半期報告書-第113期(令和2年12月1日-令和3年11月30日)

【提出】
2021/08/26 13:10
【資料】
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【項目】
102項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当中間連結会計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間は、新型コロナウイルス感染症の影響で、先行きが不透明でした。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令は、感染者抑制に効果はあるものの景気に悪影響があります。ワクチン接種が拡がり、コロナ禍が一刻も早く終息することが望まれます。
このような状況下、新聞業界の収益構造は大きく変わりました。これまで収入の柱であった販売収入と広告収入の落ち込みは加速しました。販売収入の基礎となる2021年5月の全国の日刊紙が発行した朝刊部数は29,785,352部で前年同月比2,046,662部減(6.4%減)と減少しています(日本ABC協会調べ)。また2020年の日本の総広告費は東日本大震災が発生した2011年以来のマイナス成長で、前年比11.2%減になりました。中でも新聞広告費を含むマスコミ四媒体広告費は6年続けて前年を下回り、前年比で13.6%減になりました。とりわけ新聞広告は前年比18.9%減と厳しい結果です。ただしマスコミ四媒体由来のデジタル広告費は前年比12.3%増で、新聞デジタルは前年比18.5%増と明るい兆しが見えています。
神戸新聞は2021年4月に26年ぶりに販売定価を改定しましたが、改定による増収を部数の落ち込みが上回りました。個別決算での売上高は大幅な減収になりました。先行社と比べ一年遅れで定価を上げたため、神戸新聞の朝刊部数の落ち幅は全国平均を上回りました。成長が続いていたデジタル収入は昨年の巣ごもり特需がなくなり2017年以来、4年ぶりに前年を下回りました。ここ数年の紙のメディアの落ち込みをデジタルメディアで補う形が崩れました。ただし費用面では部数と広告頁の減少で材料費が、コロナ禍による移動規制で出張費が減るなど、利益面では落ち込みを最小限にとどめています。
連結決算では、昨年と比べ連結11社中8社が増収になり、減収額を圧縮することができました。原価、販管費ともに削減した結果、営業利益はほぼ昨年並みの数字になり、経常利益は、雇用調整助成金などの営業外収益が増えたことで増益に転じました。税金等調整前中間純利益は、昨年発生した特別損失がなくなった反動で大幅な増益です。一昨年と比べてもわずかながら増益になりました。
この結果、売上高が19,990,196千円(前年同期比3.7%減)となり、利益については営業利益が1,441,140千円(同0.1%減)、経常利益が1,530,718千円(同8.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が963,486千円(同105.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は15,894,658千円(同5.4%減)となりました。また、営業利益は659,963千円(同21.4%減)となりました。
(放送業)
放送業におきましては、売上高は2,707,418千円(同5.5%増)となりました。また、営業利益は363,316千円(同144.8%増)となりました。
(貸室業)
貸室業におきましては、売上高は1,312,885千円(同0.5%増)となりました。また、営業利益は430,692千円(同7.8%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、売上高は75,233千円(同12.2%減)となりました。また、営業損失は14,357千円(同9.2%増)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ7,701,559千円増加し、64,850,987千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ6,625,661千円増加し、41,148,673千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,075,898千円増加し、23,702,313千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における中間連結キャッシュ・フローは、営業活動で2,352,807千円の増加となりました。これに対して、投資活動で3,840,245千円の減少、財務活動で5,452,492千円の増加となったことにより、当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は13,412,711千円(前年同期は9,567,924千円)となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は2,352,807千円(前年同期は3,294,406千円の増加)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益及び減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は3,840,245千円(前年同期は5,601,238千円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増加は5,452,492千円(前年同期は1,392,270千円の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当中間連結会計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業15,981,033△5.3
放送業2,832,0844.9
貸室業1,318,2130.5
その他の事業194,694△5.0
合計20,326,025△3.6

(注) 1 金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替消去前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
① 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当中間連結会計期間末の資産は、64,850,987千円(前期末比13.5%増)となりました。これは主に現金及び預金並びに建設仮勘定が増加したためであります。
当中間連結会計期間末の負債は、41,148,673千円(同19.2%増)となりました。これは主に長期借入金が増加したためであります。
当中間連結会計期間末の純資産は、23,702,313千円(同4.8%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益963,486千円を計上したためであります。
当中間連結会計期間の売上高は、販売収入などの減少で前中間連結会計期間に比べ771,733千円減収の19,990,196千円(前年同期比3.7%減)になりました。売上原価は巻取用紙代などの減少により前中間連結会計期間と比べ517,497千円減少の14,444,404千円(同3.5%減)となりました。また販売費及び一般管理費は事業諸費などの減少により前中間連結会計期間に比べ252,398千円減少の4,104,651千円(同5.8%減)となりました。これらにより経常利益は、前中間連結会計期間に比べ114,498千円増益の1,530,718千円(同8.1%増)となりました。
特別利益は固定資産売却益により759千円を計上、特別損失は固定資産除却損により217千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する中間純利益は前中間連結会計期間に比べ494,365千円増益の963,486千円(同105.4%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当中間連結会計期間末における有利子負債の残高は、26,552,675千円となっております。また、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、13,412,711千円となっております。