有価証券報告書-第108期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 15:57
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88項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における参天製薬グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
世界の眼科薬市場は、ここ数年堅調な伸びを示しており、特にアジア地域では継続的に力強い市場拡大基調を示しており、また、最大市場である米国や欧州諸国も伸長傾向にあります。
日本は、直近の傾向では前年同水準ではあるものの、米国に次ぎ世界第二位の市場規模を維持しています。
このような市場環境の下、当連結会計年度の業績は、次のとおりとなりました。
(ア)財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ176億円増加し、4,088億円となりました。
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ100億円増加し、3,026億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ76億円増加し、1,062億円となりました。
(イ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、コアベースでは、売上収益2,416億円(前年同期比3.2%増)、コア営業利益500億円(同3.7%増)、親会社の所有者に帰属するコア当期利益359億円(同0.5%減)となりました。
IFRS(フル)ベースでは、売上収益2,416億円(前年同期比3.2%増)、営業利益335億円(同25.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益236億円(同26.1%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、配当金の支払い、有形固定資産および無形資産の取得による支出などがあった一方、営業活動の結果得た資金が399億円あったことなどにより、前連結会計年度末と比べ206億円増加し、914億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
参天製薬グループは単一セグメントであり、当連結会計年度における実績は次のとおりです。
(ア)生産実績及び商品仕入実績
金額(百万円)対前年度増減率(%)
生産実績180,01312.5
商品仕入実績53,9123.7

(注)1 生産実績の金額は販売価格によっており、消費税等は含まれていません。
2 商品仕入実績の金額は仕入価格によっており、消費税等は含まれていません。
(イ)受注実績
参天製薬グループは販売計画、在庫状況を基礎として生産計画を立案し、これによって生産を行っていますので受注生産は行っていません。
(ウ)販売実績
金額(百万円)対前年度増減率(%)
販売実績241,5553.2

(注)1 最近2連結会計年度における、主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社スズケン44,32518.946,98419.5
株式会社メディセオ32,31313.833,26313.8

2 上記金額には、消費税等は含まれていません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による参天製薬グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(ア)経営成績等
ⅰ 財政状態
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額
資産391,186408,76817,582
資本292,572302,5609,988
負債98,614106,2087,594
親会社所有者帰属持分比率74.4%74.1%△0.3ポイント

当連結会計年度末の資産は、4,088億円となりました。中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損に伴う有形固定資産および無形資産の減少の一方、現金及び現金同等物の増加、およびIFRS第16号「リース」適用による有形固定資産の増加などにより前連結会計年度と比べ176億円増加しました。
資本は、3,026億円となりました。その他の資本の構成要素の減少などがあった一方、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末と比べ100億円増加しました。
負債は、1,062億円となりました。繰延税金負債の減少などがあった一方、IFRS第16号「リース」適用による金融負債およびその他の金融負債の増加などにより前連結会計年度末と比べ76億円増加しました。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末と比べ0.3ポイント減少し、74.1%となりました。
ⅱ 経営成績
イ.コアベース ※1
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度対前年度増減率
売上収益234,026241,5553.2%
コア営業利益48,23050,0233.7%
コア当期利益36,09235,894△0.5%
親会社の所有者に帰属する
コア当期利益
36,10335,928△0.5%

[売上収益]
前連結会計年度と比べ3.2%増加し、2,416億円となりました。
主力の医療用医薬品事業においては、日本では前連結会計年度と比べ4.1%増加しました。中国、アジア地域およびEMEA(ヨーロッパ、中東およびアフリカ)では、一部地域において、当第4四半期連結会計期間に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速はあったものの、当社製品は順調に市場浸透し、成長を維持しています。
売上収益の内訳は次のとおりです。
上段:金額
下段:対前年度増減率(単位:百万円)
日本中国アジアEMEA米州合計
医療用医薬品148,84222,25116,11236,643735224,584
4.1%4.4%6.2%1.6%39.4%4.0%
一般用医薬品11,722-312--12,034
△15.8%-6.5%--△15.4%
医療機器3,179--33613,515
22.3%--225.6%△90.2%29.8%
その他1,2817071--1,422
31.1%66.6%53.5%--33.5%
合計165,02422,32116,49636,979735241,555
2.8%4.5%6.3%2.3%38.0%3.2%
(注)外部顧客に対する売上収益を表しています。
顧客の所在地をもとに国または地域に分類しています。なお、アジアには中国を含んでいません。

<医療用医薬品>◇日本
薬価改定の影響による約2%の減収要因があったものの、「アイリーア硝子体内注射液※2」の継続的な伸長、2019年11月の抗アレルギー点眼剤「アレジオンLX点眼液」発売などにより、前連結会計年度と比べ4.1%増加し、1,488億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」91億円(対前年度増減率 △ 4.5%)
「タプコム配合点眼液」25億円(対前年度増減率 △ 1.1%)
「コソプト配合点眼液」77億円(対前年度増減率 △ 13.4%)
「エイベリス点眼液」16億円(対前年度増減率 +278.1%)

・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」78億円(対前年度増減率 △ 10.4%)
「ジクアス点眼液」143億円(対前年度増減率 + 2.3%)

・抗アレルギー点眼剤領域
「アレジオン点眼液」249億円(対前年度増減率 + 28.1%)

・網膜疾患治療剤領域
「アイリーア硝子体内注射液」601億円(対前年度増減率 + 7.1%)

◇中国
為替の影響に加え、当第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速はあったものの、円換算ベースで前連結会計年度と比べ4.4%増加し(為替影響を除いた成長率は+10.2%)、223億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・角結膜疾患治療剤領域
「ヒアレイン点眼液」79億円(対前年度増減率 + 3.8%)

・眼感染症治療剤領域
「クラビット点眼液」95億円(対前年度増減率 + 7.3%)

◇アジア(中国除く)
円換算ベースで前連結会計年度と比べ6.2%増加し(為替影響を除いた成長率は+11.6%)、161億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「コソプト配合点眼液」41億円(対前年度増減率 + 10.3%)

・角結膜疾患治療剤領域
「ジクアス点眼液」15億円(対前年度増減率 + 9.7%)

◇EMEA
円換算ベースで前連結会計年度と比べ1.6%増加し(為替影響を除いた成長率は+8.0%)、366億円となりました。主力製品の売上推移は次のとおりです。
・緑内障・高眼圧症治療剤領域
「タプロス点眼液」65億円(対前年度増減率 + 1.8%)
「タプコム配合点眼液」25億円(対前年度増減率 + 29.6%)
「コソプト配合点眼液」93億円(対前年度増減率 △ 1.3%)
「トルソプト点眼液」27億円(対前年度増減率 △ 1.3%)

・角結膜疾患治療剤領域
「Ikervis(アイケルビス)」31億円(対前年度増減率 + 6.2%)

<一般用医薬品>前連結会計年度と比べ15.4%減少し、120億円となりました。
「サンテボーティエシリーズ」、新「サンテメディカルシリーズ」、「ソフトサンティアシリーズ」などの高価格帯品に引き続き注力しています。
<医療機器>前連結会計年度と比べ29.8%増加し、35億円となりました。
これまでの主力品の「エタニティー」シリーズに加え、2019年4月に発売した眼内レンズ「レンティス コンフォート」(Oculentis IP B.V.(オランダ)から導入)の普及促進活動に注力しています。
<その他>その他の売上収益は14億円となりました。サプリメント製品の販売、株式会社クレール(連結子会社)での無塵・無菌服のクリーニング業によるものです。
[コア営業利益]
売上総利益は、前連結会計年度と比べ2.4%増加し、1,467億円となりました。
販売費及び一般管理費は、海外事業の拡大に伴い、前連結会計年度と比べ2.9%増加し、734億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度と比べ1.8%減少し、233億円となりました。
以上により、コアベースでの営業利益は、前連結会計年度と比べ3.7%増加し、500億円となりました。
※1 参天製薬グループではIFRS適用を機に、IFRSによる業績(「IFRS(フル)ベース」)から一部の収益および費用を控除した「コアベース」での財務情報を経常的な業績を示す指標として開示しています。IFRS(フル)ベースによる業績からコアベースでの業績への調整において控除する以下の収益および費用とそれらに係る法人所得税費用を調整し、コアベースを算出しています。
・製品に係る無形資産償却費
・その他の収益
・その他の費用
・金融収益
・金融費用
・販売費及び一般管理費のうち企業買収に係る一過性費用
※2 製造販売元であるバイエル薬品株式会社とのコ・プロモーション製品です。
ロ.IFRS(フル)ベース
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度対前年度増減率
売上収益234,026241,5553.2%
営業利益45,09833,535△25.6%
当期利益31,94321,714△32.0%
親会社の所有者に帰属する
当期利益
31,95423,618△26.1%

[売上収益]
コアベースからの調整はありません。
[営業利益]
売上総利益、販売費及び一般管理費、研究開発費について、コアベースからの調整はありません。
製品に係る無形資産償却費は、前連結会計年度と比べ41.6%増加し、99億円となりました。これは主に、Merck & Co., Inc.(アメリカ)から2014年に譲受けた眼科製品に関する無形資産、2015年より欧州で販売を開始した「Ikervis(アイケルビス)」に関する無形資産、ならびに2016年のInnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴い取得した「DE-128(PRESERFLO MicroShunt)」に関する無形資産(2019年4月より償却開始)の償却によるものです。
その他の収益は、4億円となりました。
その他の費用は、70億円となりました。主に、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失によるものです。
これらに加え、前連結会計年度に実施した旧本社・大阪工場跡地の売却に伴う売却益の反動減により、IFRS(フル)ベースの営業利益は、前連結会計年度と比べ25.6%減少し、335億円となりました。
[当期利益]
金融収益は、10億円となりました。
金融費用は、24億円となりました。主に、InnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動によるものです。
法人所得税費用は、104億円となりました。研究開発に関する税額控除による法人税等の減少の一方、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびInnFocus,Inc.(アメリカ)買収に伴う条件付対価の公正価値の変動に対する税効果の未認識により、税負担率が前連結会計年度より上昇しました。
これらにより、当期利益は、前連結会計年度と比べ32.0%減少し217億円となりました。
[親会社の所有者に帰属する当期利益]
親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度と比べ26.1%減少し、236億円となりました。
また、参天製薬グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
(イ)キャッシュ・フローの状況および資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ 資本政策
参天製薬グループは、眼科領域で競争優位を構築することで収益性を高め、キャッシュ創出力、ひいては株主価値の最大化を目指しています。また、資本効率や財務健全性など、当社にとって最適な資本構成を追求しながら、将来の成長のための内部留保と株主の皆様への利益還元の両方を適切なバランスにて実施することを基本としています。これら収益性、資本効率および財務健全性、内部留保、株主還元を最適化することで、ROE(親会社所有者帰属持分利益率)の向上に取り組みます。
成長のための投資については、パイプラインの強化、グローバル展開の加速、新規医療技術、グローバルな事業基盤拡充に向けた生産拠点、情報システムへの投資などに、積極的かつ効果的に資源投入を図ります。当連結会計年度は、2019年6月にグローバル経営体制の強化に向けて基幹業務システムを刷新することを決定しました。また、中国での成長を長期にわたり確固たるものとして、引き続き中国の眼科医療の発展に貢献するため、参天製薬(中国)有限公司の第二工場を建設することを2020年1月に決定しました。
収益性については、資本コストを上回る利益を実現することを基本とし、そのための評価基準を定め、投資判断を行っています。また、投下した資本の回収については、グローバルに拡大展開する事業の状況をモニタリングする経営管理体制の整備に加えて、税務を含むキャッシュマネジメントを通したキャッシュ最大化に取組んでいます。
資本効率については、成長投資と財務健全性の両方を勘案しながら、負債資本倍率(DEレシオ)の最適化および資産圧縮を進めています。当連結会計年度は、2019年9月にSanten Oyのタンペレ工場(フィンランド)のNext Pharma Oy(フィンランド)への譲渡を完了しました。
株主還元については、経営の最重要事項と位置付け、中長期的な事業環境や資金需要と内部留保の水準、ならびに資本構成等を総合的に勘案し、配当を中心に、自己株式取得を補完的な手段として株主の皆様に利益を還元することを基本としています。当連結会計年度は、業績および財務状況などを総合的に勘案した結果、2019年度の期末配当について、1円増配した14円としました。
ⅱ キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額
営業活動による
キャッシュ・フロー
32,89439,9477,053
投資活動による
キャッシュ・フロー
△2,935△5,175△2,240
財務活動による
キャッシュ・フロー
△28,107△12,72915,379
現金及び現金同等物の
期末残高
70,79691,43020,634

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ206億円増加し、914億円となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、399億円の収入(前連結会計年度は、329億円の収入)となりました。これは法人所得税の支払いが141億円などあった一方、当期利益が217億円に加えて、減価償却費および償却費が166億円および法人所得税費用が104億円あったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、52億円の支出(前連結会計年度は、29億円の支出)となりました。これは有形固定資産および無形資産の取得による支出が92億円あったことなどの一方、投資有価証券の売却による収入が35億円あったことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、127億円の支出(前連結会計年度は、281億円の支出)となりました。配当金の支払いが104億円およびリース負債の返済による支出が29億円あったことなどによるものです。
当連結会計年度の設備投資額は、90億円となりました。製造設備および研究開発用機器の更新に加え、Merck & Co., Inc.(アメリカ)より譲受けた眼科製品の内製化のための投資、グローバルな製品供給基盤の強化を目的とした生産体制・拠点再編に伴う設備投資および事業のグローバル展開を支えるためのIT基盤への投資等を行いました。
資金調達については、事業開発活動における投資機会の最大化のための効率的な資金調達を目的として、2020年3月に新たに株式会社三菱UFJ銀行とコミットメント期間を4年、貸付期間を最大10年とする総額300億円の実行可能期間付タームローン契約を締結しました。
(ウ)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標
当社は、中期経営計画「MTP2020」においては、利益の実現と成長への投資に積極的に取り組むことを前提に、売上高成長率、コア営業利益率、フルROEの3つの財務指標に達成目標を定めています。具体的目標値および実績値は下表のとおりです。
実績値目標値
2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高成長率13.0%4.0%3.2%6%以上(CAGR)
コア営業利益率20.2%20.6%20.7%21%以上(期間平均)
フルROE13.0%11.1%8.0%11%以上(期間平均)

当連結会計年度の実績値については、売上高成長率は、日本での薬価改定および為替影響による減収に加え、第4四半期連結会計期間における中国、アジア地域およびEMEAでの一部地域における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上の減速により、前年対比0.8ポイント減少し、目標の平均成長率を下回りました。なお、2021年3月期においても、地域毎の影響の度合いは異なるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による受診抑制等は一定期間続くものと想定しており、売上収益は前年対比減少を予想しています。
コア営業利益率は、海外事業の拡大に伴う販売費および一般管理費の増加はあったものの、適切な費用コントロール等により、引き続き目標とする水準を維持しています。また、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のコア営業利益率への影響は限定的です。なお、2021年3月期においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響による売上収益の減少が想定される状況下においても、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常的支出の抑制の両立を図ることで持続的な利益成長を確保していきます。
フルROEは、中国の合弁事業(重慶参天科瑞製薬有限公司)における有形固定資産の減損およびTRACON Pharmaceuticals, Inc.(アメリカ)と開発を進めていた滲出型加齢黄斑変性治療薬DE-122の開発中止に伴う無形資産の減損損失の影響に加え、前連結会計年度に実施した旧本社・大阪工場跡地の売却に伴う売却益の反動減の影響により、前年対比3.1ポイント減少し、目標値を下回りましたが、これら一過性の要因を除いた副次的経営指標であるコアROEは12.1%となり、目標とする水準を上回っています。
②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
参天製薬グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
参天製薬グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しています。
参天製薬グループの財政状態または経営成績に対して特に重大な影響を与え得る会計上の見積りおよび判断が必要となる項目は以下のとおりです。
なお、2021年3月期における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響については、収束時期を地域別に仮定を置いたうえで見積りを行っており、売上収益については、引き続き受診抑制等による減収影響を受けるものの、将来成長のための資源投下の継続と費用コントロールの強化による経常的費用支出の抑制の両立をはかることで持続的な利益成長を確保することを想定しており、現時点では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が以下の会計上の見積りおよび仮定に与える重要な影響はないと判断しています。
(ア)無形資産に係る減損
参天製薬グループにおける無形資産の残高は多額であるため、会計上の見積りおよび判断において重要なものとなっています。
未だ使用可能でない無形資産については、資産または資金生成単位の減損の兆候の有無にかかわらず、毎年、減損テストを実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その額を減損損失として純損益で認識しています。
回収可能価額は、使用価値に基づき算定しています。使用価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を、当該資金生成単位毎の加重平均資本コストを基礎に算定した割引率で現在価値に割り引いて算定しています。
回収可能価額の測定に用いる将来キャッシュ・フローは、経営者が作成した製品別の事業性評価のための事業計画を基礎として見積られていますが、各製品の薬価、関連する各市場の今後の成長、開発製品の優位性に基づくマーケットシェアの拡大見込および製品開発の成功確率には高い不確実性を伴います。
予測不能な前提条件の変化などにより回収可能価額の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(イ)企業結合による条件付対価の評価
参天製薬グループにおける企業結合による条件付対価の評価の残高は多額であるため、会計上の見積りにおいて重要なものとなっています。
企業結合による条件付対価は「純損益を通じて公正価値で測定される金融負債」に分類され、当初認識後は公正価値で測定し、その変動額は純損益として認識しています。
当該条件付対価は、主としてDE-128(PRESERFLO MicroShunt)(以下、対象製品)の開発の進捗および販売実績に応じたマイルストンの達成により支払義務が生じるため、その公正価値の算定には当該プログラムが成功する可能性(以下、成功確率)や将来販売計画を用いています。
成功確率は対象製品の開発難易度に基づきます。また、将来販売計画は、対象製品の薬価、関連する市場(緑内障・高眼圧症例領域)の今後の成長、対象製品の優位性に基づくマーケットシェアの拡大見込等に基づき、経営者により作成された対象製品の事業計画を基礎として見積られます。これらの成功確率や将来販売計画の前提条件には高い不確実性を伴います。
予測不能な前提条件の変化などにより当該条件付対価の公正価値の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、条件付対価の公正価値に影響を与える重要な仮定が変動した場合に、条件付対価の公正価値に与える影響について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 32.企業結合」に記載しています。

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