有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/24 9:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に移行したことで、経済活動は正常化に向かい、個人消費や輸出に持ち直しの動きが見られましたが、世界的な設備投資意欲の減退など依然として厳しい状況となりました。世界経済は、米国景気は底堅い一方、欧州は景気減速傾向にあり、また中国は輸出の低迷や不動産市況悪化の影響等により景気回復が遅れております。加えて、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や中東地域をめぐる情勢の悪化による資源エネルギー価格の高止まり・物価上昇など、先行き不透明な状況にあります。
化学業界におきましては、為替相場は、米国のインフレ率の鈍化や日銀による金融政策正常化への期待の高まりなどから円が反発する場面もありましたが、年間を通して米欧の長期的な金融引き締め観測から円安方向に推移しておりました。原油価格は世界的な景気の鈍化はあるものの中東情勢の緊迫化を背景に上昇基調を示しており、また中国の内需不振に加え中国製品の供給過剰により日本およびアジアマーケットにおける価格競争が激化するなど、事業環境は予断を許さない状況にあります。
このような環境下における当連結会計年度の売上高は、販売量の減少などにより1,595億1千万円(前期比8.8%減)となりました。利益面では、販売量の減少や新基幹システム稼働に伴う減価償却費の増加などにより営業利益は48億8千6百万円(前期比39.8%減)、経常利益は81億8千6百万円(前期比17.5%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は子会社における減損損失の計上や高吸水性樹脂事業及び中国における生産事業からの撤退に係る損失(事業構造改革費用)の計上などにより85億1百万円(前期は56億8千4百万円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<生活・健康産業関連分野>生活産業関連分野は、液体洗濯洗剤用界面活性剤及びポリエチレングリコールが国内外ともに市況が低迷し需要が減少したため、売上高は減少しました。
健康産業関連分野は、高吸水性樹脂が日本及びアジアで販売数量が減少し、売上高は大幅に減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は458億9千5百万円(前期比19.6%減)、営業損失は14億2千1百万円(前期は2千3百万円の利益)となりました。
<石油・輸送機産業関連分野>石油・輸送機産業関連分野は、自動車シートなどに使われるポリウレタンフォーム用原料が海外安価品の流入により低調でしたが、潤滑油添加剤、自動車内装表皮材用ウレタンビーズが好調に推移したため、売上高は順調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は504億7千9百万円(前期比4.6%増)、営業利益は28億1千9百万円(前期比4.0%減)となりました。
<プラスチック・繊維産業関連分野>プラスチック産業関連分野は、永久帯電防止剤が電子部品需要低迷のため低調となり、塗料コーティング用薬剤・添加剤も需要が減少し売上高は減少しました。
繊維産業関連分野は、風力発電用風車向けの炭素繊維用薬剤が低調に推移し、またタイヤコード糸等の製造時に使用される油剤の需要回復が遅れており、売上高は低調に推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は252億3千5百万円(前期比10.4%減)、営業利益は23億6千7百万円(前期比14.9%減)となりました。
<情報・電気電子産業関連分野>情報産業関連分野は、トナー関連材料の需要が減少したものの、原料価格高騰等による価格改定により売上高は横ばいとなりました。
電気電子産業関連分野は、半導体市場の回復により関連材料の売り上げが増加しましたが、アルミ電解コンデンサ用電解液が民生用の不調により、低調に推移し売上高は減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は228億7千万円(前期比1.3%減)、営業利益は18億3千1百万円(前期比27.0%減)となりました。
<環境・住設産業関連分野他>環境産業関連分野は、高分子凝集剤用のカチオンモノマーの需要が低迷したため、売上高は低調に推移しました。
住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料及び建築シーラント用原料の販売が減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は150億3千万円(前期比17.8%減)、営業利益は5億3千9百万円(前期比60.7%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー10,85219,8148,962
投資活動によるキャッシュ・フロー△10,172△6,2643,908
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,336△4,006△1,669
現金及び現金同等物に係る換算差額193601408
現金及び現金同等物の増減額△1,46210,14511,608
現金及び現金同等物の期末残高17,04227,18810,145

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末残高と比較し101億4千5百万円増加し、271億8千8百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、198億1千4百万円(前期は108億5千2百万円の増加)となりました。これは、事業構造改革費用120億5千9百万円、減価償却費108億2千8百万円、仕入債務の増加34億1千6百万円、売上債権の減少12億8千8百万円、在庫削減努力による棚卸資産の減少12億8千1百万円などによる資金の増加が、税金等調整前当期純損失73億4千6百万円、法人税等の支払額26億6千8百万円などによる資金の減少を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、62億6千4百万円(前期は101億7千2百万円の減少)となりました。これは、固定資産の取得に70億4千2百万円を支出したことなどによるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた「フリーキャッシュ・フロー」は、135億5千万円の増加(前期は6億7千9百万円の増加)と大幅に良化しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、40億6百万円(前期は23億3千6百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払額37億5千4百万円、長期借入金の返済による支出4億9千万円による資金の減少などによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比
(%)
金額(百万円)
生活・健康産業関連分野51,212△15.4
石油・輸送機産業関連分野47,8458.4
プラスチック・繊維産業関連分野27,033△3.9
情報・電気電子産業関連分野23,018△11.6
環境・住設産業関連分野他15,137△19.9
合計164,246△7.6

(注)1.生産金額は、平均販売価格により計算しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.生産実績には委託生産品(商品仕入高)を含んでおりません。
(b)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注生産方式ではなく、主として見込生産を行っております。
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前期比
(%)
金額(百万円)
生活・健康産業関連分野45,895△19.6
石油・輸送機産業関連分野50,4794.6
プラスチック・繊維産業関連分野25,235△10.4
情報・電気電子産業関連分野22,870△1.3
環境・住設産業関連分野他15,030△17.8
合計159,510△8.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、販売量の減少などにより、1,595億1千万円(前期比8.8%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前期比124億8千6百万円減少し、売上原価率は前連結会計年度と変わらず81.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、前期比2億6千万円増加し、対売上高比率は前連結会計年度の13.8%から15.3%へ1.5ポイント増加しました。
研究開発費は、前期比4億6千8百万円減少し、対売上高比率は前連結会計年度と変わらず3.3%となりました。
(営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純損益)
営業利益は、48億8千6百万円(前期比39.8%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度の4.6%から3.1%へ1.5ポイント減少しました。
経常利益は、81億8千6百万円(前期比17.5%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、85億1百万円(前期は56億8千4百万円の利益)となりました。
②財政状態の分析
(流動資産)
流動資産は、現金及び預金が101億2千5百万円増加しましたが、商品及び製品が2億8千万円、原材料及び貯蔵品が13億7千4百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて86億4百万円増加し、1,059億2千9百万円となりました。
(固定資産)
固定資産は、投資有価証券が31億2千6百万円増加しましたが、有形固定資産が83億1千3百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて49億6千8百万円減少し、998億8千9百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、買掛金が32億9千4百万円増加、未払金が26億6千3百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて65億8千1百万円増加し、535億1千9百万円となりました。
(固定負債)
固定負債は、事業構造改革引当金47億6百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて44億7千1百万円増加し、107億2千万円となりました。
流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は524億1千万円、流動比率は197.9%となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ74億1千7百万円減少し、1,415億7千7百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末の72.2%から4.6ポイント減少し67.6%となりました。また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末の6,617.11円から6,295.31円と321.80円減少しました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは付加価値の高いパフォーマンス・ケミカルス(=機能化学品)の製造・販売を通じて、一定水準の営業キャッシュ・フローを毎期、安定して計上しています。
パフォーマンス・ケミカルスは、新興国の生活水準向上等による海外需要が増加しており、当社グループでは「グローバル化」を重要施策と位置付け、最近では東南アジアにおける製造拠点新設や設備増強を図っています。
グループ会社の資金については当社にて一元管理しており、必要に応じて当社より資金を融通しております。また、投資資金については、営業活動により得られたキャッシュ・フローや金融機関からの借入による調達を基本としており、今後についても同様の方針で取組む予定です。
当社では、グループ内の資金効率化を図るとともに、投資計画の妥当性を考慮した資金活用を判断することで、財務体質の改善や企業価値向上に繋げていく所存です。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは2023年当初の目標として連結売上高1,800億円、連結営業利益100億円、連結経常利益110億円、親会社株主に帰属する当期純利益65億円を掲げておりました。
当連結会計年度の売上高は販売量の減少などにより1,595億1千万円(前期比8.8%減)、営業利益は48億8千6百万円(前期比39.8%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は子会社における減損損失の計上や事業構造改革費用の計上などにより85億1百万円(前期は56億8千4百万円の利益)となり、ROEは△6.0%(前期比9.9ポイント減)になりました。
2025年3月期は社会・経済活動の正常化による景気回復が期待されますが、地政学リスクの顕在化により、原料価格動向や為替動向などは益々予断を許さない状況が続くと予想されます。
このような状況のもと、当社グループの2025年3月期の連結業績については、事業構造改革に伴う利益良化ならびに高付加価値製品の拡販等により、売上高1,450億円、営業利益80億円、経常利益95億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億円を見込んでおります。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。当社が採用しております会計方針の内、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況」の 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しておりますのでご参照ください。

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