有価証券報告書-第113期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるSantenグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ264億円減少し、4,093億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ202億円減少し、2,852億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億円減少し、1,241億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益3,000億円(前年同期比0.6%減)、コア営業利益594億円(前年同期比5.4%減)、営業利益469億円(前年同期比21.6%増)、当期利益359億円(前年同期比34.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益363億円(前年同期比36.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動の結果得た資金が609億円あったことなどの一方、有形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
Santenグループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
(注)1 生産実績の金額は販売価格によっています。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっています。
(イ)受注実績
Santenグループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
(注)最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるSantenグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:億円)
当連結会計年度末の資産は、4,093億円となりました。製商品等の棚卸資産の増加などがあった一方、営業債権流動化等運転資金の圧縮に取り組んだことに加えて、無形資産の減少などにより前連結会計年度末と比べ264億円減少しました。
資本は、2,852億円となりました。自己株式の取得による資本圧縮効果やその他の資本の構成要素の減少などにより前連結会計年度末と比べ202億円減少しました。なお、2024年11月29日に284億円(16,985千株)、2025年2月28日に84億円(5,000千株)の自己株式の消却をそれぞれ実施しました。
負債は、1,241億円となりました。営業債務及びその他の債務の減少及び法人所得税等の支払などにより前連結会計年度末と比べ62億円減少しました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、69.9%となりました。
なお、SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。その一環として、営業債権の流動化を実施しており、ROIC(投下資本収益率)の改善に取り組んでいます。
ⅱ 経営成績
(単位:億円)
[売上収益]
前連結会計年度と比べ0.6%減少し、3,000億円となりました。
日本では薬価改定の影響やジクアスLX点眼液の自主回収の影響を受けたものの新製品や主力製品の拡大に注力、海外でも主力製品が堅調に推移したことに加え為替影響もあり、前連結会計年度と同水準となりました。
◇日本
6%台後半の薬価改定やジクアスLX点眼液の自主回収の影響はあったものの、2024年4月に販売を開始したアイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mLや、同5月に販売を開始したアレジオン眼瞼クリーム0.5%等を含む主力製品の拡大に注力した結果、前連結会計年度と比べ5.9%減少し、1,653億円となりました。
◇中国
集中購買や製品供給の影響により、円換算ベースで前連結会計年度と比べ3.1%減少し(為替影響を除いた成長率は△7.9%)、289億円となりました。
◇アジア(中国除く)
韓国における医師ストライキの影響を受けたものの、主力製品が堅調に推移し、円換算ベースで前連結会計年度と比べ5.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+2.7%)、301億円となりました。
◇EMEA※2
現地での領域別市場シェア一位の緑内障製品を中心に伸長し※3、円換算ベースで前連結会計年度と比べ14.8%増加し(為替影響を除いた成長率は+10.5%)、743億円となりました。
[コア営業利益]
売上総利益について、前連結会計年度と比べ4.4%減少し、1,710億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ3.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.2%)、875億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ4.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△7.4%)、241億円となりました。
これらにより、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ5.4%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.1%)、594億円となりました。
[営業利益]
コアベースからの調整内容として、前連結会計年度に米州の合理化に関する費用が、売上原価に2億円、販売費及び一般管理費に7億円、研究開発費に2億円それぞれ発生し、当連結会計年度に合理化に関する費用が販売費及び一般管理費に4億円発生しました。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ7.0%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△8.6%)、88億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品、2019年より欧州で販売を開始した「プリザーフロ マイクロシャント」、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び2023年より欧州で販売を開始した「Rhopressa / Rocklatan」に関する無形資産の償却によるものです。
その他の収益は、6億円となりました。
その他の費用は、39億円となりました。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は前連結会計年度と比べ21.6%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は+21.1%)、469億円となりました。これは主に、前連結会計年度にその他の費用が多額であったことによるものです。
[当期利益]
金融収益は、40億円となりました。
金融費用は、27億円となりました。
持分法による投資損失は、7億円となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度より85億円増加し、116億円となりました。これは主に、上述のIFRS(フル)ベースの営業利益の増加に伴う税引前当期利益が増加したこと、及び前連結会計年度に在外子会社で繰延税金資産を認識したことによるものです。
これらにより、当期利益は前連結会計年度と比べ34.3%増加し、359億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度と比べ36.1%増加し、363億円となりました。売上収益に対するその比率は12.1%となりました。
※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績から以下の収益及び費用を控除し、コアベースの業績を算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用
※2 欧州、中東及びアフリカです。
※3 出典:Copyright © 2025 IQVIA.IQVIA MIDAS 2023.1Q-2023.4Qを基に参天分析 無断転載禁止
(イ)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
中期経営計画(2025~2029年度)においては以下の財務戦略に基づき営業キャッシュ・フロー、ROE及びEPSの成長を財務戦略の中核に、積極的な成長投資と株主還元を両立し、結果としてPER・株主価値の最大化を図ります。
① 売上成長とコストの持続的適正化を通じて、事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮、グループ内余資活用、及び資金調達により投資余力を最大化する
② 創出したキャッシュは、将来の成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強と、イノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に投資する
③ 累進配当を継続し、利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、投資機会や株価の状況に応じ、自社株買いによる追加還元も実施する
当連結会計年度は、業績及び財務状況などを総合的に勘案した結果、中間配当は1株につき17円としました。また、期末配当は2025年6月24日開催予定の第113期定時株主総会での承認を条件に1株につき19円とさせていただく予定です。
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:億円)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、609億円の収入(前連結会計年度は、726億円の収入)となりました。当期利益359億円、減価償却費及び償却費179億円、営業債権及びその他の債権の流動化等による減少185億円、並びに法人所得税の支払額122億円などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、82億円の支出(前連結会計年度は、61億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出67億円及び無形資産の取得による支出44億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当連結会計年度は1銘柄の投資の売却による収入が21億円ありました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、533億円の支出(前連結会計年度は、340億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出379億円及び配当金の支払額121億円などによるものです。
当連結会計年度の設備投資額は、75億円となりました。製造設備及び研究開発用機器の更新に加え、拡大を続ける需要に対し、安定供給のための生産能力確保を目的として、中国の現地法人「参天製薬(中国)有限公司」の新工場に係る投資を継続しています。今後、見込まれる市場成長に対して、生産キャパシティを構築し、供給能力を確保することで、グローバルでの競争優位を確立し、さらなる事業の成長に繋げていきます。
これらの設備投資資金は自己資金により充当しました。
(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
Santenグループは、2023年度に発表しました前中期経営計画(~2025年度)について構造改革などの施策を着実に遂行し、2025年度の数値目標を前倒しで達成しました。この度、Santenグループは、長期視点での戦略の展開と収益基盤のさらなる強化を通じた新たな成長軌道への転換を実現すべく、2035年までに目指す姿、及び2029年度までの中期経営計画(2025~2029年度)を策定しました。眼科領域に特化したグローバルカンパニーとして、高い確度での製品開発と確実な収益の確保で堅実なグローバル成長を追求し、製品価値の最大化による最適な眼科医療の提供と眼科医療や患者さんのニーズの深い理解に基づく眼科医療のイノベーションを軸として事業活動を展開します。
2029年度における連結数値目標・KPI
1 参考値
2 2024年度実績-2029年度目標CAGR
3 必要運転資金を450億円と定義し、一定期間留保された余資金を原資に実施
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
Santenグループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
Santenグループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。
Santenグループの連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に関する報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
Santenグループの財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。
当連結会計年度におけるSantenグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ264億円減少し、4,093億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ202億円減少し、2,852億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億円減少し、1,241億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上収益3,000億円(前年同期比0.6%減)、コア営業利益594億円(前年同期比5.4%減)、営業利益469億円(前年同期比21.6%増)、当期利益359億円(前年同期比34.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益363億円(前年同期比36.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動の結果得た資金が609億円あったことなどの一方、有形固定資産の取得による支出、自己株式の取得による支出、配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
Santenグループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
| 金額(百万円) | 対前年度増減率(%) | |
| 生産実績 | 208,749 | 5.6 |
| 商品仕入実績 | 74,039 | 5.6 |
(注)1 生産実績の金額は販売価格によっています。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっています。
(イ)受注実績
Santenグループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
| 金額(百万円) | 対前年度増減率(%) | |
| 販売実績 | 300,004 | △0.6 |
(注)最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社スズケン | 50,115 | 16.6 | 43,463 | 14.5 |
| 株式会社メディセオ | 34,653 | 11.5 | 32,759 | 10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるSantenグループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | |
| 資産 | 4,357 | 4,093 | △264 |
| 資本 | 3,054 | 2,852 | △202 |
| 負債 | 1,303 | 1,241 | △62 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 70.2% | 69.9% | △0.3ポイント |
当連結会計年度末の資産は、4,093億円となりました。製商品等の棚卸資産の増加などがあった一方、営業債権流動化等運転資金の圧縮に取り組んだことに加えて、無形資産の減少などにより前連結会計年度末と比べ264億円減少しました。
資本は、2,852億円となりました。自己株式の取得による資本圧縮効果やその他の資本の構成要素の減少などにより前連結会計年度末と比べ202億円減少しました。なお、2024年11月29日に284億円(16,985千株)、2025年2月28日に84億円(5,000千株)の自己株式の消却をそれぞれ実施しました。
負債は、1,241億円となりました。営業債務及びその他の債務の減少及び法人所得税等の支払などにより前連結会計年度末と比べ62億円減少しました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、69.9%となりました。
なお、SantenグループではROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を最重要指標に、キャッシュ・フローの最大化と資本コストの低減の両面から株主価値最大化に取り組んでいます。キャッシュの源泉としては営業活動から得られるインフローを基本としつつ、キャッシュ・コンバージョン・サイクル管理により運転資本の効率を高めることでキャッシュ創出力の最大化に取り組みます。その一環として、営業債権の流動化を実施しており、ROIC(投下資本収益率)の改善に取り組んでいます。
ⅱ 経営成績
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 対前年度増減率 | |
| 売上収益 | 3,020 | 3,000 | △0.6% |
| コア営業利益※1 | 628 | 594 | △5.4% |
| 営業利益 | 385 | 469 | 21.6% |
| 当期利益 | 267 | 359 | 34.3% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 266 | 363 | 36.1% |
[売上収益]
前連結会計年度と比べ0.6%減少し、3,000億円となりました。
日本では薬価改定の影響やジクアスLX点眼液の自主回収の影響を受けたものの新製品や主力製品の拡大に注力、海外でも主力製品が堅調に推移したことに加え為替影響もあり、前連結会計年度と同水準となりました。
◇日本
6%台後半の薬価改定やジクアスLX点眼液の自主回収の影響はあったものの、2024年4月に販売を開始したアイリーア8mg硝子体内注射液114.3mg/mLや、同5月に販売を開始したアレジオン眼瞼クリーム0.5%等を含む主力製品の拡大に注力した結果、前連結会計年度と比べ5.9%減少し、1,653億円となりました。
◇中国
集中購買や製品供給の影響により、円換算ベースで前連結会計年度と比べ3.1%減少し(為替影響を除いた成長率は△7.9%)、289億円となりました。
◇アジア(中国除く)
韓国における医師ストライキの影響を受けたものの、主力製品が堅調に推移し、円換算ベースで前連結会計年度と比べ5.0%増加し(為替影響を除いた成長率は+2.7%)、301億円となりました。
◇EMEA※2
現地での領域別市場シェア一位の緑内障製品を中心に伸長し※3、円換算ベースで前連結会計年度と比べ14.8%増加し(為替影響を除いた成長率は+10.5%)、743億円となりました。
[コア営業利益]
売上総利益について、前連結会計年度と比べ4.4%減少し、1,710億円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ3.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.2%)、875億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ4.6%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△7.4%)、241億円となりました。
これらにより、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ5.4%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△6.1%)、594億円となりました。
[営業利益]
コアベースからの調整内容として、前連結会計年度に米州の合理化に関する費用が、売上原価に2億円、販売費及び一般管理費に7億円、研究開発費に2億円それぞれ発生し、当連結会計年度に合理化に関する費用が販売費及び一般管理費に4億円発生しました。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ7.0%減少し(為替影響を除いた対前年度増減率は△8.6%)、88億円となりました。これは主に、2014年にMerck & Co., Inc.(米国)から譲り受けた眼科製品、2019年より欧州で販売を開始した「プリザーフロ マイクロシャント」、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」及び2023年より欧州で販売を開始した「Rhopressa / Rocklatan」に関する無形資産の償却によるものです。
その他の収益は、6億円となりました。
その他の費用は、39億円となりました。
これらにより、IFRS(フル)ベースの営業利益は前連結会計年度と比べ21.6%増加し(為替影響を除いた対前年度増減率は+21.1%)、469億円となりました。これは主に、前連結会計年度にその他の費用が多額であったことによるものです。
[当期利益]
金融収益は、40億円となりました。
金融費用は、27億円となりました。
持分法による投資損失は、7億円となりました。
法人所得税費用は、前連結会計年度より85億円増加し、116億円となりました。これは主に、上述のIFRS(フル)ベースの営業利益の増加に伴う税引前当期利益が増加したこと、及び前連結会計年度に在外子会社で繰延税金資産を認識したことによるものです。
これらにより、当期利益は前連結会計年度と比べ34.3%増加し、359億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は前連結会計年度と比べ36.1%増加し、363億円となりました。売上収益に対するその比率は12.1%となりました。
※1 Santenグループでは2015年3月期のIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益及び費用を控除した「コアベース」での財務情報を事業活動自体の収益性を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績から以下の収益及び費用を控除し、コアベースの業績を算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・企業買収に係る費用、並びに再成長のための生産性向上及び合理化等に係る費用
※2 欧州、中東及びアフリカです。
※3 出典:Copyright © 2025 IQVIA.IQVIA MIDAS 2023.1Q-2023.4Qを基に参天分析 無断転載禁止
(イ)キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 財務戦略
財務戦略は眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を追求することを基本としています。
中期経営計画(2025~2029年度)においては以下の財務戦略に基づき営業キャッシュ・フロー、ROE及びEPSの成長を財務戦略の中核に、積極的な成長投資と株主還元を両立し、結果としてPER・株主価値の最大化を図ります。
① 売上成長とコストの持続的適正化を通じて、事業から創出されるキャッシュに加え、運転資金圧縮、グループ内余資活用、及び資金調達により投資余力を最大化する
② 創出したキャッシュは、将来の成長投資として、生産能力拡大に向けた設備増強と、イノベーションを生み出す研究開発・事業開発へ優先的に投資する
③ 累進配当を継続し、利益成長に伴う増配により直接還元を行うとともに、投資機会や株価の状況に応じ、自社株買いによる追加還元も実施する
当連結会計年度は、業績及び財務状況などを総合的に勘案した結果、中間配当は1株につき17円としました。また、期末配当は2025年6月24日開催予定の第113期定時株主総会での承認を条件に1株につき19円とさせていただく予定です。
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | |
| 営業活動による キャッシュ・フロー | 726 | 609 | △117 |
| 投資活動による キャッシュ・フロー | △61 | △82 | △21 |
| 財務活動による キャッシュ・フロー | △340 | △533 | △193 |
| 現金及び現金同等物の 期末残高 | 946 | 930 | △16 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ16億円減少し、930億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、609億円の収入(前連結会計年度は、726億円の収入)となりました。当期利益359億円、減価償却費及び償却費179億円、営業債権及びその他の債権の流動化等による減少185億円、並びに法人所得税の支払額122億円などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、82億円の支出(前連結会計年度は、61億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出67億円及び無形資産の取得による支出44億円などによるものです。また政策保有株式の見直しを継続して実施しており、当連結会計年度は1銘柄の投資の売却による収入が21億円ありました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、533億円の支出(前連結会計年度は、340億円の支出)となりました。自己株式の取得による支出379億円及び配当金の支払額121億円などによるものです。
当連結会計年度の設備投資額は、75億円となりました。製造設備及び研究開発用機器の更新に加え、拡大を続ける需要に対し、安定供給のための生産能力確保を目的として、中国の現地法人「参天製薬(中国)有限公司」の新工場に係る投資を継続しています。今後、見込まれる市場成長に対して、生産キャパシティを構築し、供給能力を確保することで、グローバルでの競争優位を確立し、さらなる事業の成長に繋げていきます。
これらの設備投資資金は自己資金により充当しました。
(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
Santenグループは、2023年度に発表しました前中期経営計画(~2025年度)について構造改革などの施策を着実に遂行し、2025年度の数値目標を前倒しで達成しました。この度、Santenグループは、長期視点での戦略の展開と収益基盤のさらなる強化を通じた新たな成長軌道への転換を実現すべく、2035年までに目指す姿、及び2029年度までの中期経営計画(2025~2029年度)を策定しました。眼科領域に特化したグローバルカンパニーとして、高い確度での製品開発と確実な収益の確保で堅実なグローバル成長を追求し、製品価値の最大化による最適な眼科医療の提供と眼科医療や患者さんのニーズの深い理解に基づく眼科医療のイノベーションを軸として事業活動を展開します。
2029年度における連結数値目標・KPI
| 売上収益 | 4,000億円 |
| コア営業利益 | 800億円 (EBITDA:900億円)1 |
| ROE | 14%以上 |
| EPS成長率 | 2桁成長2 (EPS:160円以上) |
| 株主還元 | ・38円/年を配当下限とし、配当性向40%を目安に増配 ・株価と余資の状況を勘案し、機動的に自社株買いを実施3 ・ROE、EPSの更なる上昇を企図 |
1 参考値
2 2024年度実績-2029年度目標CAGR
3 必要運転資金を450億円と定義し、一定期間留保された余資金を原資に実施
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
Santenグループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
Santenグループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載しています。
Santenグループの連結財務諸表の作成において、経営者は会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用に関する報告金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行っています。
Santenグループの財政状態又は経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しています。