有価証券報告書-第102期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/28 9:08
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
紙パルプ業界では、情報伝達媒体の電子化や少子化の進行など紙の需要構造の変化に伴い、国内の市場規模が漸減傾向で推移するなか、企業間競争は日々厳しさを増すなど、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況下、当社グループは、中長期成長戦略プラン「ネクストステージ50」に邁進するとともに、生産効率向上・安定操業確保による製造コストの縮減、拡販・新規需要の開拓による販売数量の確保、木質バイオマス燃料発電設備を中心とする発電事業の継続に注力してまいりました。
また、王子ホールディングス株式会社との協力関係のもと、王子製紙株式会社富岡工場の遊休設備を活用し高級白板紙抄紙機への改造を行い、昨年10月より営業運転を開始しております。早期に利益貢献するため引き続き品質と安定操業の確立に取り組んでまいります。
加えて、当社川内工場においてセルロース・ナノファイバー第一期商業プラントを昨年6月に稼働し、7月初旬より製品の生産を開始いたしました。当社独自の研究開発ノウハウを活かし、応用分野の拡大と販路拡大に注力し、早期の生産拡大を目指します。
しかしながら、印刷情報用紙の大幅な需要減少と販売価格の復元効果が限定的であったことや、当社二塚製造部において送受電設備が故障(平成30年2月復旧)し、電力販売が減少したことに加え、古紙、重油、薬品などの原燃料コストの上昇が収益を圧迫し、「ネクストステージ50」取組みの効果を最大限発揮するには至らず、営業利益、経常利益は前期と比較し大幅に悪化いたしました。
また、当社二塚製造部において紙・パルプ製造事業にかかる固定資産の減損損失を特別損失に計上した影響などにより、5,206百万円の親会社株主に帰属する当期純損失の計上となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は94,824百万円(前年同期比1.0%増収)となり、営業損失は1,242百万円(前年同期は1,489百万円の営業利益)、経常損失は1,293百万円(前年同期は1,397百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は5,206百万円(前年同期は1,255百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
事業の種類別セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
(紙・パルプ製造事業)
国内需要の低迷が続くなか、新規需要の獲得や拡販、コスト削減など収益力の強化に努めると共に、パルプの販売に注力した結果、前年と比較し数量・金額とも増加しました。
◎ 新聞用紙
新聞用紙の販売につきましては、新聞各社の発行部数の減少と広告減が影響した頁数の減少に歯止めがかからない状況が続いており数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ 印刷用紙
印刷用紙の販売につきましては、価格復元に取り組みましたがその効果が限定的であったこと、また、紙媒体から電子媒体へのシフトによる需要の減少に歯止めがかからず数量・金額ともに前年を下回りました。
◎ 包装用紙
包装用紙の販売につきましては、O&Cペーパーバッグホールディングス株式会社傘下の海外製袋事業の伸びが寄与し、数量・金額ともに前年を上回りました。
◎ 特殊紙・板紙及び加工品等
特殊紙・板紙及び加工品等の販売につきましては、インバウンド需要の構造的な変化に伴い国内需要が落ち込むなか、O&Cアイボリーボード株式会社の生産が主に輸出販売に寄与したことにより、数量・金額ともに前年を上回りました。
◎ パルプ
パルプの販売につきましては、パルプ市況の回復に伴い数量・金額ともに前年を大幅に上回りました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 83,862百万円(前年同期比1.7%増収)
連結営業損失 3,153百万円(前年同期は666百万円の連結営業損失)
(発電事業)
発電事業につきましては、当社二塚製造部において送受電設備が故障し、電力販売が減少した影響により減収・減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 6,027百万円(前年同期比9.3%減収)
連結営業利益 1,417百万円(前年同期比13.5%減益)
(その他)
北陸地方での記録的豪雪により、当社高岡工場・二塚製造部の操業度が低下し、紙断裁選別包装事業等の紙・パルプ製造事業を補助する「その他事業」につきまして減収・減益となりました。
これらにより、当事業の業績は以下のとおりとなりました。
連結売上高 20,251百万円(前年同期比1.5%減収)
連結営業利益 404百万円(前年同期比5.9%減益)
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ4,475百万減少し、126,064百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,056百万円増加し、76,788百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5,532百万円減少し、49,276百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,608百万円減少し、4,757百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は7,413百万円(前連結会計年度比43.7%減少)となりました。
これは主として、税金等調整前当期純損失は△5,389百万円でありましたが、減価償却費8,836百万円、減損損失3,763百万円などがあったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は7,568百万円(前連結会計年度比28.4%減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出4,544百万円、長期貸付けによる支出3,159百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,451百万円(前連結会計年度比49.0%減少)となりました。
これは主として長期借入れによる収入8,300百万円などによる収入と、長期借入金の返済による支出9,036百万円などによる支出によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称等数量前年同期比(%)
紙・パルプ製造事業742,450t98.6
パルプ796,265t102.2

(注) パルプは未晒総生産量であり自家消費量を含んでおります。
b. 受注実績
当社グループは、大部分が市況を勘案した見込み生産を行っており、グループ全体の受注状況を把握することは困難であるため、該当事項については記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称等金額(百万円)前年同期比(%)
紙・パルプ製造事業74,51798.5
パルプ5,699191.3
80,217102.0
発電事業6,02790.7
その他8,579100.1
合計94,824101.0

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
新生紙パルプ商事㈱19,82921.119,22220.3
国際紙パルプ商事㈱13,11014.011,88212.5
日本紙パルプ商事㈱12,11412.913,09313.8

(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、売上高は94,824百万円と前期に比べ1.0%の増収となりましたが、操業トラブルや電力販売の減少、原燃料コストの上昇などにより1,242百万円の営業損失と前期に比べ2,731百万円の減益、1,293百万円の経常損失と前期に比べ2,690百万円の減益となりました。
また当連結会計年度は、二塚製造部において紙・パルプ製造事業にかかる固定資産の減損損失を特別損失として計上したことなどで、5,206百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は1,255百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
・経営成績に重要な影響を与える要因について
電子媒体へのシフト等による紙の需要構造の変化、少子・高齢化による内需の落ち込みなど、今後紙需要の拡大が見込めないなか、当社グループは、発電事業の安定操業や高級白板紙の事業基盤の強化、CNFの開発促進など、ネクストステージ50で培った経営資源を最大限活かして収益確保に邁進するとともに、将来の需給環境をはじめ、いかなる事業環境の変化の下にあっても、常に成長を志向できる企業体質の基盤を築くため、中期3ヶ年計画「フォワード304」効果の最大化を目指してまいります。
・経営戦略の現状と見通し
紙パルプ業界を取り巻く環境は、需要の減少及び市況の低迷が継続し、今後も厳しい経営環境が続くと想定されます。
このような状況下、当社グループは王子ホールディングス株式会社との資本・業務提携を着実に進めると共に、勝ち残りを懸けた事業基盤の再構築を更に推し進め、目まぐるしく変わる外部環境に果敢に立ち向かい、揺るぎのない企業基盤の構築に向け邁進してまいります。
これらにより平成31年3月期の連結業績見通しにつきましては、以下のとおり予定しております。
連結売上高 97,500百万円(前年同期比2.8%増収)
連結営業利益 -百万円(前年同期は1,242百万円の連結営業損失)
連結経常利益 -百万円(前年同期は1,293百万円の連結経常損失)
親会社株主に帰属する当期純利益 100百万円(前年同期は5,206百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)

・資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3.4%減少し、126,064百万円となりました。これは関係会社長期貸付金3,093百万円増加したことなどにより投資その他の資産は4,204百万円増加しましたが、有形固定資産が減価償却や二塚製造部紙パルプ事業にかかる固定資産の減損処理を行ったことなどにより8,331百万円減少したことなどによります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1.4%増加し、76,788百万円となりました。これは主として、平成30年3月末が休日であったことから、支払手形及び買掛金が3,248百万円増加したことなどによります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ10.1%減少し、49,276百万円となりました。これは主として利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純損失5,206百万円や剰余金の配当667百万円による減少などにより5,832百万円減少したことによります。また自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ2.9ポイント減少し39.1%となりました。
・経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、常に市場ニーズに密着し、創造的で信頼性の高い技術をもって、人と環境にやさしい「紙」の開発と安定した製品の供給により、経済・社会・文化の発展に寄与することを社会的使命と認識し「紙」の文化の創造に果敢に挑戦しております。
そして、「株主重視」「顧客重視」に心がけ、当社グループの総合力に対する信頼性と収益性の確保・向上を目指し、株主・顧客・地域社会・社員・企業の共存共栄を図るとともに、社会に対する貢献を重点に企業活動を行なってまいります。
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