有価証券報告書-第117期(2024/12/01-2025/11/30)

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2026/02/26 13:06
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138項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、かつてない規模の費用削減策でⅤ字回復を果たした前期に比べると増収減益になったものの、さらなる業務見直しや強みを生かした増収策が奏功し、黒字を維持しました。
新聞業界を取り巻く環境は厳しいと言わざるを得ません。物価高騰はあらゆる範囲に及んでおり、用紙やインキなど資材費は高止まりの様相となっています。生成AIの進化が激しいネット社会では、既存メディアのコンテンツを無断利用している実態も看過できない状況です。
そうした中で、新たな収入を生み出す取り組みをスピードアップさせています。ECサイトやサイネージなどのデジタル事業、社有不動産の活用、大型美術展の企画開催など多角的な展開を図っています。デイリースポーツは看板の阪神タイガースだけでなく、公営競技や芸能エンタメでも存在感を発揮しています。
変化の激しい時代に合わせ、多様な人材活躍にも注力してきました。新卒採用や職場のリーダー登用に当たってはジェンダー平等の観点を判断材料の一つとしております。新聞社の公共性からSDGsの目配りも続けています。兵庫県や神戸大学、三井住友銀行などと協定を結び、脱炭素社会を進める取り組みは4年目に入りました。
当連結会計年度は2025~27年度の3カ年経営計画のスタート地点に当たります。組織・人員のスリム化を図りつつ、事業ポートフォリオを見直し、成長分野に注力させる仕組みを整えてきました。地元紙として長年培った信頼性や発信力、ラストワンマイルの到達力を軸に、豊かで安心な地域社会の実現に貢献していく決意です。
グループ全体では、JR三ノ宮駅前の商業ビル「ミント神戸」を運営する神戸新聞会館や、阪神タイガース中継でスポンサーを続々と獲得しているサンテレビジョンが好調を維持しています。大阪・関西万博のイベント需要を取り込んだ神戸新聞事業社も高収益を上げました。
セグメントごとの業績は次のとおりです。
・新聞関連事業(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
当社グループの中核となる神戸新聞社では、2025年に「阪神・淡路大震災30年報道」で地方紙では例のない3年連続新聞協会賞受賞を果たしました。紙面、デジタルで全面展開するとともに、経験や教訓を継承するため子どもたち向けの「1・17つなぐプロジェクト」にも取り組みました。
兵庫県知事選に端を発したSNSの影響はその後、国政選挙にも及んでいます。昨夏の参院選では「ファクトチェック」に本格的に取り組み、新聞が確かな情報のよりどころとなるよう力を尽くしています。
電子版「神戸新聞NEXT」は法人コースを刷新しました。企業や大学、事業所などで組織に応じて使いやすい料金体系とし、デザイン面もビジネスに役立つニュースを見つけやすくしました。
オープンしたECサイト「いいモノがたり」では、県内の逸品を「物語」とともに紹介しています。地場産品にとどまらず、県内の高校生が地元企業と一緒に開発した商品や新聞バックナンバーなど地元メディアならではの品ぞろえです。
販売では、ポスティングなどで地域情報の強みをアピールするとともに、販売店経営の多角化にも取り組み、神戸市内をはじめ県内シェアはさらにアップしました。
広告では、県内企業の就職支援を行う事業をスタートさせ、デジタル・サイネージ事業で県外展開を進めました。
イベントなどの事業部門では、神戸市立博物館で開いた「大ゴッホ展」がヒットしました。県内外から集客し、グッズの販売も好調で収益に貢献しました。
三宮の会員制ビジネス交流拠点「アンカー神戸」は、大手企業とスタートアップなどをつなぐイベントやビジネスコンテストの場として広く認知され、神戸空港の国際化を機に韓国や台湾にある同様の拠点と施設間連携の基本合意書を結びました。
神戸新聞総合印刷は、メーカーの輪転機撤退発表を受け、将来の安定稼働を目標に自社整備の拡大と技術力強化を進め、保守費用の削減にも取り組みました。神戸新聞輸送センターは、自治体事業の配送業務を継続・拡大し、新聞以外の一般運送収入を積み上げることができました。
デイリースポーツは、阪神タイガースの2年ぶりのリーグ優勝を追い風に、特集号や記念グッズの販売で前期実績を上回りました。広告面では公営競技が好調で年間目標額をクリアしました。
神戸新聞事業社は、大阪・関西万博開催に伴い、イベントや事務局運営業務の受託が奏功し、売り上げを伸ばすことができました。京阪神エルマガジン社は、雑誌などの販売収入には苦戦したものの、広告売上高は好調に推移しました。
・放送事業
サンテレビジョンは、阪神タイガースの好調を受け、キラーコンテンツのプロ野球中継では前年を上回る新規スポンサーを獲得。バブル期以降で最高の売り上げを記録し、収益増につなげました。
ラジオ関西は、放送番組を見直し、リスナー増とコスト削減を実現しました。ポッドキャストがけん引する「デジタル」のほか、「放送・制作」「事業」「メディア開発」の収入4部門で収益を伸ばすことができ、事業ポートフォリオの多角化が進展しました。
・貸室業・その他の事業
2期前から本格的に取り組んでいる資産活用では、神戸本社ビルや東京・木場の神戸デイリー東京ビルでのテナント賃貸が定着し、安定的な収益確保の基盤ができました。
神戸・三宮駅前の商業ビル「ミント神戸」は、ポイントランクアップ制度により上得意のお客様へのサービスを強化しました。カード会員は10万人を突破し、売り上げは6年ぶりに100億円に到達しました。
神戸新聞興産は、神戸空港の国際チャーター便就航の機会をとらまえ、ベトナムチャーター便を完売することができました。保険業務では損保手数料の見直しで数字が落ち込みましたが、セミナーの開催を増やすなど生保の数字を取り込みました。
この結果、売上高は36,511,104千円(前年同期比0.5%増)となり、利益については営業利益が2,258,834千円(同3.5%減)、経常利益が2,212,757千円(同6.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,337,970千円(同21.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業)
新聞・雑誌・書籍等の発行印刷・販売業におきましては、売上高は27,123,816千円(前年同期比0.9%減)となりました。また、営業利益は584,356千円(前年同期比34.8%減)となりました。
(放送業)
放送業におきましては、売上高は6,027,477千円(前年同期比6.5%増)となりました。また、営業利益は527,067千円(同93.2%増)となりました。
(貸室業)
貸室業におきましては、売上高は3,164,501千円(前年同期比1.7%増)となりました。また、営業利益は1,108,720千円(同2.2%減)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、売上高は195,307千円(前年同期比6.8%増)となりました。また、営業利益は33,767千円(同0.6%減)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ313,647千円増加し、59,804,934千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ1,515,208千円減少し、30,381,153千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,828,855千円増加し、29,423,780千円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下、資金という)は10,740,326千円(前年同期は10,698,720千円)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,306,694千円(前年同期は4,131,485千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び減価償却費によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は1,815,970千円(前年同期は1,020,040千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は1,449,118千円(前年同期は1,000,590千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
新聞・雑誌・書籍等の
発行印刷・販売業
27,349,614△0.6
放送業6,292,6566.4
貸室業3,173,5491.8
その他の事業418,0374.0
合計37,233,8580.7

(注) 1 金額は売上高によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の資産は、59,804,934千円(前年同期比0.5%増)となりました。これは主に投資有価証券が増加したためであります。
当連結会計年度末の負債は、30,381,153千円(同4.8%減)となりました。これは主に長期借入金が減少したためであります。
当連結会計年度末の純資産は、29,423,780千円(同6.6%増)となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益1,337,970千円を計上したためであります。
当連結会計年度は、売上高は、事業収入などの増加で前連結会計年度に比べ189,843千円増収の36,511,104千円(前年同期比0.5%増)、売上原価は事業費などの増加により前連結会計年度と比べ85,146千円増加の27,417,773千円(同0.3%増)となりました。また販売費及び一般管理費は事業諸費などの増加により前連結会計年度に比べ187,415千円増加の6,834,495千円(同2.8%増)となりました。これらにより経常利益は、前連結会計年度に比べ161,096千円減益の2,212,757千円(同6.8%減)となりました。
特別損失は固定資産除却損などにより76,744千円を計上しました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益が1,337,970千円(前年同期比21.0%減)となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等の調達につきましては、金融機関からの長期借入及びリース取引を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、17,913,398千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、10,740,326千円となっております。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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