有価証券報告書-第146期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/28 16:01
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136項目

研究開発活動

当年度の研究開発費の総額は6,333億円であります。
医薬品の研究開発のプロセスは、長期にわたり多額の費用を伴い、その期間は10年を越えることもあります。このプロセスには、新薬の有効性および安全性の評価のための複数の試験、データを審査し販売承認の可否を判断する規制当局に対する申請が含まれます。こうした精査の過程を通過し、臨床での治療に用いることができる候補物質はごく僅かです。承認取得後も、上市後の製品に対しては、ライフサイクルマネジメント、メディカルアフェアーズやその他の投資を含め、継続的な研究開発活動による支援が行われます。
臨床試験は、地域的および国際的な規制ガイドラインを遵守し、通常5から7年もしくはそれ以上を費やして実施されるものであり、相応の費用を伴います。通常、臨床試験は医薬品規制調和国際会議(ICH)が制定したガイドラインに沿って実施されます。これに関わる規制当局は、米国では食品医薬品局(FDA)、欧州連合では欧州医薬品庁(EMA)、日本では厚生労働省(MHLW)、中国では国家薬品監督管理局(NMPA)です。
ヒトの臨床試験は以下の3相で実施されます(各相が一部重複することもあります):
・臨床第1相(P-1)試験
少人数の健康な成人の志願者を被験者として、薬物の安全性、吸収、分布、代謝、排泄について評価するために実施
・臨床第2相(P-2)試験
少人数の志願患者さんを被験者として、安全性、有効性、用量および用法を評価するために実施
臨床第2相試験はP-2aとP-2bの2つのサブカテゴリーに分割されることがあります。P-2a試験は通常臨床上の有効性または生物学的活性を示すためにデザインされたパイロット試験であり、P-2b試験は薬物が最少の副作用で生物学的活性を示す最適用量を探索するために行われます。
・臨床第3相(P-3)試験
大人数の志願患者さんを被験者として、既存の薬剤またはプラセボと比較した安全性および有効性を評価するために実施
これら3相のうち、臨床第3相にかかる開発費用が最も大きく、臨床第3相試験へ進めるか否かの決定は、医薬品開発における重要なビジネス判断となります。臨床第3相試験を通過した候補薬物については、管轄の規制当局に新薬承認申請書(NDA)、生物製剤承認申請(BLA)または医薬品販売承認申請(MAA)を提出し、規制当局より承認を取得した場合に上市が可能となります。NDA、BLA、MAAの作成には、膨大な量のデータの収集、検証、分析が必要であり、多額の費用が伴います。製品上市後も、保健当局により有害事象の市販後調査や、当該医薬品のリスク・ベネフィットに関する追加情報を提供するための市販後試験の実施を求められることがあります。
当社の研究開発は、サイエンスにより、患者さんの人生を根本的に変えうるような非常に革新性が高い医薬品を創製することに注力しています。当社は、「革新的なバイオ医薬品」、「血漿分画製剤」および「ワクチン」の3つの分野において研究開発活動を実施しています。「革新的なバイオ医薬品」に対する研究開発は、当社の研究開発投資の中で最も高い比率を占めています。「革新的なバイオ医薬品」における重点疾患領域(消化器系・炎症性疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー、希少遺伝子疾患および血液疾患)には未だ有効な治療法が確立されていない疾患に対する高い医療ニーズ(アンメット・メディカル・ニーズ)が存在し、当社はベスト・イン・クラスあるいはファースト・イン・クラスとなりうる画期的な新規候補物質を創出してまいりました。当社では新たな研究開発能力、さらには次世代プラットフォームに対して社内および外部との提携によるネットワークを通じて投資し、細胞療法および遺伝子治療の領域の強化を図っています。また、当社はデータとデジタル技術を活用し、イノベーションの質を向上させ、実行を加速させています。
当社のパイプラインは、当社事業の短期的および長期的かつ持続的な成長を支えるものです。初回の承認取得後も上市後の製品に対して、地理的拡大や効能追加に加え、市販後調査および剤型追加の可能性を含めた継続的な研究開発活動による支援体制が整っています。当社の研究開発チームは、販売部門との緊密な連携を通じ既発売品の価値の最大化を図り、販売活動を通じて得られた知見を研究開発戦略やポートフォリオに反映します。
自社の研究開発機能向上への注力に加え、社外パートナーとの提携も、当社研究開発パイプライン強化のための戦略における重要な要素の一つです。社外提携の拡充と多様化に向けた戦略により、様々な新製品の研究に参画し、当社が大きな研究関連のブレイクスルーを達成する可能性を高めます。
当社の主要な研究開発施設には以下を含みます:
• グレーターボストン地区研究開発サイト:当社のボストン研究開発サイトは米国マサチューセッツ州ケンブリッジに位置しています。本サイトは当社のグローバルでの消化器系・炎症性疾患領域、オンコロジー、ならびに希少遺伝子疾患および血液疾患領域の研究開発の中心であり、加えて血漿分画製剤やワクチンなど他の疾患領域の研究開発や免疫調節および生物学的製剤の研究も支援しています。最先端の細胞療法の製造施設を備えた、当社の細胞療法研究の拠点です。さらに当社は、ケンドール・スクエアに新たに建設中の約60万平方フィートの最新鋭の研究開発およびオフィス施設について、15年間のリース契約を締結し、2026年より入居する予定です。
• 湘南ヘルスイノベーションパーク:日本の神奈川県藤沢・鎌倉地域に位置する湘南ヘルスイノベーションパーク(以下、「湘南アイパーク」)は、当社の湘南研究所を外部に開放する形で、2018年に設立された日本初の製薬企業発サイエンスパークであり、当社のニューロサイエンス研究の主要拠点です。当社はより多様なパートナーを招致し、湘南アイパークのさらなる成功を目指すため、2020年に信託設定、2023年には湘南アイパークの運営事業を当社が設立した会社に承継しました。当社は、アンカーテナントとして今後も日本におけるライフサイエンスの研究活性化に注力します。
• サンディエゴ研究開発サイト:米国カリフォルニア州サンディエゴにある当社の研究開発拠点であり、消化器系・炎症性疾患およびニューロサイエンス領域における研究開発を支援しています。本研究サイトは、バイオテックのような形態で研究を行う拠点であり、構造生物学および生物物理学などの社内技術を駆使し、社内外で行われる研究を促進します。
• オーストリア ウィーン研究開発サイト:オーストリア ウィーンに位置する当社の研究開発サイトであり、研究開発および血漿分画製剤のプログラムを支援しています。本研究サイトは、生物学的製剤の研究開発に注力するとともに血漿分画製剤の製造施設を備えています。
当社の2022年4月以降の主要な研究開発活動の進捗は、以下のとおりです。
研究開発パイプライン
消化器系・炎症性疾患
消化器系・炎症性疾患において、消化管疾患、肝疾患およびその他の免疫介在性の炎症性疾患の患者さんに革新的で人生を変えうるような治療法をお届けすることにフォーカスしています。炎症性腸疾患(IBD)においては、「ENTYVIO(国内製品名:エンタイビオ)」に関する皮下注射製剤の開発および活動性の慢性回腸嚢炎をはじめとする適応症拡大を含め、フランチャイズのポテンシャルを最大化しています。加えて、「GATTEX/レベスティブ」および米国への地理的拡大のために臨床第3相試験を実施中の「アロフィセル」により当社の消化器系疾患におけるポジショニングの拡大を目指しています。また、当社は、自社創製、社外との提携および事業開発を通じて炎症性疾患(IBD、セリアック病、乾癬、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスおよびその他疾患)、厳選した肝疾患、消化管運動関連疾患における機会を探索し、パイプラインの構築を進めております。そのうち後期開発段階にある「fazirsiran(TAK-999)」は、社外との提携を通じたパイプライン構築の一例であり、α-1アンチトリプシン欠損関連肝疾患に対するファースト・イン・クラスのRNA干渉治療薬となる可能性があります。また、後期開発段階にあり、炎症性疾患治療薬としてベスト・イン・クラスとなる可能性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬「TAK-279」も、事業開発を通じて獲得した候補物質の一例です。
注)本疾患領域名は、消化器系疾患領域における重点分野の拡大とともに、現時点のパイプラインおよび免疫介在性疾患に対する当社の幅広い取組みをより適切に反映するため、「消化器系・炎症性疾患」(旧名称は「消化器系疾患」)となりました。
[ENTYVIO/エンタイビオ 一般名:ベドリズマブ]
- 2023年2月、当社は、臨床第3相「GRAPHITE試験」の最新データを2023 Tandem Meetingsにおいて発表しました。本試験において、「ベドリズマブ」が同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)後180日目までに下部消化管における急性移植片対宿主病(aGvHD)非発症生存の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を達成し、プラセボと比較して安全性プロファイルに重要な差が認められなかったことが示されました。無作為化プラセボ対照二重盲検多施設共同臨床第3相「GRAPHITE試験」は、血液悪性腫瘍の治療として血縁関係のないドナー由来のallo-HSCTを受ける患者を対象に、腸管aGvHD発症抑制における「ベドリズマブ」の有効性および安全性を検討しました。本試験において「ベドリズマブ」は、allo-HSCT後180日目までの腸管aGvHD非発症生存においてプラセボと比較し統計学的に有意な改善を示しました(「ベドリズマブ」群 85.5%、プラセボ群 70.9%(HR=0.45; 95%信頼区間:0.27、0.73; p⦅0.001))。安全性プロファイルについて「ベドリズマブ」群とプラセボ群の間に相関する差は認めず、新たな安全性シグナルも確認されませんでした。治療に関連した有害事象は、プラセボ群の24.8%に対し「ベドリズマブ」群は28.4%に発現し、重篤な有害事象はプラセボ群の8.5%に対し「ベドリズマブ」群で6.5%に発現しました。
- 2023年3月、当社は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)を効能・効果として、「エンタイビオ皮下注108mgペン/同皮下注108㎎シリンジ」(「エンタイビオSC」)について、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、「エンタイビオSC」の維持療法としての有効性および安全性を評価した国際共同臨床第3相試験である「MLN0002SC-3027試験」および「MLN0002SC-3030試験」に基づくものです。「エンタイビオSC」は、皮下注射として使用できることにより、点滴静注製剤で必要とされている薬液調製のための人員、器具、設備および時間の削減が可能となり、さらに薬液調製時または投与時の過誤等のリスクを低減することが期待できます。また、点滴静注製剤と比較して簡便に取り扱うことができると考えられ、かつ投与1回あたりの所要時間も短くすることが可能となります。
- 2023年3月、当社は、慢性回腸嚢炎の治療薬としての「ベドリズマブ」の臨床第4相「EARNEST試験」の良好な結果が、the New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載されたことを公表しました。今回公表した結果では、臨床第4相「EARNEST試験」がmodified Pouchitis Disease Activity Index(mPDAI)を用いた臨床的および内視鏡的寛解である有効性の主要評価項目を達成し、14週時点においてプラセボ投与群では10%(51名中5名)に対し、「ベドリズマブ」投与群では31%(51名中16名)であったことが示されました(95%信頼区間:5-38パーセンテージポイント[p.p.]差、p=0.01)。プラセボとの比較におけるこのような転帰の改善は、34週時点における有効性の副次評価項目でも認められました(mPDAIによる寛解達成率はプラセボ投与群では18%[51名中9名]に対し、「ベドリズマブ」投与群では35%[51名中18名]でした[95%信頼区間:0-35 p.p.差])。重篤な有害事象は、「ベドリズマブ」群の6%(51名中3名)、プラセボ群の8%(51名中4名)で発生しました。新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
- 2023年4月、当社は、「ENTYVIO」点滴静注製剤による導入療法後の成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎に対する維持療法として、「ENTYVIO」皮下注射製剤の生物学的製剤承認申請(BLA)を米国食品医薬品局(FDA)に再提出し、受理されたことを公表しました。今回の再提出は、2019年12月の審査完了報告通知(CRL)におけるFDAの指摘内容に対応することを目的としています。CRLの受領以降、当社はFDAと緊密に連携し、当局の指摘内容に取り組んでまいりました。今回の再提出パッケージには、「ENTYVIO」皮下注射製剤の使用について検討するために収集した追加データが含まれています。同通知の内容は、「ENTYVIO」点滴静注製剤、臨床安全性および有効性データ、ならびに「ENTYVIO」皮下注射製剤のBLAを支持する検証試験である「VISIBLE1試験」の結論とは関連していませんでした。「VISIBLE1試験」では、0週および2週時点に非盲検下にて「ベドリズマブ」点滴静注製剤を2回投与後、6週時点で臨床的改善が得られた中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者216名を対象に、「ENTYVIO」皮下注射製剤の維持療法としての安全性および有効性を評価しました。主要評価項目は、52週時点における臨床寛解であり、これは完全Mayoスコアが2ポイント以下、かつすべてのサブスコアが1以下と定義しました。当社は、2023年中にFDAから審査結果の結論が得られるものと見込んでいます。
[開発コード:TAK-999 一般名:fazirsiran]
- 2022年6月、当社とArrowhead Pharmaceuticals Inc.(Arrowhead社)は、α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATD-LD)の治療薬として開発中の「fazirsiran」の臨床第2相試験「AROAAT-2002」の結果がthe New England Journal of Medicine(NEJM)に掲載され、欧州肝臓学会(EASL)の年次会議であるThe International Liver Congress 2022において口頭発表したことを公表しました。本剤は、変異型α-1アンチトリプシン蛋白(Z-AAT)の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの薬剤となる可能性のあるRNA干渉(RNAi)治療薬候補で、希少な遺伝子性疾患であるAATDによる肝疾患の治療薬として現在開発中です。「fazirsiran」はAATDの治療薬候補として、米国食品医薬品局(FDA)より2021年7月にブレークスルーセラピー指定(BTD)、2018年2月に希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を受けています。
- 2023年1月、当社とArrowhead社は、「fazirsiran」の臨床第2相「SEQUOIA試験」のトップライン結果を公表しました。「SEQUOIA試験」は、AATD-LDの患者42名を対象に「fazirsiran」の安全性、忍容性および薬力学的作用を評価するプラセボ対照反復投与臨床第2相試験です。試験開始時に肝線維化がみられた患者16名に「fazirsiran」を25mg、100mgまたは200mgの用量で投与したところ、Z-AATの血清中濃度が用量依存的に減少し、48週時点の平均低下率はそれぞれ74%、89%および94%でした。3用量群いずれにおいても肝臓内のZ-AATは劇的に減少し、ベースライン後の肝生検実施時の減少率の中央値は94%でした。また、組織のPAS-D検査で評価するZ-AAT蓄積度の指標である肝内封入体のスコアの平均値は、ベースライン時の5.9からベースライン後の肝生検実施時には2.3に低下しました。門脈炎症も42%の患者で改善し、悪化がみられた患者の割合はわずか7%でした。肝線維化については、50%の患者でMETAVIRスコアが1ポイント以上改善しました。これに対し、プラセボ群のうちベースライン時点で線維化がみられた患者9名の48週時点の評価では、血清中Z-AAT濃度に意義ある変化はなく、肝臓内のZ-AATは26%増加、PAS-D評価の肝内封入体に意義ある変化はありませんでした。プラセボ群で門脈炎症が改善した患者はおらず、44%で悪化しました。ベースライン後の肝生検実施時には肝線維化は22%で悪化、38%で改善を認めました。「fazirsiran」の忍容性は良好で、本報告時点で確認されている試験治療下で発現した有害事象は「fazirsiran」群とプラセボ群で同等でした。いずれの群においても、試験薬の投与中止、投与中断や試験中止に至る試験治療下で発現した有害事象は認められませんでした。「fazirsiran」を1年間投与した患者の呼吸機能検査の所見には、プラセボ群との比較において用量依存的な変化や臨床上意義ある変化はみられませんでした。両社はまた、当社とArrowhead社が共同で計画し、当社が実施中の臨床第3相試験の概要も公表しました。
[開発コード:TAK-625 一般名:maralixibat chloride]
- 2022年12月、当社は、「maralixibat chloride」が、アラジール症候群(ALGS)および進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。日本では、ALGSまたはPFICを適応とする医薬品は現時点において承認されていません。「maralixibat」は日本国内においてALGSおよびPFICを対象とした臨床第3相試験段階にあります。
[開発コード:TAK-279]
- 2022年12月、当社は、Nimbus Therapeutics, LLC(Nimbus社)より「TAK-279」(Nimbus社の旧「NDI-034858」)に関する知的財産権およびその他の関連資産を所有または支配する、同社の完全子会社であるNimbus Lakshmi, Inc.(Lakshmi社)の全株式を取得する決定について公表しました。「TAK-279」は、高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であり、乾癬を対象とした臨床第2b相試験の結果に続き、複数の自己免疫疾患の治療薬として評価が行われています。2023年2月、当社は、Lakshmi社の全株式および乾癬や炎症性腸疾患、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスを含む複数の免疫介在性疾患において、ベスト・イン・クラスの有効性および安全性ならびに利便性を示す可能性を有する「TAK-279」の取得を完了しました。今回の取得は、拡大する当社の後期開発パイプラインを強化し、ポートフォリオと患者へのインパクトを拡大する可能性とともに、当社のグローバル規模での中長期的な成長基盤を強固にするものです。
- 2023年3月、当社は、中等度から重度の尋常性乾癬の患者を対象とした「TAK-279」の臨床第2b相試験の良好な結果を公表しました。本試験では、12週時点で、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)75、90、100を達成した患者の割合が、「TAK-279」の5mg、15mg、30mgの各投与群でプラセボ投与群と比較して統計学的に有意に高く、主要評価項目と副次評価項目を達成しました。これらのデータは、米国皮膚科学会(AAD)年次総会のLate-Breaking Sessionにおいて発表されました。本試験では、5mg以上の投与群では12週時点のPASI 75達成率が有意に優れていたことが示されました。「TAK-279」の最高用量投与群では、12週時点で患者の46%がPASI 90、33%がPASI 100を達成し、皮膚病変のほぼ完全または完全な消失を示しました。有害事象(AE)の頻度は、治療群で53~62%、プラセボ群で44%でした。多くの事象は軽度から中等度でした。1例(15mg)で2件の重篤なAEが発生しましたが、治験薬投与との関連はなしと判断されました。臨床検査値パラメータの変化は、アロステリックTYK2阻害薬の既知の作用と一貫していました。当社は、これらの臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬を対象とした「TAK-279」の臨床第3相試験を2023年度に開始する予定です。2023年度に乾癬性関節炎を対象とした臨床第2b相試験のトップライン結果の取得を見込んでおり、全身性エリテマトーデス(SLE)や炎症性腸疾患(IBD)を含む他の複数の免疫介在性疾患を対象として「TAK-279」を評価する予定です。また、今後さらなる適応症を探索する予定です。
ニューロサイエンス(神経精神疾患)
当社は、高いアンメット・ニーズが存在する神経疾患および神経筋疾患を対象に、革新的治療法に研究開発投資を集中させ、当社の専門知識やパートナーとの提携を生かし、パイプラインを構築しています。疾患の生物学的理解、トランスレーショナルなツール、革新的なモダリティの進展により、当社は希少神経疾患、特にオレキシン2受容体作動薬フランチャイズ(「TAK-861」、「danavorexton(TAK-925)」など)によるナルコレプシーや特発性過眠症などの睡眠・覚醒障害、「soticlestat(TAK-935)」による希少てんかん、および「pabinafusp alfa (TAK-141)」によるハンター症候群の中枢性および身体症状の治療薬の開発に注力しています。当社はさらに、神経筋疾患、神経変性疾患および運動障害のうち患者セグメントを明確に定義できる疾患に特化した投資を行っています。
注)「pabinafusp alfa(TAK-141)」および「TAK-611」は、中枢神経系に関する専門性を活かし、2023年度第1四半期よりニューロサイエンス(神経精神疾患)領域において開発が継続されます。
[開発コード:TAK-994]
- 2022年6月、当社は、「TAK-994」のベネフィット・リスクプロファイルを評価した結果、本プログラムの開発を継続しないことを決定しました。「TAK-994」の臨床第2相試験(「TAK-994-1501試験」および「TAK-994-1504試験」)において安全性シグナルの存在が明らかになったことにより、2021年10月に2つの臨床第2相試験を予定より早く終了することを決定していました。
[開発コード:TAK-611]
- 2022年6月、当社は、遺伝子組換えヒトアリルスルファターゼA(recombinant human arylsulfatase A :rhASA)「TAK-611」が、異染性白質ジストロフィー(Metachromatic Leukodystrophy:MLD)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。日本では、MLDの効能・効果を有する治療法は現時点においてなく、「TAK-611」はMLDに対する酵素補充療法を目的としたrhASAであり、現在、国際共同臨床第2b相試験などが進行中です。
オンコロジー
オンコロジー領域では、患者さんを通じて得られるインスピレーションおよびあらゆるイノベーションを活用することで、がんの治癒を目指しています。本疾患領域では、(1)既発売品(「ニンラーロ」、「アドセトリス」、「アイクルシグ」など)およびパイプラインプログラムを通じた血液がん領域におけるさらなるプレゼンスの構築、(2)肺がんを対象とした既発売品(「アルンブリグ」、「EXKIVITY」)および大腸がん治療薬候補「フルキンチニブ(TAK-113)」を含むその他のがんを対象とする開発プログラムによる固形がん領域の拡充、(3)自然免疫を活用した最先端のパイプラインの進捗の3つの分野にフォーカスしています。
[アドセトリス 一般名:ブレンツキシマブ ベドチン]
- 2022年5月、当社は、「アドセトリス」について、CD30陽性ホジキンリンパ腫における小児の一次治療に対する用法用量について、厚生労働省より製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。
- 2022年5月、当社とSeagen Inc.は、「アドセトリス」と化学療法の併用を検討した臨床第3相試験である「ECHELON-1」の全生存期間(OS)のデータを公表しました。本データは第59回米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO)および第27回欧州血液学会議年次総会(EHA)のオーラルセッションにおいて発表されました。未治療のⅢ期またはⅣ期の成人古典的ホジキンリンパ腫患者を対象とした「ECHELON-1試験」において、「アドセトリス」、「ドキソルビシン」、「ビンブラスチン」および「ダカルバジン」併用群(A+AVD)は、「ドキソルビシン」、「ブレオマイシン」、「ビンブラスチン」および「ダカルバジン」併用群(ABVD)に対して統計学的に有意なOSの改善を示しました。約6年間の観察期間(中央値73ヵ月)において、A+AVDの併用療法を受けた患者群は死亡リスクが41%低下し(ハザード比[HR]0.59;95%信頼区間[CI]:0.396-0.879)、推定全生存率は6年時点で93.9%(95%信頼区間[CI]:91.6-95.5)でした。「アドセトリス」の安全性プロファイルはこれまでの臨床試験の結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。
- 2023年2月、当社は、「アドセトリス」について、再発又は難治性のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)に対する効能効果及び用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認の申請を日本において行ったことを公表しました。今回の申請は、再発又は難治性のCTCLの患者を対象とし、「アドセトリス」の海外臨床第3相試験である「ALCANZA試験(C25001試験)」における有効性および安全性を評価した結果ならびに国内臨床第2相医師主導試験である「SGN-35-OU試験」における日本人に対する有効性および安全性を評価した結果に基づくものです。
[ベクティビックス 一般名:パニツムマブ]
- 2022年6月、当社は、「ベクティビックス」のRAS遺伝子野生型で化学療法未治療の切除不能進行再発大腸がんの日本人患者を対象とした国内臨床第3相試験である「PARADIGM試験」に関するデータを、米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会のPlenary Sessionにおいて発表しました。「PARADIGM試験」は、RAS遺伝子野生型で原発巣占居部位が左側(下行結腸、S状結腸、直腸)である大腸がん患者における適切な治療を世界で初めて前向きに検証しました。主要評価項目である全生存期間(OS)において、原発巣占居部位が左側および全体、いずれの集団でもmFOLFOX6+「ベクティビックス」併用療法がmFOLFOX6+「ベバシズマブ」併用療法に対し、統計学的に有意な延長が認められました(左側 OS中央値:37.9 vs. 34.3 HR=0.82 [95.798% CI: 0.68-0.99] p=0.031、全体 OS中央値:36.2 vs. 31.3, HR=0.84 [95% CI:0.72-0.98], p=0.030)。なお、本試験における「ベクティビックス」投与時の安全性プロファイルはこれまでに公表された臨床試験結果と同様の内容でした。2023年4月、本試験に関する論文が、Journal of the American Medical Association(JAMA)に掲載されました。
[アイクルシグ 一般名:ポナチニブ]
- 2022年11月、当社は、無作為化臨床第3相「PhALLCON試験」が主要評価項目を達成し、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)と新たに診断された成人患者において強度減弱化学療法併用下での「アイクルシグ」の投与により、「イマチニブ」と比較して高い微小残存病変(MRD)陰性の完全寛解(CR)率を示したことを公表しました。「PhALLCON試験」は、未治療の成人Ph+ALL患者を対象に、フロントラインにおける強度減弱化学療法併用下での2つのチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の有効性および安全性を比較した、最初で唯一の無作為化非盲検多施設共同国際臨床第3相直接比較試験です。本試験において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
[EXKIVITY 一般名:mobocertinib]
- 2023年1月、当社は、「EXKIVITY」について、プラチナ製剤ベースの化学療法を実施中あるいは実施後に病勢が進行した、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの成人患者に対する治療薬として中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得したことを公表しました。「EXKIVITY」はEGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんの患者において臨床的に意義のある持続的な奏効が示されており、現在、中国でこの患者集団に対して使用できる最初で唯一の治療薬です。エクソン20挿入変異を選択的に標的とするよう設計された経口チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)である「EXKIVITY」は、NMPAのブレークスルーセラピープログラムの一環として審査を受けました。今回の承認は、プラチナ製剤ベースによる治療歴を有する患者集団を対象に実施した「EXKIVITY」の臨床第1/2相試験に基づくもので、本適応症の完全承認は、検証試験における臨床的有用性の確認が条件となる可能性があります。
[開発コード:TAK-113 一般名:フルキンチニブ ]
- 2023年1月、当社は、HUTCHMED(China)Limitedおよびその子会社であるHUTCHMED Limited(HUTCHMED社)と、中国本土、香港およびマカオを除く全世界を対象とした「フルキンチニブ」の開発および商業化に関する独占的ライセンス契約を締結したことを公表しました。2018年に中国で承認された「フルキンチニブ」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に高い選択性を有する阻害薬です。「フルキンチニブ」は、バイオマーカーの状態にかかわらず、難治性の転移性大腸がん(mCRC)の様々なサブタイプで使用される可能性がある経口治療薬です。2022年9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)において、難治性mCRCを対象とした「フルキンチニブ」の臨床第3相国際共同「FRESCO-2試験」の有用性を示す結果が発表されました。「FRESCO-2試験」は、mCRC患者における全生存期間(OS)の改善という主要評価項目を達成し、概ね良好な忍容性を示しました。また、「フルキンチニブ」は、2020年に米国食品医薬品局(FDA)よりmCRC患者に対する治療薬としての開発についてファストトラック指定を受けています。2022年12月、HUTCHMED社はFDAに対して「フルキンチニブ」の新薬承認申請(NDA)の段階的申請を開始し、2023年3月に申請を完了しました。これに続き、欧州医薬品庁(EMA)への製造販売承認申請(MAA)、および厚生労働省(MHLW)への製造販売承認申請が予定されています。
- 2023年5月、当社とHUTCHMED(China)Limited(HUTCHMED社)は、治療歴を有するmCRCの成人患者の治療薬として、VEGFR 1/2/3に高い選択性を有する阻害薬である「フルキンチニブ」のNDAが、FDAより優先審査に指定されたことを公表しました。承認された場合、「フルキンチニブ」は治療歴を有するmCRC患者の治療薬として、3種類のVEGF受容体すべてに対して高い選択性を有する米国で承認された最初で唯一の阻害薬となります。本申請には、中国で実施された臨床第3相「FRESCO試験」のデータとともに、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された臨床第3相「FRESCO-2試験」から得られた結果を含めています。本申請において、FDAが設定した処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づく審査終了目標日は2023年11月30日です。
希少遺伝子疾患および血液疾患
当社は、希少遺伝子疾患および血液疾患において、高いアンメット・メディカル・ニーズが存在する複数の疾患に注力しています。遺伝性血管性浮腫においては、「タクザイロ」をはじめとするライフサイクルマネジメントプログラムへの継続的な研究開発投資を通じて、既存の治療パラダイムの変革を目指します。希少血液疾患においては、「アドベイト」、「アディノベイト/ADYNOVI」に加えて、免疫性血栓性血小板減少性紫斑病(iTTP)および先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)治療に対するパイプラインである「apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa(TAK-755)」の開発を通じて、出血性疾患治療における現在のニーズへ対応することに注力しています。また、「LIVTENCITY」においては、移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症の治療を再定義することを目指しています。当社は、アデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子治療の探索および前臨床の取り組みを中止することを最近決定しましたが、引き続き希少疾患の患者さんに対し革新的な医薬品を届けるという当社のビジョンを実現するための取組みを継続します。
[タクザイロ 一般名:ラナデルマブ]
- 2022年4月、当社は、2歳以上12歳未満の患者を対象とした臨床第3相試験である「SPRING試験」において、「タクザイロ」の安全性プロファイルおよび薬物動態の評価が終了し、主要評価項目を達成したことを公表しました。安全性プロファイルはこれまでに公表された12歳以上の小児患者を対象とした臨床プログラムと一致し、重篤な有害事象および有害事象による脱落はありませんでした。また、本試験において、2歳以上12歳未満の小児を対象とする遺伝性血管性浮腫(HAE)の発症抑制における「タクザイロ」の臨床活性および臨床アウトカムを評価し、本剤の薬力学を特徴付ける副次評価項目も達成しました。
- 2022年7月、当社は、ハイブリッド形式で開催された2022年欧州アレルギー臨床免疫学会議(EAACI)において、「タクザイロ」の臨床第3相「SPRING試験」の最新データを発表しました。多施設共同非盲検臨床第3相試験である「SPRING試験」の主要評価項目は、2歳以上12歳未満のHAE患者を対象とした「タクザイロ」の安全性および薬物動態(PK)です。また、副次評価項目として、HAE発作抑制の臨床効果を評価しています。本試験では、本剤150mgを2歳以上6歳未満の患者では4週毎に、6歳以上12歳未満の患者では2週毎に投与しました。「タクザイロ」は投与開始時と比較して小児患者におけるHAEの発作発症率を平均94.8%低下させ、投与期間における発作は1ヵ月あたり1.84回から0.08回になりました。患者の大多数(76.2%)は52週間の投与期間中に無発作となり、平均99.5%の日数が無発作日となりました。本試験中に報告された死亡または重篤な有害事象(TEAEs)はなく、TEAEsにより試験を中止した患者はいませんでした。これらの結果は、成人および12歳以上の小児患者を対象に既に実施された試験結果と一貫していました。これらのデータは、「タクザイロ」の低年齢の患者への適応拡大に向けて、世界各国の規制当局に提出される予定です。
- 2023年2月、当社は、「タクザイロ」について、米国食品医薬品局(FDA)より、2歳以上12歳未満の小児患者を対象としたHAE発作抑制治療薬としての対象年齢の拡大に関する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。本申請はFDAより優先審査に指定されていました。sBLA承認は、12歳以上18歳未満の患者を含む臨床第3相試験である「HELP試験」の有効性データの外挿と、2歳以上12歳未満のHAE患者を対象とした非盲検臨床第3相試験である「SPRING試験」における成人と小児患者の類似した薬物曝露を示す追加の薬物動態分析および安全性と薬力学データに基づきます。これまで2歳以上6歳未満のHAE小児患者に対して承認された発作抑制薬はなく、「タクザイロ」は本承認によりこの年齢集団にとって初の発作抑制薬となります。
[LIVTENCITY 一般名:maribavir]
- 2022年4月、当社は、米国ユタ州ソルトレークシティにて開催されたTandem移植・細胞治療学会およびポルトガルのリスボンにて開催された第32回欧州臨床微生物感染症学会議(ECCMID)において、「LIVTENCITY」に関する4つの抄録を発表しました。発表演題には、移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症患者において、「LIVTENCITY」投与群では従来の抗ウイルス療法群と比較して、入院率の低下(34.8%、p=0.021)と入院期間の短縮(53.8%、p=0.029)を示す臨床第3相「SOLSTICE試験」の探索的解析が含まれます。また、臨床第3相「SOLSTICE試験」のサブグループ別の事後解析では、CMVのDNA濃度が定量検出限界以下(⦅LLOQ)となることが最初に確認されるまでの期間が、従来の抗ウイルス療法群と比較して「LIVTENCITY」投与群で短縮することが示され、これまで報告された試験結果と一致していました。
- 2022年11月、当社は、欧州委員会(EC)より、造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後の、既存療法(「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「シドフォビル」、「ホスカルネット」のいずれか1つ以上の前治療)に抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性のCMV感染/感染症の成人患者を対象とした治療薬として、「LIVTENCITY」の販売承認を取得したことを公表しました。中央審査による販売承認は、すべてのEU加盟国ならびにアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーおよび北アイルランドで有効であり、HSCTおよびSOT移植後の既存療法のいずれか1種類以上に対して抵抗性(抵抗性無しも含む)を示す難治性の成人患者の治療薬として、従来の抗ウイルス療法(「ガンシクロビル」、「バルガンシクロビル」、「シドフォビル」または「ホスカルネット」)に対する「LIVTENCITY」の安全性および有効性が評価された臨床第3相「SOLSTICE試験」に基づいています。
- 2022年12月、当社は、HSCT後患者におけるCMV感染治療薬として「バルガンシクロビル」と比較した「LIVTENCITY」の有効性および安全性を評価する無作為化ダブルダミー実薬対照二重盲検多施設共同臨床第3相「AURORA試験」において、「LIVTENCITY」はCMV血症の消失において臨床的意義のある有効性を示したものの、事前に規定した非劣性マージンである7%に基づき、「バルガンシクロビル」との非劣性を検討した主要評価項目を満たさなかったことを公表しました(「LIVTENCITY」69.6%[190/273]vs「バルガンシクロビル」77.4%[212/274]、調整群間差:-7.7%、95% CI:-14.98、-0.36)。主要評価項目は、治療期終了時(8週目)の「バルガンシクロビル」投与群との比較において、「LIVTENCITY」単独投与後にCMV血症の消失(血漿CMV DNAがLLOQ未満:<137 IU/mL)が確認された患者の割合と定義しました。重要な副次評価項目として、投与終了から8週後の16週目において、8週目に達成したCMV血症の消失および症状コントロールを維持した患者の割合は、「LIVTENCITY」群で52.7%であり、「バルガンシクロビル」群の48.5%に対し数値的に上回りました。「LIVTENCITY」による維持効果は、12週目(「LIVTENCITY」59.3%、「バルガンシクロビル」57.3%)および20週目(「LIVTENCITY」43.2%、「バルガンシクロビル」42.3%)における治療期終了後評価で確認されました。また、「バルガンシクロビル」の試験治療下での好中球減少症発現率が高いこと(「LIVTENCITY」の21.2%に対して63.5%)および好中球減少症による投与の早期中止率が高いこと(「LIVTENCITY」の4%に対して17.5%)より、「LIVTENCITY」の良好な安全性プロファイルを本試験において再確認しました。「LIVTENCITY」で最も多く報告された有害事象は、悪心(27.5%)と味覚不全(25.6%)でした。当社は引き続き移植領域に注力し、「AURORA試験」のアウトカムを検討するために規制当局と連携しています。
[アディノベイト/ADYNOVI 一般名:ルリオクトコグ アルファ ペゴル(遺伝子組換え)]
- 2022年6月、当社は、「アディノベイト」について、定期補充療法の用法・用量に関する製造販売承認事項一部変更承認申請を日本において行ったことを公表しました。今回の申請は、主に国際共同臨床第3相試験である「CONTINUATION試験」および「PROPEL試験」の成績に基づいて行っています。
[フィラジル 一般名:イカチバント]
- 2022年8月、当社は、「フィラジル」について、厚生労働省より2歳以上の小児の遺伝性血管性浮腫(HAE)に対する用法および用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを公表しました。本承認は、主に2歳以上18歳未満の小児HAE患者に「フィラジル」を皮下注射したときの安全性、有効性および薬物動態を評価した国内臨床第3相非盲検試験ならびに海外臨床第3相非盲検試験に基づきます。
[開発コード:TAK-755 一般名:apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa]
- 2022年12月、当社は、「TAK-755」が、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)を予定される効能・効果として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を取得したことを公表しました。「TAK-755」は、TTPを標的とした初めての遺伝子組換えADAMTS13製剤(rADAMTS13)であり、先天性TTP(cTTP)および後天性(免疫性)TTP(iTTP)の治療薬としてグローバルで開発中です。
- 2023年1月、当社は、「TAK-755」について、ピボタル臨床第3相試験において事前に計画した中間解析より得られた包括的なエビデンスから、cTTPに対する酵素補充療法薬としての有効性および安全性が支持されたことを公表しました。本試験では無作為化クロスオーバー法により、「TAK-755」を現在の標準治療(SoC)である血漿製剤を用いた治療と比較して評価しました。中間成績から、「TAK-755」がSoCと比較してcTTPの重要な疾患活動性マーカーである血小板減少症事象の発現率を60%(95%信頼区間:30%~70%)低減させることが示されました。また、治療と関連性がある有害事象が発現した被験者の割合は、SoCを受けている被験者(47.7%)と比較して、「TAK-755」が投与された被験者(8.9%)で実質的に低い結果でした。臨床第3相試験の中間解析から得られたこれらのデータに基づき、当社は、患者にとって大きなアンメット・ニーズが存在する疾患であるcTTPに対して初のrADAMTS13補充療法薬として「TAK-755」の製造販売承認申請を目指しています。
- 2023年5月、当社は、ADAMTS13欠乏性疾患のcTTPに対する酵素補充療法としての「TAK-755」について、米国食品医薬品局(FDA)により生物学的製剤承認申請(BLA)が受理されたことを公表しました。本申請は5月16日に受理され、FDAにより優先審査指定を受けています。また、「TAK-755」はFDAよりcTTPに対する希少小児疾患(RPD)指定も受けています。本剤は既に、cTTPを対象としたファストトラック指定および希少疾病用医薬品指定も受けています。このたびのBLAは、cTTPを対象とした初の無作為化対照試験から得られた有効性、薬物動態、安全性および忍容性データから示される包括的エビデンスおよび継続試験から得られた長期の安全性と有効性のデータに基づきます。「TAK-755」が承認された場合、大きなアンメットニーズが存在するcTTPに対して初めてかつ唯一のrADAMTS13補充療法薬となります。なお、「TAK-755」については、iTTPに対する安全性、有効性および薬物動態に関する臨床評価も実施中です。
血漿分画製剤
当社は、血漿分画製剤(PDT)に特化したPDTビジネスユニットを設立し、血漿の収集から製造、研究開発および商用化まで、エンド・ツー・エンドのビジネスを運営しています。本疾患領域では、様々な希少かつ複雑な慢性疾患に対する患者さんにとって生命の維持に必要不可欠な治療薬の開発を目指しています。本領域に特化した研究開発部門は、既発売の治療薬の価値最大化、新たな治療ターゲットの特定および現有する製品の製造効率の最適化という役割を担います。短期的には、当社の幅広い免疫グロブリン製剤ポートフォリオ(「HYQVIA」、「CUVITRU」、「GAMMAGARD」および「GAMMAGARD S/D」)における効能追加、地理的拡大および総合的な医療テクノロジーの活用を通じたより良い患者体験を追求しています。血液製剤およびスペシャリティケアのポートフォリオにおいては、「PROTHROMPLEX(4F-PCC)」、「ファイバ」、「CEPROTIN」および「ARALAST」における効能追加や剤型追加の開発機会の追求を優先しています。また、当社は、グローバルに販売している20種類以上にわたる治療薬ポートフォリオに加え、「20% fSCIg」(「TAK-881」)や「IgG Low IgA」(「TAK-880」)といった次世代の免疫グロブリン製剤の開発、およびその他の早期段階の治療薬候補(高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)を含む)の開発を行っています。
[HYQVIA 一般名:遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼ含有皮下注(ヒト)免疫グロブリン10%]
- 2022年7月、当社は、「HYQVIA」を慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に対する維持療法として評価する無作為化プラセボ対照二重盲検臨床第3相「ADVANCE-1試験」において、主要評価項目を達成したことを公表しました。本試験では、投与前の少なくとも3ヵ月間、静注免疫グロブリン(IVIG)療法の用法・用量に変更がなかったCIDPの成人患者132名を対象として、「HYQVIA」の有効性、安全性、忍容性を評価しました。INCATスコアを指標とした主要評価項目の解析では、「HYQVIA」を事前のIVIGと同じ用量および用法で投与した場合、プラセボと比較してCIDPの再発を減少させました[それぞれ9.7% vs 31.4%、p値 = 0.0045]。本試験において患者の大半が「HYQVIA」の4週間投与レジメンでの治療を受けました。「HYQVIA」による治療を受けた患者62名のうち、治験薬と関連のある有害事象の大半が軽度または中等度であり、「HYQVIA」による新たな安全性リスクは報告されませんでした。CIDPにおける「HYQVIA」の安全性プロファイルは、同薬効で最長となる6年間の長期臨床試験で、一部の患者に対して進行中の「ADVANCE-3試験」のデータによって、さらに裏付けられる予定です。全データ解析が完了し、2022年度に米国およびEUの規制当局へ「HYQVIA」の申請を行いました。
- 2023年4月、当社は、「HYQVIA」について、米国食品医薬品局(FDA)より、原発性免疫不全(PI)治療薬として対象年齢を2歳から16歳までの小児患者へ拡大する生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の承認を取得したことを公表しました。FDAによる小児PI患者の治療薬としての「HYQVIA」の承認は、2歳から16歳までの44名の小児PI患者を対象に実施したピボタル前向き非盲検非対照臨床第3相試験のエビデンスに基づきます。「HYQVIA」は、主要評価項目である急性の重篤な細菌感染症(aSBIs)の発現率につき、12ヵ月の治療期間において有効性が確認されました。年間の平均aSBI発現率は0.04であり、事前に設定された達成規準である被験者1名あたりの年間aSBI発現率1未満に対し統計学的に有意に低率(片側上限99%信頼区間 0.21、p⦅0.001)であったことから、小児PI患者に対する「HYQVIA」の有効性が確認されました。すべての患者が12ヵ月間(1年間の観察期間)の試験参加期間を完了した時点で行われた中間解析の結果では、成人と同様な安全性プロファイルが確認されました。
[CUVITRU 一般名:皮下注(ヒト)免疫グロブリン20%]
- 2022年10月、当社は、「20%皮下注用ヒト免疫グロブリン製剤」について、無又は低ガンマグロブリン血症を予定される効能・効果として、厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。本申請は、主に原発性免疫不全症候群(PID)の日本人患者を対象とした臨床第3相試験、およびPID患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験に基づいています。これらの試験において、「20%皮下注用人免疫グロブリン製剤」は無又は低ガンマグロブリン血症の治療薬として有効性と安全性が確認されました。
[CEPROTIN 一般名:乾燥濃縮ヒトプロテインC(開発コード:TAK-662)]
- 2023年4月、当社は「乾燥濃縮ヒトプロテインC(TAK-662)」について、先天性プロテインC欠乏症に起因する静脈血栓塞栓症、電撃性紫斑病の治療および血栓形成傾向の抑制を予定される効能・効果として厚生労働省に対し製造販売承認申請を行ったことを公表しました。今回の製造販売承認申請は、主に日本人の先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした国内臨床第1/2相試験および先天性プロテインC欠乏症患者を対象とした2つの海外臨床第2/3相試験(「IMAG-098試験」、「400101試験」)に基づくものです。これらの試験において、「TAK-662」は先天性プロテインC欠乏症の治療薬として有効性と安全性が評価されました。
ワクチン
ワクチンでは、イノベーションを活用し、デング熱(「QDENGA(開発コード:TAK-003)」)、新型コロナウイルス感染(COVID-19)(「ヌバキソビッド筋注」)、ジカウイルス感染(「TAK-426」)など、世界で最も困難な感染症に取り組んでいます。当社パイプラインの拡充およびプログラムの開発に対する支援を得るために、政府機関(日本、米国)や主要な世界的機関とのパートナーシップを締結しています。これらのパートナーシップは、当社のプログラムを実行し、それらのポテンシャルを最大限に引き出すための重要な能力を構築するために必要不可欠です。
[スパイクバックス筋注(旧販売名:COVID-19ワクチンモデルナ筋注) 開発コード:mRNA-1273(日本での開発コード:TAK-919)]
- 2022年5月、当社とModerna, Inc.(Moderna社)は、2022年8月1日付で「スパイクバックス筋注」の製造販売承認を当社からモデルナ・ジャパン株式会社(モデルナ・ジャパン)に承継することを公表しました。承継後モデルナ・ジャパンは、日本における「スパイクバックス筋注」の輸入、薬事、開発、品質保証および情報提供活動などのすべてに責任を持つことになります。当社は、当面の間、新型コロナウイルス感染症にかかわる特例臨時接種の枠組みの下、米国Moderna社の新型コロナウイルスワクチンの流通を引き続き担います。
[ヌバキソビッド筋注 開発コード:NVX-CoV2373(日本での開発コード:TAK-019)]
- 2022年4月、当社は、組換えスパイクタンパクを抗原とした新型コロナウイルス感染症ワクチン 「ヌバキソビッド筋注」について、18歳以上を対象として、厚生労働省より初回免疫および追加免疫に対する製造販売承認を取得したことを公表しました。今回の承認は、当社が実施した国内臨床第1/2相試験における中間結果、Novavax社が実施した英国ならびに米国およびメキシコで実施した2つのピボタル臨床第3相試験、オーストラリアおよび米国における臨床第1/2相試験の安全性と有効性のデータ、申請後に追加提出した海外の安全性および有効性のデータに基づいています。国内臨床第1/2相試験の中間結果は良好で、これまで実施された臨床試験の結果と一致していました。国内臨床試験において本ワクチン投与群に重篤な有害事象は認められませんでした。また、米国およびオーストラリアで実施した臨床第1/2相試験ならびに南アフリカで実施した臨床第2相試験において、初回接種から約6ヵ月後に本ワクチンを1回追加接種したところ、追加接種前と比較して顕著な抗体価の上昇が確認され、安全性に関する大きな懸念は認められませんでした。
- 2022年5月、当社は、「ヌバキソビッド筋注」について、予防接種法で定められた新型コロナワクチンの臨時予防接種に係る法令等の改正を経て、特例臨時接種として初回免疫(1、2回目接種)および追加免疫(3回目接種)を行う場合に使用するワクチンに指定されたことを公表しました。「ヌバキソビッド筋注」は、多くの医療用医薬品やワクチンと同様に冷蔵保存(保管温度:2-8℃)であり、通常のワクチンにおけるサプライチェーンを利用して輸送・保管することが可能です。
[QDENGA 一般名:4価弱毒生デング熱ワクチン(開発コード:TAK-003)]
- 2022年6月、当社は、「TAK-003」がグローバル臨床第3相試験である「TIDES試験(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)」において、ワクチン接種後4年半(54ヵ月)にわたる継続したデング熱の予防効果を示し、安全性について大きな懸念が認められなかったことを、第8回Northern European Conference on Travel Medicine(NECTM8)で発表しました。4年半を通して、「TAK-003」はデングウイルス感染症による入院に対して84.1%のワクチン有効性(95%信頼区間:77.8, 88.6)を示し、ワクチン接種前の血清反応陽性者では85.9%の有効性(78.7, 90.7)、血清反応陰性者では79.3%の有効性(63.5, 88.2)を示しました。また、ウイルス学的に確認されたデングウイルス感染症に対して61.2%(95%信頼区間:56.0, 65.8)の全体的な有効性を示し、ワクチン接種前の血清反応陽性者では64.2%の有効性(58.4, 69.2)、血清反応陰性者では53.5%の有効性(41.6, 62.9)でした。有効性は血清型によって異なっていましたが、この結果はこれまでに報告された結果と一貫性のあるものでした。「TAK-003」の忍容性は概ね良好であり、重要な安全性リスクは特定されませんでした。また、54ヵ月間の探索的解析からは、疾患増強のエビデンスは認められませんでした。
- 2022年8月、当社は、デング熱ワクチン「QDENGA」が、インドネシア国家医薬品食品管理庁(Badan Pengawas Obat dan Makanan:BPOM)により、いずれかのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的に、6歳から45歳を接種対象として承認されたことを公表しました。「QDENGA」は、デングウイルス感染歴を問わず、またワクチン接種前検査を必要としない唯一のデング熱ワクチンとしてインドネシアで承認されました。本承認は、進行中の臨床第3相試験である「TIDES試験」のワクチン接種後3年間の結果に基づくものです。
- 2022年10月、当社は、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、欧州連合(EU)およびEU-M4all制度に参加しているデング熱流行国における「QDENGA」の承認を推奨したことを公表しました。2022年12月、当社は、「QDENGA」が欧州委員会(EC)により、EUにおける4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的として、4歳以上を接種対象者として販売承認を取得したことを公表しました。ECによる承認は、28,000人以上の小児および成人を対象にした19件の臨床第1、2、3相試験の結果により裏付けられています。これには、グローバル臨床第3相「TIDES試験」の4.5年の追跡調査データが含まれています。当社は、アジア諸国およびラテンアメリカの他のデング熱流行国においても規制当局への申請を継続して進めています。
- 2022年11月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)が「TAK-003」の生物製剤承認申請(BLA)を受理し、優先審査に指定したことを公表しました。米国において「TAK-003」は、4歳から60歳を接種対象とした4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされるデング熱の予防を目的として審査されています。「TAK-003」のBLA申請は、グローバル臨床第3相試験である「TIDES試験」の安全性および有効性データに基づいています。
- 2023年3月、当社は、「QDENGA」がブラジルにおいて国家衛生監督庁(ANVISA: National Health Surveillance Agency)より、4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的として、4歳から60歳までを接種対象として承認を取得したことを公表しました。「QDENGA」は、デングウイルス感染歴を問わず、またワクチン接種前の感染歴検査を必要としない、ブラジルで承認された唯一のデング熱ワクチンです。本承認は、28,000人以上の小児および成人を対象にした19件の臨床第1、2、3相試験の結果に基づいており、これには、グローバル臨床第3相「TIDES試験」の4.5年の追跡調査データが含まれています。
パイプラインの現状
当社グループの各疾患領域および事業分野における研究開発活動の概要は、以下に示すとおりです。後出する主要な疾患領域および事業分野において開示されている当社グループパイプライン上の治療薬の候補物質は、それぞれ異なる開発段階にあり、現在開発中の候補物質の開発中止や新たな候補物質の臨床ステージ入りにより、パイプラインの内容は今後変わる可能性があります。以下に示す候補物質が製品として上市に至るかは、前臨床試験や臨床試験の結果、様々な医薬品の市場動向、規制当局からの販売承認取得の有無など、様々な要因に影響されます。本表では当社が承認取得を目指しているパイプラインの主な効能および承認されたパイプラインを掲載しています。掲載している効能以外にも、将来の効能・剤型追加の可能性を検討するために臨床試験を行っています。以下の表記載は、米国・欧州・日本・中国に限定していますが、当社グループはその他の地域でも開発活動を行っています。以下、「グローバル」の表記は、米国・欧州・日本・中国を指します。下記の表にあるパイプラインのモダリティは、「低分子」、「ペプチド・オリゴヌクレオチド」、「細胞および遺伝子治療」、「生物学的製剤他」のいずれかに分類しています。
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループの消化器系・炎症性疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
MLN0002
⦅vedolizumab⦆
ENTYVIO(グローバル)
エンタイビオ(日本)
ヒト化抗α4β7インテグリンモノクローナル抗体
(注射剤)
生物学的製剤他皮下投与製剤(潰瘍性大腸炎)日本
米国
承認(23/3)
申請(23/4)
皮下投与製剤(クローン病)日本
米国
申請(22/10)
P-Ⅲ
同種造血幹細胞移植を受けている患者における移植片対宿主病の予防欧州
日本
P-Ⅲ
P-Ⅲ
潰瘍性大腸炎・クローン病(小児)グローバルP-Ⅲ
TAK-438
⦅vonoprazan⦆
タケキャブ
(日本)
VOCINTI(中国)
カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(経口剤)低分子酸関連疾患(ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助)中国申請(22/8)
Cx601
⦅darvadstrocel⦆
アロフィセル(欧州、日本)
同種異系脂肪由来幹細胞懸濁剤(注射剤)生物学的製剤他難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻米国P-Ⅲ
難治性のクローン病に伴う複雑痔瘻(小児)欧州
日本
P-Ⅲ
P-Ⅲ
TAK-999(注1)
⦅fazirsiran⦆
GalNAcベースRNA干渉(RNAi)(注射剤)ペプチド・オリゴヌクレオチドα‑1アンチトリプシン欠乏症に伴う肝疾患米国
欧州
P-Ⅲ
P-Ⅲ
TAK-625(注2)
⦅maralixibat⦆
回腸胆汁酸トランスポーター(IBAT)阻害薬
(経口剤)
低分子アラジール症候群日本P-Ⅲ
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症日本P-Ⅲ
TAK-227/ZED1227
(注3)
トランスグルタミナーゼ2阻害薬(経口剤)低分子セリアック病P-Ⅱb
TAK-279チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬(経口剤)低分子乾癬P-Ⅱb
乾癬性関節炎P-Ⅱb
TAK-062
⦅zamaglutenase⦆
グルテン分解酵素
(経口剤)
生物学的製剤他セリアック病P-Ⅱ
TAK-101
(注4)
Tolerizing Immune Modifying nanoParticle(TIMP)(注射剤)生物学的製剤他セリアック病P-Ⅱ
TAK-951ペプチドアゴニスト
(皮下注射製剤)
ペプチド・オリゴヌクレオチド悪心、嘔吐P-Ⅱ

開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-105ペプチドアゴニスト
(皮下注射製剤)
ペプチド・オリゴヌクレオチド悪心、嘔吐P-Ⅰ
TAK-647抗MAdCAM-1抗体(注射剤)生物学的製剤他非アルコール性脂肪肝炎(NASH)P-Ⅰ(注5)

(注1)Arrowhead Pharmaceuticals社との提携
(注2)Mirum社との提携
(注3)Zedira社およびDr. Falk Pharma社との提携
(注4)COUR Pharmaceuticals社からTAK 101の開発および製品化の権利を獲得。旧名TIMP GLIA
(注5)被験者登録中
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループのニューロサイエンス(神経精神疾患)領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
<一般名>
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-935
⦅soticlestat⦆
CH24H阻害薬 (経口剤)低分子ドラベ症候群グローバルP-Ⅲ
レノックス・ガストー症候群グローバルP-Ⅲ
TAK-141/JR-141(注1)
⦅pabinafusp alfa⦆
抗ヒトトランスフェリン受容体抗体とイズロン酸‑2‑スルファターゼの融合蛋白質[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他ハンター症候群(中枢性および身体症状)欧州P-Ⅲ
TAK-861オレキシン2受容体アゴニスト(経口剤)低分子ナルコレプシータイプ1P-Ⅱb
ナルコレプシータイプ2P-Ⅱb
TAK-071M1ポジティブアロステリックモジュレーター
(M1PAM)(経口剤)
低分子パーキンソン病P-Ⅱ
TAK-041/NBI-846
(注2)
GPR139アゴニスト
(経口剤)
低分子大うつ病(MDD)における無快楽症P-Ⅱ
TAK-653/NBI-845
(注2)
AMPA受容体増強薬
(経口剤)
低分子抗うつ薬による効果が不十分な大うつ病(MDD)P-Ⅱ
TAK-341/MEDI1341
(注3)
抗α‑シヌクレイン抗体
(注射剤)
生物学的製剤他多系統萎縮症(MSA)P-Ⅱ
TAK-611髄腔内投与用ヒトアリールスルファターゼA[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他異染性白質ジストロフィーP-Ⅱ
TAK-594/DNL593(注4)脳内移行性を有するプログラニュリン融合蛋白質
(注射剤)
生物学的製剤他前頭側頭型認知症P-Ⅱ
TAK-925
⦅danavorexton⦆
オレキシン2受容体アゴニスト(注射剤)低分子術後の麻酔からの回復、ナルコレプシーP-Ⅰ
TAK-920/DNL919(注4)脳内移行性を有するTREM2 アゴニストモノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他アルツハイマー病P-Ⅰ

(注1)JCRファーマとの提携、開発は同社が実施
(注2)Neurocrine社との提携、開発は同社が実施
(注3)AstraZeneca社との提携、パーキンソン病対象のP-Ⅰ試験を完了
(注4)Denali Therapeutics社との提携、P-Ⅰ試験は同社が実施
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループのオンコロジー領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-788
⦅mobocertinib⦆
EXKIVITY
(米国、中国)
EGFR/HER2 阻害薬
(エクソン20変異対応)
(経口剤)
低分子EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん
(セカンドライン以降)(注1)
中国
欧州
(注2)
日本
承認(23/1)
申請取り下げ(22/7)
P-Ⅲ
EGFRエクソン20挿入変異を有する非小細胞肺がん
(フロントライン)
グローバルP-Ⅲ
TAK-113(注3) ⦅fruquintinib⦆VEGFR阻害薬(経口剤)低分子転移性大腸がん米国
欧州
日本
申請(23/3)
P-Ⅲ
P-Ⅲ
SGN-35(注4)⦅brentuximabvedotin⦆アドセトリス(欧州、日本、中国)CD30モノクローナル抗体薬物複合体(注射剤)生物学的製剤他再発・難治性の皮膚T細胞リンパ腫日本申請(23/2)
ステージIII ホジキンリンパ腫(ファーストライン)欧州申請(23/3)
MLN9708
⦅ixazomib⦆
ニンラーロ
(グローバル)
プロテアソーム阻害薬
(経口剤)
低分子自家造血幹細胞移植後の初発の多発性骨髄腫の維持療法(TOURMALINE-MM3試験)米国
欧州
P-Ⅲ
P-Ⅲ
⦅cabozantinib⦆
(注5)
カボメティクス
(日本)
マルチターゲットキナーゼ阻害薬(経口剤)低分子転移性去勢抵抗性前立腺がん(アテゾリズマブとの併用(注6))日本P-Ⅲ
⦅ponatinib⦆ICLUSIG(米国)BCR-ABL阻害薬
(経口剤)
低分子フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(フロントライン)米国P-Ⅲ
フィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病(小児適応)P-Ⅰ
TAK-385
⦅relugolix⦆
LH‑RHアンタゴニスト
(経口剤)
低分子前立腺がん日本
中国
P-Ⅲ
P-Ⅲ
TAK-981
⦅subasumstat⦆
SUMO阻害薬(注射剤)低分子複数のがん種P-Ⅱ
TAK-573(注7)
⦅modakafusp alfa⦆
抗CD38抗体(IgG4)と
活性減弱IFNαとの融合蛋白(注射剤)
生物学的製剤他再発・難治性の多発性
骨髄腫
P-Ⅱ
固形がんP-Ⅰ
TAK-007(注8)CD19 CAR‑NK細胞療法
(注射剤)
細胞および
遺伝子治療
再発・難治性のB細胞性
悪性腫瘍
P-Ⅱ
TAK-102(注9)GPC3 CAR‑T(注射剤)細胞および
遺伝子治療
固形がんP-Ⅰ
TAK-103(注9)メソテリン CAR‑T
(注射剤)
細胞および
遺伝子治療
固形がんP-Ⅰ
TAK-676STINGアゴニスト
(注射剤)
低分子固形がんP-Ⅰ
TAK-500STINGアゴニスト
抗体薬物複合体(注射剤)
生物学的製剤他固形がんP-Ⅰ

開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-940(注10)CD19 1XX CAR-T
(注射剤)
細胞および
遺伝子治療
再発・難治性のB細胞性
悪性腫瘍
P-Ⅰ
TAK-186(注11)T細胞誘導抗体
(注射剤)
生物学的製剤他EGFR発現固形がんP-Ⅰ
TAK-280(注11)T細胞誘導抗体
(注射剤)
生物学的製剤他B7‑H3発現固形がんP-Ⅰ

(注1)米国食品医薬品局(FDA)の審査は、FDA オンコロジー・センター・オブ・エクセレンス(腫瘍研究拠点:OCE)の取り組みである、国際的なパートナーとの間でオンコロジー製品の同時申請・同時審査を行う枠組みを提供するProject Orbisに基づいて行われました。現時点において、英国(2022年5月)、スイス(2022年6月)、オーストラリア(2022年7月)、韓国(2022年7月)およびブラジル(2023年3月)で承認を取得
(注2)欧州医薬品庁(EMA)との議論を踏まえ販売許可申請を取り下げることを決定
(注3)HUTCHMED社との提携
(注4)Seagen社との提携
(注5)Exelixis社との提携
(注6)中外製薬との提携、P-Ⅲ試験は当社が実施
(注7)Teva Pharmaceutical Industries社との提携
(注8)The University of Texas MD Anderson Cancer Centerとの提携
(注9)Noile immune Biotech社との提携
(注10)Memorial Sloan Kettering Cancer Centerとの提携
(注11)Maverick Therapeutics社買収を通じて取得
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループの希少遺伝子疾患および血液疾患領域のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-620(注1)
⦅maribavir⦆
LIVTENCITY(米国、欧州)
ベンズイミダゾールリボシド系阻害薬
(経口剤)
低分子移植後の(バル)ガンシクロビル、シドフォビル、ホスカルネットに治療抵抗性・難治性のサイトメガロウイルス感染(症)欧州
中国
承認(22/11)申請(22/12)
臓器移植(造血幹細胞移植も含む)後におけるサイトメガロウイルス感染(症)日本P-Ⅲ
TAK-743
⦅lanadelumab⦆
タクザイロ
(グローバル)
血漿カリクレイン阻害薬(注射剤)生物学的製剤他遺伝性血管性浮腫(小児)米国
欧州
承認(23/2)
申請(22/12)
TAK-672(注2)
OBIZUR(米国、欧州)
ブタ第VIII因子
[遺伝子組換え]
(注射剤)
生物学的製剤他後天性血友病A(AHA)中国
日本
申請(22/6)
P-Ⅱ/Ⅲ
TAK-577
VONVENDI(米国、日本)
VEYVONDI(欧州)
フォン・ヴィレブランド因子[遺伝子組換え](注射剤)生物学的製剤他フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(成人)中国申請(23/1)
フォン・ヴィレブランド病の予防(成人)欧州
中国
申請(23/3)
P-Ⅲ
フォン・ヴィレブランド病の出血時および周術期の補充療法(小児)グローバルP-Ⅲ
TAK-660
アディノベイト
(米国、日本)
ADYNOVI(欧州)
抗血友病因子
[遺伝子組換え]
PEG修飾(注射剤)
生物学的製剤他血友病A(小児)欧州P-Ⅲ
TAK-755(注3)
⦅apadamtase alfa/cinaxadamtase alfa⦆
欠損したADAMTS13 酵素の補充(注射剤)生物学的製剤他先天性血栓性血小板減少性紫斑病グローバルP-Ⅲ(注5)
免疫性血栓性血小板減少性紫斑病米国
欧州
P-Ⅱ
P-Ⅱ
鎌状赤血球症米国P-Ⅰ
TAK-079(注4)
⦅mezagitamab⦆
抗CD38モノクローナル抗体(注射剤)生物学的製剤他重症筋無力症P-Ⅱ
免疫性血小板減少性紫斑病P-Ⅱ
全身性エリテマトーデスP-Ⅰ/Ⅱ
IgA腎症P-Ⅰ

(注1)GlaxoSmithKline社との提携
(注2)IPSEN社との提携
(注3)KMバイオロジクス社との提携
(注4)再発・難治性の多発性骨髄腫の試験は試験終了まで継続
(注5)2023年5月、米国において申請済み
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループの血漿分画製剤のパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード
<一般名>製品名
(国/地域)
薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-771(注1)
⦅IG Infusion 10% (Human) w/ Recombinant Human Hyaluronidase⦆
HYQVIA(米国、欧州)
遺伝子組換え型ヒトヒアルロニダーゼ含有免疫グロブリンG補充療法(皮下注射製剤)生物学的製剤他原発性免疫不全症候群(小児)米国承認(23/4)
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎米国
欧州
申請(23/2)
申請(23/3)
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・
多巣性運動ニューロパチー
日本P-Ⅲ
原発性免疫不全症候群日本P-Ⅲ
TAK-662
CEPROTIN
(米国、欧州)
プロテインC濃縮物
[ヒト由来]
(注射剤)
生物学的製剤他重症先天性プロテインC欠乏症の
長期予防
欧州承認(22/12)
重症先天性プロテインC欠乏症日本申請(23/4)
TAK-664
⦅IG Infusion 20% (Human)>CUVITRU
(米国、欧州)
免疫グロブリン20%
[ヒト由来](皮下注射製剤)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・
続発性免疫不全症候群
日本申請(22/10)
TAK-880
⦅10% IVIG
(Low IgA)⦆
免疫グロブリン 10%
[ヒト由来](注射剤)
(Low IgA)
生物学的製剤他原発性免疫不全症候群・
多巣性運動ニューロパチー
米国
欧州
申請(23/1)(注2)申請準備中
(注3)
TAK-330PROTHROMPLEX TOTAL(欧州)4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤[ヒト由来](注射剤)生物学的製剤他血液凝固障害、手術時の直接経口抗凝固薬(DOAC)使用に伴う出血傾向の抑制米国P-Ⅲ
TAK-961
⦅5% IVIG⦆
献血グロベニン-I
(日本)
免疫グロブリン 5%
[ヒト由来]
(注射剤)
生物学的製剤他自己免疫性脳炎(AE)日本P-Ⅲ
TAK-881
⦅Facilitated 20% SCIG⦆
遺伝子組換え型
ヒトヒアルロニダーゼ
含有免疫グロブリンG
20% 補充療法(注射剤)
生物学的製剤他免疫不全症米国
欧州
P-Ⅰ/Ⅱ

(注1)Halozyme社との提携
(注2)2023年5月、当社は、TAK-880の新薬承認申請(NDA)に対し、米国食品医薬品局(FDA)より審査完了報告通知(CRL)を受領。当社はCRLの内容を精査中であり今後のステップを検討中
(注3)データ収集のための非介入試験が継続中
2023年5月11日(決算発表日)における当社グループのワクチンのパイプラインは以下のとおりです。なお、決算発表日以降の主な開発の進捗は注釈に記載しています。
開発コード薬効(投与経路)モダリティ適応症/剤型追加国/地域開発段階
TAK-019/
NVX‑CoV2373(注1)
ヌバキソビッド筋注(日本)
SARS‑CoV‑2ワクチン
(注射剤)
生物学的製剤他新型コロナウイルスによる感染症(COVID‑19)の予防(初回および追加接種)日本承認(22/4)
新型コロナウイルスによる感染症(COVID‑19)の予防(初回免疫時と
異なるワクチンとしての追加接種)
日本P-Ⅲ
TAK-003(注2)
QDENGA(欧州)
4価デング熱ワクチン
(注射剤)
生物学的製剤他4種すべての血清型によるあらゆる重症度のデング熱ウイルスによる感染症の予防、ただし4歳以上が対象欧州
米国
承認(22/12)(注3)
申請(22/11)
4種すべての血清型によるあらゆる重症度のデング熱ウイルスによる感染症の予防、ただし4歳以上が対象
(追加接種としての延長投与)
P-Ⅲ
TAK-426(注4)ジカウイルスワクチン
(注射剤)
生物学的製剤他ジカウイルスによる感染症の予防P-Ⅰ

(注1)Novavax社との提携
(注2)インドネシア(2022年8月)およびブラジル(2023年3月)においてQDENGA(TAK-003)の承認取得
(注3)当社は欧州連合(EU)における承認とEU-M4all制度を通じてのEU域外の国々における承認を目的とした医薬品に適用される欧州医薬品庁(EMA)が実施する並行審査に参加。2022年10月に、EMAの欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、欧州およびEU-M4all精度に参加しているデング熱流行国におけるTAK-003の承認を推奨
(注4)米国政府Biomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)との提携
開発中止品目
2022年4月1日以降に中止したプロジェクトは以下のとおりです。
開発コード適応症/剤型追加
(国/地域、開発段階)
中止および終了理由
⦅brigatinib⦆アレクチニブとの直接比較試験(セカンドライン;米国、欧州、P-Ⅲ)主要評価項目において無益性解析の基準に該当。
TAK-994ナルコレプシー(P-Ⅱ)TAK-994は臨床試験を中断していたが、臨床データに基づき開発を継続しないことを決定。TAK-861およびTAK-925など他のオレキシンポートフォリオの開発を優先。
TAK-039クロストリジウム・ディフィシル感染症(P-Ⅰ)当社のポートフォリオ最適化のため、戦略的な意思決定に基づきTAK-039の開発を継続しない。
TAK-605固形がん(P-Ⅰ)戦略的理由に基づき、武装化(armored)腫瘍溶解性ウイルスTAK‑605の開発に関するTurnstone Biologics社との提携の中止を決定し、当該候補物質の全世界の権利を同社に返還。ワクシニアウイルスプラットフォームに基づいて追加の新規治療薬候補を特定する両者間の共同研究は継続中。
TAK-834副甲状腺機能低下症
(日本、P-Ⅰ試験完了)
NATPAR/NATPARAの製造を全世界で中止することを受けて、日本における開発を終了。
TAK-510悪心、嘔吐(P-Ⅰ)臨床第1相試験のデータは、さらなる開発を支持する結果ではなかった。
⦅cabozantinib⦆転移性非小細胞肺がん(セカンドライン;アテゾリズマブとの併用)
(日本、P-Ⅲ)
臨床第3相「CONTACT-01試験」は主要評価項目を達成せず、この適応症におけるさらなる開発を支持する結果ではなかった。
TAK-954術後消化管機能障害(P-Ⅱb)臨床第2b相試験は評価項目を達成しなかった。当社とTheravance Biopharma社は本プログラムの開発を継続しないことおよび提携を終了することを合意。
TAK-018/EB8018
⦅sibofimloc⦆
クローン病(手術後および回腸炎)(P-Ⅱa)臨床第2a相試験は評価項目を達成しなかった。
MLN9708
⦅ixazomib⦆
造血幹細胞移植未実施の初発の多発性骨髄腫の維持療法(TOURMALINE-MM4 試験)(米国、欧州、中国)世界各国の規制当局との協議は継続しているものの、本試験の最終解析結果により、当社は米国および欧州において本適応症での開発を継続しないことを決定。(NINLAROは日本、韓国、タイ、台湾およびブラジルにおいて維持療法の適応症が承認済み。)
TAK-620
⦅maribavir⦆
造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染のファーストライン治療
(米国、欧州、P-Ⅲ)
規制当局と臨床試験結果をレビューした結果、当社は本適応症での開発を継続しないことを決定。
TAK-743
⦅lanadelumab⦆
ブラジキニン介在性血管性浮腫(グローバル、P-Ⅲ)C1インヒビターが正常レベルの血管性浮腫患者さんを対象とした臨床第3相試験は主要評価項目を達成しなかった。新たな安全性シグナルは確認されず、TAKHZYROの遺伝性血管性浮腫(HAE)発作の予防に対する適応症に変更なし。
⦅niraparib⦆乳がん(日本、P-Ⅲ)適格性基準に基づく対象患者を十分に登録することが困難となったため、GSK社はグローバル臨床第3相ZEST試験への患者登録を完全に中止。これを受け、当社も日本における患者登録を中止。

(注)当社はアデノ随伴ウイルス(AAV)遺伝子治療の探索および前臨床の取り組みを中止することを決定。
ライセンスおよび共同研究開発契約
①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要
当社は通常の事業において、製品開発および商業化のために第三者とライセンス契約や業務提携を行うことがあります。当社の事業は、こうした個々の契約に大きく依存するものではありませんが、これらの契約は全体として、社内外のリソースを組み合わせて活用することで新製品の開発や上市を可能にするという当社の戦略の一部を構成しています。これまで製品上市に寄与してきた契約の一部に関する概要は以下の通りであります。
- アドセトリス:2009年、当社はSeagen, Inc.(旧シアトルジェネティクス社)(以下、「Seagen社」)と、「アドセトリス」のグローバル共同開発および世界各国(同社が本剤を販売している米国、カナダを除く)における販売の提携契約を締結しました。本提携関係に基づき、当社は薬事規制上の承認申請の進捗に関するマイルストンおよび販売の進捗に関するマイルストンを支払うことが求められています。また、契約対象地域における「アドセトリス」の正味売上高に基づき10%台半ばから20%台半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。当社とSeagen社は、本提携関係のもとで実施される選択された開発活動の費用を均等に共同で負担しますが、2023年3月31日現在、当社の「アドセトリス」提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本提携関係は、いずれか一方の当事者による正当な事由または両者の合意をもって解除することができます。当社は本提携関係を自由に解除でき、Seagen社は一定の状況において本提携関係を解除できます。両社により提携解除がなされなかった場合、本契約は全ての支払い義務の満了をもって自動的に終了します。2023年3月に、Seagen社は、Pfizer Inc.(以下、「ファイザー社」)とファイザー社の子会社との間で、最終的な合併契約書を締結した旨を公表しました。これにより、慣習的なクロージング条件に従った取引のクロージング後に、Seagen社は、ファイザー社の完全子会社となります。
- トリンテリックス:2007年、当社はH. Lundbeck A/S(以下、「ルンドベック社」)とライセンス、開発、供給および販売契約を締結し、同社の保有する気分障害・不安障害治療薬パイプライン上の複数の化合物について米国および日本における独占的な共同開発および共同販売権を取得しました。本契約に基づき、当社とルンドベック社は、米国および日本で「トリンテリックス」を販売しており、また、開発資金の大部分を当社が負担することとし、関連化合物の共同開発に合意しました。「トリンテリックス」による収益は当社が計上し、当社はルンドベック社に対し正味売上高の一部に加え、当社による本剤の売上に基づき10%台前半から半ばの割合で段階的なロイヤルティを支払います。また、本提携関係に基づき、当社はルンドベック社に対し、開発および販売の進捗に関して一定の開発および販売マイルストンを支払うことに合意しておりますが、2023年3月31日現在、当社の「トリンテリックス」提携契約に基づく販売マイルストンの残存支払見込額はありません。本契約は無期限に存続しますが、両者の合意または正当な事由をもって解除されます。
②将来に向けた研究プラットフォームの構築/研究開発における提携の強化
- 2022年10月、当社とZedira GmbH(Zedira社)およびDr. Falk Pharma GmbH(Dr. Falk Pharma社)は、セリアック病治療薬として臨床第2b相試験を実施中の「ZED1227/TAK-227」の開発に関する提携・ライセンス契約を締結したことを公表しました。セリアック病はグルテンを摂取すると小腸に炎症や損傷を引き起こす重篤な自己免疫疾患であり、「TAK-227」はセリアック病患者のグルテンに対する免疫反応を予防することで、ファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性がある候補物質です。現在、同疾患に対して承認された治療薬はありません。「TAK-227」は、胃や腸組織におけるグルテンの分解過程で免疫原性のあるグルテンペプチドの産生に関与する組織トランスグルタミナーゼ(TG2)という酵素を選択的に阻害する、経口投与可能な低分子化合物です。「TAK-227」は、調節不全の状態にあるトランスグルタミナーゼを標的とすることで、グルテンに特異的なT細胞の活性化を介した疾患の発症プロセス、すなわちグルテンに対する免疫反応を防ぎ、小腸の粘膜損傷を予防します。本契約に基づき、当社とDr. Falk Pharma社は、セリアック病に対する「TAK-227」のグローバル臨床試験を実施します。当社は、米国とその他の国々(欧州、カナダ、オーストラリアおよび中国を除く)における「TAK-227」の独占的開発・販売権を取得します。
③研究開発における提携
下表では、「①ライセンスおよび共同研究開発契約の概要」以外の、研究開発における当社の提携および外部化提携を記載しており、全ての共同研究開発活動を記載しているものではありません。「内容/目的」欄の記述は、別途記載されていない限り契約締結時点のものを示しています。
消化器系・炎症性疾患領域
提携先内容/目的
Arrowhead Pharmaceuticals米国α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患(AATLD)を対象とし、臨床段階にあるRNA干渉(RNAi)治療薬fazirsiran(TAK‑999、ARO‑AAT)の開発に向けた提携およびライセンス契約。ARO‑AATは、AATLDの進行を引き起こす変異型α‑1アンチトリプシン蛋白の産生を低減する目的で設計されたファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性がある。
Cerevance米国中枢神経系で発現する新規標的タンパク質を特定し、ある種の消化器系の障害に対する新しい治療法を開発するための複数年にわたる研究提携。提携の目標は、Cerevance社のNETSseq技術によって生成された遺伝子発現データセットから、ターゲットを選択、特定および検証すること。
COUR Pharmaceuticals米国COUR社からグリアジンタンパク質含有のImmune Modifying NanoparticleであるTIMPGLIA(TAK‑101)の全世界での独占的な開発および製品化の権利を獲得。
Engitix英国Engitix社独自の細胞外マトリックス探索プラットフォームの活用による、肝線維症およびクローン病や潰瘍性大腸炎などの線維性の炎症性腸疾患に対する新規治療薬の特定と開発に関する共同研究およびライセンス契約。
Genevant Sciences Corporation米国肝星細胞を標的とするGenevant社のLNPプラットフォームを活用し、肝線維症の進行を阻止または回復させるため当社が設計したRNAiオリゴヌクレオチドを送達することを目的とした提携およびライセンス契約。本提携は、特定の希少肝疾患の治療のために当社が設計した非ウイルス性(ウイルスベクターを用いない)遺伝子治療薬を送達することも目的とする。
Mirum Pharmaceuticals米国アラジール症候群(ALGS)、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)および胆道閉鎖症(BA)を対象としたmaralixibat(TAK-625)の日本における開発および販売に関する独占的ライセンス契約。
Sosei Heptares英国Sosei Heptares社のStaR®技術および構造生物学の専門性を活用し、Gタンパク質共役受容体(GPCR)に作用する構造ベース創薬により消化器系疾患の新規治療薬の開発を目的とする提携・ライセンス契約。
UCSD/Fortis Advisors米国UCSD(カリフォルニア大学サンディエゴ校)からのライセンス技術を活用し、好酸球性食道炎治療薬としてブデソニド経口製剤(TAK-721)を開発。
Zedira/Dr. Falk Pharmaドイツセリアック病におけるグルテンに対する免疫反応を予防するよう設計された、ファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性のある組織トランスグルタミナーゼ2(TG2)阻害薬TAK-227/ZED1227の開発および販売に関する提携・ライセンス契約。当社は米国およびその他の地域(欧州、カナダ、オーストラリアおよび中国を除く)における独占的権利を保有。


ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域
提携先内容/目的
Anima Biotech米国遺伝的に特定された神経疾患に対するmRNA翻訳調節薬に関する戦略的な共同研究・開発。
AstraZeneca英国多系統萎縮症(MSA)およびパーキンソン病の治療薬候補として、alpha‑synuclein抗体であるMEDI1341/TAK-341の共同開発・販売契約。
BioMarin米国髄腔内投与により外因性アリルスルファターゼA酵素の中枢神経系への直接補充を可能にする技術の導入。急速に進行し、最終的には生命を脅かす希少な神経変性疾患である異染性白質ジストロフィー(MLD)患者において長期的な治療を行う(TAK-611)。
BridGene Biosciences米国BridGene社のケモプロテオミクスプラットフォームを用いて、「undruggable」なターゲットに対する低分子医薬品の発見を目指す共同研究。
CNDAP (Cure Network Dolby Acceleration Partners)米国アルツハイマー病などの主要な脳疾患に関与するタンパク質であるタウを標的とした低分子化合物の開発を目的とする共同研究。
Denali Therapeutics米国Denali社が有する脳へのバイオ治療薬移行性を高めるTransport Vehicle(TV)プラットフォーム技術を用いた、最大3つの神経変性疾患治療薬候補の開発および販売に関する戦略的オプションおよび提携契約。当社は2021年度第3四半期に、DNL593/TAK‑594およびDNL919/TAK‑920に関するオプション権を行使。
JCRファーマ日本ハンター症候群(MPS II)の治療薬であるTAK-141 (JR‑141, pabinafusp alfa)をJCR独自の血液脳関門(BBB)通過技術であるJBrain‑ Cargo®に適用し、事業化するための独占的な提携およびライセンス契約。当社は、TAK-141をカナダ、欧州、その他の地域(日本およびアジア太平洋地域を除く)を含む米国外で独占的に事業化。また当社は、本契約とは別のオプション契約に基づき、臨床第3相試験が終了した時点で、TAK‑141を米国で独占的に事業化する権利を取得。2022年3月、当社とJCR社はライソゾーム蓄積疾患(LSD)を対象に、J‑Brain Cargo® BBB通過技術を応用した遺伝子治療薬の開発について、新たに独占的ライセンスおよび共同研究契約を締結。当社は、希少疾患および非希少疾病領域における疾患をその対象として追加できるオプション権を保有。
Luxna Biotech日本Luxna社の画期的な人工修飾核酸技術の、神経疾患領域における複数の未公開の標的遺伝子に対する全世界での独占的ライセンス契約。
Neurocrine Biosciences米国TAK‑041/NBI-846、TAK-653/NBI-845およびTAK-831/NBI-844(luvadaxistat)を含む7つの当社の早期から中期開発段階の精神疾患領域パイプラインに関する開発および製品化に関する提携。当社は開発マイルストン、販売マイルストン、および正味売上高に応じたロイヤルティを取得する権利を有する。特定の開発段階において、当社はすべての臨床試験プログラムについて、1つひとつのパイプラインごとに、50:50の利益配分を受ける、または受けない選択をすることができる。2021年6月、当社はTAK-831/NBI-844(luvadaxistat)の更なる開発費用の分担をしないことを決定。当社は、引き続きTAK-831/NBI-844(luvadaxistat)に関するマイルストンおよびロイヤルティを受領する権利を保持。
PeptiDream日本神経筋疾患および神経変性疾患に対するペプチド‑薬物複合体(PDCs)の創製に関する共同研究および独占的ライセンス契約。
Wave Life Sciencesシンガポール神経疾患に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド医薬品の共同開発および共同販売に関する複数のプログラムにおけるオプション契約。


オンコロジー領域
提携先内容/目的
Adimab米国オンコロジー領域において、3つのモノクローナル抗体及び3つのCD3二重特異性抗体の創薬・開発・販売。
Crescendo Biologics英国がん領域におけるHumabody®を用いた治療薬の創製、開発および販売。
Egle Therapeuticsフランス腫瘍特異的制御性T細胞の新規標的を特定し、独自の抗サプレッサーに基づく免疫療法を開発。
Exelixis, Inc.米国オンコロジー治療薬cabozantinibに関して、日本における進行性腎細胞癌及び肝細胞癌をはじめ適応拡大を含めた独占的な開発・販売権を獲得。
GlaxoSmithKline英国新規がん治療薬niraparibに関して、日本における全てのがん、および韓国及び台湾においては前立腺がんを除く全てのがんに関する独占的開発・販売権を獲得。
Heidelberg Pharmaドイツ抗体薬物複合体に関する2標的に関するライセンスを含む研究提携(アルファアマニチン毒素及び独占権を有するリンカー)。
HUTCHMED中国HUTCHMED(China)Limitedおよびその子会社であるHUTCHMED Limitedとの、全世界(中国本土、香港およびマカオを除く)を対象とした、転移性大腸がんを含む全ての適応症におけるfruquintinib(TAK-113)のさらなる開発および商業化に関する独占的ライセンス契約。
KSQ Therapeutics米国KSQ社のCRISPRomics®技術を用いたがんに対する新規免疫ベース治療に関する、研究・開発・商業化における戦略的提携。
MD Anderson Cancer Center(MDACC)米国MDACCのプラットフォームおよび専門性と、当社の開発、製造ならびに商業化の能力を活用し、B細胞性の悪性腫瘍患者やその他のがん患者に対して、臍帯血由来キメラ抗原受容体を発現したNK(CAR-NK)細胞療法を提供するための独占的ライセンス契約および共同研究契約。
Memorial Sloan Kettering Cancer Center米国多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病および追加対象として固形がんの治療を目的とした新規のキメラ抗原受容体発現T細胞(CAR‑T)の細胞療法を開発するための戦略的な共同研究契約およびライセンス
契約を締結。本共同研究は、現在、Memorial Sloan Ketteringの細胞工学センターの責任者であるMichel Sadelainが共同で実施。
国立がん研究センター日本抗がん剤の創薬やがん生物学の研究に携わる研究者、医師などの交流促進を通じて、基礎研究から臨床試験まで進展させるための協力契約。
ノイルイミューン・バイオテック日本山口大学玉田耕治教授により開発された次世代型キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR‑T)療法の研究開発。当社は本提携により創出されたノイルイミューン・バイオテック社のパイプラインや製品の開発・販売権を導入できる独占的オプションを有する。本共同研究の成果を受け、NIB‑102とNIB‑103を導入済み。
Presage Biosciences米国抗がん剤を微量投与した際の患者の反応を評価するために、Presage社の独自のプラットフォームであるCIVO(Comparative In Vivo Oncology)を用いた複数のプログラムに関する共同研究およびライセンス契約。
Teva Pharmaceutical IndustriesイスラエルTEV‑48573/TAK‑573(modakafusp alpha、Anti‑CD38‑AttenukineTM)の全世界の権利及びTeva社のAttenukineTMプラットフォーム技術を活用する複数のターゲットの研究提携。
Turnstone Biologics米国Turnstone Biologics社のワクシニアウイルスプラットフォームに基づいて追加の新規治療薬候補を特定する共同研究提携。戦略的理由に基づき、武装化(armored)腫瘍溶解性ウィルスTAK‑605の開発に関するTurnstone Biologics社との提携の中止を決定し、当該候補物質の全世界の権利を同社に返還(2022年度)。

希少遺伝子疾患および血液疾患領域
提携先内容/目的
Asklepios Biopharmaceuticals米国血友病AおよびBを対象とする第Ⅷ因子の遺伝子治療を目的とする複数の研究開発提携。
Code Bio米国Code Bio社の3DNAプラットフォームを用いた、肝疾患を対象とした標的遺伝子治療薬の設計・開発、および中枢神経系を標的とした希少疾患プログラムの追加試験の実施についての共同研究およびライセンス契約。なお当社は、4つのプログラムについて、独占的ライセンスを受けるためのオプション権を保有。
Codexis, Inc.米国リソソーム蓄積症および血液因子欠乏症の治療を含む、特定の適応症に対する新規遺伝子治療の研究・開発を目的とする戦略的提携・ライセンス契約。
Ensoma米国Ensoma社のEngenious™ベクターについて、最大5つの希少疾患の適応症を対象とした全世界での独占的権利を取得する共同研究およびライセンス契約。
Evozyne米国最大4つの希少疾患を対象に、次世代遺伝子治療薬の開発に活用できるタンパク質の研究開発における共同研究およびライセンス契約。
GlaxoSmithKline英国GlaxoSmithKline社およびミシガン大学とのヒトサイトメガロウイルス感染症治療薬としてのTAK-620 (maribavir)導入契約。
Immusoft米国Immusoft社のImmune System Programming(ISP™)技術プラットフォームを用いて、中枢神経系の症状や合併症を伴う希少遺伝性代謝性疾患の細胞療法を探索、開発、事業化するための研究提携およびライセンスオプション契約。
IPSENフランス後天性血友病A治療薬としてのOBIZUR開発のための譲渡(購入)契約。緊急および非緊急の手術におけるインヒビター保有先天性血友病A患者への適用開発も含む。
KMバイオロジクス日本血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を対象とするが、同疾患に限らず、rADAMTS13(TAK-755)を治療に用いるための開発提携およびライセンス契約。
Poseida Therapeutics
(注1)
米国Poseida社のpiggyBac、Cas‑CLOVER、生分解性DNAおよびRNAナノ粒子送達技術、およびその他の独自の遺伝子工学プラットフォームを最大8種類の遺伝子治療に利用するための研究提携および独占的ライセンス契約。
Selecta Biosciences(注2)米国Selecta社のImmTORプラットフォームを用いて、ライソゾーム病領域の2つの適応症を対象とした標的型次世代遺伝子治療法を開発するための研究提携およびライセンス契約。
Xenetic Biosciences米国PolyXen(ポリシアル酸ポリマー)を用いた血友病第Ⅶ因子、第Ⅷ因子、第Ⅸ因子および第Ⅹ因子の送達技術に関する独占的研究開発ライセンス契約。

(注1)当社は本研究提携およびライセンス契約を2023年7月30日をもって終了することをPoseida Therapeutics社に通知しました。
(注2)当社は本研究提携およびライセンス契約を2023年7月25日をもって終了することをSelecta Biosciences社に通知しました。
血漿分画製剤
提携先内容/目的
Halozyme米国HYQVIAの拡散と吸収を高めることを目的としたHalozyme社の独自基盤技術ENHANZE™の導入。
Kamadaイスラエル静脈投与α1‑プロテアーゼインヒビター(GLASSIA)の開発および商用化の導入契約;GLASSIAの米国、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドにおける独占的供給および流通;継続中の市販後コミットメントの実施。
Johnson & Johnson/Momenta Pharmaceuticals米国Johnson & Johnson社に買収されたMomenta Pharmaceuticals社との、臨床開発段階にある高シアル化免疫グロブリン(hsIgG)候補物質に関するライセンス契約。
PreviPharma欧州新規標的タンパク質の開発に関する研究提携およびオプション契約。


ワクチン
提携先内容/目的
米国政府
The Biomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)
米国当社が有するジカ熱ワクチン候補(TAK-426)の米国での開発に関するパートナーシップ。当社は取得したデータを利用し、世界中の流行地域での承認申請に用いるオプション権を保有。
Novavax米国厚生労働省および日本医療研究開発機構(AMED)からの助成対象となったNovavax社のCOVID‑19ワクチン「ヌバキソビッド®筋注」の日本における開発、製造、商業化に関するNovavax社との提携。当社と厚生労働省は、需要を含めた複数の事項を条件とする1億5千万回接種分のNovavax社ワクチンの供給に関する契約を締結。2023年2月、厚生労働省は既に当社から納入済みのものを除く残余数量の購入予定を取り消し。当社は、Novavax社と協力しオミクロン株を含む変異株に対応したワクチンの開発を進める。
Moderna米国Moderna社のCOVID19ワクチン「スパイクバックス™筋注」を国内輸入・供給することに関する、Moderna社、厚生労働省との3者間契約。初回接種については2021年5月に特例承認を、50µgでの追加接種については2021年12月に製造販売承認を、それぞれ厚生労働省から取得。2021年に供給した5,000万回接種分(100μg)に加え、当社は2022年に合計9,300万回接種分(50μgでの追加接種分)を日本国内に輸入を開始。2022年8月付でモデルナ・ジャパン株式会社が、日本における「スパイクバックス筋注」の輸入、薬事、開発、品質保証および情報提供活動などを含む「スパイクバックス™筋注」に係る全ての活動を承継。当社は、移行期間は、新型コロナウイルス感染症にかかわる特例臨時接種の枠組みの下、米国Moderna社の新型コロナウイルスワクチンの流通を引き続き担う。両社は、承継に伴う業務を滞りなく進める。

その他/複数の疾患領域
提携先内容/目的
Bridge Medicines米国Tri‑Institutional Therapeutics Discovery Institute, Bay City Capital および Deerfield Management と提携し、Bridge Medicinesを設立。Tri‑I TDIで採択された研究プロジェクトに対して、資金面、運用面、管理面での支援を行い、有効性やターゲットの創薬上の検証であるプルーフ・オブ・コンセプト(POC)試験から臨床試験への移行まで継ぎ目なく実施。
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)日本当社重点領域疾患(ニューロサイエンス、オンコロジー、消化器系・炎症性疾患を含む)でのiPS細胞の臨床応用およびiPS細胞のトランスレーショナルサイエンスが注目される追加領域での探索。
Charles River Laboratories米国Charles River Laboratories社が有するエンド・ツー・エンドの創薬および安全性評価プラットフォームを活用し、当社の重点疾患領域における複数のプログラム群を候補化合物の段階まで進めるため提携。
Evotec SEドイツ当社で増加する研究段階の遺伝子治療創薬プログラムをサポートするための研究提携。また、Evotec社と当社は、従来のアプローチでは対応が困難な標的に対して、RNAを標的とする低分子治療薬の探索および開発を目指し、複数のRNAを標的とする提携を開始。
Massachusetts Institute of Technology米国人工知能(AI)の開発と応用を促進し、人の健康と医薬品開発に貢献するためのMIT‑Takedaプログラム。
Abdul Latif Jameel Clinic for Health in Machine Learning(J‑Clinic)に設置する新しいプログラムは、当社およびMITの専門知識を組み合わせて活用し、当社の投資によってサポートされる。

Schrödinger米国Schrödinger社の保有するin silico技術に基づく創薬力と当社の疾患領域に対する深い知見および構造生物学における専門性を融合した、複数の創薬標的に関する共同研究。
Stanford University米国革新的な治療薬をさらに効率的に開発するために、Stanford Alliance for Innovative Medicines(Stanford AIM)を設立。
Tri-Institutional Therapeutics
Discovery Institute(Tri-I TDI)
米国産学連携を推進し、革新的な医薬品を創出。
Twist Bioscience米国ヒトの体内に存在する配列のみを用いた合成抗体ファージディスプレイライブラリのパネルであるTwist社の「Library of Libraries」にアクセスするためのライセンス契約。両社は共同で、新しい抗体候補の発見、検証、最適化に取り組む。


知的財産
特許や登録商標を用いて可能な限り自社の製品や技術を守ることは、当社グループの事業戦略において重要な部分を占めています。当社グループが市場競争力を維持し高めるためには、営業秘密、当社独自のノウハウ、技術的イノベーションおよび第三者との契約の取り決めが欠かせません。当社がビジネス上の成功を収めることが出来るかどうかは、強固な特許を取得し行使する能力や、営業秘密を保護し続ける能力、第三者の知的財産権を侵害することなく事業を行う能力、付与されたライセンスの条件を遵守する能力に依存する場合があります。新薬の開発は長期間にわたり、研究開発は多くの費用を必要とします。また、治療薬候補のうち上市されるものはごくわずかであることから、知的財産の保護は新薬の研究開発への投資の回収において重要な役割を担っています。
当社グループは米国、日本、欧州の主要国において可能な限り当社独自の技術の特許保護を求めていきます。その他の国々についても、可能な国々において、選別したうえで特許保護を求めていきます。いずれの場合にも特許保護自体を取得するか、ライセンサーを通じて特許出願をサポートするよう努めています。特許は、当社グループが使用する技術を保護するための主要な手段です。特許は、他社による医薬品に関する発明の使用を排除する権利を特許権者に付与します。当社グループの医薬品を保護するために、有効成分をカバーする物質特許、薬の用途、製造方法、製剤に関する特許等、様々な種類の特許を使用しています。当社グループの低分子化合物医薬品は、主に物質特許によって保護されています。通常は物質特許の存続期間終了をもって当該医薬品の市場独占権は失われますが、その後も当該物質の用途、用法、製造方法、新規組成物または剤型に関する特許等の非物質特許によって、商業利益が保護されることがあります。物質特許が満了した場合でも、各国の関連法規制によるデータ保護制度により対象製品が保護されることもあります。
当社グループのバイオ製品は1件以上の物質特許によって保護されることがありますが、製品によっては物質特許以外の特許または規制当局によるデータ保護、またはその両方が適用されることもあります。しかし、競合会社によって、同じ疾患に対する類似製品および(または)バイオシミラーが当社グループの特許を侵害することなく開発され、販売されることがあることから、バイオ製品にとって特許による保護の重要性は伝統的な医薬品に比べて低い場合があります。
米国では、原則として出願から20年で特許は満了しますが、米国特許商標庁の審査遅延による特許の発行遅延があ った場合は特許期間の調整が行われる可能性があります。また、製品、製品を使用した治療法、製品の製造方法に関する米国の医薬特許は、米国食品医薬品局(FDA)による製品の承認審査期間に応じて特許期間延長の対象となる場合があります。このような場合の存続期間の延長は5年を上限としており、製品の承認取得から14年を超える延長は認められません。FDAの遅延に基づく期間延長が認められるのは、1製品につき1件の特許のみです。FDAは、新規化合物またはオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に対しては、特許による独占権に加えて、データあるいは市場の独占権を追加付与することがあり、これらは既にある特許保護期間と並行して存続します。データ保護規制またはデータ独占権は、ジェネリック医薬品を発売し得る競合他社が、先発品の安全性および有効性を確立する際にスポンサーが作成した臨床試験データを新規化合物については5年間、オーファンドラッグについては7年間使用できないようにするものです。市場独占権は、同一薬剤を同効(同じ適応症)に 対して販売することを禁止するものです。
日本では、有効成分については、特許庁により特許が付与されます。用量や投与方法など治療法については、日本では特許の対象となりませんが、特定の投与方法・用量にて使用する医薬組成物や、医薬組成物の製造方法については、特許の対象となります。日本では原則として出願より20年で特許は満了します。医薬特許は、承認までの審査に要した時間により、5年を限度として延長されることがあります。また、日本ではデータ保護制度として「再審査期間」を設けており、その期間は新有効成分含有医薬品については8年、新効能・新医療用配合剤については4年から6年、オーファンドラッグについては10年となっています。
欧州連合(EU)では、欧州特許庁(EPO)または欧州各国で特許を申請することができます。EPOの制度では、EU全体およびスイス、トルコ等のいくつかのEU非加盟国での特許を一括申請することができます。EPOが特許を付与すれば、特許権者が指定する国々において特許が有効となります。EPOまたは欧州諸国のいずれかが認める特許の存続期間は、延長や調整があり得ますが、原則として出願から20年です。医薬品の特許は、補充的保護証明書(SPC)制度のもと、さらに追加の独占期間を付与されます。SPCは、特許権者が欧州医薬品庁または各国の規制当局から販売承認を受けるのに要した時間を補償する制度です。SPCにより、特許期間とあわせて、欧州で最初の販売承認を取得した日から最長15年の独占権を与えられます。ただし、SPCの最長期間は5年です。認可された小児臨床試験計画(PIP)によるデータが提出された製品であれば、6ヶ月の小児用医薬品に係るSPCの追加延長が認められます。SPC制度を含め、承認後の特許は、各国の法制度により運用されています。特許およびSPCに関する規制はそれぞれ欧州特許庁およびEUのレベルで作られましたが、国ごとの運用の違いにより、例えば、EU各国の国内裁判所で無効申立てされた場合など、必ずしも同じ結果にはつながりません。また、EUは承認されたヒト用医薬品につき、特許保護と並行してデータ独占権を与えています。現在承認されている医薬品に関する制度は、通常「8+2+1」と呼ばれています。これは、まず初めに競合他社が関連データに依拠することができないデータ保護期間が8年間、続いて競合他社が販売承認申請のために当該データを使用できるものの、競合品を上市することができない市場独占期間が2年間、さらに、スポンサーが最初のデータ保護期間8年間の間に、他の治療薬が存在しない適応症か「既存治療薬に比べて有意な臨床的有効性」が認められる新たな適応症を追加した場合、追加で1年間の市場独占権を認めるものです。これは各国での承認にもEUの中央審査による承認にも当てはまります。また、EUには米国に類似したオーファンドラッグの独占制度があります。医薬品がオーファンドラッグとして指定された場合、10年間の市場独占権が与えられ、この間当該医薬品と同じ適応症を持つ同様の医薬品には販売承認が付与されません。特定の条件下では、小児臨床試験計画の完了によるさらに2年間の小児用医薬品に係る延長が認められます。
当社グループ製品の関連特許満了後の後発品の市場参入や、競合他社によるOTC医薬品の発売等、当社グループは世界中で知的財産に関わる課題に直面しています。当社グループのグローバルジェネラルカウンセルは、法務ならびに知的財産権の業務についても監督責任を負っています。当社グループの知的財産部は、下記3つの優先事項に注力することにより、当社グループの全社的な戦略をサポートしています。
・疾患領域別ユニットの戦略に沿った自社製品および研究開発パイプラインの価値の最大化および関連する権利の保護
・パートナーとの提携サポートによる外部イノベーションのよりダイナミックな活用の促進
・新興国市場を含む世界各国での知的財産権取得および保護
当社グループの知的財産権が侵害されることは、それらの権利から得ることが期待される収益が失われるリスクとなるため、当社グループは特許やその他の知的財産を管理するための内部プロセスを整備しています。当該プロセスでは、第三者からの侵害に継続的に警戒するとともに、当社グループの自社製品および活動が第三者の知的財産権を侵害しないよう、研究開発段階から注意を払っています。
通常の事業活動において、当社グループの特許は第三者から無効の申し立てを受ける可能性があります。当社グループは、当事者として知的財産権に関する訴訟等に関与しております。継続中の重要な訴訟の詳細については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32 コミットメントおよび偶発負債」をご参照ください。
下表では、記載された製品について、対象地域ごとに、存続している物質特許およびデータ保護期間(以下、「RDP」)(米国およびEU)もしくは再審査期間(以下、「RP」)(日本)ならびに満了日を記載しております。RDPとRPについてはそれらの制度的な独占期間が特許満了日後にも与えられる場合にのみ記載しています。特許期間の延長(PTE)、補充的保護証明書(SPC)、小児用医薬品に係る独占期間(PEP)は当局により認められたものについては満了日に反映され、申請手続中で認められていないものについては、延長された満了日を別途記載しています。
当社グループのバイオ医薬品は、下記の特許満了期間に関わらず、同じ適応症に対する類似製品またはバイオシミラーを製造する他社との競争に直面するか、今後直面する可能性があります。また、欧州の特許の一部は、SPCにより、いくつかの国で下表に記載の満了期限を超えて対象製品に追加的な保護が付与されます。
製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
消化器系疾患領域:
ENTYVIO
エンティビオ/エンタイビオ
特許: —
RP: 2028年7月(注2)
特許: —
RDP: 2026年5月(注7)
特許: —
RDP: 2025年5月(注7)
DEXILANT
デクスラント
未発売特許: —特許: —
PANTOLOC /CONTROLOC
(PANTOPRAZOLE)
パントプラゾール
未発売特許: —特許: —
TAKECAB
タケキャブ(注3)
特許: 2031年8月特許: —(注3)特許: —(注3)
GATTEX/レベスティブ特許: —
RP: 2031年6月(注2)
特許: —(注5)特許: —
RDP: 2024年9月
PENTASA(注4)特許: —(注4)特許: —特許: —(注4)
LIALDA/MEZAVANT(注3)
リアルダ
特許: —(注3)特許: —特許: —
RESOLOR/MOTEGRITY未発売特許: —
RDP: 2023年12月
特許: —
ALOFISEL
アロフィセル
特許:—
RP:2031年9月(注2)
未発売特許:—
RDP: 2028年3月
希少代謝性疾患領域:
ELAPRASE(注3)
エラプレース
特許: —(注3)特許: —特許: —
REPLAGAL
リプレガル
特許: —未発売特許: —
VPRIV
ビプリブ
特許: —
RP: 2024年7月(注2)
特許: —特許: —

製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
希少血液疾患領域:
ADVATE
アドベイト
特許: —特許: —特許: —
ADYNOVATE/ADYNOVI
アディノベイト
特許: 2026年1月
RP: 2024年3月(注2)
特許: 2026年2月
RDP: 2027年11月
特許:2024年2月SPCが認められれば2029年2月まで延長
RDP: 2028年1月
FEIBA(注6)
ファイバ
特許: —特許: —特許: —
HEMOFIL(注6)
ヘモフィル
未発売特許: —未発売
IMMUNATE(注6)未発売未発売特許: —
IMMUNINE(注6)未発売未発売特許: —
VONVENDI特許: —
RP: 2030年3月(注2)
特許: 2030年12月
RDP: 2027年12月
特許: —
RDP: 2028年8月
RECOMBINATE未発売特許: —未発売
遺伝性血管性浮腫領域:
FIRAZYR
フィラジル
特許: —
RP: 2028年9月(注2)
特許: —特許: —
TAKHZYRO特許:2031年1月
PTEが認められれば2036年1月まで延長
RP: 2032年3月(注2)
特許:2032年8月

RDP: 2030年8月
特許:2031年1月(いくつかの国では2033年11月まで延長)
RDP: 2028年11月
CINRYZE(注6)未発売特許: —特許: —
希少疾患-その他
LIVTENCITY未発売特許: —
RDP:2028年11月
特許: —
RDP: 2032年11月

製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
血漿由来の免疫疾患治療領域:
GAMMAGARDLIQUID(注6)未発売特許: —特許: —
HYQVIA(注6)未発売特許: —
RDP: 2026年9月
特許: —
RDP: 2024年5月
CUVITRU(注6)未発売特許: —
RDP: 2028年9月
特許: —
RDP: 2027年7月
FLEXBUMIN(注6)未発売特許: —特許: —
HUMANALBUMIN(注6)
アルブミン
未発売特許: —未発売
GLASSIA(注6)特許: —(注4)特許: —特許: —(注4)
ARALAST(注6)未発売特許: —未発売
オンコロジー領域:
VELCADE(注3)
ベルケイド
特許: —(注3)特許: —特許: —(注3)
LEUPLIN/ENANTONE
リュープリン/ENANTONE
特許: —特許: —特許: —
NINLARO
ニンラーロ
特許: 2031年7月
RP: 2027年3月(注2)
特許: 2029年11月特許: 2031年11月
RDP: 2026年11月
ADCETRIS(注4)
アドセトリス
特許: 2028年7月
RP: 2028年5月(注2)
特許: —(注4)特許: 2027年10月
RDP: 2023年10月
ICLUSIG(注3)
アイクルシグ
特許: —(注3)特許: 2027年1月特許: —(注3)
ALUNBRIG
アルンブリグ
特許: 2032年11月
RP: 2029年1月
特許: 2031年4月
RDP: 2024年4月
特許: 2029年5月
SPCが認められれば2033年11月まで延長
RDP: 2028年11月
VECTIBIX(注4)
ベクティビックス
特許: —特許: —(注4)特許: —(注4)
EXKIVITY未発売特許: 2035年5月 PTEが認められれば2035年9月まで延長
RDP: 2028年9月
未発売

製品名特許満了日(日本)
(注1)(注2)
特許満了日(米国)
(注1)
特許満了日(EU)
(注1)
ZEJULA
ゼジューラ
特許: 2033年1月
RP: 2028年9月(注2)
特許: —(注4)特許: —(注4)
CABOMETYX(注4)特許: 2029年9月
RP: 2028年3月(注2)
特許: —(注4)特許: —(注4)
ニューロサイエンス(神経精神疾患)領域:
VYVANSE/ELVANSE
バイバンス/ビバンセ
特許: 2029年6月
RP: 2027年3月(注2)
特許: 2023年8月特許: 2024年6月(いくつかの国では2028年2月または2029年3月まで延長)
TRINTELLIX(注4)
トリンテリックス
特許: 2027年10月
RP: 2027年9月(注2)
特許: 2026年6月
小児exclusivityが認められれば2026年12月まで延長
特許: —(注4)
ADDERALL XR未発売特許: —未発売
ROZEREM
ロゼレム
特許: —特許: —未発売
INTUNIV
インチュニブ
特許: —
RP: 2025年3月(注2)
特許: —特許: —
RDP: 2025年9月
その他:
AZILVA-F
アジルバ
特許: —未発売未発売
LOTRIGA(注4)
ロトリガ
特許: —特許: —(注4)特許: —(注4)
FOSRENOL
ホスレノール
特許: —(注3)特許: —未発売
QDENGA未発売未発売特許: —
RDP: 2032年12月

(注1) 表中の「—」は物質特許の満了または該当なしを表します。
(注2) 日本では、後発品の承認申請は、先発品の再審査期間終了後に行われ、規制当局による審査の後、承認、薬価収載されます。したがって、後発品は再審査期間の満了後から一定の期間を経て市場に参入します。
(注3) 本製品は、第三者への導出契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。
(注4) 本製品は、特定の地域限定で第三者からの導入契約を締結しているため、全ての地域で当社グループが販売を行っているわけではありません。詳細については「ライセンスおよび共同研究開発契約」をご参照ください。
(注5) 2023年3月時点で発売された後発品はありません。GATTEX/レベスティブの後発品の正確な参入時期について現時点では定かではありません。
(注6) これらの医薬品は血漿分画製剤です。
(注7) 当社グループは、ENTYVIOの製剤、投与方法、製造工程といった様々な項目について特許権を保有しており、そのうち一部は2032年に満了する予定です。なお、2032年より前にバイオシミラーの上市を目指す場合には、特許権侵害や関連するすべての特許の有効性を確認する必要があるため、バイオシミラーの正確な参入時期について現時点では定かではありません。