有価証券報告書-第71期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の拡大による各国における都市封鎖(ロックダウン)や国際的な人の往来が制限されるなど、世界経済は大きな影響を受けながら推移いたしました。
わが国においては、感染拡大防止策を講じながら経済活動を再活性化させていく中で、期初の極めて厳しい状況から一部持ち直しの兆しも見え始めましたが、緊急事態宣言が2度発出されるなど感染者数が増減し、依然として予断を許さない状況が続いております。
臨床検査業界における新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、患者様の受診抑制等により検査受託数が、特に上半期においては前年を下回る水準で推移した一方、新型コロナウイルス感染症拡大という新たな社会課題に対して、高品質かつ安定的な検査体制の構築が求められるなど、民間検査会社に寄せられる関心と期待はこれまで以上に大きなものとなりました。
このような環境の中、当社グループといたしましては安定的な事業継続性を実現するための経営基盤の強化や業務効率の改善を推進するとともに、新型コロナウイルス感染症罹患患者の早期発見・早期治療による社会・経済活動の維持に貢献する取り組みとして、PCR検査および高感度抗原定量検査の受託体制の整備・検査受託キャパシティの拡充、抗原検査試薬の開発・利便性向上、空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含めた包括的な検査サポートなど、様々な製品・サービスの提供や、製品の安定供給を実現する体制を整えてまいりました。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は223,016百万円(前期比18.2%増)となりました。主な増収要因は受託臨床検査事業における、新型コロナウイルス感染症関連検査の受託や空港検疫所における包括的検査サポートの提供、臨床検査薬事業における、新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの販売の伸長、ならびに滅菌関連事業における、前年第3四半期より開始した大口顧客への医材預託品販売による貢献等です。
利益では、営業利益については、売上高の増加に伴う売上総利益の増加を主要因として、25,392百万円(前期比155.5%増)となりました。
経常利益については、営業利益の増加に加え持分法による投資損失が縮小したことおよびベンチャー投資ファンド運用益を出資金運用益として計上したこと等により、25,458百万円(前期比293.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として固定資産売却損および事業構造改善費用の計上等があった一方、経常利益の増加により、17,468百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失516百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益およびEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が223,016百万円、連結営業利益が25,392百万円、EBITDAが37,887百万円、ROEが16.0%、ROICが8.7%となっております。
② セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.受託臨床検査事業
売上では、当連結会計年度において患者様の受診抑制や手術件数の減少等の影響により検査受託数の成長が鈍化した一方、新型コロナウイルス感染症のPCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含む包括的検査サポートおよび、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査が伸長したこと等により売上高は136,091百万円(前期比16.4%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は14,006百万円(前期比168.2%増)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
売上では、国内において高感度抗原定量検査試薬「ルミパルスSARS-CoV-2 Ag」および迅速抗原検査キット「エスプラインSARS-CoV-2」の販売が増加したことに加え、医療機関を中心にルミパルスシリーズの設置が大幅に伸長いたしました。海外においては新型コロナウイルス関連検査試薬の販売に加え、OEM・原材料事業においても新型コロナウイルス関連製品が売上に寄与しました。これらの結果、売上高は50,030百万円(前期比24.8%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加に加えて、新型コロナウイルス関連試薬を中心に内販が拡大したこと等により、営業利益は12,782百万円(前期比109.9%増)となりました。
ハ.滅菌関連事業
売上では、前年第3四半期より開始した大口顧客への医材預託品販売からの増収等により、売上高は26,735百万円(前期比13.7%増)となりました。利益では、当第3四半期に販管費において一時的な費用を計上したものの、主に労務費が低減したこと等により、営業利益は1,953百万円(前期比8.6%増)となりました。
ニ.新規育成事業及びその他
売上では、セルフメディケーション・健保事業および在宅・福祉用具事業が伸長したことに加え、食品・環境・化粧品検査事業において前年第4四半期より連結計上開始となった株式会社日本食品エコロジー研究所の売上高が通年で寄与したこと等により、売上高は10,158百万円(前期比23.3%増)となりました。利益では、先行費用が継続したことに加え、当第4四半期において貸倒引当金を計上したこと等により営業損失は1,023百万円(前期は営業損失806百万円)となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ33,347百万円増加し、252,751百万円となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の増加13,881百万円、差入保証金の増加8,385百万円、リース資産(純額)の増加8,313百万円、現金及び預金の増加6,604百万円、ソフトウエア仮勘定の増加5,703百万円および建設仮勘定の増加3,513百万円があった一方、流動資産その他の減少6,792百万円および工具、器具及び備品(純額)の減少6,535百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ21,277百万円増加し、137,452百万円となりました。その主な要因は、リース債務(固定)の増加6,620百万円、長期借入金の増加6,105百万円、支払手形及び買掛金の増加5,832百万円、未払金の増加5,299百万円、リース債務(流動)の増加1,972百万円、未払法人税等の増加1,324百万円、賞与引当金の増加869百万円、電子記録債務の増加824百万円および退職給付に係る負債の増加634百万円があった一方、短期借入金の減少5,500百万円および流動負債その他の減少2,736百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12,070百万円増加し、115,298百万円となりました。その主な要因は、親会社株式に帰属する当期純利益17,468百万円および為替換算調整勘定の増加1,605百万円があった一方、配当金の支払6,571百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.4%減少し、45.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,724百万円増加し、42,950百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、35,588百万円(前期比133.7%増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益20,823百万円、減価償却費12,091百万円、仕入債務の増加額6,580百万円、法人税等の還付額5,509百万円、持分法による投資損失1,671百万円、固定資産売却損1,540百万円、未払消費税等の増加額1,230百万円、賞与引当金の増加額826百万円、減損損失773百万円、貸倒引当金の増加額583百万円および退職給付に係る負債の増加額435百万円があった一方、売上債権の増加額13,933百万円、その他の流動資産の増加額1,482百万円および出資金運用益1,298百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、28,273百万円(前期比29.9%増)となりました。この主な要因は、有形固定資産の売却による収入3,721百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出11,530百万円、無形固定資産の取得による支出9,658百万円、差入保証金の差入による支出8,793百万円および投資有価証券の取得による支出1,865百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、1,566百万円(前期8,234百万円の獲得)となりました。この主な要因は、長期借入による収入10,000百万円およびセール・アンド・リースバックによる収入6,812百万円があった一方、配当金の支払額6,561百万円、短期借入金の純減少額5,500百万円、長期借入金の返済による支出4,150百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出2,264百万円があったためであります。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済ならびにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払いおよびM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は80,456百万円であります。主なものは、社債35,000百万円、長期借入金22,321百万円、長期リース債務11,291百万円、短期借入金4,500百万円、1年内返済予定の長期借入金3,899百万円および短期リース債務3,444百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものおよびその補足事項については以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産は、過去の業績や納税状況、将来の業績予測等を総合的に勘案し、将来の一時差異等加減算前課税所得を見積り、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金のスケジューリングの結果、将来の一時差異等加減算前課税所得の見積額および将来加算一時差異の解消見込額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上し、その範囲を超える額については控除しております。
将来の一時差異等加減算前課税所得の見積りは、当社の包括的な承認を得た連結納税主体の翌連結会計年度予算および中期経営計画の数値を、過去の計画達成状況を踏まえて修正し、当連結会計年度の臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得・税務上の欠損金の発生状況を考慮して算定しております。
繰延税金資産の評価には、翌連結会計年度予算および中期経営計画の達成状況が影響します。翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合には、繰延税金資産を減額する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
市場価格のない株式等の評価は、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が50%程度以上低下し、かつ実質価額の回復可能性がないと判断したときは、実質価額までの減損を行います。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資については、個別の投資の価値が下落し、その下落が一時的でないと判断される場合には、公正価値まで減損します。公正価値の算定は、主に外部専門家を利用しております。
翌連結会計年度において、投資先の財政状態の悪化により、投資有価証券の実質価額が著しく低下した場合には、評価損を計上する可能性があります。
c.固定資産の評価
有形固定資産・無形固定資産については、資産又は資産グループに減損の兆候がある場合には、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識すべきと判定し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額とし、正味売却価額は資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除しています。使用価値は資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定します。
翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合や、将来キャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症の拡大による各国における都市封鎖(ロックダウン)や国際的な人の往来が制限されるなど、世界経済は大きな影響を受けながら推移いたしました。
わが国においては、感染拡大防止策を講じながら経済活動を再活性化させていく中で、期初の極めて厳しい状況から一部持ち直しの兆しも見え始めましたが、緊急事態宣言が2度発出されるなど感染者数が増減し、依然として予断を許さない状況が続いております。
臨床検査業界における新型コロナウイルス感染症拡大の影響としては、患者様の受診抑制等により検査受託数が、特に上半期においては前年を下回る水準で推移した一方、新型コロナウイルス感染症拡大という新たな社会課題に対して、高品質かつ安定的な検査体制の構築が求められるなど、民間検査会社に寄せられる関心と期待はこれまで以上に大きなものとなりました。
このような環境の中、当社グループといたしましては安定的な事業継続性を実現するための経営基盤の強化や業務効率の改善を推進するとともに、新型コロナウイルス感染症罹患患者の早期発見・早期治療による社会・経済活動の維持に貢献する取り組みとして、PCR検査および高感度抗原定量検査の受託体制の整備・検査受託キャパシティの拡充、抗原検査試薬の開発・利便性向上、空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含めた包括的な検査サポートなど、様々な製品・サービスの提供や、製品の安定供給を実現する体制を整えてまいりました。
これらの結果といたしまして、当連結会計年度の売上高は223,016百万円(前期比18.2%増)となりました。主な増収要因は受託臨床検査事業における、新型コロナウイルス感染症関連検査の受託や空港検疫所における包括的検査サポートの提供、臨床検査薬事業における、新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの販売の伸長、ならびに滅菌関連事業における、前年第3四半期より開始した大口顧客への医材預託品販売による貢献等です。
利益では、営業利益については、売上高の増加に伴う売上総利益の増加を主要因として、25,392百万円(前期比155.5%増)となりました。
経常利益については、営業利益の増加に加え持分法による投資損失が縮小したことおよびベンチャー投資ファンド運用益を出資金運用益として計上したこと等により、25,458百万円(前期比293.6%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失として固定資産売却損および事業構造改善費用の計上等があった一方、経常利益の増加により、17,468百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失516百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益およびEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が223,016百万円、連結営業利益が25,392百万円、EBITDAが37,887百万円、ROEが16.0%、ROICが8.7%となっております。
② セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.受託臨床検査事業
売上では、当連結会計年度において患者様の受診抑制や手術件数の減少等の影響により検査受託数の成長が鈍化した一方、新型コロナウイルス感染症のPCR検査や空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含む包括的検査サポートおよび、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査が伸長したこと等により売上高は136,091百万円(前期比16.4%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加等により、営業利益は14,006百万円(前期比168.2%増)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
売上では、国内において高感度抗原定量検査試薬「ルミパルスSARS-CoV-2 Ag」および迅速抗原検査キット「エスプラインSARS-CoV-2」の販売が増加したことに加え、医療機関を中心にルミパルスシリーズの設置が大幅に伸長いたしました。海外においては新型コロナウイルス関連検査試薬の販売に加え、OEM・原材料事業においても新型コロナウイルス関連製品が売上に寄与しました。これらの結果、売上高は50,030百万円(前期比24.8%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加に加えて、新型コロナウイルス関連試薬を中心に内販が拡大したこと等により、営業利益は12,782百万円(前期比109.9%増)となりました。
ハ.滅菌関連事業
売上では、前年第3四半期より開始した大口顧客への医材預託品販売からの増収等により、売上高は26,735百万円(前期比13.7%増)となりました。利益では、当第3四半期に販管費において一時的な費用を計上したものの、主に労務費が低減したこと等により、営業利益は1,953百万円(前期比8.6%増)となりました。
ニ.新規育成事業及びその他
売上では、セルフメディケーション・健保事業および在宅・福祉用具事業が伸長したことに加え、食品・環境・化粧品検査事業において前年第4四半期より連結計上開始となった株式会社日本食品エコロジー研究所の売上高が通年で寄与したこと等により、売上高は10,158百万円(前期比23.3%増)となりました。利益では、先行費用が継続したことに加え、当第4四半期において貸倒引当金を計上したこと等により営業損失は1,023百万円(前期は営業損失806百万円)となりました。
③ 生産、受注および販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 134,543 | 117.8 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 82,592 | 128.5 |
| 滅菌関連事業(百万円) | 20,489 | 104.3 |
| 新規育成事業およびその他(百万円) | 8,235 | 122.7 |
| 合計(百万円) | 245,860 | 120.0 |
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 136,091 | 116.4 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 50,030 | 124.8 |
| 滅菌関連事業(百万円) | 26,735 | 113.7 |
| 新規育成事業およびその他(百万円) | 10,158 | 123.3 |
| 合計(百万円) | 223,016 | 118.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
| 前連結会計年度 (2020年3月31日) | 当連結会計年度 (2021年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 資産合計(百万円) | 219,403 | 252,751 | 33,347 |
| 負債合計(百万円) | 116,175 | 137,452 | 21,277 |
| 純資産合計(百万円) | 103,228 | 115,298 | 12,070 |
| 自己資本比率(%) | 47.0 | 45.6 | △1.4 |
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ33,347百万円増加し、252,751百万円となりました。その主な要因は、受取手形及び売掛金の増加13,881百万円、差入保証金の増加8,385百万円、リース資産(純額)の増加8,313百万円、現金及び預金の増加6,604百万円、ソフトウエア仮勘定の増加5,703百万円および建設仮勘定の増加3,513百万円があった一方、流動資産その他の減少6,792百万円および工具、器具及び備品(純額)の減少6,535百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ21,277百万円増加し、137,452百万円となりました。その主な要因は、リース債務(固定)の増加6,620百万円、長期借入金の増加6,105百万円、支払手形及び買掛金の増加5,832百万円、未払金の増加5,299百万円、リース債務(流動)の増加1,972百万円、未払法人税等の増加1,324百万円、賞与引当金の増加869百万円、電子記録債務の増加824百万円および退職給付に係る負債の増加634百万円があった一方、短期借入金の減少5,500百万円および流動負債その他の減少2,736百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12,070百万円増加し、115,298百万円となりました。その主な要因は、親会社株式に帰属する当期純利益17,468百万円および為替換算調整勘定の増加1,605百万円があった一方、配当金の支払6,571百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.4%減少し、45.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 15,229 | 35,588 | 20,359 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △21,761 | △28,273 | △6,512 |
| フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | △6,532 | 7,315 | 13,846 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 8,234 | △1,566 | △9,800 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 36,226 | 42,950 | 6,724 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,724百万円増加し、42,950百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、35,588百万円(前期比133.7%増)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益20,823百万円、減価償却費12,091百万円、仕入債務の増加額6,580百万円、法人税等の還付額5,509百万円、持分法による投資損失1,671百万円、固定資産売却損1,540百万円、未払消費税等の増加額1,230百万円、賞与引当金の増加額826百万円、減損損失773百万円、貸倒引当金の増加額583百万円および退職給付に係る負債の増加額435百万円があった一方、売上債権の増加額13,933百万円、その他の流動資産の増加額1,482百万円および出資金運用益1,298百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、28,273百万円(前期比29.9%増)となりました。この主な要因は、有形固定資産の売却による収入3,721百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出11,530百万円、無形固定資産の取得による支出9,658百万円、差入保証金の差入による支出8,793百万円および投資有価証券の取得による支出1,865百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は、1,566百万円(前期8,234百万円の獲得)となりました。この主な要因は、長期借入による収入10,000百万円およびセール・アンド・リースバックによる収入6,812百万円があった一方、配当金の支払額6,561百万円、短期借入金の純減少額5,500百万円、長期借入金の返済による支出4,150百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出2,264百万円があったためであります。
(4)資本の財源および資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済ならびにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払いおよびM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本および金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は80,456百万円であります。主なものは、社債35,000百万円、長期借入金22,321百万円、長期リース債務11,291百万円、短期借入金4,500百万円、1年内返済予定の長期借入金3,899百万円および短期リース債務3,444百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた重要な会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
会計上の見積りおよび見積りに用いた仮定のうち、重要なものおよびその補足事項については以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産は、過去の業績や納税状況、将来の業績予測等を総合的に勘案し、将来の一時差異等加減算前課税所得を見積り、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金のスケジューリングの結果、将来の一時差異等加減算前課税所得の見積額および将来加算一時差異の解消見込額と相殺され、税金負担額を軽減することができると認められる範囲内で計上し、その範囲を超える額については控除しております。
将来の一時差異等加減算前課税所得の見積りは、当社の包括的な承認を得た連結納税主体の翌連結会計年度予算および中期経営計画の数値を、過去の計画達成状況を踏まえて修正し、当連結会計年度の臨時的な原因により生じたものを除いた課税所得・税務上の欠損金の発生状況を考慮して算定しております。
繰延税金資産の評価には、翌連結会計年度予算および中期経営計画の達成状況が影響します。翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合には、繰延税金資産を減額する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
市場価格のない株式等の評価は、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が50%程度以上低下し、かつ実質価額の回復可能性がないと判断したときは、実質価額までの減損を行います。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資については、個別の投資の価値が下落し、その下落が一時的でないと判断される場合には、公正価値まで減損します。公正価値の算定は、主に外部専門家を利用しております。
翌連結会計年度において、投資先の財政状態の悪化により、投資有価証券の実質価額が著しく低下した場合には、評価損を計上する可能性があります。
c.固定資産の評価
有形固定資産・無形固定資産については、資産又は資産グループに減損の兆候がある場合には、減損損失を認識するかどうかの判定を行います。当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識すべきと判定し、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上します。回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額とし、正味売却価額は資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除しています。使用価値は資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定します。
翌連結会計年度の業績が予算を大きく下回る場合や、将来キャッシュ・フローに重要な影響を与える事象が発生した場合には、減損損失を計上する可能性があります。