四半期報告書-第139期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当第1四半期の連結業績は、以下のとおりとなりました。
| 売上収益 | 4,463億円 | [対前年同期 | 351億円 | ( 8.5%) | 増] |
| 研究開発費 | 810億円 | [ 〃 | 58億円 | ( 7.8%) | 増] |
| 営業利益 | 496億円 | [ 〃 | 141億円 | (22.2%) | 減] |
| 税引前四半期利益 | 487億円 | [ 〃 | 113億円 | (18.8%) | 減] |
| 四半期利益 (親会社の所有者帰属分) | 246億円 | [ 〃 | 88億円 | (26.4%) | 減] |
| EPS | 31円32銭 | [ 〃 | 11円08銭 | (26.1%) | 減] |
[売上収益]
前年同期から351億円(8.5%)増収の4,463億円となりました。
・国内では高血圧症治療剤「アジルバ」や高脂血症治療剤「ロトリガ」の売上が前年同期から大幅に伸長しました。海外では、昨年より各国で販売を開始した潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「エンティビオ」が順調に売上を伸ばしており、米国での多発性骨髄腫治療剤「ベルケイド」、逆流性食道炎治療剤「デクスラント」も伸長しました。一方、高血圧症治療剤カンデサルタン(国内製品名:「ブロプレス」)をはじめとした大型製品は、後発品の浸透による減収となり、全体では351億円の増収となりました。
医療用医薬品の主要品目の売上収益は下記のとおりです。
| 多発性骨髄腫治療剤 「ベルケイド」 | 423億円 | 対前年同期 | 70億円 | (19.9%) | 増 |
| 前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤 「リュープロレリン(国内製品名:リュープリン)」 | 309億円 | 〃 | 13億円 | ( 4.5%) | 増 |
| 消化性潰瘍治療剤 「ランソプラゾール(国内製品名:タケプロン)」 | 259億円 | 〃 | 4億円 | ( 1.7%) | 増 |
| 消化性潰瘍治療剤 「パントプラゾール」 | 243億円 | 〃 | 15億円 | ( 6.0%) | 減 |
| 高血圧症治療剤 「カンデサルタン(国内製品名:ブロプレス)」 | 227億円 | 〃 | 138億円 | (37.8%) | 減 |
| 逆流性食道炎治療剤 「デクスラント」 | 188億円 | 〃 | 62億円 | (48.6%) | 増 |
| 潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤 「エンティビオ」 | 162億円 | 〃 | 157億円 | ( ― %) | 増 |
| 高血圧症治療剤 「アジルバ」 | 141億円 | 〃 | 44億円 | (45.1%) | 増 |
(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
・国内で本年2月に発売した酸関連疾患治療剤「タケキャブ」は、大塚製薬株式会社とのコ・プロモーションを通じて、順調に医療関係者への情報提供が進んでおります。国内ではさらに、本年5月、世界初の週1回経口投与の2型糖尿病治療剤「ザファテック」を発売しました。米国では、「エンティビオ」に加えて、昨年発売した大うつ病治療剤「ブリンテリックス」と肥満症治療剤「コントレイブ」の処方が着実に拡大しております。悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス」は国内および欧州で順調に売上が伸長しております。
[営業利益]
前年同期から141億円(22.2%)減益の496億円となりました。
・売上収益の増加により売上総利益は321億円(10.9%)の増益となりました。
・販売費及び一般管理費は、米国における新製品の販売促進にかかる経費の増加等により251億円(18.4%)増加しました。
・研究開発費は、58億円(7.8%)増加し、810億円となりました。
・その他の営業収益は、前年同期に有形固定資産売却益を153億円計上していたことなどにより、167億円減少しました。
[四半期利益(親会社の所有者帰属分)]
前年同期から88億円(26.4%)減益の246億円となりました。
・負債として計上している条件付対価の公正価値変動にかかる費用の減少等により金融損益が改善したものの、営業利益が減益となったことにより、四半期利益(親会社の所有者帰属分)は減益となりました。
・基本的1株当たり四半期利益(EPS)は、前年同期から11円08銭(26.1%)減少し、31円32銭となりました。
当期の実質的な成長率(注1)は、以下のとおりとなりました。
| 売上収益 | +6.1% | [対前年同期 | 257億円 | 増] |
| Core Earnings(注2) | △0.1% | [ 〃 | 1億円 | 減] |
| Core EPS(注3) | +0.0% | [ 〃 | 0円00銭 | 増] |
(注1)実質的な成長率とは、実際の事業活動のパフォーマンスを把握することを目的として、当期と前年同期の業績を共通の基準で比較するものであり、当社では目標とする経営指標として、「売上収益」、「Core Earnings」、「Core EPS」の実質的な成長率を採用しております。この成長率の算定にあたっては、為替影響や製品売却、企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、訴訟費用などの特殊要因を除いております。
(注2)Core Earningsは、営業利益から企業買収にかかる会計処理の影響や無形資産の償却費・減損損失、事業構造再編費用、訴訟費用などの特殊要因を除いて算定しております。
(注3)Core EPSは、四半期利益からCore Earnings算定上控除した項目と同様の性質を有する項目およびこれらにかかる税金影響を控除した利益(Core Net Profit)を基に算定した1株当たり利益であります。
・実質的な売上収益の成長は、+6.1%(対前年同期+257億円)となりました。
・実質的なCore Earningsの成長は、横ばいの△0.1%となりました。実質的な販売費及び一般管理費は、新製品にかかる費用の増加により前年同期から10.8%増加し、実質的な研究開発費は複数の化合物に対する費用の増加により前年同期から6.7%の増加となりました。
・実質的なCore EPSの成長は、横ばいの+0.0%となりました。
セグメント別の業績の状況は、次のとおりです。
[医療用医薬品事業]
医療用医薬品事業の売上収益は、前年同期から354億円(9.5%)増収の4,078億円となり、営業利益は、前年同期から3億円(0.9%)増益の349億円となりました。
・このうち国内売上収益は、「アジルバ」、「ロトリガ」の伸長による売上寄与があったものの、「ブロプレス」等の後発品の浸透による減収を吸収できず、前年同期から30億円(2.1%)減収の1,350億円となりました。
主な品目の国内売上収益は下記のとおりです。
| 「ブロプレス」(高血圧症治療剤) | 161億円 | 対前年同期 | 128億円 | ( 44.3%) | 減 |
| 「アジルバ」(高血圧症治療剤) | 141億円 | 〃 | 44億円 | ( 45.1%) | 増 |
| 「リュープリン」 (前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤) | 133億円 | 〃 | 10億円 | ( 7.3%) | 減 |
| 「タケプロン」(消化性潰瘍治療剤) | 110億円 | 〃 | 30億円 | ( 21.4%) | 減 |
| 「ネシーナ」(糖尿病治療剤) | 95億円 | 〃 | 2億円 | ( 2.3%) | 減 |
| 「ロトリガ」(高脂血症治療剤) | 50億円 | 〃 | 31億円 | (168.4%) | 増 |
| 「ベクティビックス」(結腸・直腸がん治療剤) | 47億円 | 〃 | 4億円 | ( 9.0%) | 増 |
| 「レミニール」(アルツハイマー型認知症治療剤) | 39億円 | 〃 | 10億円 | ( 36.4%) | 増 |
・海外売上収益は、後発品の浸透による減収があったものの、米国における「ベルケイド」、「デクスラント」などの売上が好調に推移したほか、昨年に発売を開始した「エンティビオ」による売上寄与があったことにより、前年同期から384億円(16.4%)増収の2,728億円となりました。
主な品目の海外売上収益は下記のとおりです。
| 「ベルケイド」(多発性骨髄腫治療剤) | 410億円 | 対前年同期 | 71億円 | ( 21.1%) | 増 |
| 「パントプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 243億円 | 〃 | 15億円 | ( 6.0%) | 減 |
| 「デクスラント」(逆流性食道炎治療剤) | 188億円 | 〃 | 62億円 | ( 48.6%) | 増 |
| 「リュープロレリン」 (前立腺がん・乳がん・子宮内膜症治療剤) | 175億円 | 〃 | 24億円 | ( 15.6%) | 増 |
| 「エンティビオ」 (潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤) | 162億円 | 〃 | 157億円 | ( ― %) | 増 |
| 「ランソプラゾール」(消化性潰瘍治療剤) | 149億円 | 〃 | 34億円 | ( 30.0%) | 増 |
| 「コルクリス」(痛風治療剤) | 112億円 | 〃 | 32億円 | ( 22.0%) | 減 |
| 「カンデサルタン」(高血圧症治療剤) | 66億円 | 〃 | 10億円 | ( 12.8%) | 減 |
(注) 売上収益は知的財産権収益および役務収益を含めて表示しております。
[ヘルスケア事業]
ヘルスケア事業の売上収益は、「アリナミン錠剤類」等の増収により、前年同期から25億円(15.1%)増収の194億円となりました。営業利益は、売上収益の増収と粗利率の改善による売上総利益の増益等により、20億円(34.3%)増益の76億円となりました。
[その他事業]
その他事業の売上収益は、2015年4月に当社が保有していた水澤化学工業株式会社の株式を譲渡したことで、同社およびその子会社の売上寄与がなくなり、前年同期から28億円(12.8%)減収の191億円となりました。営業利益は、前年同期に有形固定資産売却益を153億円計上していたことなどにより、164億円(69.9%)減益の71億円となりました。
(2) 財政状態の分析
[資産]
当第1四半期末における資産合計は前年度末に比べ247億円増加し、4兆3,208億円となりました。
[負債]
当第1四半期末における負債合計は前年度末から8億円減少し、2兆892億円となりました。
[資本]
当第1四半期末における資本合計は2兆2,316億円となりました。配当による利益剰余金の減少があったものの、四半期利益の計上による増加に加え、前年度末に比べて期末日レートが円安に推移したことによる換算差額の改善などにより、前年度末から254億円増加しました。
親会社所有者帰属持分比率(注)は50.1%となり、前年度末から0.4ポイント増加しております。
(注)日本基準における自己資本比率に相当
[キャッシュ・フロー]
当第1四半期のキャッシュ・フローは788億円のマイナスとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは186億円のプラス、投資活動によるキャッシュ・フローは204億円のマイナス、財務活動によるキャッシュ・フローは配当金の支払等により866億円のマイナスとなっております。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動の内容および成果
当第1四半期の研究開発費の総額は810億円であります。
当社は、疾患領域と製品戦略の強化を図るとともに各疾患領域においてグローバルリーダーとしてのプレゼンスを確立し、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えていくため、研究開発部門を「中枢神経系疾患(CNS)」、「代謝性・循環器系疾患(CVM)」、「消化器系疾患(GI)」、「オンコロジー」の4つの疾患領域別組織(Therapeutic Area Unit)で構成しています。また、オンコロジーとワクチンの事業領域については、管理・販売機能も備えた専門的なSpecialty Business Unitを設置しています。
当第1四半期における研究開発活動の主な内容および成果は下記のとおりです。
[自社創製品に関する取り組み]
・本年4月、2型糖尿病治療剤「ネシーナ(一般名:アログリプチン)」の心血管系への安全性を評価したEXAMINE試験について、米国食品医薬品局(FDA)の内分泌・代謝薬諮問委員会(EMDAC)において、本剤の2型糖尿病患者における心血管リスクプロファイルは許容範囲であるとの見解が示されました。また、本年6月、第75回米国糖尿病学会学術集会(ADA)において、EXAMINE試験の事後解析データおよび追加の事後解析データを発表しました。
・本年5月、経口プロテアソーム阻害薬「MLN9708(一般名:イキサゾミブ)」について、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植を受けていない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、「MLN9708」の維持療法の役割を検証する臨床第3相試験(TOURMALINE-MM4試験)を開始したことを発表しました。
本年7月、本薬について、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象とした販売許可申請をFDAに提出しました。また、同月、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)より、再発・難治性の多発性骨髄腫の効能において、迅速審査※の指定を受けました。
※迅速審査の指定は、公衆衛生に大きく貢献できると判断された医薬品、特に革新性を有すると判断された医薬品が対象となります。
・本年5月、オーロラAキナーゼ阻害薬「MLN8237(一般名:alisertib)」について、再発・難治性の末梢性T細胞性リンパ腫の臨床第3相試験を、中止することを発表しました。この決定は、本試験の中間解析結果に基づくものであり、本薬が当該効能において標準治療に勝る有効性を示す可能性が低いと判断しました。当社は、引き続き本薬の小細胞肺がんに対する有用性の検討を継続します。
[導入品(アライアンス)に関する取り組み]
・本年5月、当社は、「大日本住友製薬株式会社」と、非定型抗精神病剤「ラツーダ(一般名:ルラシドン)」に関する、欧州における共同開発・独占的販売契約を解消することに合意し、同社への欧州の開発・販売権の返還ならびに事業の移管を適正に実行するため、具体的条件の協議を開始しました。
[共同研究に関する取り組み]
・本年4月、当社は、「京都大学iPS細胞研究所(CiRA)」と、心不全、糖尿病、神経疾患などにおけるiPS細胞技術の臨床応用に向けた10年間の共同研究契約を締結しました。T-CiRA(Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications)と称する本提携において、iPS細胞技術を用いた創薬研究や細胞治療に関する複数の研究プロジェクトを実施します。
・本年4月、当社は、「慶應義塾大学医学部」および「新潟大学」と、湘南研究所において疾患関連RNA結合タンパク質の探索と機能解析に関する共同研究を実施する契約を締結したことを発表しました。
・本年4月、当社は、「国立研究開発法人国立がん研究センター」と、がんの研究開発提携に関する契約を締結しました。本契約に基づき、当社と同センターは、がんの基礎研究から臨床開発研究にわたる連携を実行に移すべく、必要な情報共有と協議を継続的に実施します。
・本年6月、当社は、「Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)」と、内臓リーシュマニア症の革新的な治療薬開発に向け、アミノピラゾール系化合物群の中から最適な化合物を特定することを目的とした誘導体最適化プログラム(Lead Optimization)に協働して取り組む契約を締結しました。本プログラムは公益社団法人「グローバルヘルス技術振興基金(Global Health Innovative Technology Fund)」の助成案件に選定されています。
[研究開発体制の整備・強化]
・本年6月、当社は、Vaccine Business Unitについて、ワクチン事業のさらなる成長および重要なワクチンの開発加速に向け、グローバルおよびリージョナル拠点を設置し、米国におけるワクチン事業運営を統合することを発表しました。今後、米国マサチューセッツ州ボストン/ケンブリッジ地域とスイス・チューリッヒがグローバル拠点となり、シンガポールとブラジルは引き続きリージョナル拠点として機能します。本体制の発足に伴い、米国モンタナ州ボーズマン、米国ウィスコンシン州マディソン、米国コロラド州フォートコリンズの3つの拠点を閉鎖し、現在米国イリノイ州ディアフィールドにある同ユニットの本部機能をボストン/ケンブリッジ地域に移します。この移転は2年をかけて実施し、2017年半ばに完了する予定です。