有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦をはじめとする通商問題の動向等によって不透明な状況で推移してきました。年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は景気を急速に減退させ、過去に例を見ない全世界での経済活動停滞による景気後退が懸念される状況となっております。
わが国においても、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復が見られておりましたが、足もとは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により状況が一変し、大変厳しい状況にあります。
臨床検査業界におきましては、引き続く価格下落圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続いたしました。足もとでは新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛要請等の影響により、事業環境はより厳しさを増しております。
このような環境のなか、当社グループといたしましてはさらなる成長を遂げるため、既存事業における新規顧客獲得等の事業基盤強化に加え、新規事業の育成を開始するなど経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。また、新型コロナウイルスのPCR検査受託及び検査試薬の開発を開始する等、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者の早期発見・早期治療に貢献する取り組みを推進しました。
当連結会計年度は、臨床検査薬事業における日赤事業の契約終了による影響に加え、第4四半期には受託臨床検査事業と臨床検査薬事業において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響があったものの、受託臨床検査事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加、滅菌関連事業における契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと、また、新規育成事業及びその他において2019年2月に買収した株式会社セルメスタの業績が加わったこと等の結果として、売上高は188,712百万円(前期比4.0%増)となりました。
営業利益は、主に減価償却費の増加に加え、臨床検査薬事業において日赤事業の契約が終了したことや大口顧客獲得に伴う先行費用が発生したこと等により、9,939百万円(前期比32.1%減)となりました。
経常利益は、主に営業利益の減少により6,468百万円(前期比43.9%減)となりました。なお、当社の持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLCに係る持分法による投資損失が減少した一方、当期は中国平安保険グループとの合弁会社設立に係る持分法による投資損失が発生したこと等により、結果として持分法による投資損失は前期と同水準となる3,473百万円となりました。
また、当連結会計年度の業績及び今後の業績見通しを総合的に勘案し、当社及び国内完全子会社ならびに欧州子会社の繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、当連結会計年度において繰延税金資産の一部を取り崩すことといたしました。これらの結果といたしまして、親会社株主に帰属する当期純損失は516百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益6,386百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益及びEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が188,712百万円、連結営業利益が9,939百万円、EBITDAが21,270百万円、ROEが△0.5%、ROICが3.7%となっております。
② セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
イ.受託臨床検査事業
売上高では、開業医及び院内事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加により増収となった一方、減価償却費の増加、セールスミックスの変化による限界利益率の悪化、固定費削減施策の発現遅延、中国展開のための費用の発生等により微増益となりました。これらの結果、売上高は117,517百万円(前期比5.8%増)、営業利益は5,234百万円(前期比0.5%増)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
臨床検査薬事業については、ルミパルス事業において欧州をはじめとした海外での売上が伸長した一方、国内における日赤事業の契約が終了したことに加え、大口顧客獲得に伴う先行費用が発生しました。OEM・原材料事業においては第3四半期累計期間までは堅調に推移したものの、第4四半期において新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が当事業にも及びました。これらの結果、売上高は40,088百万円(前期比11.7%減)、営業利益は6,089百万円(前期比39.3%減)となりました。
ハ.滅菌関連事業
売上高では、契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと等によって増収となりました。利益面では、契約価格の見直し等により増益となりました。これらの結果、売上高は22,867百万円(前期比20.6%増)、営業利益は1,786百万円(前期比84.6%増)となりました。
ニ.新規育成事業及びその他
売上面では、在宅・福祉用具事業の伸長及び2019年2月に買収した株式会社セルメスタの業績が加わったこと等により増収となりました。利益面では、各事業への先行費用が発生し減益となりました。これらの結果、売上高は8,238百万円(前期比39.2%増)、営業損失は806百万円(前期は営業損失77百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度において、新セントラルラボを中核施設として建設するあきる野プロジェクトにおける機器・ITシステムの導入、及び検査の質の向上と革新的な技術開発に向けた研究開発のための資金として、ソーシャルファイナンスフレームワークに則り、総額20,000百万円の第3回、4回、5回無担保社債の発行、及び金融機関より長期借入金5,000百万円の調達を行っております。
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ18,168百万円増加し、219,403百万円となりました。その主な要因は、流動資産その他の増加10,943百万円、無形固定資産その他の増加5,620百万円、長期貸付金の増加2,817百万円、現金及び預金の増加2,657百万円、リース資産(純額)の増加2,347百万円及び商品及び製品の増加1,493百万円があった一方、繰延税金資産の減少5,686百万円及び投資有価証券の減少3,204百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ27,914百万円増加し、116,175百万円となりました。その主な要因は、社債の増加20,000百万円、流動負債その他の増加4,386百万円、リース債務(固定)の増加2,445百万円及び支払手形及び買掛金の増加1,921百万円があった一方、1年内返済予定の長期借入金の減少2,310百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ9,745百万円減少し、103,228百万円となりました。その主な要因は、配当金の支払7,425百万円及び為替換算調整勘定の減少1,122百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ9.0%減少し、47.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,537百万円増加し、36,226百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、15,229百万円(前期比6.3%減)となりました。この主な要因は、減価償却費10,432百万円、税金等調整前当期純利益6,113百万円、持分法による投資損失3,473百万円、その他の流動負債の増加額2,424百万円、仕入債務の増加額1,909百万円及び未払消費税等の増加額1,095百万円があった一方、法人税等の支払額8,999百万円及びたな卸資産の増加額2,908百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、21,761百万円(前期比37.7%減)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入1,053百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出8,095百万円、無形固定資産の取得による支出7,470百万円、貸付けによる支出3,286百万円、子会社株式の取得による支出2,065百万円及び投資有価証券の取得による支出1,632百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、8,234百万円(前期比74.3%減)となりました。この主な要因は、社債の発行による収入20,000百万円及び長期借入による収入5,000百万円があった一方、長期借入金の返済による支出7,896百万円、配当金の支払額7,417百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出1,223百万円があったためであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済並びにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払い及びM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は71,524百万円であります。主なものは、社債35,000百万円、長期借入金16,216百万円、短期借入金10,000百万円、長期リース債務4,671百万円、1年内返済予定の長期借入金4,166百万円及び短期リース債務1,471百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.固定資産の評価
当社グループでは、有形固定資産の帳簿価額について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っております。のれん及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家を活用しております。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー法により行いますが、この方法では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しております。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
時価のあるものについては、決算日の市場価格等に基づく時価により評価することにしており、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合、及び30%以上50%未満下落した場合は個別に時価の回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。また、時価のないものについては、それらの会社の純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に個別に回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資に関して、市場環境の状況及び取引先の状況等により事業計画と実績に大きな乖離が発生することが見込まれる場合には、外部専門家による割引キャッシュ・フロー法等を用いた公正価値の評価結果を入手した上で、帳簿価額と比較し、当該差額について損失処理を実施するかどうかを検討しております。
経営者は、当該投資有価証券の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼし、損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画、過去の実績水準及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行い、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税所得の実績変動により、繰延税金資産の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度における世界経済は、米中貿易摩擦をはじめとする通商問題の動向等によって不透明な状況で推移してきました。年明け以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は景気を急速に減退させ、過去に例を見ない全世界での経済活動停滞による景気後退が懸念される状況となっております。
わが国においても、雇用・所得環境の改善等により緩やかな景気の回復が見られておりましたが、足もとは新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により状況が一変し、大変厳しい状況にあります。
臨床検査業界におきましては、引き続く価格下落圧力及び同業他社との競争激化を反映して、厳しい事業環境が継続いたしました。足もとでは新型コロナウイルス感染症拡大防止のための外出自粛要請等の影響により、事業環境はより厳しさを増しております。
このような環境のなか、当社グループといたしましてはさらなる成長を遂げるため、既存事業における新規顧客獲得等の事業基盤強化に加え、新規事業の育成を開始するなど経営諸施策に積極的に取り組んでまいりました。また、新型コロナウイルスのPCR検査受託及び検査試薬の開発を開始する等、新型コロナウイルス感染症に罹患した患者の早期発見・早期治療に貢献する取り組みを推進しました。
当連結会計年度は、臨床検査薬事業における日赤事業の契約終了による影響に加え、第4四半期には受託臨床検査事業と臨床検査薬事業において新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響があったものの、受託臨床検査事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加、滅菌関連事業における契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと、また、新規育成事業及びその他において2019年2月に買収した株式会社セルメスタの業績が加わったこと等の結果として、売上高は188,712百万円(前期比4.0%増)となりました。
営業利益は、主に減価償却費の増加に加え、臨床検査薬事業において日赤事業の契約が終了したことや大口顧客獲得に伴う先行費用が発生したこと等により、9,939百万円(前期比32.1%減)となりました。
経常利益は、主に営業利益の減少により6,468百万円(前期比43.9%減)となりました。なお、当社の持分法適用関連会社であるBaylor Miraca Genetics Laboratories, LLCに係る持分法による投資損失が減少した一方、当期は中国平安保険グループとの合弁会社設立に係る持分法による投資損失が発生したこと等により、結果として持分法による投資損失は前期と同水準となる3,473百万円となりました。
また、当連結会計年度の業績及び今後の業績見通しを総合的に勘案し、当社及び国内完全子会社ならびに欧州子会社の繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、当連結会計年度において繰延税金資産の一部を取り崩すことといたしました。これらの結果といたしまして、親会社株主に帰属する当期純損失は516百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益6,386百万円)となりました。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等
当社グループでは、将来の飛躍的かつ持続的な成長と収益力向上の観点から、連結売上高、連結営業利益及びEBITDAを、株主資本の効率的な運用の観点からROE(株主資本利益率)を、投下資本に対する収益性向上の観点からROIC(投下資本利益率)を、それぞれ重要な経営指標と位置付けています。
当連結会計年度の実績は、連結売上高が188,712百万円、連結営業利益が9,939百万円、EBITDAが21,270百万円、ROEが△0.5%、ROICが3.7%となっております。
② セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
イ.受託臨床検査事業
売上高では、開業医及び院内事業における新規獲得顧客及び遺伝子関連検査をはじめとした特殊検査の新規項目等による検査数の増加により増収となった一方、減価償却費の増加、セールスミックスの変化による限界利益率の悪化、固定費削減施策の発現遅延、中国展開のための費用の発生等により微増益となりました。これらの結果、売上高は117,517百万円(前期比5.8%増)、営業利益は5,234百万円(前期比0.5%増)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
臨床検査薬事業については、ルミパルス事業において欧州をはじめとした海外での売上が伸長した一方、国内における日赤事業の契約が終了したことに加え、大口顧客獲得に伴う先行費用が発生しました。OEM・原材料事業においては第3四半期累計期間までは堅調に推移したものの、第4四半期において新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が当事業にも及びました。これらの結果、売上高は40,088百万円(前期比11.7%減)、営業利益は6,089百万円(前期比39.3%減)となりました。
ハ.滅菌関連事業
売上高では、契約価格の見直し及び設備機器や消耗品等の販売の伸長に加え大口顧客への医材預託品販売を開始したこと等によって増収となりました。利益面では、契約価格の見直し等により増益となりました。これらの結果、売上高は22,867百万円(前期比20.6%増)、営業利益は1,786百万円(前期比84.6%増)となりました。
ニ.新規育成事業及びその他
売上面では、在宅・福祉用具事業の伸長及び2019年2月に買収した株式会社セルメスタの業績が加わったこと等により増収となりました。利益面では、各事業への先行費用が発生し減益となりました。これらの結果、売上高は8,238百万円(前期比39.2%増)、営業損失は806百万円(前期は営業損失77百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 114,875 | 107.9 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 64,294 | 101.7 |
| 滅菌関連事業(百万円) | 18,999 | 105.3 |
| 新規育成事業及びその他(百万円) | 6,709 | 76.9 |
| 合計(百万円) | 204,878 | 104.3 |
(注)1.金額は、販売価格換算によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ.受注実績
当社グループは、役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため記載を省略しております。
ハ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 受託臨床検査事業(百万円) | 117,517 | 105.8 |
| 臨床検査薬事業(百万円) | 40,088 | 88.3 |
| 滅菌関連事業(百万円) | 22,867 | 120.6 |
| 新規育成事業及びその他(百万円)(百万円) | 8,238 | 139.2 |
| 合計(百万円) | 188,712 | 104.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が10%以上に該当する販売先がありませんので、記載を省略しております。
(2)財政状態の分析
| 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 資産合計(百万円) | 201,234 | 219,403 | 18,168 |
| 負債合計(百万円) | 88,261 | 116,175 | 27,914 |
| 純資産合計(百万円) | 112,973 | 103,228 | △9,745 |
| 自己資本比率(%) | 56.0 | 47.0 | △9.0 |
当連結会計年度において、新セントラルラボを中核施設として建設するあきる野プロジェクトにおける機器・ITシステムの導入、及び検査の質の向上と革新的な技術開発に向けた研究開発のための資金として、ソーシャルファイナンスフレームワークに則り、総額20,000百万円の第3回、4回、5回無担保社債の発行、及び金融機関より長期借入金5,000百万円の調達を行っております。
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ18,168百万円増加し、219,403百万円となりました。その主な要因は、流動資産その他の増加10,943百万円、無形固定資産その他の増加5,620百万円、長期貸付金の増加2,817百万円、現金及び預金の増加2,657百万円、リース資産(純額)の増加2,347百万円及び商品及び製品の増加1,493百万円があった一方、繰延税金資産の減少5,686百万円及び投資有価証券の減少3,204百万円があったためであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ27,914百万円増加し、116,175百万円となりました。その主な要因は、社債の増加20,000百万円、流動負債その他の増加4,386百万円、リース債務(固定)の増加2,445百万円及び支払手形及び買掛金の増加1,921百万円があった一方、1年内返済予定の長期借入金の減少2,310百万円があったためであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ9,745百万円減少し、103,228百万円となりました。その主な要因は、配当金の支払7,425百万円及び為替換算調整勘定の減少1,122百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ9.0%減少し、47.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減 (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 16,244 | 15,229 | △1,015 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | △34,902 | △21,761 | 13,140 |
| フリー・キャッシュ・フロー(百万円) | △18,657 | △6,532 | 12,125 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) | 31,973 | 8,234 | △23,739 |
| 現金及び現金同等物(百万円) | 33,688 | 36,226 | 2,537 |
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,537百万円増加し、36,226百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により獲得した資金は、15,229百万円(前期比6.3%減)となりました。この主な要因は、減価償却費10,432百万円、税金等調整前当期純利益6,113百万円、持分法による投資損失3,473百万円、その他の流動負債の増加額2,424百万円、仕入債務の増加額1,909百万円及び未払消費税等の増加額1,095百万円があった一方、法人税等の支払額8,999百万円及びたな卸資産の増加額2,908百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は、21,761百万円(前期比37.7%減)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却による収入1,053百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出8,095百万円、無形固定資産の取得による支出7,470百万円、貸付けによる支出3,286百万円、子会社株式の取得による支出2,065百万円及び投資有価証券の取得による支出1,632百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により獲得した資金は、8,234百万円(前期比74.3%減)となりました。この主な要因は、社債の発行による収入20,000百万円及び長期借入による収入5,000百万円があった一方、長期借入金の返済による支出7,896百万円、配当金の支払額7,417百万円及びファイナンス・リース債務の返済による支出1,223百万円があったためであります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資、研究開発、借入金の返済並びにこれらに係る利息の支払い、配当の支払い、法人税の支払い及びM&Aであります。当社グループは、引き続き財務の健全性を保ちつつ、営業活動により相応のキャッシュ・フローを生み出すことにより、当社グループの成長に必要な資金調達が可能であると考えております。
短期運転資金は自己資本及び金融機関からの短期借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入、社債又はその組み合わせによる調達を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債は71,524百万円であります。主なものは、社債35,000百万円、長期借入金16,216百万円、短期借入金10,000百万円、長期リース債務4,671百万円、1年内返済予定の長期借入金4,166百万円及び短期リース債務1,471百万円であります。
また、当社は、効率的で安定した資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額500億円のコミットメントライン契約を締結しております。当該契約に基づく当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
当社グループは、格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)より格付A(安定的)を取得しており、引き続き格付けの維持・向上に努めてまいります。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを必要としており、経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績、将来計画やその他の様々な要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。
また、この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響の考え方については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
a.固定資産の評価
当社グループでは、有形固定資産の帳簿価額について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の判定を行っております。資産グループの回収可能価額は、事業用資産については将来キャッシュ・フローを基にした使用価値により、遊休資産及び処分予定の資産については売却予定額を基にした正味売却価額によりそれぞれ測定しております。経営者は将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生する可能性があります。
当社グループでは、のれん及びその他の無形固定資産について、減損の判定を行っております。のれん及びその他の無形固定資産の公正価値の見積りや減損判定に当たっては、必要に応じて外部専門家を活用しております。公正価値の見積りは、主に割引キャッシュ・フロー法により行いますが、この方法では、将来キャッシュ・フロー、割引率など、多くの見積り・前提を使用しております。これらの見積り・前提は、減損判定や認識される減損損失計上額に重要な影響を及ぼす可能性があります。
経営者は、当該判定における公正価値の見積りは合理的であると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価値が下落し、減損損失が発生する可能性があります。
b.投資有価証券の評価
時価のあるものについては、決算日の市場価格等に基づく時価により評価することにしており、時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合、及び30%以上50%未満下落した場合は個別に時価の回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。また、時価のないものについては、それらの会社の純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に個別に回復可能性を判定して、回復可能性がないものについては評価損を認識することにしております。
また、当社グループで保有する関連会社に対する投資に関して、市場環境の状況及び取引先の状況等により事業計画と実績に大きな乖離が発生することが見込まれる場合には、外部専門家による割引キャッシュ・フロー法等を用いた公正価値の評価結果を入手した上で、帳簿価額と比較し、当該差額について損失処理を実施するかどうかを検討しております。
経営者は、当該投資有価証券の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼし、損失が発生する可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画、過去の実績水準及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基にいわゆるタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行い、繰延税金資産の回収可能性を判断しております。その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
経営者は、当該回収可能性の評価は合理的であると判断しておりますが、将来の業績及び課税所得の実績変動により、繰延税金資産の計上金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。