四半期報告書-第159期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/07 16:00
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和が進み、経済活動正常化の兆しが見られました。その一方で、ウクライナ情勢の長期化、円安の進行、物価高による家計圧迫など、国内景気を下押しするリスクは未だ払拭されていません。
このような環境のもと、当社グループでは半導体をはじめとする部材の供給不足、エネルギー価格や各種原材料価格高騰における製品価格への転嫁遅れなどにより、利益確保に苦戦しました。中期経営計画「FELIZ 115」で掲げる電子・情報、環境・エネルギー分野での収益拡大と、ライフサイエンス分野の早期実績化に向け経営資源を集中します。ユニ・トップ戦略(規模を追わない独自性のある製品提供)と顧客志向を徹底し、稼ぐ力の強化をめざします。
当第3四半期連結累計期間の業績といたしましては、『機能材料』セグメントの海外向け難燃剤が大幅に伸長したことにより、売上高は490億98百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
損益面につきましては、将来に向けた研究開発費の増加や原材料価格の高騰が価格転嫁を上回るなど『界面活性剤』セグメントや『機能材料』セグメントを中心に減益となり、営業利益は9億88百万円(前年同期比73.5%減)となりました。また、営業外収支は改善しましたが、経常利益は10億79百万円(前年同期比67.2%減)となりました。これに特別損失として『ウレタン材料』セグメントの固定資産の減損処理等を行い、税金費用等を差し引きました親会社株主に帰属する四半期純損失は3億95百万円(前年同期は18億60百万円の利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<界面活性剤>界面活性剤の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、IT・電子用途、塗料・色材用途は低調に推移しましたが、機械・金属用途は堅調に推移しました。石鹸・洗剤用途は大幅に伸長しました。
海外では、ゴム・プラスチック用途は低調に推移しましたが、繊維用途は堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は144億54百万円(前年同期比3.8%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け13億75百万円(前年同期比31.7%減)となりました。
<アメニティ材料>アメニティ材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
国内では、セルロース系高分子材料はエネルギー・環境用途が低調に推移しました。ショ糖脂肪酸エステルは食品用途が堅調に推移し、ビニル系高分子材料はゴム・プラスチック用途が堅調に推移しました。
海外では、ショ糖脂肪酸エステルは食品用途、香粧品用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は61億34百万円(前年同期比3.0%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受けたことに加え、営業経費がかさみ88百万円(前年同期比79.2%減)となりました。
<ウレタン材料>ウレタン材料の売上高は、総じて堅調に推移しました。
公共工事に関連する土木用薬剤は大きく落ち込みましたが、フロン規制に関連する環境配慮型の合成潤滑油は大幅に伸長しました。
機能性ウレタンはIT・電子用途が堅調に推移しました。
その結果、当セグメントの売上高は64億99百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受け2億26百万円の営業損失(前年同期は41百万円の利益)となりました。
<機能材料>機能材料の売上高は、総じて大幅に伸長しました。
国内では、水系ウレタンはIT・電子用途が低調に推移しましたが、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長し、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長しました。
海外では、難燃剤はゴム・プラスチック用途が大幅に伸長し、光硬化樹脂用材料はIT・電子用途が大幅に伸長しました。
その結果、当セグメントの売上高は169億42百万円(前年同期比17.8%増)となりました。
営業利益は、原材料価格高騰の影響を受けたことに加え、研究開発費を中心に営業経費がかさみ2億8百万円(前年同期比80.1%減)となりました。
<電子デバイス材料>電子デバイス材料の売上高は、総じて大きく落ち込みました。
ディスプレイ用途のイオン液体、太陽電池用途の導電性ペーストが大きく落ち込みました。
その結果、当セグメントの売上高は46億93百万円(前年同期比18.4%減)となりました。
営業利益は、売上高が大きく落ち込んだことにより1億47百万円(前年同期比74.8%減)となりました。
<ライフサイエンス>ライフサイエンスの売上高は、前年同期と比べ25百万円増加し、3億74百万円(前年同期比7.3%増)となりました。新ブランド『天虫花草®』の販売を開始し、ブランドの認知向上を進めています。健常者及び軽度認知障害者に対する臨床試験において、ナトリード®含有のカイコハナサナギタケ冬虫夏草摂取による認知機能改善効果を確認しました。この研究成果をもとに機能性表示食品届出のフェーズに移行し、新たな商品開発に取り組みます。
医薬品添加物や天然素材からの抽出物の濃縮化、粉末化による健康食品等の受託事業は堅調に推移しました。
営業利益は、売上高は伸長しましたが、ブランドイメージを確立するための営業経費が先行したことにより6億5百万円の営業損失(前年同期は3億87百万円の損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は483億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ18億50百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が38億90百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が21億69百万円増加したほか、商品及び製品などの棚卸資産の合計が18億93百万円増加したことなどによるものです。固定資産は394億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億52百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の合計が6億36百万円減少したことなどによるものです。
この結果、総資産は878億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億98百万円増加しました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は234億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億62百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金が15億17百万円増加したことや、短期借入金が3億83百万円増加したことなどによるものです。固定負債は254億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億1百万円増加しました。これは主に、長期借入金が16億3百万円増加したことなどによるものです。
この結果、負債合計は489億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億63百万円増加しました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は389億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億65百万円減少しました。これは主に、為替換算調整勘定が5億66百万円、非支配株主持分が4億98百万円増加しましたが、自己株式の取得などにより自己株式が14億66百万円増加したことや、親会社株主に帰属する四半期純損失3億95百万円及び剰余金の配当8億40百万円などにより利益剰余金が12億35百万円減少したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は39.6%(前連結会計年度末は42.5%)となりました。
(2) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23億82百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5) 従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に重要な変動はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産及び販売実績に重要な変動はありません。
なお、当社グループでは、受注生産を行っておりません。
(7) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に重要な変動はありません。