訂正有価証券報告書-第18期(2021/04/01-2022/03/31)
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績
① 業績全般
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)における当社グループの事業環境は、堅調な経済回復に支えられ、すべての事業セグメントで改善しました。その結果、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期に比べて大きく増加しました。一方、電力、原油、液化天然ガスの価格上昇、サプライチェーンの混乱、及び全世界レベルで諸物価の上昇が継続しコストが上昇しましたが、各セグメントでの販売価格の見直しや原価・諸経費の削減努力により対応いたしました。
このような状況の下、当連結会計年度における業績は、売上収益9,571億69百万円(前連結会計年度比 17.0%増加)、コア営業利益1,027億10百万円(同 17.7%増加)、営業利益1,011億83百万円(同 13.9%増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益641億3百万円(同 16.1%増加)となりました。
なお、コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
(単位:百万円)
② セグメント業績
セグメント業績は、次のとおりです。なお、セグメント利益はコア営業利益で表示しております。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した数値で比較しております。
[日本ガス事業]
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、全般的に関連業界での生産活動が回復し、前期に比べ大きく増加したことに加え、LPガスでは出荷数量が減少したものの、仕入価格が大幅に上昇したことで販売単価も連動して上昇し、増収となりました。機器・工事では、医療向け関連機器を含めて全般的に好調でした。エレクトロニクス関連では、電子材料ガス及び関連機器・工事は、ともに増収となりました。
以上の結果、日本ガス事業の売上収益は、3,720億33百万円(前連結会計年度比 8.8%増加)、セグメント利益は、309億39百万円(同 3.5%増加)となりました。
[米国ガス事業]
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、バルクガスを中心に生産活動の回復により、大きく増加しました。また、炭酸ガスの販売も好調でした。機器・工事では、前期に需要が冷え込んだ溶接・溶断関連機材が回復し、大幅に増収となりました。また、エレクトロニクス関連での売上収益も増加となり、堅調に推移しました。加えて、期初から物流費やエネルギーコストの上昇の価格転嫁を進めたことも増収の要因となりました。
以上の結果、米国ガス事業の売上収益は、2,248億1百万円(前連結会計年度比 18.3%増加)、セグメント利益は、273億14百万円(同 18.1%増加)となりました。
[欧州ガス事業]
前期は、新型コロナウイルス感染症の拡大による深刻な影響を受けましたが、当期では一貫して堅調な経済回復が見られました。また、第2四半期に始まった記録的なエネルギーコストの急激な上昇は、第4四半期にかけて加速しましたが、価格転嫁やコスト削減努力により対応しました。加えて、価格転嫁を進めた結果、大きく増収となりました。
以上の結果、欧州ガス事業の売上収益は、2,097億78百万円(前連結会計年度比 31.1%増加)、セグメント利益は、263億3百万円(同 25.2%増加)となりました。
[アジア・オセアニアガス事業]
産業ガス関連では、関連業界での生産活動が回復したことで、主力製品であるセパレートガスの売上収益は増加しました。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、仕入価格の上昇による販売単価の上昇と出荷数量が堅調に推移し、増収となりました。エレクトロニクス関連では、東アジアでの電子材料ガスは増収となりました。また、機器・工事では、産業ガス関連で増収となりました。
以上の結果、アジア・オセアニアガス事業の売上収益は、1,235億33百万円(前連結会計年度比 21.1%増加)、セグメント利益は、128億37百万円(同 43.9%増加)となりました。
[サーモス事業]
日本では、ケータイマグやスポーツボトルの出荷数量が前期から回復し、売上収益は大きく増加しました。また、自宅で過ごす時間の長い新たなライフスタイルが浸透したことに関連し、前期に続き、フライパンやタンブラーの販売数量は増加しました。海外では、販売地域での景気回復により出荷数量は増加しました。
以上の結果、サーモス事業の売上収益は、268億49百万円(前連結会計年度比 12.0%増加)、セグメント利益は、64億41百万円(同 24.6%増加)となりました。
各セグメントの売上収益及びセグメント利益の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 経営成績
当連結会計年度における売上収益は9,571億69百万円となり、前連結会計年度に比べ1,389億31百万円の増収となっております。為替の影響については、期中平均レートが前連結会計年度に比べ米ドルで7円10銭の円安、ユーロで7円4銭の円安、豪ドルで6円62銭の円安となるなど、売上収益は全体で約308億円多く表示されております。
売上原価は5,985億97百万円(前連結会計年度比 977億98百万円増加)、販売費及び一般管理費は2,592億4百万円(同 259億28百万円増加)、その他の営業収益は22億41百万円(同 17億7百万円減少)、その他の営業費用は39億37百万円(同 9億30百万円減少)、持分法による投資利益は35億12百万円(同 20億90百万円減少)となっております。以上の結果、営業利益は1,011億83百万円となり、前連結会計年度比で123億37百万円の増益となりました。また営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いたコア営業利益は1,027億10百万円となっており、前連結会計年度比で154億58百万円の増益となりました。非経常的な要因により発生した損益の主な内容は、持分法投資損失1億72百万円、減損損失10億75百万円などとなっております。
金融収益は21億92百万円(同 7億68百万円増加)、金融費用は117億65百万円(同 7億98百万円減少)、これにより税引前利益は916億11百万円となり、前連結会計年度に比べて139億5百万円の増益となりました。主な内容は、受取利息が2億4百万円(同 21百万円増加)、受取配当金が7億60百万円(同 1億22百万円増加)、支払利息が116億1百万円(同 9億53百万円減少)などとなっております。
これらの結果、法人所得税と非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する当期利益は641億3百万円となり、前連結会計年度比で88億88百万円の増益となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1兆9,770億26百万円で、前連結会計年度末比で1,407億31百万円の増加となっております。為替の影響については、前連結会計年度末に比べ期末日レートが米ドルで11円68銭の円安、ユーロで6円90銭の円安となるなど、約1,055億円多く表示されております。
なお、当連結会計年度では、経済回復や価格改定活動等による増収効果で営業債権が増加したほか、財務健全性を意識した有利子負債の計画的な返済を進めました。不透明な事業環境下においても、債券市場や金融機関との適切なコミュニケーションを続け、資金流動性と調達力を向上していきます。
また、2019年1月及び同年3月に調達したハイブリッドファイナンスは合計2,500億円であり、格付機関(㈱日本格付研究所及び㈱格付投資情報センター)から、この調達額の50%を「資本」として認められており、当社では資本性負債と呼称しています。このハイブリッドファイナンスを考慮した財務安全性指標として、当社では調整後ネットD/Eレシオ(※)を重要業績指標の1つとして定めており、負債及び資本の最適な構成を意識しています。なお、調整後ネットD/Eレシオは0.94倍で前連結会計年度末に比べ0.21ポイント改善しております。
(※)調整後ネットD/Eレシオ:(純有利子負債-資本性負債)/(親会社の所有者に帰属する持分+資本性負債)
[資産]
流動資産は、営業債権や現金及び現金同等物の増加、主要通貨で円安が進んだこと等により、前連結会計年度末比で535億92百万円増加し、4,224億93百万円となっております。非流動資産は、有形固定資産やのれんの増加、円安の影響等により、前連結会計年度末比で871億39百万円増加し、1兆5,545億32百万円となっております。
[負債]
流動負債は、社債及び借入金の減少や営業債務の増加、円安の影響等により、前連結会計年度末比で55億75百万円増加し、3,315億95百万円となっております。非流動負債は、繰延税金負債の増加や社債及び借入金の減少、円安の影響等により、前連結会計年度末比で179億18百万円増加し、9,842億92百万円となっております。
[資本]
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による増加や、利益剰余金の配当による減少、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末比で1,172億37百万円増加し、6,611億37百万円となっております。
なお、親会社所有者帰属持分比率は31.8%で前連結会計年度末に比べ3.9ポイント高くなっております。
(3) キャッシュ・フロー
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権の増減額等により、営業活動によるキャッシュ・フローは1,487億60百万円の収入(前連結会計年度比 0.3%減少)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形固定資産の取得による支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは708億58百万円の支出(前連結会計年度比 18.7%増加)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入金の返済による支出、社債の発行による収入、短期借入金の純増減額等により、財務活動によるキャッシュ・フローは779億46百万円の支出(前連結会計年度比 24.4%減少)となりました。
これらの結果に、為替換算差額等を加えた当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、936億97百万円(前連結会計年度比 2.9%増加)となりました。
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 生産、受注及び販売の実績
セグメントごとの販売実績については、「(1) 経営成績 ②セグメント業績」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 及び 3.重要な会計方針」に記載しております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金又は金融機関からの借入金、社債等により調達しております。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
資金の流動性については、安定的な営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関とのコミットメント・ライン契約の締結やコマーシャル・ペーパー発行枠の設定等により十分な手元流動性を確保しております。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度の計画値に対する達成状況については、以下のとおりです。
(注)1.ROCE
当社ではコア営業利益と資本、有利子負債のバランスを重視し、コア営業利益を投下資本(有利子負債残高+親会社の所有者に帰属する持分)で除して算出した「ROCE」で資本効率を示しております。
2.調整後ネットD/Eレシオ
財務の安全性を示す指標であり、(純有利子負債-資本性負債)/(親会社の所有者に帰属する持分+資本性負債)で算出する比率です。
資本性負債とは、格付機関により、ハイブリッドファイナンスで調達した金額(2,500億円)の50%を「資本」として認められている部分の当社内呼称です。
産業ガス事業では、世界経済の堅調な回復を背景としたセパレートガスなどの販売数量が好調に推移したこと、米ドル・ユーロ・豪ドルなど主要通貨に対し円安が進んだことにより全てのセグメントで売上収益、コア営業利益が計画を上回りました。サーモス事業は、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、日本及びアジア域内で政府による緊急事態宣言などの感染症拡大防止措置の影響により外出が控えられたことで売上収益、コア営業利益ともに計画を下回りました。コア営業利益率は全体で計画を下回りましたが、これは産業ガス事業において電力、原油、液化天然ガスの価格上昇に伴う原価、輸送費の増加や、全世界レベルでの物価の上昇を販売価格に転嫁したことにより、利益の絶対額は確保したものの売上収益が大きく増加したことによるものです。
調整後ネットD/Eレシオは、経済性が見込めるプロジェクトへの投資と負債の計画的な削減に努め、財政健全化目標である調整後ネットD/Eレシオ1.0倍を1年前倒しで達成しました。
当社は、グループ理念とグループビジョンの実現に向けて、2022年5月に、現在の持株会社体制に移行した後、初めてとなる中期経営計画として、「NS Vision 2026|Enabling the Future」(期間:2022年4月から2026年3月までの4ヵ年)を策定しており、財務目標を設定しております。財務目標については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
(1) 経営成績
① 業績全般
当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)における当社グループの事業環境は、堅調な経済回復に支えられ、すべての事業セグメントで改善しました。その結果、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期に比べて大きく増加しました。一方、電力、原油、液化天然ガスの価格上昇、サプライチェーンの混乱、及び全世界レベルで諸物価の上昇が継続しコストが上昇しましたが、各セグメントでの販売価格の見直しや原価・諸経費の削減努力により対応いたしました。
このような状況の下、当連結会計年度における業績は、売上収益9,571億69百万円(前連結会計年度比 17.0%増加)、コア営業利益1,027億10百万円(同 17.7%増加)、営業利益1,011億83百万円(同 13.9%増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益641億3百万円(同 16.1%増加)となりました。
なお、コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 売上収益 | 818,238 | 957,169 | 138,931 | 17.0 |
| コア営業利益 | 87,251 | 102,710 | 15,458 | 17.7 |
| 非経常項目 | 1,594 | △1,526 | △3,121 | - |
| 営業利益 | 88,846 | 101,183 | 12,337 | 13.9 |
| 金融収益 | 1,424 | 2,192 | 768 | - |
| 金融費用 | △12,564 | △11,765 | 798 | - |
| 税引前利益 | 77,706 | 91,611 | 13,905 | 17.9 |
| 法人所得税 | △20,842 | △24,973 | △4,131 | - |
| 当期利益 | 56,863 | 66,637 | 9,774 | 17.2 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 55,214 | 64,103 | 8,888 | 16.1 |
| 非支配持分に帰属する当期利益 | 1,648 | 2,534 | 885 | - |
② セグメント業績
セグメント業績は、次のとおりです。なお、セグメント利益はコア営業利益で表示しております。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成した数値で比較しております。
[日本ガス事業]
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、全般的に関連業界での生産活動が回復し、前期に比べ大きく増加したことに加え、LPガスでは出荷数量が減少したものの、仕入価格が大幅に上昇したことで販売単価も連動して上昇し、増収となりました。機器・工事では、医療向け関連機器を含めて全般的に好調でした。エレクトロニクス関連では、電子材料ガス及び関連機器・工事は、ともに増収となりました。
以上の結果、日本ガス事業の売上収益は、3,720億33百万円(前連結会計年度比 8.8%増加)、セグメント利益は、309億39百万円(同 3.5%増加)となりました。
[米国ガス事業]
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、バルクガスを中心に生産活動の回復により、大きく増加しました。また、炭酸ガスの販売も好調でした。機器・工事では、前期に需要が冷え込んだ溶接・溶断関連機材が回復し、大幅に増収となりました。また、エレクトロニクス関連での売上収益も増加となり、堅調に推移しました。加えて、期初から物流費やエネルギーコストの上昇の価格転嫁を進めたことも増収の要因となりました。
以上の結果、米国ガス事業の売上収益は、2,248億1百万円(前連結会計年度比 18.3%増加)、セグメント利益は、273億14百万円(同 18.1%増加)となりました。
[欧州ガス事業]
前期は、新型コロナウイルス感染症の拡大による深刻な影響を受けましたが、当期では一貫して堅調な経済回復が見られました。また、第2四半期に始まった記録的なエネルギーコストの急激な上昇は、第4四半期にかけて加速しましたが、価格転嫁やコスト削減努力により対応しました。加えて、価格転嫁を進めた結果、大きく増収となりました。
以上の結果、欧州ガス事業の売上収益は、2,097億78百万円(前連結会計年度比 31.1%増加)、セグメント利益は、263億3百万円(同 25.2%増加)となりました。
[アジア・オセアニアガス事業]
産業ガス関連では、関連業界での生産活動が回復したことで、主力製品であるセパレートガスの売上収益は増加しました。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、仕入価格の上昇による販売単価の上昇と出荷数量が堅調に推移し、増収となりました。エレクトロニクス関連では、東アジアでの電子材料ガスは増収となりました。また、機器・工事では、産業ガス関連で増収となりました。
以上の結果、アジア・オセアニアガス事業の売上収益は、1,235億33百万円(前連結会計年度比 21.1%増加)、セグメント利益は、128億37百万円(同 43.9%増加)となりました。
[サーモス事業]
日本では、ケータイマグやスポーツボトルの出荷数量が前期から回復し、売上収益は大きく増加しました。また、自宅で過ごす時間の長い新たなライフスタイルが浸透したことに関連し、前期に続き、フライパンやタンブラーの販売数量は増加しました。海外では、販売地域での景気回復により出荷数量は増加しました。
以上の結果、サーモス事業の売上収益は、268億49百万円(前連結会計年度比 12.0%増加)、セグメント利益は、64億41百万円(同 24.6%増加)となりました。
各セグメントの売上収益及びセグメント利益の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||||||
| 売上収益 | セグメント利益 | 売上収益 | セグメント利益 | 売上収益 | 増減率(%) | セグメント利益 | 増減率(%) | |
| 日本ガス事業 | 341,990 | 29,889 | 372,033 | 30,939 | 30,043 | 8.8 | 1,050 | 3.5 |
| 米国ガス事業 | 189,994 | 23,129 | 224,801 | 27,314 | 34,806 | 18.3 | 4,185 | 18.1 |
| 欧州ガス事業 | 160,035 | 21,015 | 209,778 | 26,303 | 49,742 | 31.1 | 5,287 | 25.2 |
| アジア・オセアニアガス事業 | 102,036 | 8,921 | 123,533 | 12,837 | 21,497 | 21.1 | 3,916 | 43.9 |
| サーモス事業 | 23,964 | 5,168 | 26,849 | 6,441 | 2,884 | 12.0 | 1,273 | 24.6 |
| 調整額 | 217 | △872 | 173 | △1,127 | △43 | - | △254 | - |
| 合計 | 818,238 | 87,251 | 957,169 | 102,710 | 138,931 | 17.0 | 15,458 | 17.7 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
③ 経営成績
当連結会計年度における売上収益は9,571億69百万円となり、前連結会計年度に比べ1,389億31百万円の増収となっております。為替の影響については、期中平均レートが前連結会計年度に比べ米ドルで7円10銭の円安、ユーロで7円4銭の円安、豪ドルで6円62銭の円安となるなど、売上収益は全体で約308億円多く表示されております。
売上原価は5,985億97百万円(前連結会計年度比 977億98百万円増加)、販売費及び一般管理費は2,592億4百万円(同 259億28百万円増加)、その他の営業収益は22億41百万円(同 17億7百万円減少)、その他の営業費用は39億37百万円(同 9億30百万円減少)、持分法による投資利益は35億12百万円(同 20億90百万円減少)となっております。以上の結果、営業利益は1,011億83百万円となり、前連結会計年度比で123億37百万円の増益となりました。また営業利益から非経常的な要因により発生した損益を除いたコア営業利益は1,027億10百万円となっており、前連結会計年度比で154億58百万円の増益となりました。非経常的な要因により発生した損益の主な内容は、持分法投資損失1億72百万円、減損損失10億75百万円などとなっております。
金融収益は21億92百万円(同 7億68百万円増加)、金融費用は117億65百万円(同 7億98百万円減少)、これにより税引前利益は916億11百万円となり、前連結会計年度に比べて139億5百万円の増益となりました。主な内容は、受取利息が2億4百万円(同 21百万円増加)、受取配当金が7億60百万円(同 1億22百万円増加)、支払利息が116億1百万円(同 9億53百万円減少)などとなっております。
これらの結果、法人所得税と非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する当期利益は641億3百万円となり、前連結会計年度比で88億88百万円の増益となりました。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は1兆9,770億26百万円で、前連結会計年度末比で1,407億31百万円の増加となっております。為替の影響については、前連結会計年度末に比べ期末日レートが米ドルで11円68銭の円安、ユーロで6円90銭の円安となるなど、約1,055億円多く表示されております。
なお、当連結会計年度では、経済回復や価格改定活動等による増収効果で営業債権が増加したほか、財務健全性を意識した有利子負債の計画的な返済を進めました。不透明な事業環境下においても、債券市場や金融機関との適切なコミュニケーションを続け、資金流動性と調達力を向上していきます。
また、2019年1月及び同年3月に調達したハイブリッドファイナンスは合計2,500億円であり、格付機関(㈱日本格付研究所及び㈱格付投資情報センター)から、この調達額の50%を「資本」として認められており、当社では資本性負債と呼称しています。このハイブリッドファイナンスを考慮した財務安全性指標として、当社では調整後ネットD/Eレシオ(※)を重要業績指標の1つとして定めており、負債及び資本の最適な構成を意識しています。なお、調整後ネットD/Eレシオは0.94倍で前連結会計年度末に比べ0.21ポイント改善しております。
(※)調整後ネットD/Eレシオ:(純有利子負債-資本性負債)/(親会社の所有者に帰属する持分+資本性負債)
[資産]
流動資産は、営業債権や現金及び現金同等物の増加、主要通貨で円安が進んだこと等により、前連結会計年度末比で535億92百万円増加し、4,224億93百万円となっております。非流動資産は、有形固定資産やのれんの増加、円安の影響等により、前連結会計年度末比で871億39百万円増加し、1兆5,545億32百万円となっております。
[負債]
流動負債は、社債及び借入金の減少や営業債務の増加、円安の影響等により、前連結会計年度末比で55億75百万円増加し、3,315億95百万円となっております。非流動負債は、繰延税金負債の増加や社債及び借入金の減少、円安の影響等により、前連結会計年度末比で179億18百万円増加し、9,842億92百万円となっております。
[資本]
資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による増加や、利益剰余金の配当による減少、在外営業活動体の換算差額の増加等により、前連結会計年度末比で1,172億37百万円増加し、6,611億37百万円となっております。
なお、親会社所有者帰属持分比率は31.8%で前連結会計年度末に比べ3.9ポイント高くなっております。
(3) キャッシュ・フロー
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税引前利益、減価償却費及び償却費、営業債権の増減額等により、営業活動によるキャッシュ・フローは1,487億60百万円の収入(前連結会計年度比 0.3%減少)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
有形固定資産の取得による支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは708億58百万円の支出(前連結会計年度比 18.7%増加)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
長期借入金の返済による支出、社債の発行による収入、短期借入金の純増減額等により、財務活動によるキャッシュ・フローは779億46百万円の支出(前連結会計年度比 24.4%減少)となりました。
これらの結果に、為替換算差額等を加えた当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、936億97百万円(前連結会計年度比 2.9%増加)となりました。
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | |
| 親会社所有者帰属持分比率(%) | 41.5 | 23.0 | 23.4 | 27.9 | 31.8 |
| 時価ベースの親会社所有者 帰属持分比率(%) | 74.9 | 41.2 | 39.6 | 49.6 | 51.1 |
| 債務償還年数(年) | 3.9 | 10.2 | 6.7 | 6.4 | 6.2 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 16.7 | 15.3 | 12.8 | 12.9 | 13.7 |
(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社の所有者に帰属する持分/資産合計
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/資産合計
債務償還年数:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4) 生産、受注及び販売の実績
セグメントごとの販売実績については、「(1) 経営成績 ②セグメント業績」に記載のとおりであります。
なお、当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、また、受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメント毎に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定により国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 及び 3.重要な会計方針」に記載しております。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、運転資金及び設備資金については、内部資金又は金融機関からの借入金、社債等により調達しております。また、当社グループとしての資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。
資金の流動性については、安定的な営業活動によるキャッシュ・フローに加え、金融機関とのコミットメント・ライン契約の締結やコマーシャル・ペーパー発行枠の設定等により十分な手元流動性を確保しております。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結会計年度の計画値に対する達成状況については、以下のとおりです。
| 2022年3月期実績 | 2022年3月期計画 | |
| 売上収益 | 9,571億円 | 8,650億円 |
| コア営業利益 | 1,027億円 | 960億円 |
| コア営業利益率 | 10.7% | 11.1% |
| ROCE(注1) | 6.8% | 6.7% |
| 調整後ネットD/Eレシオ(注2) | 0.94 倍 | 1.01 倍 |
(注)1.ROCE
当社ではコア営業利益と資本、有利子負債のバランスを重視し、コア営業利益を投下資本(有利子負債残高+親会社の所有者に帰属する持分)で除して算出した「ROCE」で資本効率を示しております。
2.調整後ネットD/Eレシオ
財務の安全性を示す指標であり、(純有利子負債-資本性負債)/(親会社の所有者に帰属する持分+資本性負債)で算出する比率です。
資本性負債とは、格付機関により、ハイブリッドファイナンスで調達した金額(2,500億円)の50%を「資本」として認められている部分の当社内呼称です。
産業ガス事業では、世界経済の堅調な回復を背景としたセパレートガスなどの販売数量が好調に推移したこと、米ドル・ユーロ・豪ドルなど主要通貨に対し円安が進んだことにより全てのセグメントで売上収益、コア営業利益が計画を上回りました。サーモス事業は、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、日本及びアジア域内で政府による緊急事態宣言などの感染症拡大防止措置の影響により外出が控えられたことで売上収益、コア営業利益ともに計画を下回りました。コア営業利益率は全体で計画を下回りましたが、これは産業ガス事業において電力、原油、液化天然ガスの価格上昇に伴う原価、輸送費の増加や、全世界レベルでの物価の上昇を販売価格に転嫁したことにより、利益の絶対額は確保したものの売上収益が大きく増加したことによるものです。
調整後ネットD/Eレシオは、経済性が見込めるプロジェクトへの投資と負債の計画的な削減に努め、財政健全化目標である調整後ネットD/Eレシオ1.0倍を1年前倒しで達成しました。
当社は、グループ理念とグループビジョンの実現に向けて、2022年5月に、現在の持株会社体制に移行した後、初めてとなる中期経営計画として、「NS Vision 2026|Enabling the Future」(期間:2022年4月から2026年3月までの4ヵ年)を策定しており、財務目標を設定しております。財務目標については、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。