有価証券報告書-第83期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 10:09
【資料】
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【項目】
132項目

対処すべき課題

当社グループでは、酸化鉄から出発したビジネスを中心に高付加価値化を進めてまいりました。当社を取り巻く事業環境は大きく変化しており、未だ先行きの不透明感が拭えておらず、このような状況下、持続的に発展する優れた「もの作り企業」である素材メーカーとして、より強固な経営基盤を確立し、高収益体質への転換に取り組み営業利益率の改善を最優先課題と認識し取り組んでおります。それを実現すべく中期経営計画TSO(Toda Step One)として活動してきたものを、2016年度より確実に定着・発展するために新たにTS2(Toda Step Two)として本活動を全社的に推し進め、販売の拡大、原価の低減、持分法損益の改善、販売管理費の削減等を実施してまいります。
ここ数年来、酸化鉄で培った技術を他の素材にも展開し、リチウムイオン電池正極材料、電子部品用材料等へ経営資源を積極的に投入し、新規事業の基盤整備を推し進めてまいりました。その中で電池事業の再構築のため、前連結会計年度においては、日本国内にリチウムイオン電池正極材料を展開する合弁会社「BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社」を設立し、また持分法適用の非連結子会社であった北米の電池事業グループ会社については当連結会計年度より、その支配が一時的であると認められなくなったことから連結の範囲に含めております。連結の範囲に含める際、新たに事業用資産の再評価を行い、財務体質の強化及び健全化を積極的に行っております。
さらに今後大きな成長が見込める事業には積極的に取り組んでいくものの、将来的に期待できない市場、競争が激化する市場においては、事業及び設備投資の選択と集中を行い、徹底したコスト削減を図り、利益確保を目指してまいります。
また、昨今の自然災害等においても安定供給が行えるよう設備投資やBCP対策などを計画的に進めており、さらに品質保証・内部統制および環境問題は化学メーカーとして存続していくためには避けては通れない重要な課題と捉えており、引き続き対応を強化してまいります。