有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/16 13:22
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得の改善を背景に緩やかな持ち直しが見られました。一方で、米国の関税政策の影響や日中関係の緊張の高まりに加え、中東情勢の緊迫化によるエネルギー価格の急騰や海上輸送の混乱もあり、予断を許さない状況にあります。為替相場は、期初は米国の通商政策を巡る不透明感等から円高が進行しましたが、その後は日米金利差の動向に加え、中東情勢の影響等も受け、円安基調となりました。また、原油価格は、OPECプラスの生産方針や需要見通し等を背景に期中は弱含みで推移しましたが、年度末にかけて中東情勢を巡る供給懸念などを受けて急上昇し、その後も高水準で推移しました。
世界経済は、米国の通商政策を背景とした景気減速や中国経済の停滞、ロシア・ウクライナ情勢の長期化に加え、中東情勢の不安定化等により、先行きは極めて不透明な状況にあります。
化学業界におきましては、中国の内需不振と供給過剰を背景に中国製品の日本およびアジアマーケットへの流入が続いており、国内の石油化学事業では競争力強化に向けた事業再編や連携が進展するなど、事業環境は不可逆的な変化に晒されております。加えて、中東情勢を背景とした原油・ナフサ等の原料市況の変動や海上輸送コストの上昇等により、サプライチェーンの不確実性が高まっております。
こうした事業環境のもと、当社は『新中期経営計画2025』で掲げた高付加価値事業への転換を図る事業ポートフォリオ改革の実行を通じた基盤事業の収益力強化に取り組みました。加えて、サプライチェーン全体の効率化を目的とする「ものづくり大改革」の継続的な推進や、生産設備の統廃合・集約化に取り組む「生産設備改革」の推進等にも注力いたしました。
このような環境下における当連結会計年度の売上高は、高吸水性樹脂事業からの撤退や安価な中国製品との競争激化の影響などにより1,278億5千9百万円(前期比10.1%減)となりました。利益面では、半導体分野の好調に加え、上記事業撤退による収益性改善やサプライチェーン全体の効率化などにより営業利益は100億7百万円(前期比18.6%増)、経常利益は122億5千6百万円(前期比26.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は当社の連結子会社であったSDPグローバル株式会社の吸収合併に伴い、同社より引き継いだ税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異等について、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等及び法人税等調整額を含む税金費用(益)を計上したことなどにより156億3千7百万円(前期比276.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<生活・健康産業関連分野>生活産業関連及び健康産業関連分野は、高吸水性樹脂事業からの撤退に伴い、売上高は大幅に減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は175億6千1百万円(前期比42.8%減)、営業損失は1億6千7百万円(前期は1億7千6百万円の営業利益)となりました。
<石油・輸送機産業関連分野>石油産業関連分野は、潤滑油添加剤の需要は堅調に推移しているものの、前期に一時的な需要増があったことにより、売上高は横ばいとなりました。
輸送機産業関連分野は、自動車シートなどに使用されるポリウレタンフォーム用原料が海外安価品の攻勢により事業環境の厳しさが増したことで、国内外向けともに低調となり、売上高は減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は483億2千8百万円(前期比1.8%減)、営業利益は56億2千8百万円(前期比41.4%増)となりました。
<プラスチック・繊維産業関連分野>プラスチック産業関連分野は、永久帯電防止剤の需要が回復し堅調に推移しましたが、塗料・コーティング用薬剤が低調に推移したことから、売上高は減少しました。
繊維産業関連分野は、自動車内装向け合成皮革用・弾性繊維用ウレタン樹脂の需要は回復したものの、風力発電用風車向けの炭素繊維用薬剤が低調となり、売上高は横ばいとなりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は265億6百万円(前期比1.2%減)、営業利益は24億3千6百万円(前期比15.0%減)となりました。
<情報・電気電子産業関連分野>情報産業関連分野は、トナーバインダーの需要が回復傾向にあり、売上高は増加しました。
電気電子産業関連分野は、アルミ電解コンデンサ用電解液がEV市場の回復遅れにより車載用途が低調であったものの、非車載用途の需要増に伴い好調に推移したことに加え、半導体市場が堅調に推移したことにより関連材料が売り上げを伸ばし、売上高は増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は225億1千7百万円(前期比7.7%増)、営業利益は35億9千5百万円(前期比42.0%増)となりました。
<環境・住設産業関連分野他>環境産業関連分野は、高分子凝集剤用のカチオンモノマーが好調に推移したものの、重金属固定化剤の需要低迷により、売上高は横ばいとなりました。
住設産業関連分野は、家具・断熱材などに用いられるポリウレタンフォーム用原料が海外安価品の攻勢により事業環境の厳しさが増したことで、売上高は大幅に減少しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は129億4千4百万円(前期比11.3%減)、営業損失は1億2千4百万円(前期は4百万円の営業利益)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態の状況については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②財政状態の分析」に含めて記載しております。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末残高と比較し103億6千8百万円増加し、343億7千8百万円となりました。
前連結会計年度
(百万円)
当連結会計年度
(百万円)
増減
(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー13,92520,2066,280
投資活動によるキャッシュ・フロー△5,079△5,682△602
財務活動によるキャッシュ・フロー△11,895△5,1736,722
現金及び現金同等物に係る換算差額△128648776
現金及び現金同等物の増減額△3,1779,99813,176
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額-369369
現金及び現金同等物の期末残高24,01034,37810,368

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、202億6百万円(前期は139億2千5百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純利益105億1千9百万円、減価償却費91億1千7百万円、売上債権の減少30億1千3百万円などによる資金の増加が、仕入債務の減少20億2千6百万円、事業構造改革に伴う支払額13億2千7百万円、法人税等の支払額15億7千6百万円などによる資金の減少を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、56億8千2百万円(前期は50億7千9百万円の減少)となりました。これは、固定資産の取得に62億4千8百万円を支出したことなどによるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いた「フリーキャッシュ・フロー」は、145億2千4百万円の増加(前期は88億4千6百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、51億7千3百万円(前期は118億9千5百万円の減少)となりました。これは、配当金の支払い37億5千8百万円、長期借入金の返済7億9千1百万円による資金の減少などによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比
(%)
金額(百万円)
生活・健康産業関連分野17,849△42.2
石油・輸送機産業関連分野43,571△2.9
プラスチック・繊維産業関連分野27,630△1.4
情報・電気電子産業関連分野22,5982.4
環境・住設産業関連分野他12,857△11.8
合計124,507△11.3

(注)1.生産金額は、平均販売価格により計算しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.生産実績には委託生産品(商品仕入高)を含んでおりません。
(b)受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は、受注生産方式ではなく、主として見込生産を行っております。
(c)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前期比
(%)
金額(百万円)
生活・健康産業関連分野17,561△42.8
石油・輸送機産業関連分野48,328△1.8
プラスチック・繊維産業関連分野26,506△1.2
情報・電気電子産業関連分野22,5177.7
環境・住設産業関連分野他12,944△11.3
合計127,859△10.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上である販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、販売量の減少などにより、1,278億5千9百万円(前期比10.1%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、前期比155億1千1百万円減少し、売上原価率は前連結会計年度の77.5%から74.1%へ3.4ポイント減少しました。
販売費及び一般管理費は、前期比4億5千6百万円減少し、対売上高比率は前連結会計年度の16.6%から18.1%へ1.5ポイント増加しました。
研究開発費は、前期比1億1千6百万円増加し、対売上高比率は前連結会計年度の3.6%から4.1%へ0.5ポイント増加しました。
(営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
営業利益は、100億7百万円(前期比18.6%増)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度の5.9%から7.8%へ1.9ポイント増加しました。
経常利益は、122億5千6百万円(前期比26.7%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、156億3千7百万円(前期比276.6%増)となりました。
②財政状態の分析
(流動資産)
流動資産は、受取手形及び売掛金が25億1千3百万円、商品及び製品が10億1千4百万円減少しましたが、現金及び預金が99億9千2百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて64億5千2百万円増加し、913億9千5百万円となりました。
(固定資産)
固定資産は、有形固定資産が14億4千5百万円減少しましたが、投資有価証券が136億6千4百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて127億7百万円増加し、1,041億3千1百万円となりました。
(流動負債)
流動負債は、買掛金が14億5千万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて5億6千9百万円減少し、297億6千2百万円となりました。
(固定負債)
固定負債は、繰延税金負債が28億7百万円、事業構造改革引当金が11億9千7百万円減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて45億2千3百万円減少し、32億7百万円となりました。
流動資産から流動負債を差し引いた運転資本は616億3千2百万円、流動比率は307.1%となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が119億7千3百万円、その他有価証券評価差額金が97億4千8百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ242億5千3百万円増加し、1,625億5千6百万円となりました。自己資本比率は、前連結会計年度末の76.8%から4.6ポイント増加し81.4%となりました。また、1株当たり純資産は、前連結会計年度末の6,119.90円から7,198.31円と1,078.41円増加しました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは、付加価値の高いパフォーマンス・ケミカルズ(機能化学品)の製造・販売を通じて、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。当連結会計年度においては、事業構造改革の進捗やサプライチェーン全体の効率化に加え、情報・電気電子分野を中心とした需要の堅調さ等を背景に収益性が改善し、営業活動によるキャッシュ・フローは202億6百万円の増加となりました。
資金調達については、営業活動によるキャッシュ・フローを基本としつつ、資金需要の発生状況や市場環境等を踏まえ、必要に応じて金融機関からの借入等を機動的に活用していく方針です。また、グループ会社の資金は当社が一元的に管理し、必要に応じて資金を融通することで、グループ全体の資金効率化と資金需要の平準化を図っています。
流動性リスクへの対応としては、原料価格・為替動向、地政学リスク等の事業環境の不確実性を踏まえ、手元流動性の確保に努めるとともに、金融機関との良好な取引関係の維持・強化等により、資金調達余力を確保しています。これらを通じて、財務健全性を維持しつつ、構造改革の着実な遂行および企業価値の向上に繋げていく所存です。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは当連結会計年度の当初目標として連結売上高1,300億円、連結営業利益100億円、連結経常利益110億円、親会社株主に帰属する当期純利益80億円を掲げておりました。結果については以下のとおりです。
売上高は高吸水性樹脂事業からの撤退や安価な中国製品との競争激化の影響などにより1,278億5千9百万円(前期比10.1%減)となりました。利益面では、半導体分野の好調に加え、上記事業撤退による収益性改善やサプライチェーン全体の効率化などにより営業利益は100億7百万円(前期比18.6%増)、経常利益は122億5千6百万円(前期比26.7%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は当社の連結子会社であったSDPグローバル株式会社の吸収合併に伴い、同社より引き継いだ税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異等について、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、法人税等及び法人税等調整額を含む税金費用(益)を計上したことなどにより156億3千7百万円(前期比276.6%増)となり、ROEは10.6%(前期比7.6ポイント増)になりました。
今後の見通しにつきましては、わが国経済は内需主導で緩やかな回復基調が継続すると見込まれます。一方、世界的には米国の関税政策の動向やロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東地域を巡る地政学リスク等による先行き不透明な状況が続くと予想されます。また、事業環境としても上記状況の他、中国における汎用石油化学品の過剰生産による競争激化に加え、原料価格動向や為替動向など予断を許さない状況が続くと想定されます。
このような環境の中、翌連結会計年度の連結業績見通しにつきましては、中東情勢の緊迫化により原料調達や販売数量等への影響が発生する可能性がありますが、現段階では状況が流動的であり、合理的な影響を把握することは困難であるため、業績見通しには織り込んでいません。一方、売上高は、原材料価格上昇分の価格転嫁などを織り込むことで1,500億円(前期比17.3%増)となる見込みです。また、営業利益は、構造改革や高付加価値製品の拡販による増益効果が見込まれるものの、成長事業への先行投資に伴う費用増等もあり、前期並みの100億円(前期比0.1%減)を見込んでおります。経常利益は、為替差益の減少などにより115億円(前期比6.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、税金費用減少の影響がなくなることなどにより90億円(前期比42.4%減)を予想しております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。当社が採用しております会計方針の内、重要となる事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますのでご参照ください。

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