有価証券報告書-第110期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 11:20
【資料】
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【項目】
133項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済活動の停滞により厳しい状況となりました。新型コロナウイルスワクチンの接種が開始されましたが効果が出てくるまでには至っておらず、再度の感染拡大の懸念などもあり、引き続き予断を許さない状況が続いていくと思われます。海外経済におきましては、一部の国では経済活動再開の動きもありますが、依然として多くの国々で新型コロナウイルス感染症により経済活動が停滞しており、米中の貿易摩擦、世界的な半導体の供給不安などもあり、先行き不透明な状況で推移するものと思われます。
このような環境の下、当連結会計年度の売上高は494億98百万円(前年同期比6.8%減)となり、営業利益は16億20百万円(同7.4%減)、経常利益は18億98百万円(同4.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億20百万円(同1.2%減)となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ29億81百万円(前連結会計年度末比5.9%)増加し、537億95百万円となりました。
・流動資産
売上債権や在庫の増加などの結果、前連結会計年度末と比べ25億56百万円(同8.4%)増加し、328億57百万円となりました。
・固定資産
投資有価証券の増加などの結果、前連結会計年度末と比べ4億25百万円(同2.1%)増加し、209億38百万円となりました。
・流動負債
仕入債務の増加などの結果、前連結会計年度末と比べ26億3百万円(同23.3%)増加し、137億83百万円となりました。
・固定負債
退職給付に係る負債の増加などの結果、前連結会計年度末と比べ2億60百万円(同8.0%)増加し、35億7百万円となりました。
・純資産
利益剰余金の増加などの結果、前連結会計年度末と比べ1億19百万円(同0.3%)増加し、365億5百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の66.3%から63.0%へと3.3ポイント減少となり、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末より4円98銭増加し、1,064円12銭となりました。
② 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・売上高
当連結会計年度における売上高は、上期は新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による景気減速の影響で需要が落ち込みました。下期には回復が見られ、年度を通して電子材料事業、合成樹脂事業においては堅調に売上を伸ばしたものの、主力であるコーティング事業や塗料事業は低調に推移し、全体では売上高は減少いたしました。
このような環境の下、前連結会計年度末対比36億9百万円(前連結会計年度末比6.8%)減少し、494億98百万円となりました。
・営業利益
営業利益は前連結会計年度末対比1億30百万円(前連結会計年度末比7.4%)減少し、16億20百万円となりました。これは主に塗料事業において収益性を伸ばせなかったことによるものです。
・営業外損益
営業外収益は前連結会計年度末対比99百万円(前連結会計年度末比20.6%)減少し、3億82百万円となりました。これは主に持分法による投資利益が減少したことや前期に非連結子会社の清算に伴う受取配当金があったことによるものです。
営業外費用は前連結会計年度末対比1億37百万円(前連結会計年度末比56.7%)減少し、1億5百万円となりました。これは主に為替差損が減少したことによるものです。
・経常利益
上記の結果、経常利益は前連結会計年度末対比93百万円(前連結会計年度末比4.7%)減少し、18億98百万円となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度対比14百万円(前連結会計年度末比1.2%)減少し、12億20百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
・コーティング
プラスチック用コーティング材(『レクラック』・『フジハード』など)を取扱うコーティング部門におきましては、上期は新型コロナウイルス感染症の影響により、主力の自動車向け塗料の販売が、国内、海外ともに低調に推移いたしました。下期は自動車生産台数の回復等に伴い需要が堅調に推移いたしましたが、上期の不振を補うまでには至らず、通期の売上は前年割れとなりました。また、非自動車分野におきましては、巣ごもり需要等によりホビー用塗料の需要が堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は187億53百万円(同15.2%減)となり、営業利益は5億80百万円(同7.4%増)となりました。
・塗料
建築用塗料を取扱う塗料部門におきましては、集合住宅リフォーム用の新製品の販売を開始するなど、売上の確保に努めましたが、新型コロナウイルス感染症による住宅展示場の営業自粛やリフォーム工事数の減少により新築用塗料、リフォーム用塗料ともに需要が低調に推移いたしました。
この結果、売上高は116億74百万円(同12.3%減)となり、営業利益は5億51百万円(同36.0%減)となりました。
・電子材料
導電性ペースト材(『ドータイト』)などを取扱う電子材料部門におきましては、テレワークの浸透によりパソコン向け製品やIOT家電向け製品の需要が堅調に推移いたしました。また、自動車生産台数の回復に伴い車載用製品の需要が堅調に推移いたしました。
この結果、売上高は36億95百万円(同22.4%増)となり、営業利益は1億77百万円(同16.5%増)となりました。
・化成品
『アクリベース』の商品名で販売する機能材料やトナー用レジン、メディカル材料などを取扱う化成品部門におきましては、テレワークが浸透し、オフィスのペーパーレス化が進んだことにより、トナー用レジンの販売が低調に推移いたしました。また、メディカル材料分野におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響による検査数の減少等があり、主力の診断薬の需要が低調に推移いたしました。
この結果、売上高は34億24百万円(同13.5%減)となり、営業利益は1億58百万円(同50.0%減)となりました。
・合成樹脂
子会社藤光樹脂株式会社などが取扱うアクリル樹脂の原材料・加工品の販売におきましては、飛沫防止用のアクリル板パネルや液晶テレビ関連製品の需要が堅調に推移いたしましたが、カーエレクトロニクス分野向け製品の需要が低調に推移いたしました。
この結果、売上高は120億28百万円(同11.5%増)となり、営業利益は1億54百万円(前連結会計年度は営業損失1億19百万円)となりました。
その他生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
・生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コーティング(百万円)16,27785.0
塗料(百万円)4,37685.6
電子材料(百万円)3,145124.1
化成品(百万円)3,09188.3
合計(百万円)26,88888.7

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
・商品仕入実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
合成樹脂(百万円)11,274108.1
合計(百万円)11,274108.1

・受注実績
当社グループは、主として見込生産によっていますので、受注ならびに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
・販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
コーティング(百万円)18,75384.8
塗料(百万円)11,67487.7
電子材料(百万円)3,695122.4
化成品(百万円)3,42486.5
合成樹脂(百万円)11,952111.8
合計(百万円)49,49893.2

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ19百万円減少し、117億82百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
・営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払が7億41百万円であったものの、税金等調整前当期純利益18億98百万円や減価償却費14億47百万円などにより、15億94百万円の収入(前連結会計年度は16億5百万円の収入)となりました。
・投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出12億21百万円、子会社株式の取得による支出3億54百万円などにより、10億75百万円の支出(前連結会計年度は17億22百万円の支出)となりました。
・財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加により3億47百万円の収入があったものの、配当金により5億9百万円の支出などがあったため、3億82百万円の支出(前連結会計年度は8億29百万円の支出)となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは石化原料及び鉱物資源材の購入の他、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費であり、投資を目的とした資金需要は設備投資と関連する設備維持費用等によるものであります。
当社グループは投機的な取引は行わず、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としており、一時的な余資は安全性の高い金融資産で運用し、短期的な運転資金を銀行借入により調達しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は32億円となっております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は決算日に計上すべき資産・負債及び収益・費用の額に不確実性がある場合において、入手可能な情報に基づいて合理的な金額を見積る必要があります。見積りは過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っており、前提条件や事業環境等に変化が見られた場合には見積りと将来の実績に乖離が生じることもあります。
当社グループの財政状態及び経営成績に対して、重要な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症が見積りに及ぼす影響については、依然として収束の見通しはたっていないものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断及び見積りの変更は見込んでおりません。
・固定資産の減損
当社グループでは、固定資産の減損に係る会計基準等に従って減損の兆候判定を行い、兆候があると判断した場合には、将来キャッシュ・フロー等を算定し減損損失の認識・測定を行っています。経営環境や事業の状況の著しい変化等により収益性が低下し、十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、対象資産に対する減損損失の計上により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
・繰延税金資産
当社グループは現在、一定期間における回収可能性に基づき相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は、予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。将来の課税所得の見積りにあたっては、過去の業績やタックス・プランニング等も考慮しており、将来の収益性に係る判断は市場の動向その他の要因により影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に悪影響を与える可能性があります。
・確定給付費用及び確定給付制度債務
当社グループ従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は割引率、退職率及び死亡率等、年金数理計算上の基礎率に基づいて算定しております。数理計算上の算定には、割引率や利息の純額等の変数についての一定の仮定に基づく判断が求められますが、その適切性については外部の年金数理人からの助言を得ております。
数理計算上の算定は経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標の達成・進捗状況について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本当期純利益率(ROE)」及び「総資産事業利益率(ROA)」を重要な指標として位置付けております。
当連結会計年度における「自己資本当期純利益率(ROE)」は3.6%、「総資産事業利益率(ROA)」は3.3%でした。引き続きこれらの指標について、目標値を超えるよう取り組んでまいります。

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