有価証券報告書-第64期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/17 13:39
【資料】
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【項目】
145項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
①企業理念 「すべての人々に、スポーツを遊ぶ楽しさを」
スポーツ本来の「体を動かす楽しさ」、「競い合う楽しさ」を提供することで、一人ひとりのいきいきとしたライフスタイルの創造に貢献します。
②「SPIRIT OF DESCENTE(創業の精神)」
「創造」:豊かな発想力は、いつの時代でも発展の原動力である。
センスを磨き、日々の仕事に明確な判断を下せる力を養え。
「挑戦」:変化の時にこそ、チャンスがある。
新しいものを創り出す仕事なら失敗も覚悟のうちに入れよ。
「誠実」:信頼するものには徹底して任せる。
人の誠意に対しては、人の誠意で応えよ。
「調和」:人間が人間を知って初めて商売は成り立つ。
力を集めて前向きに"協走"せよ。
③企業スローガン 「Design for Sports」
意味合い
スポーツを通じて人々の身体と心を豊かにし、健全なライフスタイルを創造すること。そのためにすべてのスポーツシーンにおける時代の最適を具現化し、そして次代の可能性を追求し続ける姿勢を表す言葉です。柔軟な発想と最先端技術と機能を集結させた「デザイン」で、アスリートの限界への挑戦やスポーツを愛するすべての人々の熱き想いにアシストし、たくさんの感動と希望を創出していきます。
(2)中期的な会社の経営戦略
当社グループは、2019年8月に発表した「D-Summit 2021」を1年前倒しで終了し、新たに2022年3月期から2024年3月期までの3ヵ年計画として「D-Summit 2023」を策定致しました。「D-Summit 2023」では以下3つの重点戦略を掲げ、日本・韓国・中国の3つの市場で安定的な収益を上げることを目指します。
1.「日本・韓国・中国 地域別戦略の実行」
日本は収益性向上、韓国は安定成長、中国は規模拡大を目指し、地域別戦略を実行
2.「日本事業の収益改善」
・DTC(Direct to Consumer)事業の強化を主とする商品企画及び流通改革
・収益性向上を図る経営指標明確化
・基幹システムの刷新
・Pay for performanceの考え方に基づく新人事制度への転換
3.「モノづくりの強化」
・プレミアムスポーツウエアとしての圧倒的存在感を発揮し、動くためのウエア「MoveWear」を展開
・研究開発拠点(DISC)と自社工場を活用した消費者ニーズに応えるモノづくり
・マテリアリティ解決につながるモノづくり
(3)目標とする経営指標
ビジネス環境がめまぐるしく変化する中、先の見通せない中長期の定量的指標を掲げることはせず、単年度の計画にコミットすることが誠実な企業慣行であると考え、「D-Summit 2023」を基軸にした事業活動全体が生み出す価値を定量化した単年度の財務目標を2021年度の目標として定めます。 2022年3月期においても新型コロナウィルス感染拡大(以下「新型コロナ」)による影響は続いておりますが、日韓中それぞれの地域別戦略の実行、特に日本事業の収益改善、モノづくりの強化を通じて営業利益額および経常利益額を大幅に増やし、営業利益3,100百万円、経常利益4,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,000百万円を今期の計画としています。
(4)経営環境及び対処すべき課題
2021年4月以降日本国内では緊急事態宣言が再発令されるなど、前年に引き続き新型コロナの感染が世界的に続いており、先の見通しがつきにくい経営環境が続いていますが、各国でワクチン接種が進んでいることもあり2022年3月期には新型コロナの影響は一定程度緩和すると想定しています。2021年3月期は、2019年8月に公表した3ヵ年の中期経営計画「D-Summit 2021」の2年目ではありましたが、重点戦略として掲げた「アジアへの集中」は完了し、2022年3月期からは、日本事業の収益改善も立案した施策の実行段階に移ります。この2年間で経営環境も大きく変わり、また当社の経営戦略も収益拡大施策の実行段階に移行することから、「D-Summit 2021」は1年前倒して終了し、2022年から2024年3月期までの3ヵ年計画として、新たに「D-Summit 2023」を策定致しました。「D-Summit 2023」では「Ⅰ.日本・韓国・中国 地域別戦略の実行」「Ⅱ.日本事業の収益改善」「Ⅲ.モノづくりの強化」を重点戦略として掲げ、3つの市場で安定的に収益を上げることを目指します。日本国内においては営業利益を上げることを目指し、DTC事業の強化を主とする商品企画および流通改革等に着手します。韓国では、安定成長を目指し、ブランド価値の向上により売上及び利益の適正化を目指します。中国では、売上高・利益ともに規模拡大を目指し、成長のドライバーである『デサント』ブランドでは現地売上高500億円を目指し、様々な取り組みを進めてまいります。加えて、上記の地域別戦略を支える基盤となる「モノづくり」においては、研究開発拠点(DISC)と自社工場を活用した消費者ニーズに応えるモノづくりを強化してまいります。