有価証券報告書-第116期(2023/12/01-2024/11/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、世界的な紛争続発による新聞用紙の高騰などを受けた前年度の厳しい決算に対し、費用削減の徹底や新たな増収策などで、反転攻勢に向けた体制整備を進めた1年でありました。
その結果、昨年11月までの2024年度決算は、神戸新聞社単体の経常利益で、前年比11億円あまりの増益となり、グループの連結決算を再び押し上げました。新聞事業は、収入が厳しいなか、費用削減で収益を出せているのが内実ですが、まずは一つの足がかりを得ることができました。この間に、新たな収入を生み出す取り組みをスピードアップさせ、同時にグループ経営を強化することが課題で、ECやサイネージなどのデジタル事業、資産活用など、多角的な展開をスピードアップさせました。
コロナ禍が始まった2020年以降、新聞界を取り巻く環境は揺れ動いております。パンデミックで広告意欲は減退し、そこにロシアのウクライナ侵攻が起き、世界的な資源高を引き起こしました。同時に進むネット社会では、プラットフォーマーが不透明な対価でニュースを使い、既存メディアのデジタル広告単価は低迷しています。
こうした状況下でも、神戸新聞グループ全体では、JR三ノ宮駅前の商業ビル「ミント神戸」を運営する神戸新聞会館が好調を維持し、阪神タイガース中継が看板のサンテレビも存在感を示し、連結決算は堅調ですが、中核の神戸新聞・デイリースポーツが課題です。
一昨年来、早期退職の実施などでスリム化を強化するとともに、製作コスト削減や、役員報酬をはじめとした人件費カットに取り組みました。収入面でも、定価改定や選挙広告の効果に加え、デイリーのデジタル収入が増収に転じ、その結果、神戸新聞社単体も大きく黒字反転し、当連結決算も好転することができました。
新たな取り組みでは、電子版「神戸新聞NEXT」の有料会員獲得やECサイト準備など、デジタルコンテンツを生かしたマネタイズに挑み、本社や東京の所有ビルでの賃貸事業もスタートさせました。さらに社有不動産の価値を最大化できるようプランを練っているところです。
多様な人材の活躍では、社内指針の「ワーク・ライフ・デザイン宣言」を5年ぶりに改訂し、ダイバーシティー・ジェンダー平等などの具体的目標を盛り込みました。SDGsの取り組みでは、兵庫県や神戸大学、三井住友銀行などと脱炭素社会を進める包括連携協定を結び、シンポジウム開催など機運醸成に取り組んでいます。
神戸新聞社としましては、2025年度からの新たな3カ年経営計画を策定し、「新聞社力を総結集し、新たな価値創出へ」と掲げました。地域の総合メディアグループとしての強みを生かし、兵庫、神戸の地において、なくてはならない存在となるよう、挑戦を続けます。
セグメントごとの業績は次の通りです。
・新聞関連事業(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
当社グループの中核となる神戸新聞社では、黒字反転のなか、メディアの原点と言える報道部門で、年間写真企画が、2024年度の最優秀報道に贈られる新聞協会賞を受けました。「里」という切り口で、人と自然の関係性に迫ったシリーズで、前年度、神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄のスクープで受賞したのに続き、2年連続受賞となりました。
同時並行で、阪神・淡路大震災から30年の教訓を、各分野、各地域で総括する震災30年報道も、紙とデジタルで全面展開しています。揺れ動く兵庫県政に対峙した報道は、告発文書が出た昨春から、10カ月を超える長丁場の取材になっています。
電子版「神戸新聞NEXT」では、データに基づきユーザーとの接点を増やす対策を進め、県内の逸品をお届けするECサイトの準備を進めました。
販売では、ポスティングなどで地域情報の強みをアピールするとともに、販売店経営の多角化にも取り組み、神戸市内をはじめ県内シェアはさらにアップしました。
広告では、飲料メーカーと共同企画したキャンペーン広告が全国的な広告大賞を受け、デジタル・サイネージ事業で県外展開を進めました。
イベントなどの事業部門では、機動戦士ガンダムのディレクターを取り上げた展覧会で、カタログやグッズの販売が好調で、そのほか積極的な事業展開で収益に貢献しました。
三宮の会員制ビジネス交流拠点「アンカー神戸」は、過去最多の会員を集め、大手企業とスタートアップなどをつなぐイベントも年間300回を超す開催で、地元メディアのプレゼンスを高めています。
神戸新聞総合印刷は、印刷工程の変化に伴い定員減などで収支改善につとめ、神戸新聞輸送センターは行政関連の運送業務を担い、安定収入につなげました。
デイリースポーツでは、日本勢のメダルラッシュに沸いたパリ五輪の期間中、24時間体制でリアルタイム配信に徹し、昨年8月のアクセスで、過去最高の4億ページビュー超えを達成しました。
神戸新聞事業社は、企業・団体向けの周年事業や選挙広告に注力し、サイネージ事業など新規案件にも取り組みました。京阪神エルマガジン社は、営業力強化に力を入れ、自治体など新たなクライアントを掘り起こしました。
・放送事業
サンテレビジョンは、昨シーズンの阪神タイガースのリーグ優勝、そして日本一の追い風をつかみ、プロ野球中継の新規スポンサー獲得と、既存スポンサーの増額につなげ、同時に、開局55周年事業を展開して、収益を確保しました。
ラジオ関西は、放送番組を見直して、パーソナリティーの若返りを図り、高齢男性中心だったリスナーの年代を広げ、女性リスナーを増やしました。音声ネットサービス・ポッドキャストでは、グッズや有料配信などイベント収益が大きく伸びました。
・貸室業・その他の事業
前期から本格的に着手した資産活用では、神戸本社ビル2フロアへの大手企業入居に続き、東京・木場の神戸デイリー東京ビルに建設機械レンタル会社が入り、中長期的な賃料収益への道筋を付けました。同時に、神戸新聞東京支社も、この自社物件ビルに移し、経費削減につなげました。
神戸・三宮駅前の商業ビル「ミント神戸」は、賃貸借契約満了が集中する年にあたり、好調なお店の再配置などに取り組みました。また上得意のお客様へのサービスアップを目指し、年間お買い上げ価格に応じてポイントをアップさせるランクアップ制度を準備しました。
神戸新聞興産は、ポストコロナ対策として、クルーズ需要の取り込みに注力しました。
この結果、売上高は36,321,261千円(前年同期比3.2%減)となり、利益については営業利益が2,341,553千円(同106.2%増)、経常利益が2,373,854千円(同108.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,693,138千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672,731千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は27,368,549千円(前年同期比5.0%減)となりました。また、営業利益は896,273千円(前年同期は営業損失269,350千円)となりました。
(放送業)
放送業におきましては、売上高は5,659,184千円(前年同期比1.2%増)となりました。また、営業利益は272,768千円(同7.5%増)となりました。
(貸室業)
貸室業におきましては、売上高は3,110,683千円(前年同期比6.4%増)となりました。また、営業利益は1,133,221千円(同3.3%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、売上高は182,843千円(前年同期比15.3%減)となりました。また、営業利益は33,980千円(同35.9%減)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ1,032,261千円増加し、59,491,287千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ988,420千円減少し、31,896,361千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ2,020,681千円増加し、27,594,925千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動で4,131,485千円の増加となりました。これに対して、投資活動で1,020,040千円の減少、財務活動で1,000,590千円の減少になったことにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は10,698,720千円(前年同期は8,587,866千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,131,485千円(前年同期は1,281,266千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,020,040千円(前年同期は41,736千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,000,590千円(前年同期は1,870,593千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の資産は、59,491,287千円(前年同期比1.8%増)となりました。これは主に現金及び預金が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、31,896,361千円(同3.0%減)となりました。これは主に長期借入金が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、27,594,925千円(同7.9%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,693,138千円を計上したためであります。
当連結会計年度は、売上高は、折込収入などの減少で前連結会計年度に比べ1,212,290千円減収の36,321,261千円(前年同期比3.2%減)、売上原価は折込手数料、労務費などの減少により前連結会計年度と比べ1,980,866千円減少の27,332,627千円(同6.8%減)となりました。また販売費及び一般管理費は給与及び手当などの減少により前連結会計年度に比べ437,473千円減少の6,647,080千円(同6.2%減)となりました。これらにより経常利益は、前連結会計年度に比べ1,236,674千円増益の2,373,854千円(同108.7%増)となりました。
特別利益は固定資産売却益により59,295千円を計上、特別損失は固定資産除却損などにより40,038千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が1,693,138千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672,731千円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリース取引を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、19,292,386千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、10,698,720千円となっております。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、世界的な紛争続発による新聞用紙の高騰などを受けた前年度の厳しい決算に対し、費用削減の徹底や新たな増収策などで、反転攻勢に向けた体制整備を進めた1年でありました。
その結果、昨年11月までの2024年度決算は、神戸新聞社単体の経常利益で、前年比11億円あまりの増益となり、グループの連結決算を再び押し上げました。新聞事業は、収入が厳しいなか、費用削減で収益を出せているのが内実ですが、まずは一つの足がかりを得ることができました。この間に、新たな収入を生み出す取り組みをスピードアップさせ、同時にグループ経営を強化することが課題で、ECやサイネージなどのデジタル事業、資産活用など、多角的な展開をスピードアップさせました。
コロナ禍が始まった2020年以降、新聞界を取り巻く環境は揺れ動いております。パンデミックで広告意欲は減退し、そこにロシアのウクライナ侵攻が起き、世界的な資源高を引き起こしました。同時に進むネット社会では、プラットフォーマーが不透明な対価でニュースを使い、既存メディアのデジタル広告単価は低迷しています。
こうした状況下でも、神戸新聞グループ全体では、JR三ノ宮駅前の商業ビル「ミント神戸」を運営する神戸新聞会館が好調を維持し、阪神タイガース中継が看板のサンテレビも存在感を示し、連結決算は堅調ですが、中核の神戸新聞・デイリースポーツが課題です。
一昨年来、早期退職の実施などでスリム化を強化するとともに、製作コスト削減や、役員報酬をはじめとした人件費カットに取り組みました。収入面でも、定価改定や選挙広告の効果に加え、デイリーのデジタル収入が増収に転じ、その結果、神戸新聞社単体も大きく黒字反転し、当連結決算も好転することができました。
新たな取り組みでは、電子版「神戸新聞NEXT」の有料会員獲得やECサイト準備など、デジタルコンテンツを生かしたマネタイズに挑み、本社や東京の所有ビルでの賃貸事業もスタートさせました。さらに社有不動産の価値を最大化できるようプランを練っているところです。
多様な人材の活躍では、社内指針の「ワーク・ライフ・デザイン宣言」を5年ぶりに改訂し、ダイバーシティー・ジェンダー平等などの具体的目標を盛り込みました。SDGsの取り組みでは、兵庫県や神戸大学、三井住友銀行などと脱炭素社会を進める包括連携協定を結び、シンポジウム開催など機運醸成に取り組んでいます。
神戸新聞社としましては、2025年度からの新たな3カ年経営計画を策定し、「新聞社力を総結集し、新たな価値創出へ」と掲げました。地域の総合メディアグループとしての強みを生かし、兵庫、神戸の地において、なくてはならない存在となるよう、挑戦を続けます。
セグメントごとの業績は次の通りです。
・新聞関連事業(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
当社グループの中核となる神戸新聞社では、黒字反転のなか、メディアの原点と言える報道部門で、年間写真企画が、2024年度の最優秀報道に贈られる新聞協会賞を受けました。「里」という切り口で、人と自然の関係性に迫ったシリーズで、前年度、神戸連続児童殺傷事件の全記録廃棄のスクープで受賞したのに続き、2年連続受賞となりました。
同時並行で、阪神・淡路大震災から30年の教訓を、各分野、各地域で総括する震災30年報道も、紙とデジタルで全面展開しています。揺れ動く兵庫県政に対峙した報道は、告発文書が出た昨春から、10カ月を超える長丁場の取材になっています。
電子版「神戸新聞NEXT」では、データに基づきユーザーとの接点を増やす対策を進め、県内の逸品をお届けするECサイトの準備を進めました。
販売では、ポスティングなどで地域情報の強みをアピールするとともに、販売店経営の多角化にも取り組み、神戸市内をはじめ県内シェアはさらにアップしました。
広告では、飲料メーカーと共同企画したキャンペーン広告が全国的な広告大賞を受け、デジタル・サイネージ事業で県外展開を進めました。
イベントなどの事業部門では、機動戦士ガンダムのディレクターを取り上げた展覧会で、カタログやグッズの販売が好調で、そのほか積極的な事業展開で収益に貢献しました。
三宮の会員制ビジネス交流拠点「アンカー神戸」は、過去最多の会員を集め、大手企業とスタートアップなどをつなぐイベントも年間300回を超す開催で、地元メディアのプレゼンスを高めています。
神戸新聞総合印刷は、印刷工程の変化に伴い定員減などで収支改善につとめ、神戸新聞輸送センターは行政関連の運送業務を担い、安定収入につなげました。
デイリースポーツでは、日本勢のメダルラッシュに沸いたパリ五輪の期間中、24時間体制でリアルタイム配信に徹し、昨年8月のアクセスで、過去最高の4億ページビュー超えを達成しました。
神戸新聞事業社は、企業・団体向けの周年事業や選挙広告に注力し、サイネージ事業など新規案件にも取り組みました。京阪神エルマガジン社は、営業力強化に力を入れ、自治体など新たなクライアントを掘り起こしました。
・放送事業
サンテレビジョンは、昨シーズンの阪神タイガースのリーグ優勝、そして日本一の追い風をつかみ、プロ野球中継の新規スポンサー獲得と、既存スポンサーの増額につなげ、同時に、開局55周年事業を展開して、収益を確保しました。
ラジオ関西は、放送番組を見直して、パーソナリティーの若返りを図り、高齢男性中心だったリスナーの年代を広げ、女性リスナーを増やしました。音声ネットサービス・ポッドキャストでは、グッズや有料配信などイベント収益が大きく伸びました。
・貸室業・その他の事業
前期から本格的に着手した資産活用では、神戸本社ビル2フロアへの大手企業入居に続き、東京・木場の神戸デイリー東京ビルに建設機械レンタル会社が入り、中長期的な賃料収益への道筋を付けました。同時に、神戸新聞東京支社も、この自社物件ビルに移し、経費削減につなげました。
神戸・三宮駅前の商業ビル「ミント神戸」は、賃貸借契約満了が集中する年にあたり、好調なお店の再配置などに取り組みました。また上得意のお客様へのサービスアップを目指し、年間お買い上げ価格に応じてポイントをアップさせるランクアップ制度を準備しました。
神戸新聞興産は、ポストコロナ対策として、クルーズ需要の取り込みに注力しました。
この結果、売上高は36,321,261千円(前年同期比3.2%減)となり、利益については営業利益が2,341,553千円(同106.2%増)、経常利益が2,373,854千円(同108.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,693,138千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672,731千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は27,368,549千円(前年同期比5.0%減)となりました。また、営業利益は896,273千円(前年同期は営業損失269,350千円)となりました。
(放送業)
放送業におきましては、売上高は5,659,184千円(前年同期比1.2%増)となりました。また、営業利益は272,768千円(同7.5%増)となりました。
(貸室業)
貸室業におきましては、売上高は3,110,683千円(前年同期比6.4%増)となりました。また、営業利益は1,133,221千円(同3.3%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、売上高は182,843千円(前年同期比15.3%減)となりました。また、営業利益は33,980千円(同35.9%減)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ1,032,261千円増加し、59,491,287千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ988,420千円減少し、31,896,361千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ2,020,681千円増加し、27,594,925千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結キャッシュ・フローは、営業活動で4,131,485千円の増加となりました。これに対して、投資活動で1,020,040千円の減少、財務活動で1,000,590千円の減少になったことにより、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は10,698,720千円(前年同期は8,587,866千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は4,131,485千円(前年同期は1,281,266千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,020,040千円(前年同期は41,736千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,000,590千円(前年同期は1,870,593千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
新聞・雑誌・書籍等の 発行印刷・販売業 | 27,526,848 | △5.0 |
放送業 | 5,911,921 | 0.8 |
貸室業 | 3,118,823 | 6.4 |
その他の事業 | 401,993 | △14.4 |
合計 | 36,959,586 | △3.3 |
(注) 1 金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の資産は、59,491,287千円(前年同期比1.8%増)となりました。これは主に現金及び預金が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、31,896,361千円(同3.0%減)となりました。これは主に長期借入金が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、27,594,925千円(同7.9%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,693,138千円を計上したためであります。
当連結会計年度は、売上高は、折込収入などの減少で前連結会計年度に比べ1,212,290千円減収の36,321,261千円(前年同期比3.2%減)、売上原価は折込手数料、労務費などの減少により前連結会計年度と比べ1,980,866千円減少の27,332,627千円(同6.8%減)となりました。また販売費及び一般管理費は給与及び手当などの減少により前連結会計年度に比べ437,473千円減少の6,647,080千円(同6.2%減)となりました。これらにより経常利益は、前連結会計年度に比べ1,236,674千円増益の2,373,854千円(同108.7%増)となりました。
特別利益は固定資産売却益により59,295千円を計上、特別損失は固定資産除却損などにより40,038千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が1,693,138千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失672,731千円)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリース取引を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、19,292,386千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、10,698,720千円となっております。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。