有価証券報告書-第69期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度における世界経済は、引き続く米中貿易摩擦と中国経済の減速による影響、英国の欧州連合離脱をめぐる動き等の不透明感が懸念されるものの、先進国を中心として内需の底堅さを背景に堅調な成長が見られました。
わが国においては、積極的な設備投資を背景とした堅調な企業収益と雇用及び所得環境の改善を背景とした底堅い内需に支えられ、緩やかな景気の回復が続いております。
臨床検査業界におきましては、引き続く価格下落圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続しております。
このような環境のなか、中期計画「Transform!2020」の将来における飛躍的かつ持続的な成長を実現すべく、経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は181,415百万円(前期比7.2%減)となりました。国内受託臨床検査事業の販売が伸長したものの、Miraca Life Sciences, Inc.(米国病理検査事業、以下「MLS」)が2017年11月に連結除外となったことから、全体としては減収となりました。利益面では、各事業における成長基盤構築のための先行費用及び設備投資に伴う減価償却費の増加が減益要因となり、営業利益は14,648百万円(前期比17.0%減)となりました。
当社の持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLC(米国、以下「BMGL」)において、将来の事業計画を見直した結果、同社の公正価値が簿価を下回ったことから、当該差額を持分法による投資損失として898百万円を計上しております。BMGLの業績悪化に伴う持分法による投資損失の拡大及び上記の持分法による投資損失の追加計上により、経常利益は11,524百万円(前期比30.4%減)となりました。
また、当連結会計年度の業績及び今後の業績見通しを総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討しました結果、当連結会計年度において繰延税金資産の一部を取り崩すことといたしました。これらの結果といたしまして、親会社株主に帰属する当期純利益は6,386百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益257百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益及びEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が1,814億円、連結営業利益が146億円、EBITDAが244億円、ROEが5.7%、ROICが6.3%となっております。
なお、本中期計画の最終年度(2020年3月期)における目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載のとおり、連結売上高が2,070億円、連結営業利益が250億円、EBITDAが380億円、ROEが10%以上、ROICが8%以上としておりましたが、2019年5月14日に開示した同年度の単年度業績予想において、連結売上高が1,910億円、連結営業利益が145億円、EBITDAが265億円、ROEが6.8%以上、ROICが5.2%としております。
当社グループは、本中期計画の重点施策である「既存事業の強化」、「R&Dの強化」、「海外戦略の強化」及び「アライアンス戦略の推進」を引き続きグループ一丸となって実行してまいります。
② セグメントごとの経営成績
イ.受託臨床検査事業
売上高は、国内事業において上期は自然災害の影響等もあり成長が限定的ではあったものの、下期より新規顧客を獲得したことなどにより増収となり、通期では増収となりました。しかしながら、MLSが2017年11月に連結除外となったことから、セグメント全体では減収となりました。利益面では、成長基盤構築のための先行費用及び設備投資に伴う減価償却費の増加により費用が増加した一方、売上成長の発現が遅延したことから、減益となりました。これらの結果、売上高は108,084百万円(前期比11.4%減)、営業利益は4,637百万円(前期比38.2%減)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
主力製品であるルミパルス試薬の販売が伸長する一方、海外子会社における前期の一過性売上の反動減及び国内事業における海外既存製品の終売等の影響で売上高は前期並みとなりました。利益面では、プロダクトミックスの変化等により、増益となりました。これらの結果、売上高は45,399百万円(前期比0.2%増)、営業利益は10,035百万円(前期比2.0%増)となりました。
ハ.ヘルスケア関連事業
売上高は、滅菌事業が堅調であったものの、治験事業が減収及び調剤薬局を営む株式会社地域医療支援センターの売却等により、27,931百万円(前期比0.7%減)となり、営業利益は減収に伴う減益のほか、滅菌事業における基盤強化費用などにより、1,460百万円(前期比40.3%減)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計期間において、新セントラルラボラトリーの土地及び建物50,000百万円については不動産ファイナンスによる調達を行うこととし、これに伴う保証金及び敷金に充当する目的で普通社債15,000百万円を発行しております。また、中期計画に基づく成長基盤の整備及び新規事業への投資を行うことを主目的に長期借入金21,662百万円、短期借入金10,000百万円の調達を行っております。
また、MLSの米国政府調査に関連して同社の買収者に対する補償金支払等により、補償損失引当金が減少しております。
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ25,166百万円増加し、201,234百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加13,243百万円、工具、器具及び備品(純額)の増加6,767百万円、投資その他の資産その他の増加4,285百万円、建物及び構築物(純額)の増加3,387百万円、ソフトウェアの増加2,803百万円、受取手形及び売掛金の増加2,248百万円、土地の増加1,297百万円、無形固定資産その他の増加985百万円及び仕掛品の増加855百万円があった一方、建設仮勘定の減少5,001百万円、繰延税金資産の減少3,514百万円及び流動資産その他の減少2,774百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ25,418百万円増加し、88,261百万円となりました。その主な要因は、社債の増加15,000百万円、長期借入金の増加13,098百万円、短期借入金の増加10,000百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加4,477百万円及び支払手形及び買掛金の増加1,028百万円があった一方、補償損失引当金の減少9,913百万円、未払金の減少6,954百万円及びリース債務(固定)の減少935百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ252百万円減少し、112,973百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益6,386百万円及び為替換算調整勘定の増加674百万円があった一方、配当金の支払7,422百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ8.2%減少し、56.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13,243百万円増加し、33,688百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、16,244百万円(前期比3.0%増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益11,375百万円、減価償却費8,692百万円、持分法による投資損失3,471百万円、のれん償却額1,012百万円、仕入債務の増加額995百万円、法人税等の還付額817百万円、賞与引当金の増加額805百万円及び営業活動によるキャッシュ・フローその他744百万円があった一方、補償損失引当金の減少額6,879百万円、売上債権の増加額2,460百万円、たな卸資産の増加額1,349百万円及びその他固定負債の減少額872百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、CLT事業に係る設備投資を継続したことに加え、前連結会計年度に実施した一部設備投資の支払いが当連結会計年度に発生しております。また、新セントラルラボラトリーの保証金及び敷金として差入保証金が発生しております。
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、34,902百万円(前期比61.9%増)となりました。この主な要因は、精算に伴う返戻金2,361百万円及び貸付金の回収による収入1,888百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出21,361百万円、差入保証金の差入による支出7,701百万円、無形固定資産の取得による支出5,348百万円、投資有価証券の取得による支出3,656百万円及び貸付による支出1,000百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
新セントラルラボラトリーの不動産ファイナンスに伴う保証金及び敷金への充当、成長投資のための財務基盤強化、適正な資本コスト(WACC)の実現を目的とし、当連結会計年度において多様な資金調達を行いました。
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、31,973百万円(前年同期は9,635百万円の使用)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入21,662百万円、社債の発行による収入15,000百万円及び短期借入金の純増加額8,538百万円があった一方、配当金の支払額7,413百万円、長期借入金の返済による支出4,104百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出1,221百万円があったためであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済並びにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払い及びM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は49,918百万円であります。主なものは、長期借入金15,398百万円、社債15,000百万円、短期借入金10,000百万円、1年内返済予定の長期借入金6,477百万円、長期リース債務2,225百万円及び短期リース債務816百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の評価
当社グループでは、有形固定資産の帳簿価額について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っております。のれん及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家を活用しております。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー法により行いますが、この方法では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しております。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
時価のあるものについては、決算日の市場価格等に基づく時価により評価することにしており、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合、及び30%以上50%未満下落した場合は個別に時価の回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。また、時価のないものについては、それらの会社の純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に評価損を認識することにしております。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資に関して、市場環境の状況及び取引先の状況等により事業計画と実績に大きな乖離が発生することが見込まれる場合には、外部専門家による割引キャッシュ・フロー法等を用いた公正価値の評価結果を入手した上で、帳簿価額と比較し、当該差額について損失処理を実施するかどうかを検討しております。
経営者は、当該投資有価証券の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼし、損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画、過去の実績水準及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行い、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税所得の実績変動により、繰延税金資産の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度における世界経済は、引き続く米中貿易摩擦と中国経済の減速による影響、英国の欧州連合離脱をめぐる動き等の不透明感が懸念されるものの、先進国を中心として内需の底堅さを背景に堅調な成長が見られました。
わが国においては、積極的な設備投資を背景とした堅調な企業収益と雇用及び所得環境の改善を背景とした底堅い内需に支えられ、緩やかな景気の回復が続いております。
臨床検査業界におきましては、引き続く価格下落圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続しております。
このような環境のなか、中期計画「Transform!2020」の将来における飛躍的かつ持続的な成長を実現すべく、経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は181,415百万円(前期比7.2%減)となりました。国内受託臨床検査事業の販売が伸長したものの、Miraca Life Sciences, Inc.(米国病理検査事業、以下「MLS」)が2017年11月に連結除外となったことから、全体としては減収となりました。利益面では、各事業における成長基盤構築のための先行費用及び設備投資に伴う減価償却費の増加が減益要因となり、営業利益は14,648百万円(前期比17.0%減)となりました。
当社の持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLC(米国、以下「BMGL」)において、将来の事業計画を見直した結果、同社の公正価値が簿価を下回ったことから、当該差額を持分法による投資損失として898百万円を計上しております。BMGLの業績悪化に伴う持分法による投資損失の拡大及び上記の持分法による投資損失の追加計上により、経常利益は11,524百万円(前期比30.4%減)となりました。
また、当連結会計年度の業績及び今後の業績見通しを総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討しました結果、当連結会計年度において繰延税金資産の一部を取り崩すことといたしました。これらの結果といたしまして、親会社株主に帰属する当期純利益は6,386百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益257百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益及びEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が1,814億円、連結営業利益が146億円、EBITDAが244億円、ROEが5.7%、ROICが6.3%となっております。
なお、本中期計画の最終年度(2020年3月期)における目標値については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において記載のとおり、連結売上高が2,070億円、連結営業利益が250億円、EBITDAが380億円、ROEが10%以上、ROICが8%以上としておりましたが、2019年5月14日に開示した同年度の単年度業績予想において、連結売上高が1,910億円、連結営業利益が145億円、EBITDAが265億円、ROEが6.8%以上、ROICが5.2%としております。
当社グループは、本中期計画の重点施策である「既存事業の強化」、「R&Dの強化」、「海外戦略の強化」及び「アライアンス戦略の推進」を引き続きグループ一丸となって実行してまいります。
② セグメントごとの経営成績
イ.受託臨床検査事業
売上高は、国内事業において上期は自然災害の影響等もあり成長が限定的ではあったものの、下期より新規顧客を獲得したことなどにより増収となり、通期では増収となりました。しかしながら、MLSが2017年11月に連結除外となったことから、セグメント全体では減収となりました。利益面では、成長基盤構築のための先行費用及び設備投資に伴う減価償却費の増加により費用が増加した一方、売上成長の発現が遅延したことから、減益となりました。これらの結果、売上高は108,084百万円(前期比11.4%減)、営業利益は4,637百万円(前期比38.2%減)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
主力製品であるルミパルス試薬の販売が伸長する一方、海外子会社における前期の一過性売上の反動減及び国内事業における海外既存製品の終売等の影響で売上高は前期並みとなりました。利益面では、プロダクトミックスの変化等により、増益となりました。これらの結果、売上高は45,399百万円(前期比0.2%増)、営業利益は10,035百万円(前期比2.0%増)となりました。
ハ.ヘルスケア関連事業
売上高は、滅菌事業が堅調であったものの、治験事業が減収及び調剤薬局を営む株式会社地域医療支援センターの売却等により、27,931百万円(前期比0.7%減)となり、営業利益は減収に伴う減益のほか、滅菌事業における基盤強化費用などにより、1,460百万円(前期比40.3%減)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 106,470 | 88.3 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 63,248 | 105.1 |
| ヘルスケア関連事業(百万円) | 26,770 | 98.1 |
| 合計(百万円) | 196,489 | 94.5 |
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 108,084 | 88.6 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 45,399 | 100.2 |
| ヘルスケア関連事業(百万円) | 27,931 | 99.3 |
| 合計(百万円) | 181,415 | 92.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
| 前連結会計年度 (2018年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 資産合計(百万円) | 176,068 | 201,234 | 25,166 |
| 負債合計(百万円) | 62,842 | 88,261 | 25,418 |
| 純資産合計(百万円) | 113,225 | 112,973 | △252 |
| 自己資本比率(%) | 64.2% | 56.0% | △8.2% |
当連結会計期間において、新セントラルラボラトリーの土地及び建物50,000百万円については不動産ファイナンスによる調達を行うこととし、これに伴う保証金及び敷金に充当する目的で普通社債15,000百万円を発行しております。また、中期計画に基づく成長基盤の整備及び新規事業への投資を行うことを主目的に長期借入金21,662百万円、短期借入金10,000百万円の調達を行っております。
また、MLSの米国政府調査に関連して同社の買収者に対する補償金支払等により、補償損失引当金が減少しております。
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ25,166百万円増加し、201,234百万円となりました。その主な要因は、現金及び預金の増加13,243百万円、工具、器具及び備品(純額)の増加6,767百万円、投資その他の資産その他の増加4,285百万円、建物及び構築物(純額)の増加3,387百万円、ソフトウェアの増加2,803百万円、受取手形及び売掛金の増加2,248百万円、土地の増加1,297百万円、無形固定資産その他の増加985百万円及び仕掛品の増加855百万円があった一方、建設仮勘定の減少5,001百万円、繰延税金資産の減少3,514百万円及び流動資産その他の減少2,774百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ25,418百万円増加し、88,261百万円となりました。その主な要因は、社債の増加15,000百万円、長期借入金の増加13,098百万円、短期借入金の増加10,000百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加4,477百万円及び支払手形及び買掛金の増加1,028百万円があった一方、補償損失引当金の減少9,913百万円、未払金の減少6,954百万円及びリース債務(固定)の減少935百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ252百万円減少し、112,973百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益6,386百万円及び為替換算調整勘定の増加674百万円があった一方、配当金の支払7,422百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ8.2%減少し、56.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
| 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 15,767 | 16,244 | 477 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △21,552 | △34,902 | △13,349 |
| フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | △5,785 | △18,657 | △12,871 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △9,635 | 31,973 | 41,608 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 20,444 | 33,688 | 13,243 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13,243百万円増加し、33,688百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、16,244百万円(前期比3.0%増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益11,375百万円、減価償却費8,692百万円、持分法による投資損失3,471百万円、のれん償却額1,012百万円、仕入債務の増加額995百万円、法人税等の還付額817百万円、賞与引当金の増加額805百万円及び営業活動によるキャッシュ・フローその他744百万円があった一方、補償損失引当金の減少額6,879百万円、売上債権の増加額2,460百万円、たな卸資産の増加額1,349百万円及びその他固定負債の減少額872百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度においては、CLT事業に係る設備投資を継続したことに加え、前連結会計年度に実施した一部設備投資の支払いが当連結会計年度に発生しております。また、新セントラルラボラトリーの保証金及び敷金として差入保証金が発生しております。
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、34,902百万円(前期比61.9%増)となりました。この主な要因は、精算に伴う返戻金2,361百万円及び貸付金の回収による収入1,888百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出21,361百万円、差入保証金の差入による支出7,701百万円、無形固定資産の取得による支出5,348百万円、投資有価証券の取得による支出3,656百万円及び貸付による支出1,000百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
新セントラルラボラトリーの不動産ファイナンスに伴う保証金及び敷金への充当、成長投資のための財務基盤強化、適正な資本コスト(WACC)の実現を目的とし、当連結会計年度において多様な資金調達を行いました。
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、31,973百万円(前年同期は9,635百万円の使用)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入21,662百万円、社債の発行による収入15,000百万円及び短期借入金の純増加額8,538百万円があった一方、配当金の支払額7,413百万円、長期借入金の返済による支出4,104百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出1,221百万円があったためであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済並びにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払い及びM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は49,918百万円であります。主なものは、長期借入金15,398百万円、社債15,000百万円、短期借入金10,000百万円、1年内返済予定の長期借入金6,477百万円、長期リース債務2,225百万円及び短期リース債務816百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の評価
当社グループでは、有形固定資産の帳簿価額について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っております。のれん及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家を活用しております。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー法により行いますが、この方法では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しております。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
時価のあるものについては、決算日の市場価格等に基づく時価により評価することにしており、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合、及び30%以上50%未満下落した場合は個別に時価の回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。また、時価のないものについては、それらの会社の純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に評価損を認識することにしております。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資に関して、市場環境の状況及び取引先の状況等により事業計画と実績に大きな乖離が発生することが見込まれる場合には、外部専門家による割引キャッシュ・フロー法等を用いた公正価値の評価結果を入手した上で、帳簿価額と比較し、当該差額について損失処理を実施するかどうかを検討しております。
経営者は、当該投資有価証券の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼし、損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画、過去の実績水準及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行い、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税所得の実績変動により、繰延税金資産の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。