有価証券報告書-第110期(平成29年12月1日-平成30年11月30日)

【提出】
2019/02/27 11:00
【資料】
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【項目】
107項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
神戸新聞が創刊120周年、デイリースポーツが創刊70周年という節目を迎えた当期は、2017年12月1日、播磨製作センターの起工式でスタートしました。今年春の稼働に向け、現地での工事はほぼ完了しています。
11月3、4日には創刊120周年を記念する「神戸新聞まつり」を初めて開きました。兵庫の多彩な魅力を伝えるパネルディスカッションや時事講演会、子育てイベントなどを展開し、2万3千人の来場者でにぎわいました。多様な働き方の実現を目指す「ワーク・ライフ・デザイン宣言」も1月に発表。宣言に基づき、さまざまな制度を新設しました。
神戸新聞地域総研は、古民家再生を通じたまちおこしに取り組む一般社団法人「ノオト」と4月に連携協定を締結。最初のプロジェクトとして、福崎町辻川地区を中心に、官民連携で地域のにぎわい創出を進めました。
神戸新聞パートナーセンターは、冒頭で触れた「神戸新聞まつり」を成功させました。また、起業家を支援するために県内最大級のレンタルオフィス「120ワークプレイス神戸」を7月、神戸・三宮に開設しました。
コーポレート本部は、2019年から21年までの経営指針となる「3カ年経営計画」を策定しました。教育ICT事業の柱である新聞作りアプリ「ことまど」の普及も進め、学校では県内外の3,500人が利用するまでになりました。
情報事業本部では、編集局が大型連載「新五国風土記」をはじめ、「平成」を回顧する企画や、議会を問う連載などに力を注ぎました。電子版「神戸新聞ネクスト」では、高校野球地方大会の一打席速報を実施、人工知能による戦評発信は大きな反響を呼びました。
デジタル事業局は、閲覧者の属性に合わせ、いわばリアルタイムで入札を行うウェブの運用型広告が好調で、大きく収益を伸ばしました。
営業本部では、販売局が、新聞による読解力アップや学習効果をPRした試読パンフレットを小中学生の保護者らに配布。新たな読者層の開拓に向けたアプローチの結果、兵庫ナンバーワンの部数を堅持しました。営業局は、創刊120周年や兵庫県政150周年などの関連企画を展開。新たな社会貢献型企画である「ふれあいランニングパトロール」などにも取り組みました。
地域事業本部は、京都大学iPS細胞研究所との共催シンポジウムや全国都道府県対抗アマチュアゴルフ選手権大会を開催。いずれも初の取り組みでしたが、大きな成功を収めました。
技術・印刷事業本部は、相次いだ大雨や台風などによる輸送ルートの乱れに対応し、安定した新聞の印刷・発行・配送に努めました。
デイリースポーツは、阪神電車の車両と甲子園駅をPRポスターで埋め尽くすキャンペーンを行い、好評を博しました。デジタル、広告収入は好調に推移。広島カープのリーグ3連覇を記念したグッズも製作・販売しました。
売上高は44,616,285千円(前年同期比2.8%減)となり、利益については営業利益が2,842,839千円(同1.3%減)、経常利益が2,802,365千円(同1.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,668,729千円(同7.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は35,868,151千円(前年同期比3.3%減)となりました。また、営業利益は1,401,600千円(同6.3%増)となりました。
(放送業)
放送業におきましては、売上高は5,557,302千円(前年同期比1.0%減)となりました。また、営業利益は330,489千円(同14.1%減)となりました。
(貸室業)
貸室業におきましては、売上高は2,966,567千円(前年同期比0.2%減)となりました。また、営業利益は1,085,351千円(同3.6%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、売上高は224,264千円(前年同期比1.3%増)となりました。また、営業利益は24,957千円(同50.7%減)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ196,083千円増加し、55,164,071千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ1,384,350千円減少し、34,079,828千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,580,433千円増加し、21,084,242千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動で4,018,842千円の増加となりました。これに対して、投資活動で1,599,247千円の減少、財務活動で1,610,166千円の減少になったことにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は7,937,456千円(前年同期は7,128,028千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,018,842千円(前年同期は3,641,293千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,599,247千円(前年同期は4,920,865千円の使用)となりました。これは主に定期預金の預入による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,610,166千円(前年同期は1,825,739千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
新聞・雑誌・書籍等の
発行印刷・販売業
36,078,793△3.3
放送業5,901,243△1.3
貸室業2,981,186△0.3
その他の事業480,198△6.3
合計45,441,422△2.8

(注) 1 金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の資産は、55,164,071千円(前年同期比0.4%増)となりました。これは主に建設仮勘定が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、34,079,828千円(同3.9%減)となりました。これは主に1年内償還予定の社債が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、21,084,242千円(同8.1%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,668,729千円を計上したためであります。
当連結会計年度の売上高は、折込収入などの減少で前連結会計年度に比べ1,272,662千円減収の44,616,285千円(前年同期比2.8%減)になりました。売上原価は支払折込手数料などの減少により前連結会計年度と比べ1,091,706千円減少の33,217,943千円(同3.2%減)となりました。また販売費及び一般管理費は給与及び手当などの減少により前連結会計年度に比べ143,287千円減少の8,555,502千円(同1.6%減)となりました。これらにより経常利益は、前連結会計年度に比べ36,751千円増益の2,802,365千円(同1.3%増)となりました。
特別利益は固定資産売却益により4,347千円を計上、特別損失は固定資産除却損により44,218千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ136,315千円減益の1,668,729千円(同7.6%減)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における社債、借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、18,969,627千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、7,937,456千円となっております。