四半期報告書-第73期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 『Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題』」について、「Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み」に関する記載を、一部の部会の名称変更および廃止等に伴い、次のとおり改定いたします。
Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み
①サステナビリティ推進体制
当社グループは、当社の代表執行役社長が委員長を務める「H.U.グループ サステナビリティ委員会」において、サステナビリティに係る基本方針と活動計画を協議します。同委員会は、計画の実行にあたってグループ各社の活動状況をモニタリングするほか、サステナビリティに関わる社外の最新動向を収集・共有する役割も担います。同委員会のもと、関係各部門の本部長を責任者とする、活動テーマごとの5つの部会を設置し、サステナビリティ活動を推進しています。
当社グループのサステナビリティ推進体制

当社グループは、指名委員会等設置会社として、監督と執行の明確な分離と事業を迅速に運用できる執行体制を確立しており、サステナビリティに関しても、同コーポレート・ガバナンス体制のもと活動を行っています。
②サステナビリティにおける中長期的な重要課題および目標
当社グループは、ESGの観点だけでなく、顧客資産、知的資産やブランドを含めた無形資産全般も対象に含め、中長期的な企業価値に影響を与える要素として17のマテリアリティ(重要課題)を定義しています。
当社グループのマテリアリティ(2021年7月改定)

さらに、当社グループでは、マテリアリティの解決に向けて取り組みを進めるため、2021年3月期から2023年3月期までのサステナビリティ活動に関わるKPIおよび3カ年目標を「サステナビリティ・ロードマップ」として公表しています。
当社グループのサステナビリティ・ロードマップ

③気候変動への取り組み
地球温暖化に対する世界潮流の変化を踏まえ、当社グループでは、マテリアリティの一つである「気候変動」への取り組みを加速しています。2020年10月にはCO₂排出量の原単位削減に関する長期目標を策定しましたが、昨今のグローバルにおける状況を踏まえ、2021年10月より総量削減目標に変更しました。
当社グループのCO₂排出量削減の中長期目標(2021年10月改定)

また、気候変動に関連したリスク・機会に関する情報開示の高まりを受け、当社グループは、2021年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同を表明しました。TCFDの提言に基づく情報開示として、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、シナリオ分析を行いリスクと機会を定性的に評価しています。検討に際しては、移行リスクが大きくなる世界(1.5℃、2℃)、物理的リスクが大きくなる世界(4℃)を想定し、発生し得る事象を整理しました。各事象への備えとして、「短期:1年」「中期:5年」「長期:10年」の時間軸を設定し、事業への潜在的影響および対応事項を整理するとともに、事業リスクおよび機会について分析しました。
TCFD提言に基づく気候変動シナリオ分析

④人的資本領域の取り組み
当社グループがMission, Visionを実現するためには、変革に挑戦することが求められます。変革のドライバーとなるのは「人(従業員)」であり、従業員の意識と行動を変えていくことでヘルスケアにおける新しい価値が創造できると考えます。そのため、人的資本は当社グループが最も重視しているテーマであり、この考え方のもと、人的資本領域に関する4つのマテリアリティ(人権・ダイバーシティ・働きやすい環境・健康増進)を特定し、多様かつ健康で活性化された組織風土づくりに取り組んでいます。
当社グループでは、人的資本領域に関するマテリアリティに基づき、2021年3月期から2023年3月期までの3カ年の中期目標を設定し、目標達成に向けて取り組みを進めています。
人的資本に関連する当社グループのサステナビリティ・ロードマップ(主要部分)
(2)経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国における新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立が進んだ一方、ウクライナ情勢等による不透明感やそれに伴う原材料価格の上昇等に注視が必要な状況で推移いたしました。
わが国においては、感染拡大防止策を講じながら経済活動を再活性化させていく中で、一時的には新規感染者数が減少に転じたものの、再び増加の兆しが見え始める等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く事業環境におきましても、感染者数の増減と連動した各種検査数の変動等、予断を許さない状況が続いております。
このような環境の中、当社グループといたしましては安定的な事業継続性を実現するための経営基盤の強化や業務効率の改善を推進すべく、2022年1月よりH.U. Bioness Complexが段階的な稼働を開始いたしました。また、新型コロナウイルス感染症罹患者の早期発見・早期治療による社会・経済活動の維持に貢献する取り組みとして、PCR検査および高感度抗原定量検査の受託、抗原検査試薬の製造・販売、空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含めた包括的な検査サポートなど、様々な製品・サービスの提供を継続しております。
これらの結果といたしまして、当第1四半期連結累計期間の売上高は65,331百万円(前年同四半期比2.9%増)となりました。主な増収要因は検査・関連サービス事業におけるがんゲノムを始めとした遺伝子関連検査を含むベース事業の伸長、臨床検査薬事業におけるルミパルス事業の成長および円安による影響です。
利益では、営業利益は8,580百万円(前年同四半期比29.8%減)となりました。主に、臨床検査薬事業において増収に伴う売上総利益の増加および新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの販売の伸長が増益要因となった一方、検査・関連サービス事業においてH.U. Bioness Complexの稼働に伴う一時費用および減価償却費が増加したこと等が減益要因となりました。
経常利益については、主に営業利益の減少により、8,455百万円(前年同四半期比29.1%減)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益については、主に経常利益の減少により、5,587百万円(前年同四半期比33.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.検査・関連サービス事業
売上では、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査を含むベース事業の伸長等により増収となりました。なお、新型コロナウイルス関連検査による売上については、前年同四半期並みとなりました。これらの結果、売上高は43,358百万円(前年同四半期比4.0%増)となりました。利益では、H.U. Bioness Complexの稼働に伴う一時費用および減価償却費の増加、ならびに新型コロナウイルス関連検査における診療報酬改定によってPCR検査を中心に利益率が悪化したこと等により、営業利益は1,712百万円(前年同四半期比74.3%減)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
売上では、新型コロナウイルス関連製品による売上は減少したものの、国内におけるルミパルス事業が伸長したことに加えて、円安の影響を受けたこと等によって増収となりました。これらの結果、売上高は14,978百万円(前年同四半期比3.7%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加および新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの内販が拡大したこと等により、営業利益は7,034百万円(前年同四半期比33.8%増)となりました。
ハ.ヘルスケア関連サービス事業
売上では、滅菌関連事業における物販の拡大に加えて、在宅・福祉用具事業が伸長した一方、滅菌関連事業における大口顧客との契約を終了したことによって減収となりました。これらの結果、売上高は6,994百万円(前年同四半期比5.1%減)となりました。利益では、人件費および将来成長に向けた先行費用の増加等により、営業利益は440百万円(前年同四半期比46.3%減)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,312百万円減少し、278,275百万円となりました。その主な要因は、建物及び構築物(純額)の増加2,318百万円および工具、器具及び備品(純額)の増加2,267百万円があった一方、現金及び預金の減少6,762百万円および受取手形、売掛金及び契約資産の減少6,116百万円があったためであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ14,136百万円減少し、132,272百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加1,888百万円があった一方、賞与引当金の減少4,360百万円、未払法人税等の減少4,249百万円、長期借入金の減少3,700百万円および流動負債その他の減少2,972百万円があったためであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ5,824百万円増加し、146,002百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益5,587百万円および為替換算調整勘定の増加4,074百万円があった一方、配当金の支払3,602百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.5%増加し、52.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,752百万円減少し、39,727百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は6,092百万円(前年同四半期5,646百万円の獲得)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益8,128百万円および売上債権及び契約資産の減少額6,775百万円があった一方、法人税等の支払額4,453百万円および賞与引当金の減少額4,421百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は7,289百万円(前年同四半期3,437百万円の使用)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出4,730百万円および無形固定資産の取得による支出1,921百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は6,442百万円(前年同四半期8,023百万円の使用)となりました。その主な要因は、配当金の支払額3,579百万円、長期借入金の返済による支出1,811百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出1,052百万円があったためであります。
(3)株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則(2006年法務省令第12号)第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、当社株式の買付提案等を受け入れるかどうかは、最終的には、当社株主のみなさまの判断に委ねられるべきものであり、当社株主のみなさまが適切な判断を行うためには、当社株式の買付け等が行われようとする場合に、当社取締役会を通じ、当社株主のみなさまに十分な情報が提供される必要があると考えます。
そして、対価の妥当性等の諸条件、買付けが当社グループの経営に与える影響、買付者による当社グループの経営方針や事業計画の内容等について当社株主のみなさまに十分に把握していただく必要があると考えます。
しかし、当社株式の買付け等の提案の中には、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値・株主共同の利益に照らして不十分または不適切であるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れをもたらすものも想定されます。
このような企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。
当社は、2007年5月23日に開催された当社取締役会において、以上の内容を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針とすることを決定いたしました。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社では、中期経営計画の着実な実行、積極的な株主還元、およびコーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じて、企業価値・株主共同の利益の向上に取組んでいます。以下に掲げるこれらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現に資するものと考えています。なお、以下に掲げる取組みは、その内容から、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことは、明らかであると考えています。
1)中期経営計画の実行を通じた企業価値・株主共同の利益の向上の取組み
当社グループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者の行動変容や患者様の受診抑制等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。
一方、海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。
このような事業環境の中、当社は、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を2020年9月に策定いたしました。本中期計画の概要は、「(1)Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題」に記載のとおりです。
2)積極的な株主還元を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では、将来の経営環境の変化とM&A・研究開発など将来の成長機会への投資に備え、必要な内部留保を充実させながら、配当を中心に株主のみなさまに積極的な利益還元を図っていくことを目標としています。
3)コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では2005年6月より委員会設置会社(現・指名委員会等設置会社)に移行し、監督と執行を明確に分離し、業務執行を迅速に展開できる執行体制を確立しております。コーポレート・ガバナンス体制の観点からは、取締役8名のうち6名の社外取締役を東京証券取引所の定めに基づく独立役員とし、法令に従って監査委員会、報酬委員会、指名委員会を設置してさらなる経営の透明性確保、公正性の向上を目指した取組みを継続しています。インセンティブ・報酬の観点からは、企業価値・株主共同の利益を向上させることを最重要課題と位置付け、執行役に対する業績連動型報酬制度を導入するとともに、業績との連関が高くない退職慰労金制度を廃止し、また株主のみなさまと執行役その他従業員の利益を共有化する目的から株式報酬制度を導入しております。これら執行役・取締役に対する報酬は有価証券報告書、事業報告および統合報告書にて開示しております。その他、株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けた施策として、株主のみなさまが適切な議決権行使をしていただく時間を確保する目的から招集通知を株主総会の3週間以上前に発送するとともに、株主総会集中日を回避するなど、さまざまな施策を実施しています。なお、第72回定時株主総会につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大リスクが継続する中、株主のみなさまの健康と安全の確保を最優先とすべく応募抽選制による実施とする一方、事前のご質問をお受けするとともにインターネットによるライブ配信を実施いたしました。また、これら適切なガバナンス体制の維持・強化の重要性から、内部統制システムの基本方針を定め、監査委員会による監査体制の強化、子会社・関連会社を含めた管理規程の整備を進め企業集団における業務の適正を確保するための体制を構築するなど、さらなる整備強化を進めております。
Ⅲ.上記の取組みが上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
上記の取組みは、当社の財産を最大限に活用し、収益の維持・向上に必要な内部留保の確保と株主のみなさまへの利益還元の適正な配分を図り、また、適切なコーポレート・ガバナンス体制の維持・強化を図るものであり、当社の企業価値および株主共同の利益の向上に資するものであります。したがいまして、上記の取組みは、基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,162百万円であります。当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
グループ研究開発機能を強化しつつ、外部企業・研究機関との連携も進めることで、新たな医療・ヘルスケア関連技術および画期的な検査技術に関する研究開発を鋭意進めてまいります。
(5)主要な設備の状況
当第1四半期連結累計期間における主要な設備の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結累計期間における当社グループの資金調達方針については、重要な変更はありません。
なお、当第1四半期連結会計期間末における総額50,000百万円のコミットメントラインの借入実行残高はありません。
(1)Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 『Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題』」について、「Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み」に関する記載を、一部の部会の名称変更および廃止等に伴い、次のとおり改定いたします。
Ⅲ.サステナビリティに関する取り組み
①サステナビリティ推進体制
当社グループは、当社の代表執行役社長が委員長を務める「H.U.グループ サステナビリティ委員会」において、サステナビリティに係る基本方針と活動計画を協議します。同委員会は、計画の実行にあたってグループ各社の活動状況をモニタリングするほか、サステナビリティに関わる社外の最新動向を収集・共有する役割も担います。同委員会のもと、関係各部門の本部長を責任者とする、活動テーマごとの5つの部会を設置し、サステナビリティ活動を推進しています。
当社グループのサステナビリティ推進体制

当社グループは、指名委員会等設置会社として、監督と執行の明確な分離と事業を迅速に運用できる執行体制を確立しており、サステナビリティに関しても、同コーポレート・ガバナンス体制のもと活動を行っています。
②サステナビリティにおける中長期的な重要課題および目標
当社グループは、ESGの観点だけでなく、顧客資産、知的資産やブランドを含めた無形資産全般も対象に含め、中長期的な企業価値に影響を与える要素として17のマテリアリティ(重要課題)を定義しています。
当社グループのマテリアリティ(2021年7月改定)

さらに、当社グループでは、マテリアリティの解決に向けて取り組みを進めるため、2021年3月期から2023年3月期までのサステナビリティ活動に関わるKPIおよび3カ年目標を「サステナビリティ・ロードマップ」として公表しています。
当社グループのサステナビリティ・ロードマップ

③気候変動への取り組み
地球温暖化に対する世界潮流の変化を踏まえ、当社グループでは、マテリアリティの一つである「気候変動」への取り組みを加速しています。2020年10月にはCO₂排出量の原単位削減に関する長期目標を策定しましたが、昨今のグローバルにおける状況を踏まえ、2021年10月より総量削減目標に変更しました。
当社グループのCO₂排出量削減の中長期目標(2021年10月改定)

また、気候変動に関連したリスク・機会に関する情報開示の高まりを受け、当社グループは、2021年11月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)の提言への賛同を表明しました。TCFDの提言に基づく情報開示として、不確実性の高い気候変動の影響を捉えるため、シナリオ分析を行いリスクと機会を定性的に評価しています。検討に際しては、移行リスクが大きくなる世界(1.5℃、2℃)、物理的リスクが大きくなる世界(4℃)を想定し、発生し得る事象を整理しました。各事象への備えとして、「短期:1年」「中期:5年」「長期:10年」の時間軸を設定し、事業への潜在的影響および対応事項を整理するとともに、事業リスクおよび機会について分析しました。
TCFD提言に基づく気候変動シナリオ分析

④人的資本領域の取り組み
当社グループがMission, Visionを実現するためには、変革に挑戦することが求められます。変革のドライバーとなるのは「人(従業員)」であり、従業員の意識と行動を変えていくことでヘルスケアにおける新しい価値が創造できると考えます。そのため、人的資本は当社グループが最も重視しているテーマであり、この考え方のもと、人的資本領域に関する4つのマテリアリティ(人権・ダイバーシティ・働きやすい環境・健康増進)を特定し、多様かつ健康で活性化された組織風土づくりに取り組んでいます。
当社グループでは、人的資本領域に関するマテリアリティに基づき、2021年3月期から2023年3月期までの3カ年の中期目標を設定し、目標達成に向けて取り組みを進めています。
人的資本に関連する当社グループのサステナビリティ・ロードマップ(主要部分)

(2)経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況
①経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、各国における新型コロナウイルス感染防止対策と経済活動の両立が進んだ一方、ウクライナ情勢等による不透明感やそれに伴う原材料価格の上昇等に注視が必要な状況で推移いたしました。
わが国においては、感染拡大防止策を講じながら経済活動を再活性化させていく中で、一時的には新規感染者数が減少に転じたものの、再び増加の兆しが見え始める等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く事業環境におきましても、感染者数の増減と連動した各種検査数の変動等、予断を許さない状況が続いております。
このような環境の中、当社グループといたしましては安定的な事業継続性を実現するための経営基盤の強化や業務効率の改善を推進すべく、2022年1月よりH.U. Bioness Complexが段階的な稼働を開始いたしました。また、新型コロナウイルス感染症罹患者の早期発見・早期治療による社会・経済活動の維持に貢献する取り組みとして、PCR検査および高感度抗原定量検査の受託、抗原検査試薬の製造・販売、空港検疫所における高感度抗原定量検査試薬の提供を含めた包括的な検査サポートなど、様々な製品・サービスの提供を継続しております。
これらの結果といたしまして、当第1四半期連結累計期間の売上高は65,331百万円(前年同四半期比2.9%増)となりました。主な増収要因は検査・関連サービス事業におけるがんゲノムを始めとした遺伝子関連検査を含むベース事業の伸長、臨床検査薬事業におけるルミパルス事業の成長および円安による影響です。
利益では、営業利益は8,580百万円(前年同四半期比29.8%減)となりました。主に、臨床検査薬事業において増収に伴う売上総利益の増加および新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの販売の伸長が増益要因となった一方、検査・関連サービス事業においてH.U. Bioness Complexの稼働に伴う一時費用および減価償却費が増加したこと等が減益要因となりました。
経常利益については、主に営業利益の減少により、8,455百万円(前年同四半期比29.1%減)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益については、主に経常利益の減少により、5,587百万円(前年同四半期比33.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
イ.検査・関連サービス事業
売上では、がんゲノムを始めとした遺伝子関連検査を含むベース事業の伸長等により増収となりました。なお、新型コロナウイルス関連検査による売上については、前年同四半期並みとなりました。これらの結果、売上高は43,358百万円(前年同四半期比4.0%増)となりました。利益では、H.U. Bioness Complexの稼働に伴う一時費用および減価償却費の増加、ならびに新型コロナウイルス関連検査における診療報酬改定によってPCR検査を中心に利益率が悪化したこと等により、営業利益は1,712百万円(前年同四半期比74.3%減)となりました。
ロ.臨床検査薬事業
売上では、新型コロナウイルス関連製品による売上は減少したものの、国内におけるルミパルス事業が伸長したことに加えて、円安の影響を受けたこと等によって増収となりました。これらの結果、売上高は14,978百万円(前年同四半期比3.7%増)となりました。利益では、増収に伴う売上総利益の増加および新型コロナウイルス高感度抗原定量検査試薬および迅速抗原検査キットの内販が拡大したこと等により、営業利益は7,034百万円(前年同四半期比33.8%増)となりました。
ハ.ヘルスケア関連サービス事業
売上では、滅菌関連事業における物販の拡大に加えて、在宅・福祉用具事業が伸長した一方、滅菌関連事業における大口顧客との契約を終了したことによって減収となりました。これらの結果、売上高は6,994百万円(前年同四半期比5.1%減)となりました。利益では、人件費および将来成長に向けた先行費用の増加等により、営業利益は440百万円(前年同四半期比46.3%減)となりました。
②財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8,312百万円減少し、278,275百万円となりました。その主な要因は、建物及び構築物(純額)の増加2,318百万円および工具、器具及び備品(純額)の増加2,267百万円があった一方、現金及び預金の減少6,762百万円および受取手形、売掛金及び契約資産の減少6,116百万円があったためであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ14,136百万円減少し、132,272百万円となりました。その主な要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加1,888百万円があった一方、賞与引当金の減少4,360百万円、未払法人税等の減少4,249百万円、長期借入金の減少3,700百万円および流動負債その他の減少2,972百万円があったためであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ5,824百万円増加し、146,002百万円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益5,587百万円および為替換算調整勘定の増加4,074百万円があった一方、配当金の支払3,602百万円があったためであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ3.5%増加し、52.4%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6,752百万円減少し、39,727百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は6,092百万円(前年同四半期5,646百万円の獲得)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純利益8,128百万円および売上債権及び契約資産の減少額6,775百万円があった一方、法人税等の支払額4,453百万円および賞与引当金の減少額4,421百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は7,289百万円(前年同四半期3,437百万円の使用)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出4,730百万円および無形固定資産の取得による支出1,921百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は6,442百万円(前年同四半期8,023百万円の使用)となりました。その主な要因は、配当金の支払額3,579百万円、長期借入金の返済による支出1,811百万円およびファイナンス・リース債務の返済による支出1,052百万円があったためであります。
(3)株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則(2006年法務省令第12号)第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
Ⅰ.当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社取締役会は、当社株式の買付提案等を受け入れるかどうかは、最終的には、当社株主のみなさまの判断に委ねられるべきものであり、当社株主のみなさまが適切な判断を行うためには、当社株式の買付け等が行われようとする場合に、当社取締役会を通じ、当社株主のみなさまに十分な情報が提供される必要があると考えます。
そして、対価の妥当性等の諸条件、買付けが当社グループの経営に与える影響、買付者による当社グループの経営方針や事業計画の内容等について当社株主のみなさまに十分に把握していただく必要があると考えます。
しかし、当社株式の買付け等の提案の中には、会社や株主に対して買付けに係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付けに応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値・株主共同の利益に照らして不十分または不適切であるもの等、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れをもたらすものも想定されます。
このような企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのある不適切な大規模買付行為や買付提案を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えています。
当社は、2007年5月23日に開催された当社取締役会において、以上の内容を当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針とすることを決定いたしました。
Ⅱ.基本方針の実現に資する取組み
当社では、中期経営計画の着実な実行、積極的な株主還元、およびコーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じて、企業価値・株主共同の利益の向上に取組んでいます。以下に掲げるこれらの取組みは、上記Ⅰの基本方針の実現に資するものと考えています。なお、以下に掲げる取組みは、その内容から、株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことは、明らかであると考えています。
1)中期経営計画の実行を通じた企業価値・株主共同の利益の向上の取組み
当社グループを取り巻く事業環境は、高齢化や先端的医療の導入等による医療費の伸長が見込まれる中、医療機関の経営状況の悪化や医療費の削減要請に伴う検体検査実施料の抑制により、国内臨床検査市場は今後も厳しい状況が継続するものと見込まれます。一方、医療費の抑制策が進む中、病院および病床再編に伴う在宅医療や予防医療のニーズの拡大、先進医療技術の向上やIT技術の進展など新たな成長の機会があり、事業環境の様相は刻々と変化しております。
また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う生活者の行動変容や患者様の受診抑制等、足元の流動的な環境変化にも適切な対応が求められております。
一方、海外臨床検査市場においては、新興国を中心に成長しているものの先進国では社会保障費抑制による低成長が継続しております。また、各国の制度変更等による薬事関連コストが増加する等、厳しい事業環境が継続しております。
このような事業環境の中、当社は、将来の飛躍的かつ持続的な成長に向けて、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を2020年9月に策定いたしました。本中期計画の概要は、「(1)Mission, Vision、経営環境、中長期的な経営戦略および対処すべき課題」に記載のとおりです。
2)積極的な株主還元を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では、将来の経営環境の変化とM&A・研究開発など将来の成長機会への投資に備え、必要な内部留保を充実させながら、配当を中心に株主のみなさまに積極的な利益還元を図っていくことを目標としています。
3)コーポレート・ガバナンス体制のさらなる強化を通じた企業価値・株主共同の利益向上の取組み
当社では2005年6月より委員会設置会社(現・指名委員会等設置会社)に移行し、監督と執行を明確に分離し、業務執行を迅速に展開できる執行体制を確立しております。コーポレート・ガバナンス体制の観点からは、取締役8名のうち6名の社外取締役を東京証券取引所の定めに基づく独立役員とし、法令に従って監査委員会、報酬委員会、指名委員会を設置してさらなる経営の透明性確保、公正性の向上を目指した取組みを継続しています。インセンティブ・報酬の観点からは、企業価値・株主共同の利益を向上させることを最重要課題と位置付け、執行役に対する業績連動型報酬制度を導入するとともに、業績との連関が高くない退職慰労金制度を廃止し、また株主のみなさまと執行役その他従業員の利益を共有化する目的から株式報酬制度を導入しております。これら執行役・取締役に対する報酬は有価証券報告書、事業報告および統合報告書にて開示しております。その他、株主総会の活性化および議決権行使の円滑化に向けた施策として、株主のみなさまが適切な議決権行使をしていただく時間を確保する目的から招集通知を株主総会の3週間以上前に発送するとともに、株主総会集中日を回避するなど、さまざまな施策を実施しています。なお、第72回定時株主総会につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大リスクが継続する中、株主のみなさまの健康と安全の確保を最優先とすべく応募抽選制による実施とする一方、事前のご質問をお受けするとともにインターネットによるライブ配信を実施いたしました。また、これら適切なガバナンス体制の維持・強化の重要性から、内部統制システムの基本方針を定め、監査委員会による監査体制の強化、子会社・関連会社を含めた管理規程の整備を進め企業集団における業務の適正を確保するための体制を構築するなど、さらなる整備強化を進めております。
Ⅲ.上記の取組みが上記Ⅰの基本方針に沿うものであり、株主共同利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことおよびその理由
上記の取組みは、当社の財産を最大限に活用し、収益の維持・向上に必要な内部留保の確保と株主のみなさまへの利益還元の適正な配分を図り、また、適切なコーポレート・ガバナンス体制の維持・強化を図るものであり、当社の企業価値および株主共同の利益の向上に資するものであります。したがいまして、上記の取組みは、基本方針に沿うものであり、株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,162百万円であります。当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
グループ研究開発機能を強化しつつ、外部企業・研究機関との連携も進めることで、新たな医療・ヘルスケア関連技術および画期的な検査技術に関する研究開発を鋭意進めてまいります。
(5)主要な設備の状況
当第1四半期連結累計期間における主要な設備の状況に重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結累計期間における当社グループの資金調達方針については、重要な変更はありません。
なお、当第1四半期連結会計期間末における総額50,000百万円のコミットメントラインの借入実行残高はありません。