有価証券報告書-第62期(令和2年11月1日-令和3年10月31日)

【提出】
2022/01/31 9:18
【資料】
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【項目】
118項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社の経営理念は「顧客満足・社員満足」であります。具体的には、お客様が満足して使用していただけるものを生産・提供することにより社会に貢献し、結果として適正な利益を確保し、社員の生活の安定を図り、株主の皆様に利益を還元していくことであります。
(2) 目標とする経営指標
当社は、主な経営指標として、事業本来の収益力を表す営業利益を重視しており、常にコスト意識を持ち、収益の改善に努めることで、継続かつ安定的な事業の拡大を図ってまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により停滞していた経済活動は、ワクチンの普及に伴い、徐々に回復していくものと予想しております。その一方で、米国や中国の住宅需要の高まりや欧米におけるコンテナ滞留の影響により引き起こされた木材価格の高騰・供給不足(いわゆるウッドショック)により、原材料価格の高騰・高止まりに加え、急激な乱高下による価格変動等が懸念されております。
このような環境のもと、各目標達成のためにPDCAサイクルを回して問題点の早期発見と修正を迅速に行う取り組みを強化するとともに、「木材や建築のことならオービスに相談すれば解決してくれる」といったお客様の良きパートナーとして成長し続ける会社であるために、常にお客様の立場に立ち、お客様の求める製品・サービスを提供し続けてまいります。
木材事業の「脱・梱包用材」への取り組みにつきましては、月間出荷量の約2割が既存マーケット以外からの受注となるなど、一定の成果を得ることができました。ハウス・エコ事業の「脱・プレハブ」と合わせた新たな市場・サービス・分野へ積極的に挑戦することを通して、中長期的に同業他社との差別化を図り、持続的な事業の成長と高い収益力の実現に向けて全社を挙げて取り組んでまいります。
2022年10月期は「中期経営計画チャレンジ110(イチイチゼロ)」の最終年度となります。経営戦略を支えるための木材事業の通期営業黒字化の達成等、安定的な財務基盤については、徐々に強化が進んできてはおりますが、様々な外部環境の変化が計画策定時の想定以上に進行したことや中期経営計画の初年度である2020年10月期から新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、目標値に対して厳しい進捗状況となっております。現時点では2022年10月期を最終年度とする3ヶ年中期経営計画の公表値についても未達の見込みとなりました。
(単位:百万円)
期別
項目
中期経営計画チャレンジ110(イチイチゼロ)
2020年10月期(初年度)2021年10月期(2年目)2022年10月期(最終年度)
予想値実績値予想値実績値当初予想値修正予想値
売上高10,2489,02210,6029,42511,58011,266
営業利益426326482229617412
経常利益361271479238598399
当期純利益28819429593429264
ROE7.9%5.3%7.5%2.5%10.1%6.7%

このような厳しい事業環境のもと、木材事業におきましては、ウッドショックによる木材価格の高騰が続いておりますが、原材料コストに見合った販売価格での受注に努めてまいります。ニュージーランド松や国産製材品(杉・桧・北海道カラ松等)の販売シェアにつきましては、更に拡大できる余地を十分に有していることから、常に新規・休眠顧客の掘り起こしに注力し、新たな業界への販路拡大に努めてまいります。また、参入障壁の高い領域において、国産杉等の背板を使用した特定の製品で一定のシェアを有することにより、自ら製品に値付けができる力を持つことで、高い収益力の実現を目指してまいります。
ハウス・エコ事業におきましては、引き続きこれまでの施工実績を活かし、重量鉄骨造建築やシステム建築等の大型物件の受注拡大を図ってまいります。
なお、2022年10月期の取得を目指しておりました鉄骨製作工場認定制度に基づくMグレード(建物規模は無制限)の資格取得につきましては、コロナ禍で必要となる技術者の育成及び獲得が一部困難な状況であったため、2023年10月期の認定取得に向けて案件の着実な遂行に万全を期すことで、収益基盤の強化を進めてまいります。
太陽光発電売電事業におきましては、2020年12月に広島県北広島町太陽光発電所(0.6MW)が稼働を開始し、当社の発電所は、合計で3県17ヶ所、出力規模で13MWを超える規模となり、引き続きパネルの洗浄や定期的な保守・点検を行うことで発電効率を維持し、安定した収益の確保を図ってまいります。