに直面していると表明しております。国内経済におきましても政府の需要喚起策「Go To キャンペーン」に一定の効果がみられるものの、2020年度の経済財政白書によれば新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、回復傾向にある個人消費についても需要が低下するリスクを指摘し、さらに雇用や設備投資なども減退する懸念があると分析しております。
繊維業界におきましては、近年堅調にありました産業資材分野にも新型コロナウィルスの影響で販売不振となった自動車・航空機業界向けの需要が低迷いたしました。衣料品分野では、消費税増税と暖冬による影響で秋冬物製品の販売不振に加え、コロナ禍による対面店舗の休業や在宅勤務の増加などによりファッションアイテムのみならずビジネス衣料も需要低下となりました。また衣料品主力販売先である百貨店売上高が前年実績を13ヵ月連続で下回り、大手アパレル企業の店舗閉鎖や低採算ブランド廃止が加速するという厳しい景況下で推移いたしました。
このような経営環境のなか、当社グループは2017年11月に策定いたしました「3ヵ年中期経営計画」を基軸に事業収益、財務体質、情報力強化を目指すとともに、経営の効率化と変化に即応できる事業体制の確立に努めてまいりました。しかしながら、消費税増税による需要減退に加え新型感染症流行による消費マインドの低下をきたし、通年にわたるアパレル衣料品の販売不振の影響を大きく受けるものとなりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比で61,504千円減少し3,399,759千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末比で4,604千円増加し485,981千円となりました。固定資産は、前連結会計年度末比で66,109千円減少し2,913,777千円となりました。
負債合計は、前連結会計年度末比で12,666千円減少し1,857,388千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末比で8,081千円減少し333,287千円となりました。固定負債は、前連結会計年度末比4,585千円減少し1,524,100千円となりました。
純資産合計では、利益剰余金およびその他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末比で
48,838千円減少し1,542,370千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高498,973千円(前年同期比31.7%減)、営業損失3,127千円(前年同期14,841千円の営業利益)、経常損失4,418千円(前年同期12,783千円の経常利益)となりました。特別利益として雇用調整助成金および特別損失として臨時休業等損失を計上しました。その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は15,435千円(前年同期8,729千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
繊維事業は、当社グループの売上高の53.1%を占める主力事業であります。
受注高213,180千円(前年同期比45.8%減)、売上高264,722千円(同46.0%減)、セグメント損失48,286千円(前連結会計年度25,205千円のセグメント損失)、在庫高346,533千円(同1.3%増)となりました。
賃貸事業は、売上高197,372千円(前年同期比0.3%減)、セグメント利益113,001千円(同5.6%増)となりました。
物流事業は、売上高36,878千円(前年同期比12.6%減)、セグメント利益5,462千円(同25.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動によって生じた資金を投資活動および財務活動で使用しました結果、81,843千円(前連結会計年度44,592千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、75,870千円(前連結会計年度3,178千円の収入)となりました。
これは主に減価償却費の計上、売上債権の減少、たな卸資産の増加などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、14,009千円(前連結会計年度13,185千円の支出)となりました。
これは主に有形固定資産の取得などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、24,564千円(前連結会計年度16,556千円の支出)となりました。
これは主に長期借入金の返済などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は極めて多種多様であり、その生産形態も各事業所で幾多の品目を分担生産し、同種の品目であっても、その生産単位等は一様ではなく画一的表示が困難であるため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注および販売の実績については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」における各セグメントの業績に関連づけて示しております。
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年11月1日
至 2019年10月31日)
当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
A社145,98019.98145,98029.26

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.A社との間で守秘義務を負っているため、社名の公表は控えております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比で61,504千円減少し3,399,759千円となりました。
流動資産は、現金及び預金の増加、受取手形及び売掛金の減少などにより、前連結会計年度末比で4,604千円増加し485,981千円となりました。
固定資産は、有形固定資産、投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末比で66,109千円減少し2,913,777千円となりました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比で12,666千円減少し1,857,388千円となりました。
流動負債は、買掛金および短期借入金の減少などにより、前連結会計年度末比で8,081千円減少し333,287千円となりました。
固定負債は、受入建設協力金の減少などにより、前連結会計年度末比で4,585千円減少し1,524,100千円となりました。なお、借入金残高につきましては、前連結会計年度末比で2,626千円減少し936,029千円となりました。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計では、利益剰余金およびその他有価証券評価差額金の減少などにより、前連結会計年度末比で48,838千円減少し1,542,370千円となりました。
この結果、連結ベースの自己資本比率は、前連結会計年度末の45.97%から45.37%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末の446円52銭から432円84銭となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、繊維事業の売上減少などにより、前連結会計年度に比べ31.7%減の498,973千円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上減に伴う減少などにより、前連結会計年度に比べ34.0%減の332,970千円となりました。
販売費及び一般管理費は、販売・管理諸経費などの削減により、前連結会計年度に比べ19.9%減の169,130千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度8,729千円の利益に比べ15,435千円の損失となりました。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、「2 事業等のリスク」に記載した内容があります。当連結会計年度においては、以下となります。
繊維事業につきましては、米中貿易摩擦の煽りをうけ原材料価格が乱高下するなか、消費税増税と暖冬などの天候不順によるアパレル衣料品の販売不振、さらには新型コロナウイルス感染拡大による消費者の行動制限や販売店舗の営業自粛など事業活動に大きな制約を与え企業収益を大きく圧迫するといった厳しい状況となりました。このような経営環境のなか、当社グループは情報力の強化による事業収益向上を重点課題として事業を推進してまいりましたが、主力販売先である百貨店やアパレル企業での衣料品取扱高の減少は、当連結会計年度の業績に大きな影響を与えるものとなりました。
賃貸事業につきましては、前連結会計年度と同様に安定した事業収益となりました。今後も賃貸事業の適切な管理運営による安定した収益基盤の確立を取り組んでいきます。
物流事業につきましては、売上高の前年割れが続く百貨店及び当事業と関係の深いセレクト系店舗においての衣料品販売は、暖冬、消費税増税により需要が低迷するなか、新型コロナウイルス感染拡大による訪日観光客の減少、緊急事態宣言に伴う店舗休業、消費マインドの低下が続くという厳しい状況で推移いたしました。このような事業環境のなか、当事業では設備を有効に活用し取引先との関係強化に努め、売上の維持に努めてまいりました。
今後は経営資源の有効活用と取引先と取扱品目の拡充、さらには経営コストの最小化により安定した収益構造の確立と財務基盤の強化をはかってまいります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状態を認識し、現在の事業規模および入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり、当社グループでは財務体質の強化と事業収益の向上を最重要課題と認識し、これに努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資産の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは繊維事業における原材料・製品の仕入および外注加工費用、各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、繊維事業および賃貸事業における建物・設備の更新のための投資等であります。
財務政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入により資金調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び見積に用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、経営者による会計方針の選択・適用等、開示に影響を与える判断と見積りが必要となります。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループが採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金の計上
当社グループの保有する債権に係る損失が見込まれる場合、その損失に充てる必要額を見積り、引当金を計上しておりますが、将来、債務者の財政状況が悪化した場合、引当金の追加計上等による損失が発生する可能性があります。
b.有価証券の減損処理
当社グループの保有する株式につきましては、時価のある有価証券、時価のない有価証券ともに、合理的な判断基準を設定のうえ、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する株式の時価や投資先の財務状況が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
c.固定資産の減損処理
当社グループの保有する固定資産につきましては、事業用の固定資産であっても、合理的な判断基準を設定のうえ、減損処理の要否を検討しております。従って、将来、保有する不動産をはじめ固定資産の時価や収益性が著しく低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。

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