有価証券報告書-第158期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 11:18
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【項目】
124項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度での各国経済の動向につきましては、まず、中国経済は、これまでの製造業での過剰な設備投資の負担から、生産が減少し、輸出が低迷いたしました。
また、この中国経済の減速傾向や原油価格の下落が、新興国・資源国経済の減速をもたらす結果と
なっております。
欧州経済は、個人消費では改善傾向にあるものの、中国経済の減速、原油安、新興国経済の減速、さらにテロなどの政情不安等により、下振れリスクが高まってきました。
一方、米国経済は、個人消費や雇用環境が堅調に推移し、また製造業に持ち直しの動きも見られ、緩やかな回復傾向を維持しました。
しかし、前述のような各国経済の厳しい状況から、米国経済の先行きに、景気減速が懸念される見方も
出てきております。
このように、世界経済は、中国経済の減速や原油価格の下落や、それに伴う新興国や資源国経済の
減速等の影響が、先進国経済の減速に波及することにより、世界同時不況への警戒感が高まっております。
その中、わが国経済は、政府や日本銀行による財政・金融政策を背景に、企業収益や雇用情勢の
改善など、景気は緩やかな回復基調を維持しました。
しかし、前述のような世界経済の下振れ等により、足元では景気が減速するリスクが
ますます高まっております。
このような情勢の下、当期の連結売上高は、有機EL材料、一部の工業薬品や樹脂材料の需要減少等により、前期比8億62百万円減(2.5%減)の338億26百万円となりました。
損益面では、この売上高の減少により減益となりましたが、原燃料価格の下落やコストダウン等の寄与により、営業利益は、前期比32百万円増(4.0%増)の8億28百万円、経常利益は、前期比97百万円減(13.3%減)の6億33百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比1億87百万円増(30.0%増)の
8億11百万円となりました。
当期の各セグメント別売上高等の概況は、次のとおりであります。
なお、当期より物流関連を新たなセグメントに追加しております。
したがって、前期の数値を変更後のセグメントに組み替え、比較をしております。
[機能性色素セグメント]
イメージング材料事業は、プリンター向け材料の需要の低迷で、依然厳しい状況が続いており、一部で新製品の採用があったものの、減収となりました。
色素材料事業は、デジタル家電向けアルミ着色用染料が好調に推移し、食用色素での需要が
回復したことで、増収となりました。
有機EL材料事業は、ディスプレイ分野で着実に広がりを見せておりますが、同時に競争激化も
進んでおり、減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、76億24百万円となり、前期比6億71百万円(8.1%)の減収、となりました。
[機能性樹脂セグメント]
樹脂材料事業は、弾性繊維用途向けで安定した需要が続きましたが、建築用途向けは競争激化により、減収となりました。
建築材料事業は、止水材料の販売や、止水工事が引き続き好調に推移しましたが、ウレタン系防水材料の
販売が競争激化により低迷し、前期並みとなりました。
特殊化学品事業は、医薬品分野で好調に推移しましたが、その他の分野で海外顧客での在庫調整があり、前期並みとなりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、125億94百万円となり、前期比2億9百万円(1.6%)の減収、となりました。
[基礎化学品セグメント]
過酸化水素事業は、過酸化水素の誘導品や、その他工業薬品の需要が減少しましたが、紙パルプ、及び環境分野向けの過酸化水素が堅調に推移したことにより、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、67億19百万円となり、前期比48百万円(0.7%)の増収、となりました。
[アグロサイエンスセグメント]
農薬事業は、家庭園芸用除草剤等で前期並みに推移しましたが、殺虫剤で顧客の在庫調整があり、減収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、47億円となり、前期比92百万円(1.9%)の減収、となりました。
[物流関連セグメント]
物流関連事業は、輸出入事業や、倉庫事業が堅調に推移し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は、19億48百万円となり、前期比1億83百万円(10.4%)の増収、となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、61億75百万円となり、前期末比4億79百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費18億23百万円、税金等調整前当期純利益6億62百万円、のれん償却額5億35百万円、仕入債務の減少4億40百万円等により、23億22百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出15億94百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出4億10百万円、定期預金の払戻による収入11億66百万円等により、
7億80百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れの返済による支出14億49百万円、配当金の支払額3億93百万円等により、18億80百万円の支出となりました。