四半期報告書-第158期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)

【提出】
2021/08/06 16:00
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期連結会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間は、新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置の延長と拡大により、経済活動が抑制され停滞しました。ワクチン接種が進む中、政府の各種政策や海外の経済環境改善で景気の回復が期待されます。
自動車生産台数の回復や半導体市場の活況が素材メーカーの業績を押し上げる傾向にあります。一方で、原油・ナフサ等の原料価格の上昇や物流コストの高騰は懸念材料です。旺盛な需要に応えるため、素材各社は製品の値上げを相次いで発表しています。
このような環境下、当社は中期経営計画「FELIZ 115」をスタートさせ2年目に入りました。昨年は、計画に掲げた事業ポートフォリオの再構築に着手しました。「アクチャル」と呼ぶ既存事業の収益が大幅に改善しました。「ネクスト」とした既存の周辺事業は充実度合いが増しています。「ドリーム」であるライフサイエンス事業では、1月に掲載された国際学術誌への反響、期待が高まっています。4月には、体制、特に研究部門の組織・人事強化を図りました。DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する部門も立ち上げました。DXで人と人をつなぎ、顧客を軸としたマーケティングの強化を図ります。FELIZ(幸福)計画に掲げた重点施策を着実に進めてまいります。
当第1四半期連結累計期間の業績といたしましては、『機能材料』セグメントの光硬化樹脂用材料は大きく落ち込みましたが、『電子デバイス材料』セグメントの太陽電池用途の導電性ペーストが大幅に伸長しましたことや、自動車関連分野の需要の回復により、売上高は144億13百万円(前年同期比5.7%増)となりました。
損益面につきましては、営業努力による価格是正の効果が顕著となり、『機能材料』セグメントを除く他の5つのセグメントが増収を達成したうえ、営業経費の増加が最小限に止まったことやコストダウン効果により、営業利益は10億94百万円(前年同期比54.8%増)、経常利益は9億3百万円(前年同期比44.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4億90百万円(前年同期比43.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<界面活性剤>界面活性剤の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しましたが、石鹸・洗剤用途、IT・電子用途、機械・金属用途は堅調に推移しました。
海外では、繊維用途は低調に推移しましたが、ゴム・プラスチック用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は43億95百万円(前年同期比5.2%増)となりました。
営業利益は、販売価格の是正や営業経費の削減により6億9百万円(前年同期比130.8%増)となりました。
<アメニティ材料>アメニティ材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
国内では、セルロース系高分子材料は食品用途が低調に推移しましたが、エネルギー・環境用途は堅調に推移しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは香粧品用途、食品用途が低調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は19億14百万円(前年同期比10.3%増)となりました。
営業利益は、売上高の伸長や営業経費の削減により99百万円(前年同期は16百万円の利益)となりました。
<ウレタン材料>ウレタン材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
土木用薬剤は低調に推移しましたが、自動車関連分野の回復からフロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大幅に伸長しました。
機能性ウレタンは建築用途等が低調に推移しましたが、IT・電子用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は18億15百万円(前年同期比8.8%増)となりました。
当セグメントは売上高の伸長はありましたが、新規製品や新規用途の開発の遅延が響き25百万円の営業損失(前年同期は92百万円の損失)となりました。
<機能材料>機能材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
国内では、水系ウレタンはIT・電子用途が堅調に推移しましたが、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大きく落ち込みました。
海外では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は45億49百万円(前年同期比9.2%減)となりました。
営業利益は、難燃剤や水系ウレタンは売上高が伸長しましたが、光硬化樹脂用材料の売上高が大きく落ち込んだため4億26百万円(前年同期比28.4%減)となりました。
<電子デバイス材料>電子デバイス材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
ディスプレイ用途のイオン液体は堅調に推移し、太陽電池用途の導電性ペーストは大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は16億35百万円(前年同期比74.5%増)となりました。
営業利益は、売上高の大幅な伸長により1億19百万円(前年同期比219.3%増)となりました。
<ライフサイエンス>ライフサイエンスの売上高は、総じて堅調に推移しました。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移しました。
また、カイコ冬虫夏草から認知機能を改善する可能性を示唆する新規有用成分「ナトリード」を発見し、その機能性を本年1月に国際学術誌に論文掲載しましたことから、将来への期待が高まっております。
その結果、当セグメントの売上高は1億3百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
営業利益は、売上高は堅調に推移しましたが、営業経費がかさみ1億34百万円の営業損失(前年同期は1億14百万円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は422億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億76百万円減少しました。これは主に商品及び製品などの棚卸資産の合計が4億22百万円増加したものの、現金及び預金が14億39百万円、受取手形及び売掛金が13億42百万円減少したことなどによるものです。固定資産は408億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億43百万円減少しました。これは主に有形固定資産の合計が1億17百万円増加したものの、投資有価証券が3億94百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は831億13百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億19百万円減少しました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は213億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億96百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金が3億61百万円減少したことなどによるものです。固定負債は240億10百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億45百万円減少しました。これは主に長期借入金が14億75百万円減少したことなどによるものです。
この結果、負債合計は453億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億42百万円減少しました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は377億28百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億23百万円増加しました。これは主に株価の下落によりその他有価証券評価差額金が3億66百万円減少しましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益4億90百万円及び剰余金の配当3億56百万円などにより利益剰余金が1億19百万円、為替換算調整勘定が2億9百万円増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は41.8%(前連結会計年度末は40.7%)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億88百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。
なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。
(7) 主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。